ようこそ百合至上主義のハーレムへ   作:ド級のスランプ、ドスランプス

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ブラックルームの刺客、登場

 混合合宿の一日目はグループ分けでおしまい。とりあえずご飯食べて寝る場所決めて……ぐらいしかすることはない。まだ大グループで何かすることも無いね。初日から色々させられても困るけど、ここまで何もすることが無いのもそれはそれで困る。

 

 本番は二日目から。朝から早起きさせられて点呼してご飯作って……自衛隊かな? まあ自衛隊はご飯自動で出てくるけど。食堂のおばちゃんいつもありがとう。

 

「手伝ってくれるのはとても有難いのですが……なんか優里さん異常に手慣れてません?」

 

「まあ起床ラッパから乾布摩擦まで五分もあれば……」

 

「何故乾布摩擦……?」

 

 あれは本当に何で? まあおかげでこうして有栖ちゃんの身支度を整える余裕もあるから良しとしましょう。杖ついてる子に布団畳ませたりするのは無理だよ。着替えも時間かかるだろうし。整列点呼が無いだけマシかな? 

 

「まあまあ。それよりいきなりお掃除だってさ。しかも大グループ単位で。チャンスだね」

 

「まさかその為に私物としてカメラを持ち込んでるとは思いませんでしたが……本当に未来でも見えてるんですか?」

 

「んや、いっぱい仕掛けしてるだけ。たまたま1つでも使えたらラッキーって感じ?」

 

 全然嘘です。未来知ってます。ちしーきいつもありがとう。でも今年度でお別れだね……

 

「うーん、露骨と言えばいいのか、早速かいと言えばいいのか、軽率と言えばいいのか、女子高みたいと言えばいいのか……」

 

「まあ現状は女子高と同じですが。男子とは区分けされていますし」

 

 今は朝のお掃除タイム。私としては前世思い出して懐かし~ぐらいだけど、普通の高校生的には多分しんどい。寝起きで活動するもんじゃないよ。いや、それは私が朝に弱いだけ……? 

 

 それでまあ、広々とした敷地内の掃き掃除をやらされているわけなのだけど……

 

「あ、ごめん足引っかかっちゃったみた~い」

 

「やり直しといてよ? 私達先行ってるから」

 

 橘先輩が露骨に虐められてます。まあ大グループの評価を最低にしたいし貢献度も最下位にしたいしで、とにかく減点の理由を押し付けようって事なんでしょう。まあ責任者の退学のリスクについて考えなくていいなら良い作戦なのかもしれない。全部録画されてるって事を除けばだけど。

 

「手伝いますね先輩」

 

「……ありがとうございます」

 

 申し訳なさそうにしてるけど悪いのはチャラ男とチャラ男をなんだかんだ信じてる兄北だから……あと有栖ちゃんを介護してる以上今更一人分増えても変わりません。つくづく特別試験に向いてないよね有栖ちゃん。パパ柳は有栖ちゃんに恨みでもあるのか……? ヤ~ギヤギヤギ! お前みたいな心疾患の小娘は坂柳に相応しくないヤギねぇ~!! 的な。

 

 とはいえ小グループごとに受ける座禅とかスピーチとかはどうしようもない。私達も普通に受けるだけだし、橘先輩も普通に虐められるだけ……普通に虐められる……? 可愛い女の子を虐めるなんて許せないトラねぇ……

 

 ということで兄北にチクる……為に男子と接触する……為に食事に向かう……なんかエアーマンみたいになってきたけど、その途中。

 

 

 

 突然だか少し考えて見て欲しい。人は平等であるか否か……なんて小難しい話ではなく、人として最低限の知性とはどの程度を指すか。

 

 例えば、歩いていて目の前に電柱があったとして。避けずにそこに突っ込んでいくやつは明らかにおかしいだろう。これは考えるまでも無いね。

 

 問。目の前に杖をついた小柄な少女が居て、すれ違う時に邪魔にならないように軽く身を引いていた時の山内春樹の行動は? 

 

 答。何も考えずにそのまままっすぐ歩いて杖を足で引っ掛ける。

 

「──な」

 

「──危なっ!?」

 

 ち、近くにいる時で良かった……! 有栖ちゃん一人だったら絶対こかされてた。目ついてないんかコイツ。

 

「あ、ぶつかっちゃった? わりぃわりぃ」

 

「……いえ、お気になさらず」

 

 まあ、ここまでだったら不注意なカスで済むんだけど……いや私はもうあんま済ませる気も無くなってたけど……

 

「いやさ、坂柳ちゃんって可愛いけどさ、どんくさいよな」

 

 去り際に聞こえてきたそんな一言。

 

「殺そう」

 

「お、落ち着いてください優里さん。目が本気ですよ?」

 

「本気だから……」

 

「……自分よりキレてる人が居ると怒りって収まる物ですね……とにかく落ち着いて。自分で仕返しぐらいできますから」

 

「有栖ちゃんがそう言うなら……」

 

