次の日
「…クリア」
「Zzz……ん…」
閉められたカーテンの隙間から少しの朝日が部屋の床に差し込んでいる、朝だと言うのに薄暗く感じるゲーム開発部の部室で私は目覚めた。
「ふぁ……ここは…」
未だ起きていない脳を起こすように大きなあくびと伸びをし、眠い目を擦りゆっくりと自分の目の前に広がる光景に意識を向けた。
そこには最後覚えていた状態と変わらずにただひたすらにゲームをやり込んでいるアリスがいた。
あ、そっか私昨日からミレニアムに来てたんだった。というか私途中で寝ちゃったんだ。
「ニーナか、目を覚ましたようで何よりだ」
「お、おはようございます…アリス」
私がほぼ放心状態で昨日のことを頭の中で整理していると、無意識に向けられていた私の視線に気づいたのかアリスが少しカッコつけようとしたような声で後ろを振り返ってきた。
寝起きの私に向けられたアリスのその姿は私の脳を焼くのには十分だった。
か、かわぇぇぇぇぇ!一瞬不意打ちすぎて天に召されるかと思ったわ!あっぶな!
「うーん…あれなんで私床で寝て…」
私がアリスと騒いでいるとうるささからか、ミドリも目を覚ました。
「…ようやく気がついたか、無事に目を覚ました君は運がいいな」
「え!?」
「なかなか気がつかないから少しヒヤヒヤしたぞ」
「あ、アリスちゃんなんか偏ったセリフばっかり覚えてない!?」
「カッコいい…」
「ニーナちゃん!?!?!?」
「あ、今日はちゃん付けしてくれるんですね」
「ふぁ…みんな、起きるの…早いね」
アリスが新しく習得した喋り方をそれに私が若干脳を焼かれていることにミドリが驚くのと同時にユズも目を覚ました。
「おはようございます、皆さん。そういえばモモイが見当たらないようですが…」
「お姉ちゃん?そういば確かにここにはいな…」
「おはよう!」
部屋見回してもモモイが見当たらなかったため、何か知っていそうなミドリに尋ねると彼女が答え終わる直前、モモイが扉を大きな音を立て開けながら入ってきた。
「お姉ちゃん?こんな朝早くからどこに行ってたの?」
「ちょっとやることがあって。後アリス、ニーナはいこれ」
モモイはミドリの質問に適当気味に答えるとアリスと私にそれぞれ一枚のカードキーのような物を渡してきた。
「これは?」
「…アリスは『正体不明のカード』を手に入れた」
「おっ、口調がさらに洗練されてるね。これなら言葉の方は大丈夫かも」
「口調といかレトロゲームの会話調そのままだけどね…」
モモイはアリスの口調に感心したように胸の前で手を合わせた。
この口調でバレないって思われてるの…セミナーの会計さんちょろすぎませんかね…?
「学生証…」
「これは私たちミレニアムサイエンススクールの生徒だっていう証明書だよ。生徒名簿もヴェリタスがハッキ…ゴホンゴホン!登録してくれたから、これでアリスも正式に私たちの仲間だよ!」
モモイは大袈裟に咳をして言いそうになったことを誤魔化したのが気になったが、笑顔で手を広げながら私とアリスに向けての説明を終えた。
「今ハッキングと言いましたか?」
「え?い、いやーそんなこと一言も…」
私が聞き捨てならなかったハッキングの部分を聞くとモモイは後ろにたじろぎながら後退りした。
「お姉ちゃん?後でじっくーりそのことについて教えてね?」
「大丈夫だって!さてと、服装と学生証、それに話し方も習得できたことだし!後残ってるものとしたら…武器、だね」
ミドリはにっこりと笑いながらも確かな圧を放ちながらモモイに詰め寄ると無理やり話を変えようと言わんばかりに私たちについての確認を行った。
どうしてだろう…ミドリの様子を見ているとどこかのセミナーの書記を思い出すな…
「さてと、アリス、ニーナ。これから二人にピッタリの武器を見つけにいくよ!」
モモイはそう高らかに宣言するように言った。
「え?私は武器ならもう持って…」
「もう一個持ってても別に痛くないでしょ?ね?」
「確かに言われていればそうですが…」
あれ?私一回前にも同じようなこと言われて断ったような気がするけど…
「キヴォトスには武器を調達する方法は色々あるけど、このミレニアムで一番手っ取り早く、ちゃんとした武器が手に入る場所と言えば…やっぱりエンジニア部かな」
「エンジニア部…?」
モモイがエンジニア部についてミドリにそう言うと、今までずっと聴いているばかりだったアリスが不思議そうにミドリに独り言を言うようにポツンとそう聞いた。
「ミレニアムでは機械を作ったり、修理したりする専門家たちのことを『マイスター』って呼ぶんだけど、エンジニア部にはそのマイスターがたくさん集まってるハードウェアに特化した部活なの」
「機械類全般に精通してるのはもちろん、武器の修理とか改造とかもやってるんだよね。だから使ってない武器とか余っててたりしないかなって」
二人はそうアリスに説明すると各々の銃を持ち支度をし始めた。
「興味深いですね…」
「パンパカパーン!アリスは『エンジニア部についての知識』を手に入れました!」
横から聞いていた私はどこか懐かしさを感じながら頷いた。一方アリスの方見ると、満面の笑顔でレベルアップしたかの如く手を広げながら立ち上がっていた。
「じゃあ早速行ってみようー!」
いつの間に支度が終わったのか、もう外にいるモモイが扉の向こう側からこちらに顔を覗かせてそう言うと私も立ち上がりアリスと一緒に部屋を出た。
前回の更新から遅れて本当に申し訳ありませんでしたぁぁ!!!!!
「週一投稿するって言ったよね?」と責められても仕方ないのが私です…