ようこそ百合至上主義のハーレムへ   作:ド級のスランプ、ドスランプス

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原作1巻買ってみたんですけど、初期綾小路君あんなラノベ主人公テンションだったんですね


連帯保証人には絶対なるな

「おはよ……うわ」

 

 翌日。思わずそんな声が出てしまったのはクラスの男子の半分以上がアザを作っていたりガーゼを貼っていたりしたから。ドラゴンボーイやりすぎじゃない? 

 

「やっほ。王になれた?」

 

「あ? ああ……お前か。いや、まだだ」

 

 私の席は教室窓側一番後ろ。主人公席、という呼び方は今でも使われているのかな? そして隣の席はドラゴンボーイ。二人組を作るのが嫌になる配置である。どうしよ『英語で自己紹介しあいましょう!』とか授業で言われたら。

 

「あら残念。頑張ってね。私も来月多くポイント貰いたいし」

 

「……お前、どこまで気づいた?」

 

「うーん……多分来月は10万も貰えない事と、下手したらプライベートもその基準に含まれるかもってぐらい? すぐそこにも監視カメラあるし」

 

「いいなお前。俺が王になったら右腕にしてやろうか?」

 

「王になってから言いなよ。勝てそ?」

 

「勝てるかじゃねぇ。勝つんだよ」

 

 多分後はアルベルト君だよね? 二週間ぐらいかかるんだっけ? なんか挑み続けて根負けで勝ったみたいな設定があった気がする。

 

「その間なんかやっとこうか? 女の子口説く合間で出来ること限定ね」

 

「ハハっ、なら────」

 

 うーん……まあそのぐらいなら? どうせ他のクラスには行こうと思ってたし、他学年が増えても大した差は無いだろう。

 

 

 

『来月が楽しみだなぁ。今年の一年はどんぐらいポイント残せるかねぇ』

 

『まあAクラスが一番多く残すだろ? 優秀な奴らが集められてるんだからさ』

 

『賭けるか? Dクラスが残すポイントとか』

 

『それより俺はAが気になるな。俺達の学年は追い落とされたけどよ』

 

『そういやいきなりゲーム機買ってる奴とか居たぜ? ありゃ絶対Dだな』

 

『マジ? 毎月10万貰えるとしてもいきなりそんなもん買うかね』

 

『下手したらいきなり借金生活か? 売春でもしてくれないかねぇ』

 

『今年のDに美人とかいねぇの?』

 

「──って感じ。どう? ドラゴ……じゃない、龍園君」

 

「使えるなお前。だがどうやってこんな喋らせた?」

 

「え、男子トイレにボイスレコーダー持って籠ってただけだけど……」

 

 こいつマジかって顔されてる。逆ならともかくこの場合はセーフでしょ。最悪無理矢理連れ込まれたって叫ぶし。ようこそ冤罪至上主義の学校へ。

 

「とりあえず虎居さんが言ってた通り節約はした方がいいでしょうね」

 

「それとポイントを減らさない努力もかな? 暴力団的にはどう思う?」

 

「誰が暴力団だ……おい椎名。お前も笑いをこらえるな」

 

「思いっ切り笑っていいって」

 

「そうじゃねぇよ」

 

 自称王様。右腕候補、参謀候補で集まっての放課後。というか椎名さん肝太くない? 普通は伊吹さんみたいにドラゴンボーイに近寄りたくないってなると思うの。いや、私が普通に話してるのを見たせいか? 

 

「……まあいい。褒美だ。とっとけ」

 

「わーい。椎名さん、送っていい?」

 

「え? でも私は別に何もしてないですし……」

 

「代わりにお願いがあって。本屋行くときに私の分も買ってきて欲しいなって。リスト渡すから」

 

「荷物持ちでも貸すか?」

 

「悪い虫が付きそうだから嫌……あ、やっぱ要るかも。椎名さん10万ポイント分本買うかもしれないし」

 

「私のことなんだと思ってます?」

 

「クク。石崎達にでも伝えておく。好きに使え」

 

「理解のあるリーダーで助かるよ」

 

「そんなにたくさん買いませんからね?」

 

 石崎君達に後で聞いてみたら、『本って数あるとあんなに重くなるんすね……』とのことだった。三人連れてかせて正解だったね。

 

 

 

 

 

 とりあえず月末の小テストまでは何も無し……と言いたいところなのだけど、一つ時期不明の原作イベントをこなしたい。そのために……

 

「あ、坂柳さん、お疲れ~」

 

「お疲れ様です。すみません、荷物持ちなんてさせてしまって」

 

「いや~美少女の近くに寄る代償だからしょうがないよ」

 

「ふふっ。この顔に産まれて得したようですね」

 

 邪悪ロリに付きまとっている。何がしたいかって? 神室さんの万引きの盗撮である。時期も場所も分からないけど、坂柳さんが現場を押さえるのは知っている。ならば私は坂柳さんを押さえればいいのである。原作知識サイコー! 

