ようこそ百合至上主義のハーレムへ   作:ド級のスランプ、ドスランプス

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Aクラス特典ってそんなに欲しいか?

「虎居さん、借金の件なんだけど……」

 

「意見、まとまった? 私は誰が返してくれるんでも15万返してくれればそれでいいよ」

 

 最近放課後に平田君か櫛田さんのどっちかが来るようになっている。理由は……まあ借金の話だ。

 

「ごめん。やっぱり15万は厳しくて……」

 

「まあクラスポイント0じゃねぇ……今残ってる人にしたって、今後の生活で使うだろうし……というか、人によってはもう使ってるんじゃない?」

 

 山菜定食とか食への冒涜って味だったし。あれ、わざと不味く作ってるのかな……貧乏への罰……? 

 

「そうなんだ。それで借金組が余計に怒ってしまって、他の人はもっと意固地になってしまって……」

 

「うわ、想像つくなぁ……」

 

『俺達への当てつけかよ!』『自業自得だろ!』『貸してくれりゃ返せんだよ!』『それが借りる奴の態度か!』みたいな。

 

「何人か分なら僕個人のお金で出せなくは無いんだけど──」

 

「選んで救うのはやめときな~? 選ばれなかった人から恨まれるよ?」

 

 自分でもどの口が言うんだ、とは思う。思うけどそれだけ。ぶっちゃけ三馬鹿とか退学になっても心痛まないしね。平田君が胃を痛めてそうなのはちょっと罪悪感湧く。真澄パイに癒してもらわないと。

 

「そう……だね……せめて軽井沢さんの分だけでも、とは思うんだけど」

 

「付き合ってるんだっけ? 彼女さんが浪費家なのは大変そうだねぇ……」

 

「仕方ないよ。女子は何かと入用だろうし」

 

「化粧品とか鞄で破産するのはどうかと思うけど……」

 

 前世にも居たなぁ……化粧品万引きした女子。寮生活でみんなから万引き女って言われ続けてたの、どんな気持ちだったんだろ。

 

「というか今借金組どうやって暮らしてるの? 0円生活?」

 

「うん。幸い……と言っていいのか分からないけど、やろうと思えばポイントを使わずに暮らせるようにはなっているみたいだから。……不満は凄いけどね」

 

「一か月で10万の味を知っちゃったらねぇ……」

 

「それで話は戻るんだけど、借金について……いや、最悪退学についてだけでもいいんだ。考え直してもらえないかな」

 

「んー……正直なこと言っていい?」

 

「……何かな」

 

「私、正直櫛田さんと平田君は結構好印象持ってるんだ。他人の為に頭を下げるのって、中々出来ることじゃないしさ。だからこそ余計に思うんだよね。なんで借金した人が直接頭下げに来ないんだろって」

 

「それは……」

 

 うん、まあ多分クラスで須藤辺りが大暴れだったんだろうな。直接行かせたら暴力沙汰になりかねないって判断したとか、普通に有り得そう。

 

「ま、今更来られても腹立つだけだからそれはいいんだけどね。潔く諦めるかお金を払うかしてくれると助かるかな。私もテストのために勉強会とかで忙しいから何度も来られても困るし……けど」

 

 一拍。次の言葉を強調するために。

 

「軽井沢さん一人ぐらいなら……まあ、なんとかしてもいいよ」

 

「本当かい!?」

 

「平田君の頑張りに免じ……るかは本人次第だけどね。私の部屋に来るように伝えといてよ。部屋番号教えるから」

 

 原作知識が火を吹くぜ。

 

 

 

 

 

「……お邪魔します」

 

「時間は守れるんだ。借金は返せないのに」

 

「……アンタが騙すからでしょ?」

 

「支給されるのが0ポイントになったのは私のせいじゃないよ。自業自得ってやつ?」

 

「嫌味を言うために呼び出したわけ?」

 

「ううん。土下座して頼み込んでるところを写真に撮りたいだけだよ?」

 

「は!?」

 

 軽井沢さんはいわゆる高校デビューを果たした元いじめられっ子だ。しかも偽装彼氏をわざわざ作るぐらい、いじめがトラウマになっている。クラスカーストを上げないと安心できないんだろうね。

 

「別に嫌ならいいよ。代わりにクラスメイトに土下座して頼んだら借金肩代わりしてくれるかもよ? 彼氏君は頼りにならないみたいだし」

 

「そんなこと出来るわけないでしょ!」

 

「あのさぁ……」

 

 ため息、露骨に不機嫌な表情。顔色を伺うのが癖になっている相手にはこういうのが意外と効果的なのだ。

 

「あれも嫌、これも嫌。そんなのが通じると思ってるの?」

 

「だからって──」

 

 わざと大きな音を立てて机を叩く。分かりやすいぐらいに怯えるあたり、隠すのは最初っから無理だったんじゃない? 

