「はぁ…はぁ…もうすぐですか…?」
「うん、そろそろだよ。って!?ニーナ大丈夫!?」
「想像以上にここのキャンパスが大きくて…疲れちゃった…みたいですね…うぅ…」
ミレニアムの近未来風の廊下を少し歩き外に出てからまたさらに数十分歩いた後、私たちは休日だからか人があまりいない実習センターの近くまで来ていた。昨日は途中で寝落ちしてしまったがそれでもある程度遅い時間まで起きていた私は体こそ疲れていないようだが精神的にかなり疲れてしまっていたせいかもうすでに息を切らしてしまっていた。
深夜までぶっ通しでゲームするんじゃなかった…あ、なんか頭痛くなってきた気がする…
「ニーナ、大丈夫ですか?」
「大丈夫です!これまでにも深夜まで廃墟を徘徊していたことは何度も…!」
『バッテリーが現在10%を下回りました。一度帰還し補給を受けることを、または可能ならば本機がいる周辺で充電リソースから必要な電力の補給を受けることを推奨します』
私はアリスに心配され大丈夫だと少しずつ強くなる頭痛を感じながらも弁解しようとしたその時、かつて廃墟でうんざりするほど聞いていた声と充電という言葉が頭の中で再生され脳とか体がフリーズした。
へ?充電?どゆこと…?
『本機はAL-1Sと違いプロトタイプ液体バッテリーを使い稼働しています。そのため26時間に一度充電を挟む必要があります』
「は、はぁ!?」
「ニーナ?どうしたの?」
「あ、いえナンデモ…」
いや私充電使って動いてんの!?別に廃墟いた時は充電なんてしたこと一回もないよ!?それよりもなんだよプロトタイプ液体バッテリーって!そんなヤバそうなもんわたしの体の中に埋め込まれてるってこと!?
「ニーナちゃん本当に大丈夫?ちょっと休む?」
わたしが脳内で淡々と伝えられた衝撃の事実に思わず絶句していると横からミドリもアリスと共に心配そうな目でこちらを見てきているのに気がついた。
ミドリかわいいぃぃ!いや、今はそれどころじゃない!
「あはは…ちょっと昨夜無理をしてしまったようなので少し休んでから行きますね…」
「そっか、なら…はいこれ!」
「これは…モモイのスマホですか?」
ミドリの提案に思わず脳内に溢れんばかりの情報量がごった返しになるほど詰め込まれたことに思わず苦笑するような反応が出てしまった後、私は少しオロオロしながらもピンクのスマホケースに入れられたモモイのスマホを手渡された。
「私のスマホにキャンパスの地図送っとくから準備ができたらそれ見ながらエンジニア部まできてね」
「あ、ありがとうございます」
モモイから受け取ったスマホをなぜか使える私の顔認証で開くとそこにはミレニアムのキャンパスについて細かく書いてある案内パンフレットのPDFと地図がミドリのモモトークから送られてきていた。
地図だけじゃなくてパンフレットまでついてる…モモイ優しすぎるよ… !私涙出そうだよ!
「それじゃニーナまたあとでね!」
「は、はい..また後ほど!」
段々と遠くなるモモイたちの背中を見送った私は近くにあったベンチに腰掛けながら送られてきた地図をまじまじと見ていた。
こう見ると私ってミレニアムのキャンパスの中でミレニアムタワーぐらいしか知らなのなかったなぁ。そもそも充電が足りなくなるとどうなるんだろう?
『充電が0%に到達すると行動不能となり、その状態が2時間続く、もしくはバッテリー本体が体から抜かれると本拠地から回収チームが現場に向かいあなたを回収します』
え…?回収チーム?
『その後あなたを“解体“します』
……私死ぬってこと!?
『いえ、あなたに明確な“死“はありません。肉体の修理が終わるまでは代用の物で活動してもらいます』
よかった…ん?というかそんなことしたら原作ににないハプニング起こすことになるじゃん!
私は混乱とどこか安堵したような複雑な気持ちになりながらもモモイのスマホの画面に視線を落とした。
「ん?発電所…?」
私はモモイに追加で送られてきたパンフレットの方も軽く見ていると、PDFの終わりに近づいた時にそれは私の目に入った。
そう、ミレニアムのスタディスクエア全体の電力を賄っている発電所だ。
確か付近の電力ソースでもいいとかなんとか言ってたよね?それなら発電所でもいいんじゃ…?
「よし!いってみるか!」
『現在のバッテリー残量、7%です』
「やば!急がないと!」
脳内に響く音声に急かされ私は発電所へと急いだ。
……….
『残り…3%…す』
「やばいやばい!」
私は地図に従い来た道の反対側にあったモノレール駅を使い巨大なドームが二つ並ぶミレニアムが誇る巨大な発電所が見えそうな場所まで来ていた。
なんとかここまで来れたけどこんな短時間でもう3%まで減っちゃったよ…どうしよう…ここままだとマジで充電足りなくなる!
「見えた!…あ」
私は少しふらつく足でバランスを精一杯保ちながら走り続けるとついに目的地が見え喜んだが、同時に周りを囲っている高い有刺鉄線の壁と警告の看板が目に入った。
..まあ発電所なら当たり前かぁ…これ、詰んだかもなぁ…
『残…2…』
「…どうしろと?」
次回の投稿日時も未定です…気長に待っててください…それはそうと誤字脱字の報告や感想などもお待ちしてます..