 

「今日はどこ行く? 電気屋でボイスレコーダー確保? ペン型の小型カメラ探す? 園芸室行って爆薬作る? ジップガンの材料探す?」

 

「私のことテロリストだと思ってますか?」

 

「別にその杖が仕込み杖だったらカッケェだろうな~とか思ってないよ?」

 

「おや、よく分かりましたね。実は鞭としても使えるんですよ」

 

「鞭似合いそうだもんねぇ」

 

「冗談ですよ? なんですかその印象」

 

 だってドSじゃん。一人だけA超えてSクラスじゃん。胸はAクラスだけど。

 

「……あ、ねぇねぇ坂柳さん、アレ同じクラスの人じゃなかった?」

 

「? ……ああ、確かに。神室真澄さんですね」

 

「お酒飲む人なんだねぇ」

 

「分かってるくせに……虎居さんもいい性格してますね」

 

 私より先にカメラを起動させた人には言われたくない。まだ物珍しくてお酒を見てるだけの生徒かもしれないのに。高一なら普通に興味あってもおかしくないでしょ。

 

「盗ったね」

 

「撮りましたよ」

 

 可哀想に。これで学校生活は坂柳さんのパシリ確定か。まあ誰が悪いかと言えば万引きなんかする方が悪いんだけど。

 

「アンタ……坂柳、と……」

 

「初めまして。Gクラスの万引きGメンです」

 

「ふざけないと会話が出来ないんですか? Cクラスの虎居さんです。私のお友達ですよ」

 

「はぁ……よりによってな相手に見られたってわけね。それで? 学園長の娘として私を裁こうってこと?」

 

「いえ。ただ個人的に友好を深めたいだけですよ。私もまだクラスであまり仲のいい相手は居ませんし」

 

「とりあえず今撮った動画の鑑賞会でも3人でする? 私の部屋来ていいよ。ビールは無いけど」

 

「もう2本盗ってきて貰います?」

 

「……性格最悪ね、貴女達」

 

 念願の神室真澄を手に入れたぞ! 

 

 

 

「──ということで神室さんには私のお友達になって頂きたく。この通り、日常生活も不便な身ですので」

 

「そう。分かったわ。……それで、虎居さん、だっけ?」

 

「合ってるよ~」

 

「……いつまで私の胸を揉むつもり?」

 

「満足するまで!」

 

 坂柳さんと神室さんはなんか頭のいい人同士で通じ合う奴をしていた。まあ多分原作通り付き人にされたのだろう。今後金髪チャラ男蝙蝠君とかも仲間になるんだろうな。

 

 まあ邪悪ロリがそんな交渉を動画の対価としてしているのに対して、私はあの動画を対価に神室さんに身体の関係を求めたのだ。きゃっ☆

 

「……貴女、まさかそっち系?」

 

「え、うん。いわゆるガチレズ。伝わる?」

 

 まあTSだから主観的にはノーマルなのだけど。タグ付けが面倒になるやつだね! 

 

「……坂柳、まさかアンタも──」

 

「虎居さん。貴女のせいで私まで酷い誤解を受けているのですが」

 

「私は大歓迎だよ! ロリ体型でも年齢的には合法だし──痛い!?」

 

「身長以外はそこまで変わらないですよね?」

 

「無と貧はだいぶ……なんでもないから杖下ろして!」

 

「……というか、高校生はまだ合法じゃなくない?」

 

「学生同士だからセーフ!」

 

 こうして私は入学一か月目にして、自由にできるおっぱいを手に入れたのだった。ただし──

 

「……私も触ってみてもいいですか?」

 

「む、じゃあ交代制ね!」

 

「私の意思……もう好きにして」

 

 共有財産ではあるが。順番決めはチェスとかでいいかな? 百合界のメアリー・スーが伊達じゃないところを見せてやりましょう。綾小路君が全力出したら勝てるか分かんないけど。あと高円寺君も。

 

 

 

 

 

 有言実行、と言っていいのか。ドラゴンボーイは本当に二週間でクラスの王になった。アルベルト君曰く『喧嘩なら何度やっても負ける気はしないが、これ以上追い込んで刃物とか持ち出されても困る』とのこと。まあそもそもアルベルト君がクラスのリーダーとか興味無いってのもあるんだろうけど。

 

「聞けお前ら。これからは俺の命令には従ってもらう。まずは──」

 

 龍園君も王になれて教壇で嬉しそうにニヤニヤしている。これが女の子だったら『普段は傲慢なのにベッドの上では泣かされるだけ』シチュで楽しめるのに。誤解の無いように言っておくと私はリバです。

 

「生活態度を改めてもらう」

 

 多分クラス全員の内心が、お前が言うなで一致したと思う。

 

「まあ聞け。……おい虎居。あの音声を」

 

