「あ、それでニーナ、アリス、早速なんだけど…」
「何でしょうか?」
「?」
私の名前を決めた後、モモイは何かを思い出したように立ち上がると、部屋の棚の3段目から大きめの箱を取り出した。
「よっと!」
「まさかそれは…!!」
モモイが重そうに箱を床に置くと、私は少し開いた蓋の隙間から見えた親近感のある白いジャケットの袖であろう物に自分の心臓の鼓動が早くなるのを感じた。
ま、まさか箱の中身って…!いや、それしかない!
「いやーいつも念の為に私とミドリの予備の制服部室に置いててよかったー」
箱の蓋が乱雑に開かれ床に投げ捨てられるのと同時に、中からスルスルと布音をたてながら二着のミレニアムの制服が私の前に現れた。
「そ、それは…」
「これ?これは私たちが今いるこの学校、ミレニアムの制服だよ」
「そ、それは見て分かりますが…!本当にいいのですか?」
私は前世の時からずっと着てみたかったミレニアムの制服が目の前にあることに動揺を隠しきれずにいながら密かに不安になっていた本当に着ていいのかという不安を打ち明けた。
「もちろん!ほら!」
「わわっ!?」
「じゃあ早速それに着替えてきて!流石にこれ以上その鎧で校内を歩くのは人目を引きすぎるし…」
「は、はい…!///」
「じゃあアリスの着替えは私たちが…」
「おう…アリスには指一本触れないでください」
「え、えぇ…」
私は少しミレニアムの制服に袖を通すことに恥ずかしさを感じ赤面しながらも着替えのためにトイレに向かった。
なんか制服着るのコスプレしてるみたいで恥ずかしいんですけど…!でもこれで夢が一つ叶った!やったね☆
ちなみにトイレから帰ってきた私は目の前で行われていたアリスの着替えをミドリの足にしがみ付くという抵抗したが、あっけなく負けた。
「あ゛あ゛あ゛!なんて私は非力なのでしょう…!」
「別にそこまで嘆くことじゃないと思うけど…」
「あなたにはこの気持ちがわからないでしょうねぇ!ただ何もできずにみているだけしかできない私の気持ちなんて!」
「ニーナってこんな感じの人だったんだ…」
いまだに少女二人相手にアリスを守れなかった私は膝をつきミドリに八つ当たりをしていた。
ああもうキャラとかどうでも良い!くそぉぉぉ!悔じい゛!次こそは…!次こそは…!
「そういえばお姉ちゃん、ニーナに例の件は話したの?」
「あ、そういえばまだだった!」
「例の件…?」
モモイはミドリに促されると、座っていたソファから腰を上げ、未だ情けない姿をしている私の方を見た。
例の件…十中八九入部の話か。まあここまでしてもらってるし、断る理由もないかな。
「ねえニーナもしよかったら私たちの部活に入…」
「もちろんです!」
「へ?」
「速くない…?」
「そうでしょうか?」
「だって私言い切ってなかったよ?」
「別に良いじゃないですか」
私が起き上がり予想していた質問に一瞬で本人との距離を詰め、モモイの手を握りながら即オーケーを出すと、二人はあまりの回答の速さに少し引いていた。
何で私引かれてるの!?いや、ごめん冷静に考えたらこんな大事なこと即答されたらそりゃビビるよね。
「うーん…やっぱり心配…」
「この子達を本当にうちの部員に偽造するなんて…本当にうまくいくのかな?」
「“うまくいく“の意味を確認…“物事が滞りなく進むこと“、肯定します」
「いやいや、この口調じゃ肯定なんてできないって!お姉ちゃんこれは無理だよやめておこう!見つかったらかなり問題になるって!」
「…まあ見つかったらタダでは済まないでしょうね。入学試験を受けてもいない我々部外者が部員と偽ることですからね」
私が少しずつヒートアップしている会話に冷静にそう突っ込むと食いついてきたミドリが私を指差しながら腕を組みながら考えている風にしているモモイを説得しようとしていた。
まあバレたら一発退学もんでしょ。強いていうならアリスと私は学費も払わないし。
「ね!?ニーナもこう言ってるし…」
「今やめるって選択肢の方が無理だよ」
「え?」
パッと見ただけでもリスクが大きすぎるが、ここで引き下がらないのが才羽モモイである。
「私たちのゲーム開発部を守らないと。そうしないとユズの居場所が…寮に戻るわけにもいかないし…」
「そういえば…そうだったね…」
ユズの名前が出た瞬間口論をしていた二人の顔が少し暗くなった気がした。
数十分後…
「えっと…あとはアリスの武器と二人の学生証だけだね」
「学生証って…そんなに簡単に手に入る物なんですか?」
「うん、意外とね。ところでニーナはその…その銃で本当に大丈夫なの…?」
ある程度これから必要な物についてチェックを終えると、モモイは顔を引き攣らせながら私が手にしている錆びたショットガンを指差した。
「えぇ、見た目はこんなのですが使えますし愛着もあるので」
「なら良いんだけど…あとミドリはアリスに話し方を教えてあげて」
「は、話し方?」
「うん…もしもの時のためにね」
「分かった。できることをやってみるよ」
「ありがとうじゃ、ちょっと行ってくる」
「気をつけてね」
バタンと音を立てドアが閉まり、モモイが部屋を出るとミドリは悩むようなを始めた。
さて、準備でもしようかな。ゲームのための。
誤字脱字、その他のミスの指摘や感想もお待ちしています!
あと、次回以降からもう少し長くすることを目指していきます。