ようこそ百合至上主義のハーレムへ   作:らっきー(16代目)

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バスの中で文字読ませるの結構酷くない?


ドナドナって今の子に通じる?

 年末年始もこの学校だと特に何も出来ない。敷地内に神社ぐらい招いちゃ……ダメだろうな、政教分離的に。一応政府の学校らしいし。その設定が活かされたことあるのかは知らない。

 

 けどまぁ、お蕎麦とかお餅が無料コーナーの仲間入りするぐらいの慈悲は学校側にもあったようで、有難く利用させてもらった。

 

 年越し蕎麦は茹でて買ってきた天麩羅乗せるだけだから私でも作れる。という事で帆波ちゃんに振る舞ってみました。大晦日はそのまま帆波ちゃんの所にお泊まり。一緒にお風呂入って改めて思ったけど、スタイル良すぎない? 現役グラドルとタメ張ってるよ。見すぎって怒られたけど自分に無いものが羨ましくなるのはしょうがないじゃんね。……ちょっとだけ触らせて貰えました。虎居は満足です。

 

 新年のお餅は人によって扱いの差が出て面白いね。お雑煮だったりお汁粉だったり普通に焼いたり。三が日でいつもの面々は回りきった。真澄ちゃん、ひよりん、千秋ちゃんって感じで各クラスに料理上手い人が居るのがありがたいね。それぞれ有栖ちゃんとか澪とか恵ちゃんと合わせてご相伴にあずかってました。私は餅だったものにしちゃう気がするから何もしてないよ。男飯しか作れない人間は大人しく皿洗いに回った方が上手くいくのです。

 

 ともあれ冬休みというのはやはり短いもので、気が付けば始業式の日になり──普通の授業に身体を慣らす間もなくバスに揺られている。林間学校ですって。冬にやるなよ……大して防寒性の高いジャージじゃないんだし……

 

「優里、大丈夫?」

 

「昔から車に弱くて……」

 

 隣の澪が多分露骨に死んだ顔をしてる私の事を心配してくれてる。車酔いには座席がどうとか遠くを見ろとか対策色々聞いたことあるけど何にも効いた試しが無い。酔い止めを飲め? バスの中で試験の説明するであろう学校なのに寝るわけにいかないよ……

 

「それでは皆さん。これからの特別試験のことをお話しますので、お静かにお願いします」

 

 ほら早速……坂上先生もお仕事してるだけだけどちょっとばかり恨めしい。前世から乗り物……というか車はダメなのよ……三半規管とかじゃなくもう精神的なものかも。長距離移動とドナドナ*1が結びついちゃってるしなぁ……

 

 とりあえず混合合宿のルール説明は──

 

 ・各学年男女別に6つのグループを作成する。これを小グループとする。少グループには最低2クラス以上が必要。

 

 ・小グループ作成後、1〜3年生の男女別の小グループ同士で6つのグループを作成する。これを大グループとする。

 

 ・特別試験の結果は、大グループの総合テスト結果の平均点とし順位に応じて生徒に報酬とペナルティが与えられる。

 

 大まかにこんな感じ。そんで大事なルールが『責任者』関連

 

 ・小グループでは責任者を1人決める。責任者のいるクラスの生徒は、試験結果の報酬が2倍となる。

 

 ・最下位となった大グループを構成する小グループで、学校が定めたボーダーを平均点が下回った小グループの責任者は退学となる。その際、責任者はグループ内で1名、連帯責任として指名した生徒1人を退学にできる。

 

 あと一応グループにいるクラスの数が多いほど倍率アップとか、道連れ退学は連帯責任として学校側に認められた生徒とか色々細かいルールもある……けどそろそろゲボ吐きそうだから限界。せめて資料をバスの中で渡さないで……

 

「虎居」

 

「なにりゅーたん……悪いけど方針なら澪かひよりんに……ぅ」

 

「お前……弱点あったんだな」

 

 何その意外そうな顔……人をなんだと思って……あー……目開けてらんない……気持ち悪……

 

 

 

 

 

「うう……外の空気が美味しいよぉ……」

 

「……帰り大丈夫なんですか? 優里さん」

 

「走って帰ろうかな……」

 

 ひよりんに背中さすさすしてもらってる。幸せ。車酔いで死にそう。不幸せ。交互浴で整っちゃう。

 

 バスから降りて早速もう男女は分けられるらしい。上まで移動もキツイんだけど。でもバス内で早速方針を決めてたらしいりゅーたんは流石だね。確か食事の時だけは男女で接触出来るんだっけ。

 

「りゅーたんなんて言ってた……?」

 

「『稼ぐのはこっちでやる。お前らは損害を抑えることを考えろ』だって」

 

「まあ、そうなるよねぇ……」

 