 ぺっ。命拾いしたな。精々0ポイント生活を楽しんでろ。でも混合合宿でクラスポイントも増えちゃうのか……なんとか一人狙い撃ちに出来ないかな? いっそ昔赤ゴリラにやったみたいに冤罪吹っ掛けて停学にでもしてやろうか……? 私の物に危害を加えやがって……

 

 

 

 

 

「なんてことがあったんだけど、なんか痛い目に遭わせるいい方法無い?」

 

「何故俺に? その手の話ならお前か坂柳か……男子なら龍園だろう」

 

「生徒会長……元生徒会長か。繋がりあるならなんか裏技知らないかなって」

 

「悪いが心当たりはないな。それで、このメモを元会長に渡せばいいのか?」

 

「うん。他の人に見られてもまあ平気だとは思うけど……チャラ男会長にだけバレないようにお願い」

 

「簡単に言ってくれるな……まあ引き受けた、他に何かあるか?」

 

「他? うーん……あ、そういえばりゅーたんと同じ小グループだよね?」

 

「ああ」

 

「りゅーたんのちんちんのサイズ見といて! 小さくても大きくてもウケるから!」

 

「虎居、お前……」

 

 綾小路君の絶句顔はレアだね。いっつも無表情だから。最近ちょっと表出てきてる気はするけど。

 

「いいですね。では橋本君のもお願いします。揶揄うネタにするので」

 

「坂柳まで……女子はそういう話嫌がる物じゃないのか?」

 

「自分が対象にされるのは嫌だけど人を弄るのは好きって人が多数派じゃない?」

 

「まあ私も自分が『リトルガール』とか言われたら苛立ちますが優里さんが『フラットガール』とか言われたら笑うと思いますし」

 

「……帰ったら二桁吹くまでするからね」

 

「ピィ」

 

「……まあ、期待しないでくれ」

 

 

 

 混合合宿4日目。

 

 日曜日だからか休日……とはいえスピーチとか禅の授業が無いってだけでお掃除はさせられるしご飯も作んなきゃいけない。

 

「露骨と言うかワンパターンと言うか……むしろ小グループでの活動中はどこまでやってるんだろって言うか……」

 

「アンタらこの数日何してるかと思ったら……盗撮?」

 

「真澄さんも混ざります? 面白いですよ。分かりやすく調子に乗っていて」

 

「端末が没収されたから平気だと思ってるんだろうねぇ……スマホ世代だなぁ……」

 

「いや、なんなら私達の方が年下でしょ」

 

 それはそう。今時の子にガラケー渡して使い方は分かるのだろうか。個人的にはあの形の方が電話する時に便利だったのだけど。

 

「優里? 何して……ほんとに何してんの?」

 

「あ、澪も見て~三年生達~」

 

「うわ……サボりじゃん……」

 

「少なくともウチの大グループの日常生活態度は終わりだねぇ。どこまでが採点されてるのかよくわかんないけど」

 

 案外今日は休日だから採点外! とかあるのかも。それはそれとして連帯責任に出来ないように証拠は押さえとくけど。というか先生常に見てるわけじゃないし監視カメラも無いのにどうやって合宿中の行動を評価するんだろうね? やっぱあの授業的なヤツがでかいのかな。

 

 

 

 そしてその夜、お風呂にて──

 

「そろそろウチの小グループも決めなきゃいけないと思うんだよね……」

 

「どしたの? いきなりシリアス顔して」

 

「まあその顔してる時は大体くだらないこと考えてる時だけど」

 

 酷くない? 人のシリアスを何だと思ってるのさ。

 

「いや、昨日の夜、綾小路君の小グループで出たらしいんだよね──Tレックス」

 

「Tレックス……ティラノサウルスですか?」

 

「そう……なんでも綾小路君の股の間にはそれはそれは大きなモノが……どうなの佐倉さ──ぁ痛っ!?」

 

「虎ちー、踏み込み過ぎ」

 

 だって知ってるとしたら佐倉さんだけじゃんね……? そこまで進んでるのかも興味あるし。や、純粋な野次馬根性で。

 

「むー……じゃあ、女子の部は?」

 

「え?」

 

「誰が一番大きいか……そろそろ白黒つけよう……! 興味無いふりしながらしっかり聞いてる帆波ちゃんも!」

 

「にゃ!?」

 

 まあ悲しいことに私は競うまでもありませんが。不戦敗でお願いします。というか帆波ちゃん、佐倉さん、長谷部さんの三人が強すぎる。

 

「よし皆の衆……揉み比べじゃ……!」

 

「私はそういうノリは──」

 

「問答無用!」

 

 ──突然だか少し考えて見て欲しい。人は平等であるか否か。現代社会は平等平等と訴えてやまない。しかし……

 

「同い年のはず……なのにこの差は……何故……?」

 

「ええ、とかくこの世は理不尽な物です」

 

「この三人と比べる方が間違ってるんじゃない?」

 

 現実は胸囲の……もとい、脅威の格差社会である。いいもん……足元が見やすいし……

 

 




調べながら書いてるけど設定のバストサイズと見た目が乖離してない?
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