ようこそ百合至上主義のハーレムへ   作:ド級のスランプ、ドスランプス

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誕生日が2人……来るぞ虎居!

「それじゃあ我等の王様に──」

 

「「乾杯!!」」

 

「わざわざ呼び出すから何かと思えば……試験は大丈夫なんだろうな?」

 

「そっちこそ勉強休めてほんとは嬉しいんじゃないの? ひよりん、意外と厳しいでしょ」

 

「クク、お前らが祝いたいって言うなら、付き合ってやるのも王の務めだろう?」

 

 ほんとに嫌だったら来ないくせに。多分なんだかんだで慕われてることは喜んでる。まあ流石にクラス全員集合ってわけにはいかなかったけど。

 

「ザッキーに感謝してよ? 発案者あの子だから」

 

「まあ、使えるヤツはきちんと労ってやるさ」

 

 誕生日会の開催は使えるヤツに含まれるのだろうか。でもムードメーカーは実際大事だと思うよ。あとケーキ食べながら喋っても威厳が無いよ流石に。

 

「美味しい?」

 

「悪くねぇ」

 

 わざわざ洋酒を使ったケーキを作ってもらったのだ。ケヤキモールは基本学生向けだからそういうの売ってないんだよね。そのための、特注予約。……コンビニにビールはあるくせにね。まあ売れるか分からない生物を常備しておくのは難しいんでしょう、多分。

 

「──ほら、龍園」

 

 シャンパン……ではなくシャンメリー。いつかアルコール飲料もどうにか手に入らないものか。今のところ万引きかBクラスの担任からかっぱらうかしか思いつかないけど。

 

 ともかく珍しいことに澪がりゅーたんにお酌に行ってる。一瞬驚いた顔してたけどりゅーたんも満更でもなさそう。おお……! 脳が! 脳が! 新しい扉開いちゃう! 

 

 まあすぐに戻ってきてくれたから脳は無事で済んだんだけど、澪なりの誕生日プレゼントってことらしい。まありゅーたんが喜びそうなプレゼントって思いつかないしね。龍が剣に巻き付いてるキーホルダーとか? 

 

「──お前ら」

 

 割と好き勝手過ごしてた皆があっという間に静かになって耳を傾ける。やっぱカリスマなのかなぁ。きっちり結果出してるしね。Bクラスとは差が僅かだし、Aクラスは契約でお小遣い生成装置になってもらってるし。Dクラスが酷すぎるだけでもあるけど。……そういえば部活の結果次第でポイントがもらえるみたいな設定ってどうなんだろ。少なくとも私の知る範囲では増減無かったけど……二年生編以降とかで関わってくるのかな? 

 

「これからも、俺に従え。そうすれば卒業する時には全員揃ってAクラスだ。しっかり勝ち馬に乗れよ?」

 

「「はい!」」

 

 頼もしいね。私はAクラス特権とか興味無いけど皆はそうじゃないみたいだし、りゅーたんは良いボスなんだろうな。私? 可愛い女の子捕まえられれば何でもいいよ。そういう意味では自由の利くこのクラスは気に入ってる。変な派閥争いとか無いし、お小遣いも多いし。対抗馬はBクラス? でも一之瀬さんは他のクラスでもイチャイチャ出来るからな。

 

「クク……中々いい眺めだぜ……」

 

 蛭谷さん!? 

 

 ま、慕ってくれる部下が祝ってくれる光景、実際良い眺めではあると思うけどね。

 

 終始ご機嫌なりゅーたんが見れたから、まあ大成功だったと言っていいんじゃないでしょうか。

 

 

 

 

 

「ザッキー部屋貸してくれてありがとね」

 

「いえいえ。綾小路は俺のダチでもありますし」

 

 夜。今度はりゅーたんの時に比べたら少人数。私とザッキーと澪とひよりんと佐倉さん……結構いるな? ちょっと狭いもん。現状ザッキーがハーレムになってるね。りゅーたん……はともかくとしてアルベルト君にも声かけといたらよかったかな? 刺されないよう気を付けなよ? ……なんか『貴女がそれを言いますか?』って邪ロリの幻聴が聞こえる。

 

「そんじゃあ部屋番号送って……と。エレベーター乗るだけだしすぐ来るかな?」

 

「ちなみに何て言って呼び出したんすか? 普通にお祝いしたいって?」

 