 だって上級生が絡む以上不確定要素が大きすぎるんだもん。堀北(兄の方)か南雲(チャラ男)と組めば勝てる男子と違って女子は展開が読めない。いや、私は橘先輩が居るところが最下位にされるの知ってるんだけど。

 

 だからりゅーたんの指示は妥当、なんだけど……もしかして体調悪そうにしてたから気遣ってくれてたりする? ヤンキーは身内に優しいって言うし。

 

 そんな事考えてるうちに早速学校側から10数人組作って〜と指示が飛んでくる。上級生は早速組み始めてるけど1年生はちょっとわたわた。考えること多いもんね……

 

「澪、ひよりん。帆波ちゃんと……恵ちゃん呼んできて欲しい。グループ分け終わらせちゃお」

 

「了解」

 

「分かりました」

 

「集合場所は有栖ちゃんのとこで。目立つから分かりやすいし」

 

 そんな訳で。

 

「最大効率は諦めよ? リスクを抑える方向で……具体的には各クラス均等に分けてく感じで」

 

「おや、いいのですか? 或いは今回の試験でCクラスもAクラスになれるかもしれないのに」

 

「まあ責任者とクラスメイトで固めて最高効率のグループ4つ作ってもいいけどさ。まとまる? それ」

 

「ウチの人間関係だと無理かな~」

 

「私のとこも……まあ、色々と」

 

「そんで有栖ちゃんもこの試験科目だとサポート必要だろうし……要は退学者無しを最優先にしようってこと」

 

「ええ、まあ……他はともかく駅伝は最悪ですよ本当に」

 

「そんな中で頼りになるか怪しい上級生でしょ? 最低限自分達でなんとか出来るようにグループ作ろうって」

 

「なるほど……まあクラスにはそのように伝えましょうか。で、本当は?」

 

 なんで分かるの? 私の話術ってそんなに下手? 

 

「下手に目立つとクラスごと潰されるから。特に有栖ちゃんはやりかねないし」

 

「ふふ。ごしゅ──コホン。優里さんには仕掛けませんけどね。やり返されそうですし」

 

「待って待って、何の話? そんな仕組みあった?」

 

「んーっとね……この試験のグループの条件って最低二クラスでしょ? 人数は違うけど、この場で例えば駅伝で有栖ちゃんが頼りにならないからって私と帆波と恵ちゃんでグループ作っちゃうと……」

 

「哀れ私はグループを作れず強制退学というわけです。まあ3クラスが纏まる必要はあるので簡単に出来ることではありませんが……」

 

「でも迂闊に12人で纏まったりしたら『じゃあそれ以外のメンバーでグループ決めちゃお』で終わりだよ。6グループは作らなきゃだからなんとか6人は拾ってもらえるかもしれないけど」

 

「そうしてクラスの14人が退学……ワクワクしますね!」

 

「あはは……私はしないかなー……」

 

「とりあえず優里を敵に回しちゃいけないってことは分かった。あと坂柳さんも」

 

 12+1+1+1で最大効率! とかアホらしいよね。この試験の正解は3クラスで6グループ作っちゃうことだよ。10人ずつでちょうど条件満たせるし。男女両方でやっちゃえば1クラス完全に潰せる。学年を南雲が支配してるらしい2年生はともかく、3年生はなんでこれしなかったんだろうね? 仲悪いのかな、3クラス。……あ、退学者が出てるから3クラスだけじゃ人数足んないのか。それでも何十人かは退学に追い込めそうだけど。

 

「まあそんなわけで紳士協定。さっさとグループ作ろ? ってことでまずはそれぞれのクラスで2、3人の小小グループ作ろっか」

 

 ということで一旦解散……の前に。

 

「有栖ちゃん、有栖ちゃん」

 

「どうしました?」

 

「ちょっと頼みごとがあって。同じグループになってくんない?」

 

「構いませんが……何かやりたいことでも?」

 

「……気に食わないチャラ男の企みを滅茶苦茶にしてやろうと思って」

 

 

 

 Aクラスから有栖ちゃんと真澄ちゃん、それから山村さんって子。Bクラスからは帆波ちゃんと網倉さんと姫野さん。Cは私とひよりんと澪。Dクラスからは恵ちゃんと長谷部さんと佐倉さん。なんだか凄いメンバーになっちゃったぞ。リーダー陣勢ぞろい。まあ男子も綾小路君と高円寺君とりゅーたんとかいう厨パ組んでるし今更か……でもウチは駅伝が鬼門過ぎるねこれ。他はまあ平気そうだけど。

 

 大グループの決め方は色々話し合いがあったけど、私達……というか私の狙いはただ一つ。

 

「よろしくお願いします。猪狩先輩。それとお久しぶりです。審議会以来ですね、橘先輩」

 

 よう実二次創作あるある。三分南雲クッキングの時間だよ~

 

 

*1
自衛隊の長距離移動のこと。乗り心地最悪の三トン半トラックの荷台に乗せられることから

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