ようこそ百合至上主義のハーレムへ 作:ド級のスランプ、ドスランプス
「では、朝のホームルームを始めます」
「勿体ぶるなよ坂上。デカい説明があるだろう?」
「敬語を使うように。……ですが、確かに先にこちらを見てもらった方が早いですね」
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Aクラス:940cpt
Bクラス:650cpt
Cクラス:600cpt
Dクラス: 0cpt
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それからの説明は……まあ知っていることだけ。評価順にクラスが決められていることとか、振り込まれるポイントがこのクラスポイントによって変わる事とか、ポイントが上がればクラスも上がる事とか、Aクラスだけしか進路の特権を得られない事とか。もうちょい早く統制が取れてればいきなりBクラスに成れてたかな?
「それから、こちらを」
次に見せられたのは……小テストの成績。わかってはいたけど、ウチのクラス学力低いな……それに比べて椎名さんは立派やね。運動はできひんけど、自分の強みが学力やとはっきりわかっとる。
「これは以前行った小テストの結果になります。赤点は平均点を半分にしたものとなり……今回は赤点はいませんでしたが、今後赤点を取ったものは退学となります。しっかりと勉強してくださいね」
先生の有り難いお言葉はそれで終わり、代わって我らが王、りゅーたんが教壇へと上がる。
「さて、今更俺に従うことに異論がある奴は居ないだろうが……安心しろ。俺に従うならお前らをAクラスに引き上げてやる」
システムを見破ってたってインパクトはやっぱりデカいね。りゅーたんへの視線は暴力的なやべーやつから早くから制度を見抜いていた聡い暴君へと早変わり……あんま変わってないか? ともかくそりゃDクラス配属系……というかオリ主はみんなやるよ。私もやったようなもんだし。
「これから名前を呼ぶ奴は放課後俺の部屋に来い。今後の方針を説明する」
そんな言葉も遮る者はもはや誰も──
「ごめんなさい! 虎居さんは居ますか?」
居た。びっくり。りゅーたんもイラっとしてるよ多分。
「……虎居。客人だ」
「はーい……ってあれ? 櫛田さん? どうしたの?」
美人なら大歓迎。腹黒なのは知ってるけど、取り繕ってる間は天使だし。りゅーたんの機嫌を損ねてでも喋る価値があるね美少女は。
「あのね、今Dクラスでもポイントの説明があったんだけど……」
「あ、借金の話?」
「そうなの。こっちのクラス、知っての通りポイントが入らなくて。借金を返せそうに無い人も多くて……お願い! クラスメイトを退学にさせたくないの!」
退学のことまで知ってるのか。知ってるのは担任ぐらい……ああ、いや、契約書自体を見せた可能性もあるのか。なんだかんだでコピーは押し付けたし。
「クク。この歳になって金銭管理も出来ない奴なんか退学になっちまった方がこれから楽なんじゃねぇか?」
「そんなこと……!」
これは私もりゅーたんの言う通りだと思う。まあ好意的に解釈すれば実家暮らしの気分が抜けてないのかな? でも小学生の方がまだ上手にお小遣いのやり繰りしてると思うよ。
「うーん……私も別に退学にさせたいわけじゃないんだけど、流石に借金をチャラにするのはねぇ……」
「じゃあ……そうだ、ペナルティを変えてもらえないかな? それならどう?」
「……いいよって言ってあげたいんだけどね。学校に提出した契約書の内容を変えるの、ポイントが要るらしくてさ。流石に私もそこまでお人好しにはなれないかな」
ちなみにこれはちょっとだけ嘘。正確には両者の合意があれば、生徒同士の契約に限っては無償で変えられる。学校と交わした契約の変更は手数料がかかるらしい。これはちゃんと坂上先生に確認済み。りゅーたんニヤニヤしないの。見世物だと思ってない?
