「…どうしろと?」
私は先ほどまで走っていた足を止め、脳内に響く途切れ途切れの声を聞きながら絶望していた。
やっとの思いでたどり着いた発電所には外の様子からして絶対に入れる気はせず、何か別の方法はまるで思いつかず例え思いついても行動に移す前に充電不足で途中で倒れる可能性の方が高い。
私これ本当に詰んだなぁ…
「…はぁ…っ!?」
自分のミスとは言えこんな八方塞がりな状況を作ってしまった私自身へ大きくため息を吐いたのと同時に私は突如頭が割れるような頭痛に襲われ道のど真ん中で座り込んでしまった。
痛い…!痛い痛い!頭が…眼の奥も痛い…!!
『バッテリー残量残り1%までの低下を確認。回収部隊への支援を要請…要請の承認を確認しました。』
「…ぇ?」
私は脳内で先ほどまでとは違い鮮明になったあの淡々とした声を聞いた瞬間、激しい痛みの中で苦しみながら、絞り出すように誰に向けたものでもない困惑の声を出した。
なんで…あの声が…
『…本機に抵抗及び妨害の危険性を感知。これより強制シャットダウンへと移行します』
「…は?」
シャットダウン。それが聞こえるのと同時に私はまるで繋がれていた電源コードがゲーム機から抜かれたように、一瞬であの激しい痛みと体全体の力が無くなり、力なく地面に倒れ込んだ。
「…ア…リス…ごめ…ん…」
「…これはまた興味深いですね」
そうはっきりしない言葉に出せたかも怪しい霞む意識の中、私は微かに見えた黒い人影に向かって自分の最後であろう言葉を伝えた。
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数十分前、ミレニアムエンジニア部倉庫
「…なるほど、大体の状況は把握できたよ。新しくできた仲間達により良い武器をプレゼントしたいと」
そうエンジニア部の部長であるウタハが私たちに言うと、彼女は考えるような仕草を少しした後に私たちの方を見た。
「そう言うことであればエンジニア部に来たのは素晴らしい選択だったね」
「そうそう!それで先輩、余ってる武器ってあったりする?」
「もちろん。あそこにあるものならどれを持っていてもかまないよ」
ウタハはそう少し誇らしげに言うと色々な種類、形をした物が山のように積まれている倉庫の端を指差した。
「“あれら全部が銃火器…“」
「心配かい?」
「“…うん。ちょっとね“」
銃の山を見てから自分でも引き攣っているのがわかる私の顔を見たからか、少し微笑みながら話しかけてきた。
キヴォトスに来てからそこそこ経つことだし生徒が銃火器を持っていることには慣れてき始めたけれどやっぱり表面上だけだってことを思い知らされるなぁ…
「あれらは全てセーフティーが通常のと追加でもう一つついている。そこまで心配することはないよ」
「“ウタハが言うならきっと大丈夫だね“」
私はウタハの誇らしげな様子を見てなぜか嫌な予感がしたが、マイスターと呼ばれるミレニアム屈指の技術者が集まるエンジニア部の部長であるウタハがそれを言ったのだからそこまで気にしないものとし、ふとアリス達へと目を向けた。
「アリス、これはどう?」
「拳銃?」
「見た感じ戦闘経験はあんまりなさそうだから…」
「その言葉は否定します。アリスはこれまで人類を27回救い、魔王軍との46回にわたる戦闘を…」
ウタハと私が話している間に、アリス達ゲーム開発部の面々はウタハと同じくエンジニア部に属している1年生のヒビキに案内されアリスに合う武器をあの山の中から見つけ出そうとしていた。
「これは…?」
「あれを選ぶとは…面白い子だね。アリスは」
アリスが何か大きな白い鉄の大砲のようなものの前で立ち止まると、ウタハはまるでアリスに酷く感心したようなに大きく目を見開き一言呟いた。
「“あれは何?“」
「ふふ…これからその質問について詳しく説明してくれる人物が現れるよ」
「“え?“」
「意味が分からないという顔をしているね。まあすぐにでも私の言っていることが分かるさ」
ウタハは私に向かって静かに笑うと座っていた椅子のような物から立ち上がり、アリスの方へと上着のポケットに片手を入れながら歩いて行った。私はウタハの言葉に一瞬困惑したが、すぐにその後を追った。
説明してくれる人物、ウタハには悪いけれどアリスが辺りには人の気配は全くしないけどな…
「ふっふっふっ…お客さん、お目が高いですね」
「え、えっと…?」
「説明が必要なら、いつでもどこでも答えをご提供!エンジニア部マイスター、コトリです!」
「“一体どこから…?“」
「ね。言っただろう?説明してくれる人物が現れると」
私はいるはずがないと思っていた銃火器の山の中を掻き分けて出てきた1人の生徒を見て驚いた。
あんな銃の山を掻き分けて出てくるなんて…やっぱりキヴォトスの生徒は私の知っている高校生とは一味違うな…
「あなたがアリスですね!ゲーム開発部の4人目のメンバー!」
「あ、久しぶりコトリちゃん。ところでアリスちゃんが見てるこの大きいのは何?」
「良い質問ですね…これはエンジニア部の下半期の予算の70%近くを使って作られた…」
「作られた…?」
「宇宙戦艦用レールガンです!」
「レールガン…!」
コトリの口からレールガンという言葉を聞いた瞬間、私はアリスの眼が輝くのを感じた。
「宇宙戦艦って…また何かとんでもさなそうものを…」
「宇宙戦艦はとんでもなさそうなものではないよ。ズバリそれは、ロマンの塊なのだから」
ウタハは部屋にいる全員に向けて胸を張ってそう宣言した。
そしてなぜだろう…私にはそのロマンという言葉がひどく胸を高鳴らせた気がする。
また期間が空いちゃいましたね…(n回目)最近は他の小説も同時連載してしまい忙し目になってしまっていますがこっちも連載を引き続き頑張って行きたいです!
誤字脱字やなどがありましたらよろしくお願いします!
では〜!