「ん? いや、今後の学校生活に関わる重大な話があるから来てくれって」

 

「脅迫文じゃない? それ……」

 

「少なくとも私だったら成績か素行の話でもされるのかと思いますね」

 

「私もそう思うよ虎居ちゃん……」

 

「おおう四面楚歌」

 

 そんな事を言っている間にインターホンの音が響いた。

 

「よし、行けザッキー!」

 

「了解です姐さん」

 

「夜にすまないな石崎、虎居は──」「まあとりあえずこっち来いって」

 

 玄関からそんな感じの声が聞こえてきて……よし。

 

「「綾小路君、誕生日おめでとー!」」

 

 珍しく呆けた顔をしている綾小路君の顔が見れた。普段無表情だからレアだね。写真撮──あ、間に合わなかった。

 

 

 

「まさかりゅーたんと誕生日同じとはねぇ」

 

「まあ160人……学校全体ならその3倍もいれば誕生日が被る人が居るのは不思議ではありませんが……」

 

「龍園さんと同じ……羨ましい」

 

「羨むとこなの?」

 

 りゅーたんの方はパーティって感じだったけど、こっちは友達で集まって駄弁ってるだけって感じ。どっちが上とかは別に無いけど、綾小路君はこっちの祝い方の方がいいと思う。というかりゅーたんが集めすぎだし集まりすぎ。でも一之瀬さんの誕生日とかクラス全員集まりそうだな……

 

「とりあえず早速だけど……」

 

「どうぞ綾小路君、誕生日プレゼントです。是非感想聞かせてくださいね?」

 

 早いよひよりん。さては布教のチャンスを常に狙ってたな? オススメの本って言ってたからミステリーとかかな。意外と漫画だったりして。

 

「……じゃあ次は私から。あんま期待しないでよ?」

 

 澪が用意してたのは確か栞とブックカバー。ひよりんと一緒に選んでた。私も欲しいって駄々こねたら栞は私にも買ってくれた。ゴネ得ゴネ得。

 

 佐倉さんのは……なんだろ。実用的な物にしようとはみんなで話し合った時になんとなく決まったけど一人で行ってたみたいだから中身知らない。後で綾小路君に聞いてみるか……いや、野暮かな。

 

「そんじゃあ私の……紙袋ごとでいい? 他の人のも入れられるし」

 

「デカいな……何が入ってるんだ?」

 

「あ、ここで聞いちゃう? お高いバスタオルだよん。半年ぐらい経ったしそろそろ買い替えの時期でしょ」

 

 ほんとはプレミアムテンガとかにしようかと思ったけど、綾小路君割と素で使い方……というか何のための物か分かんなそうだから辞めといた。ホワイトルームって性教育してるのかな。男女纏めて教育してたっぽいしして無さそうだな……あそこ生理とかどうしてたの……? 

 

「そんでザッキーが……」

 

「ほれ綾小路! ケーキだ!」

 

 ケーキ、飲み物、みんなでつまめるお菓子。ザッキーの担当はそんな感じ。男が喜ぶものは男が一番わかるかなって。私の味覚は身体に引っ張られているのです。

 

 そんでまあ、りゅーたんの時とは違って気の抜けたダラダラとしたお喋り会って感じになったのだけど。

 

「そういえばDクラスはペーパーシャッフルどんな感じなの?」

 

「とりあえず平田と櫛田が中心になって勉強を進めてる感じだな。俺達は……まあ、虎居の知っての通りだ」

 

「櫛田さんスパイ疑惑あっても中心なんだねぇ……凄いなぁ……」

 

「まあスパイ候補自体多かったからな。あまり深刻に受け止められてないともいえる」

 

「ふんふん。まあ今のDクラス、プライベートポイント渡したら割と誰でも色々教えてくれそうだもんねぇ」

 

 何せみんなが8-10万程度貰えてる中で一クラスだけ1万である。まあ高校生のお小遣いとしては十分だと思うけど、食費とかも払うってなるとね。

 

「実際そうだろう? 軽井沢にポイント渡してるのは虎居じゃないのか?」

 

「げ、よく分かるね」

 

「ウチのクラスの収入じゃアクセサリーだのなんだのまで手が回る訳が無いからな」

 

「虎居、あんた……」

 

「待って澪、そんなキャバ嬢に貢いでるおじさんを見るような目で見ないで」

 