「でもまあ、私が貸したのは合計15万ポイント。そんなに使わない人もいるだろうし、クラス全員で集めたら足りるんじゃない? ……借金を踏み倒すより、私としてはそっちを先に考えて欲しかったかな」
「あ、それは平田君……えっと、ウチの男子が今話してくれてるの」
「じゃあそっちの結果が出たら教えてよ。……今日中に意見まとまるといいね」
まあ無理だろうけど。初期Dクラスとか仲悪いし。退学させちまえ派と助けるべき派で分裂する未来が見える見える。
「……お前、ここまで分かって俺からポイント借りたのか?」
「うん? まぁ……クラスで0ポイントは予想外だったかな。Dクラスの中でカーストを作ってやろうと思っただけなんだけど……とりっぱぐれたらゴメンね?」
「クク、構わねぇよ。それはそれで退学者が出た時にどうなるかが分かる」
りゅーたんってなんだかんだ堅実だよね。ルールの抜け穴は付くけど、そのためにしっかりルールは把握する。反社とか向いてそう。活動家とかも。
「でも退学させるのは男子だけにしてね? 女の子は私の物にするから」
「構わねぇが……そういう事は大っぴらに言うもんじゃねぇだろ」
「あ」
クラスの視線が痛い。絶対りゅーたんの同類だと思われてる。なんなら一部の男子はカッケェ……って目になってる。黒幕とかじゃないよ私。
とりあえず椎名さんに手を振ってみた。ひらひらと笑顔で振り返してくれた。可愛い。やっぱ原作でもりゅーたんに吞み込まれなかっただけのことはあるね。
というわけで放課後。
「それで、何の用? 私達も暇じゃないんだけど」
「今後の方針だ。嫌なら帰ってもいい。ただし、それなりの扱いにはさせてもらうがな」
りゅーたんの部屋に集められたのは伊吹さんに椎名さん、あと金田君と私。要は不良グループであるCクラスには珍しい頭脳もいける組だ。
「今後の方針……龍園さんのことですし、どこかのクラスに喧嘩でも売るんですか?」
「その前段階だな。要は、どこまでが問題にされるかを突き止める」
「というと?」
「Dはこの虎が滅茶苦茶にしたからな。狙いはBだ。なんでもいい。イチャモンを付けまくって諍いを起こす。ただし、暴力は抜きでな」
「口論でポイントは減るのか、その場合はどちらが悪く扱われるのか、クラスポイントまで波及するのか、その辺りを確かめると?」
「合格だ。金田、お前も使えるな」
女子担当は伊吹さん。真鍋さん達を使って喧嘩を吹っ掛けるらしい。女子トイレで化粧して「ごめーん今使ってるんだよね~」とかやるのかな? 伊吹さんには似合わなそうだけど真鍋さんとかには似合いそうな役割。
男子担当はりゅーたんらしい。でも実働部隊はモブ男子達だろう。何見てんだあぁん!? ってやってるのが容易に想像つくね。
「さて、それで金田に椎名。お前達は学力担当だ。今回のテストでギリギリだった連中の面倒を見てやれ」
「分かりました……けど、龍園君」
「なんだ? 報酬か? 結果を出せたら──」
「いえ。やるなら龍園君にも王に相応しい成績を取ってもらおうかと。あまり自慢できる成績でもなかったようですし」
「俺は兵隊共の指揮を──」
「龍園君?」
「ク、クク。それで虎居。お前は──」
逃げた。でも多分無理だよ。集まる前椎名さん『悪の参謀って感じでちょっとウキウキしますね』って笑ってたもん。悪のカリスマに育て上げられるまで解放してもらえないよ。
「Dクラス担当?」
「ああ。お前は思うままに動け。……ただ、金田達でもどうしようもないような奴が居たら勉強を見る方に回れ。ウチとBの差は成績だろうからな」
「いや、りゅーた……王様が最初に喧嘩したからでしょ」
「学力という弱みはなるべく早く克服しておきたい」
聞かなかったことにしたな?
「まあいいけど……あんま期待しないでよ? 人に物教えたことなんて無いし」
「全教科満点取っておいて何言ってやがる」
こうして嫌がらせと勉強会の開催が決まって、会議は終わった。独裁政権は話が早くて助かるね。
「──って感じなんだけど、Aクラスはどう?」
「……胸から手を放して喋りなさい」
「こちらはリーダーを誰がやるか決めている所ですね」
ところ変わって私の部屋。邪ロリと万引きガールと一緒に過ごしている。
「坂柳さんとやり合える相手? ……ああいや分かった。身体能力の差だ」
「ええまぁ。……葛城君がやり合える相手なら楽しめたのですが。どうです虎居さん。私とチェスでも」
「坂柳さんが勝つまで終わらないから嫌~。真澄ちゃん相手してあげなよ」
「私が勝てると思う?」
「ハンデ付きなら?」
「それだけ虎居さんほどの方は珍しいのですよ。だから、是非とも遊び相手になって欲しいんです」
こっちとしては神様転生してるのにやり合ってくるロリの方が怖いです。天然物の天才ってみんなこうなの? そういう意味では原作主人公よりよっぽど偽りの天才だな私。
「まあ私の得意種目なら相手してあげるから。早くルール覚えてね」
「……虎居さん、どうして邪神ドレッド・ルートとブラック・ガーデンがあると攻撃力が八分の一になるのですか?」
「……友情パワー?」
「最近の坂柳、教室でもカードと睨めっこしてるのよ」
「バラしましたね神室さん。お仕置きに私もそっちに参加します」
「真澄ちゃんの弱点は首筋だよ」
「ちょっと──ひゃうっ!?」
邪ロリはAクラスを未だ掌握していない。何故ならクラス間闘争に興味が無く暇潰しに勢力争いをしているから──ではなく、コンマイ語の習得中だからである。橋本君とか着く相手間違えたか……? って思ってそう。
「……納得いきません。どうして神室さんの方が私より先に虎居さんと遊んでいるんですか」
「とりあえずやりながら覚えよう! ってしないからじゃない?」
「別に私も対象がどうだのタイミングを逃すだの分かってないし」
ルールは一見複雑だが複雑だぜ!
「じゃあ真澄ちゃん一戦しようか。私が勝ったら生で揉むからね!」
「負けたらどうする気なの?」
「私の胸を生で揉んでいいよ!」
「……私に得が無くない?」
「優里、こっちもCクラス?」
「…………B」
きょ、巨大戦艦にPUNKが負けるなんて……!
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