王女の騎士へと   作:たい焼きの型でたこ焼きを

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うぇ!?思ったより伸びてる!?
かんしゃぁ〜
そう言えばやっと書きたかった部分が少し書けました…!やったぁ!


王女の目覚め

「うーん…」

 

「あれ…?お姉ちゃん?先生!?」

 

「いやー、さすがに床がなくなるのは予想外…」

 

「足元に気をつけるように言いましたが?」

 

「え!?あなた着いて来たの!?」

 

「私も一応この部屋には入れる許可はもらっているので」

 

「そう言う問題じゃなくて…!」

 

私は無くなるように動いた床によって落とされた先、王女の部屋にいた。

モモイとミドリは驚きながらも数秒後にはしっかりと銃を私の方へと構えた。

 

「この部屋で武器を使用することは絶対にやめてください。もうこちらに敵対する意志はありません。」

 

私は銃をこちらに向ける彼女たちに武器こそ構えなかったが確かに圧を放ちながら叫ぶように言った。

 

確かにさっきまで戦ってた相手に武器を向けることは間違ってない…間違ってはないと思うけど、王女の部屋といういわば私にとっては神聖な場所だし、何よりこんな場所で絶対に戦いたくない。王女に弾が当たるかもと思うと、それだけは絶対に避けたい。

 

「お姉ちゃんどうする…?」

 

「とりあえずもう戦う気はないみたいだし…」

 

二人はヒソヒソと小声でそう話し合うと、手をあげ敵意がないことを示した上にこの部屋で戦うことに異常なまでの拒否反応を示した私を見てからゆっくりと銃を下ろした。

 

「…ありがとうございます」

 

私はゆっくりとお礼をすると下敷きになっていた先生から腰を上げた。

 

「あれ、そういえば先生はどこに…」

 

「“ふぉふぉに…うっ…“」

 

「ひゃっぁ!?な、なんで先生が私たちの下にいるんですか!?」

 

「どうしてって…落ちる時に咄嗟に、先生が私たちのクッションになってくれたからでしょ。流石にその子の重そうな鎧は体に応えたみたいだけど…」

 

「す、すみません…」

 

私はそう言えばと着ていた鎧のことを思い出し、少し申し訳なく感じた。

 

と言うか先生よく私のこと受け止めて骨の一つも折れてないなぁ…これもアロナバリアの効果の一つなのかな?

 

「いてて…とりあえず三人が無事でよかったよ」

 

「と、とにかく助けてくれてありがとうございます」

 

「…ありがとう…ございます」

 

「そんなに深いところまで落ちたわけではなさそうだけど…ん?」

 

ひとまず先生にクッションになってもらったことに感謝をした私は、王女のいる方をまじまじと見るモモイの方へと向き直った。

 

「……こちらです」

 

「え?」

 

少し悲しみのようなものを感じながら確実に低くなった声のトーンで三人について来るように伝える。

 

ついにこの時、王女とのお別れの時が来ちゃったかぁ…確か原作の流れだとこのまま王女…もといアリスを起動させて連れて帰るんだよね…分かってるから尚更辛いな…

 

「ここに立ってください」

 

「ここで合ってる?」

 

重く感じる足をゆっくりと運び、私は王女の眠る椅子のすぐ近くに三人を立たせた。

 

「返事がない。ただの死体のようだ」

 

「はぁ…」

 

「不謹慎なネタ言わないで!それに死体と言うか…この子『電源が入ってない』って感じがしない?」

 

「確かに、言われてみればマネキンっぽいね。どれどれ…」

 

「あっ、ちょっとお姉ちゃん!」

 

モモイが確認のように王女の肌を突いている様子を見ていたミドリが睨んでいた私の顔を見て静止した。

 

「すごい。肌もしっとりしてて柔らかい…ん?ここに何か文字が書いてる」

 

「…AL-IS…」

 

「エー、エル、アイ、エス…?これってこの子の名前?」

 

「アリス?」

 

「……」

 

モモイが不思議そうにそう口にすると答えを問うように私の方を向いてきたが、私は何も答えなかった。

 

「ちょっと待って、これよく見ると全部ローマ字なわけじゃなくて…AL-1Sじゃない?」

 

「え?そう?」

私は、二人のそんな会話を王女をじっと暗くなりつつある目で見つめながら聞いていた。

 

これから私はどうしよう…愛しの王女はこれでいなくなるし、私の役目も終わる。そしたら私は廃棄処分でもされるのかな?

 

「あの…」

 

「何でしょうか」

 

心と思考がどんどんマイナスな方向に引っ張られている私の横へとミドリが向いてきたと思ったら、少し気まずそうに話しかけてきた。

 

「この子…もしこれから話すなら裸は可哀想ですし、持ってきた予備の服着せてあげてもいいですか…?」

 

「……いいでしょう」

 

私は少考えるような動作をした後、顔に微かに微笑みながらミドリにそう伝えた。

 

少し気が進まないような気もするけど、確かに裸のままは話にしても相応しくないからね。

 

「ありがとうございます」

ピピッ、ピピピッと短い連続の電子音が響く。

 

「な、何この音!?」

 

「警報音みたいだけど…まさか!?」

 

ミドリが焦りと不安が混じったような顔で私の方を一瞬見たが先ほどの私の言葉と態度からか、すぐに王女の方へと向き直った。

おそらく音が警報のように聞こえたことから私が襲いかかるとでも思っているのだろう。

 

「ううん…さっきの音は『この子』から聞こえた気がする」

 

「状態の変化、および接触可対象を感知。休眠状態を解除します」

 

「……」

 

椅子からいつも私の脳内で聞こえていた合成音声が部屋に響くのと同時に、王女が目を覚ました。

 

「おはようございます。王女様」

 

嗚呼、目を覚ました姿もまた寝顔と並ぶほど可愛いなぁ…もうこの顔を見るのもこれで最後と思うとやっぱり悲しいなぁ…

 

「え?王女…?」

 

「状況把握、難航」

 

「会話を試みます…説明をお願いできますか」

 

「え、せ、説明…?」

 

「せ、説明が欲しいのはこっちの方!あなたたちは一体何者なの?ここは一体何なの!?」

 

「本気の自我、記憶、目的は消失状態であることを確認。データの存在が確認できません」

 

「どういうこと…?つまり攻撃はしてこないってことでいいよね…?」

 

「肯定。現在本機には敵対の意志はありません」

 

「うわ、すごい。隣に立ってるこの子もそうだし、ロボット市民なら街にたくさんいるけどこんなに私たちに似てるロボットなんて初めて」

 

「うーん…先生、どうしますか?」

 

「“あなたは誰で、ここどこ?“」

 

「回答不可、本機の深層意識における第一反応が発生したものと推定されます」

 

「深層意識って何のこと…?」

 

「うーん…工場の地下、ほぼ全裸の女の子、それに強そうな護衛の女の子も加え記憶喪失…良いこと思いついちゃった」

 

「いや、今の言葉の羅列からは、嫌なことしか思い当たらないんだけど…」

 

「???」

 

「……」

 

モモイはなんとも不敵な笑みを浮かべながら私の方を向いた。

 

あ、この流れってもしかして…

 

「ねえ、もし良かったらなんだけど…二人ともうちに来ない?」

 

「え?私もですか…?」

 

「え?そうだけど?」

 

「え?」

 

「え?」




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