「まあ姐さん1人だけ明らかに金持ちですしね」

 

「わ、分かんないじゃん。退学者見捨てる前提ならクラスみんな50万ずつ持てるわけだし……」

 

「そんなクラス無いと思いますよ? 救えるのに救わなかった、というのは求心力を一瞬で失うでしょうし」

 

「私達のクラスですら足りないの承知で全額貯めといたもんね……」

 

 1人だけ400万持っててすみません……徴収されてない分も含めればもっと沢山。Dクラスが退学者出る時また私にお金貸してって来そうで嫌だね。全部使っちゃったことにしようかな。

 

「というかペーパーシャッフルの結果次第じゃDクラスまた0ポイント生活じゃない? 大丈夫?」

 

「その為にも勝ちたいんだが……よりによって相手がBクラスだからな……」

 

「私達より学力上だもんね」

 

「その上付け入る隙が無い。Cクラスも近いものがあるが、求心力の高いリーダーによる正攻法が1番崩しにくいな」

 

「仲良しグループ故の強さですね。例えば私達のクラスでしたら、龍園君が失敗していれば簡単に裏切る者も出ていたでしょうし」

 

「まあ姐さんが付いてれば百人力ですけどね!」

 

「おうおうザッキーは可愛いのう。ペア頑張ろうねぇ……そういえば綾小路君のペアって誰?」

 

「佐藤。知ってるか?」

 

「あー……名前だけ」

 

 ミーハーな子だよね確か。綾小路君体育祭で活躍してたし、原作通り惚れてるのかな? ライバルが恵ちゃんから佐倉さんに変わってるけど、どうなるのかな恋愛模様。……ちょっとお節介するか。

 

「んー……明日に響いたらいけないしそろそろお開きにする?」

 

「そうっすね。生活態度でクラスポイント減らしたら龍園さんにヤキ入れられますし」

 

 あ、それはそういう認識なんだ。私の見てないとこでやってたりするのかな? でも真鍋さんの裏切りとかもないもんね。

 

「佐倉さん、佐倉さん」

 

「なんでしょう?」

 

「ちょっとこっち来て……ほんで向こう向いて……綾小路君、ちょっとそこ立って。おっけ。──えい」

 

 とん、と背中を押す。運動神経が良いわけではない佐倉さんは当然バランスを崩し……綾小路君に抱き留められる。

 

「虎居ちゃんプレゼンツ、現役グラドルをハグする権利! 最後の誕生日プレゼントとしてお主に授けよう……」

 

「あわ、あわわわわ」

 

 顔真っ赤だな(笑)いや、煽りではなく、本当に真っ赤。

 

「綾小路君、感想をどうぞ」

 

「感想……柔らかいな。やはり男の肉体とは性差がある。それに……暖かい」

 

「うーん……どう思う? この感想」

 

「もう少しロマンチックな言葉が聞いてみたかったですね」

 

「赤点スレスレ」

 

「綾小路……羨ましいぜ! 正直変わって欲しい!」

 

「ザッキー……ペーパーシャッフル頑張ったらハグしてあげようか……? 私は佐倉さんほど胸ないけど。……どういう顔?」

 

「喜んでお願いしたいけど周りに殺される未来が見えたから断らざるを得なくて苦しい顔ッス」

 

「虎居さん、それは私も適用されますか?」

 

「え、ひよりんなら別に何時でもいいけど……澪もいつでも来てくれていいよ!」

 

「気が向いたらね」

 

 こんな会話をしてる間にも綾小路君が佐倉さんを抱き留め続けてるの、『答え』じゃないっすかね。メインヒロイン確定か……? 写真撮っちゃお。

 

 

 

 後日写真を佐倉さんに送ったら丁寧にお礼を言われた。綾小路君にも送ってみたら『こういう写真を端末の背景として設定するのは気持ち悪いだろうか』って相談が来た。

 

 お前らもう付き合っちゃえよ!!! 

 




Dクラスは9人に50万振り込まれてないのを察して、平田君が全額退学回避のために貯めさせて貰った、でもそれはそれとして打ち上げはしよう!みたいな感じで干支試験のボーナスを上手いこと虎ちゃんに搾取されてるのを誤魔化しつつクラス貯金に回してると思う。

そうしないと虎ちゃんに殴り込みに行って裁判沙汰になりかねないし。(あの時点での)須藤とか…
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