「いや前に行く前に借りてってよりゅーたん。私の席一番遠いんだからさ……」

 

「クク、そう言うな……待て、今俺のことを何て呼んだ?」

 

「ちょっと音質悪いけどみんなよく聞いてね~」

 

 流すのは例の先輩達の雑談の録音。

 

「そういうわけだ。少なくとも来月10万ptは入ってこねぇ。恐らく何かしらの評価で下げられるだろう」

 

「それと先生達は授業中何してても注意してこなかったでしょ? 多分あれ、後で低評価を見せつけて嘲笑ってやろ~ってことだよ」

 

「そういうわけだ。お前らも金をわざわざ減らしたくはないだろう?」

 

「希望する就職先や進学先の保証、も有料かもしれないしね」

 

 ここまで言えばまあ大体は納得して授業態度やら何やらを改めてくれるだろう。これでもダメなら龍園君にヤキを入れてもらうしかない。流石にそのレベルで頭Dクラスな女の子はハーレムにも要らないし。

 

「ご苦労、虎居。精々これからも働いてくれ」

 

「はいはい王様。ついでにお小遣いちょーだい? 絶対に増やして返すから」

 

「……ギャンブルでもする気か?」

 

「まさか。お金を増やす一番簡単な方法は、とりっぱぐれない相手にお金を貸すことだよ」

 

 

 

「うわ! ゲーム買うのに金足りねぇじゃん! 山内、ちょっと金貸してくれよ!」

 

「無理だって! くそー俺もあのゲームやりたかったのによぉ」

 

 ゲームショップの前で男子生徒が騒いでいる。原作で三馬鹿で括られてたうちの2人だ。にしても無料コーナーとかもあるのに一か月で10万使い切るって……毎食スペシャル定食でも食べてるのかな? 

 

「そこのお二人さん、お困り?」

 

「うわ、びっくりした! えーと……ゴメン、誰だっけ」

 

「Cクラスの虎居だよ~。初めましてだね。それより、お金無いの?」

 

「そうなんだよ! まあもうすぐまた10万入るんだけど、今すぐ欲しくって」

 

「貸したげよっか?」

 

「いいの!?」

 

「ちゃんと書面に残してくれればね~」

 

 契約書の類が有効なのはドラゴンボーイに確認済み。喧嘩に明け暮れてたついでに慰謝料を払う代わりに問題にしない、とかの有効性を確かめてたらしい。シゴデキってやつだね。

 

「じゃ、ちゃちゃっと作っちゃおっか」

 

 詐欺の基本は相手に考える隙を与えない事である。

 

「えーと……二人の名前は?」

 

「俺は池寛治」

 

「山内春樹。助かるわー虎居ちゃん。Cクラスはこんな可愛い子いるんだな」

 

 きっしょ。胸に向かって話しかけんな。私のサイズでこれって長谷部さんとか佐倉さんとの時どうなってるんだよ。勃起しながら話してんのか? 

 

「おっけー池君に山内君ね。じゃあ一万ずつ貸すから……一万五千にして返してもらおうかな。代わりに夏休みまでに返してくれればいいよ」

 

「えー、多く返すのかよ」

 

「まあ、今から三か月あるしさ。……嫌なら我慢して来月のポイントで買う?」

 

「んー……まあ30万も入るんだもんな。でも忘れないようにしなきゃな」

 

「あはは、じゃあ返せなかったら自主退学って契約にしとこっか? これなら忘れないでしょ?」

 

「虎居ちゃん冗談上手いね~」

 

「ま、確かにギリギリになったとしても退学するぐらいなら返す! ってなるもんな」

 

 30万をギリギリまで使う計算なんかいコイツら……いや、よそう。馬鹿の思考回路なんて考えるだけ無駄だ。

 

「じゃあ夏休みまでに一万五千ptの返済、不可能な場合は自主退学っと。じゃあポイント送るよ~」

 

「あざっす!」

 

「ラッキー!」

 

「契約書はコピーとっとくね。クラスに持ってく……より先生に渡した方が良いよね? 周りに借金なんてバレたくないだろうし」

 

「いやー何から何まで悪いね!」

 

「これからもよろしくね虎居ちゃん!」

 

 馬鹿かこいつら。改竄してからコピーされたらどうするつもりなのだろう。……まあ、今回は契約書がカメラに映ってる可能性があるから出来ないけど。そこまで高画質なのかは疑問だけど、わざわざ危ない橋を渡ることもない。

 

 その後も別の金遣いの荒い男子やら、鞄や化粧品を買う金が無い女子やらをターゲットにして10人と契約を交わすことに成功した。ちなみに全員Dクラス。金遣いの荒さも評価基準に入ってるのか? 

 

 そして小テストをこなした翌日。

 

 色々と学園について明かされる五月一日がやってきた。

 

 




よう実二次創作名物:とりあえず神室さんを脅す
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