 

「黙れ」

 

「……っ、ごめんなさ」

 

 金髪強気ギャルが涙目になっている光景はこう……くるものがあるね。ちょっと凄まれるだけで反射的に謝っちゃうあたり、軽井沢さん虐められて輝く才能あるよ。やばい。ちょっと濡れてきた。

 

「もう退学して地元に戻ったら? ま、どういう扱いになるかは考えるまでも無いと思うけど」

 

「それは……嫌です……お願いします、助けて下さい」

 

「最初っから素直にそう言ってくれればよかったのに」

 

「え……?」

 

 緊張と緩和。冷たくしていた声色を元に戻す。

 

「ごめんね? 怖がらせちゃったね? ふふ、大丈夫。素直にお願いしてくれるなら私が守ってあげるよ」

 

「まも、る……?」

 

「そう。例えば……」

 

 脇腹のあたりを撫でる。古傷が残っているそこを。

 

「こんな酷いこともされなくなるよ。付く相手を間違えなければ、ね?」

 

「……ほんと?」

 

「うん。Dクラスで私に逆らえる人なんて居ないだろうし……ウチのクラス、暴力なら一番強いだろうしね」

 

 ただし綾小路と高円寺は除く。ホワイトルーム生ってナイフ刺されてからでも格闘戦で勝てるんでしょ? 闇討ちとかも含めたら私でも負けそう。メアリー・スーってこういうのにも勝てるもんじゃないの? 神様。

 

「だから……友達になろう? 軽井沢さん。助けてくれないDクラスより、私の方が頼りになるよ?」

 

「……なる」

 

 金髪ギャル、ゲットだぜ。いつかひよりちゃんと並べて金銀3Pとかしてみたいね。

 

 

 

 

 

「……はい、坂上先生に契約書の破棄頼んどいたから、これで明日にはもう自由の身だよ、おめでとう」

 

「……それで、私に何をさせるつもり?」

 

「Dクラスの内情を教えてもらおうと思って。端的に言うとスパイ?」

 

「代わりに、守ってくれるんだよね?」

 

「勿論。龍園君にも伝えとくし。お友達だから嫌がらせの対象から外してね、って」

 

「……ありがとう」

 

 今のところりゅーたんが嫌がらせしてるのBクラスだけだけど。そのうちDにも手出すだろうし嘘にはならない……はず。

 

「まあでもしばらくはクラスでやっかまれるかもね。一人だけ借金無くなったわけだし。周りの借金組とかうるさいんじゃない?」

 

「う……そうかも」

 

「平田君の彼女だからで突き通す……のも無理があるだろうし、誠意を見せてくれたからってのもDクラスのカースト的に微妙だよね?」

 

「簡単に頭を下げる女って認識をされるのはちょっと、ね……」

 

「うーん……じゃあもう私が軽井沢さんの身体を気に入りすぎちゃった、でいこう!」

 

「は?」

 

「よし、一緒にお風呂入ろ? 洗うのと洗われるのどっちがいい?」

 

「待って待って!」

 

「はーいばんざいして~お洋服脱ぎましょうね~」

 

「なんでそんな手慣れて……じゃなくて! 私、肌見られるのは──」

 

「ゴメン、私傷痕とか火傷痕とか、かなりフェチなんだよね」

 

 某奴隷ちゃんが悪い。まだあれエロ同人ゲー累計売上一位なのかな。

 

「ほらほら、あんまり抵抗すると舐めるよ~?」

 

「な、舐め?」

 

「傷痕。言ってるじゃん、フェチなんだって」

 

 

 

 

 

「『王様へ。Dクラスに駒を一つ手に入れました。そっちの調子は?』っと」

 

 夜にメッセージのやり取りをする相手がりゅーたんなの、色気が無さ過ぎて悲しくなってくる。でも報連相は大事だから仕方ないね。

 

「返信早……」

 

『よくやった。こっちも嫌がらせはそろそろ終える。どうやら学校はほとんど介入してこないらしい』

 

『り。ところで、勉強はどう? 苦手科目なんだっけ?』

 

『物理。無様は晒さねぇよ』

 

 素直に答えてくれるんだ。まあこれは椎名塾に期待だね。まあどのみち試験範囲変わるんだけど。

 

『石崎達はどうだ?』

 

『それなり。まあDも落ち着いたし何とかするよ』

 

『任せるぞ。俺は……椎名がな』

 

 頑張れりゅーたん。でも勉強は将来役に立つよ。極論、Aクラスなんか上がれなくても自力で進路ぐらいつかみ取ればいいんだし。

 

 

 

 




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