辺境の惑星でリアル弾幕ごっこ 作:わさびの食べ方にうるさい人
5トンはあるゾウを抱えて運搬できるRim Worldの住民恐るべし。
拠点の外。
スランボの巨体。
雪の上に横たわる。
「……でかすぎるだろ」
「全部使うわよ」
ナイフを入れる。
分厚い皮。
……ザクッ
簡単には切れない。
「硬いな……!」
禰豆子、横から手を入れる。
力で裂く。
……ビリッ
「便利すぎるだろそれ……」
肉を切り分ける。
赤く、分厚い。
「量は十分」
「これなら持つ」
肉を分ける。
・干し肉用
・燻製用
・保存用
「全部食いきる前に腐るとかないよな」
「この寒さなら平気」
分厚い毛皮。
触れると――
圧倒的な保温性。
「……(暖かい)」
「それが一番の収穫かもね」
巨大な角。
固く、重い。
「これ武器になるな」
「加工すればね」
日が落ちる。
解体は終わる。
血と雪が混ざる。
「……疲れた」
「当然よ」
小屋の中。
暖炉。
火が揺れる。
鉄板。
その上に――
スランボの肉。
……ジュゥゥ
肉の焼ける匂い。
広がる。
「……やばいなこれ」
「久しぶりのまともな食事ね」
霊夢、一口食べる。
「……」
「どうだ?」
「……美味しい」
「だろうな!」
食べる。
「……うまっ」
「……(食べる)」
ゆっくり咀嚼。
「……(いい)」
静かに食べる。
暖かい。
外は地獄の寒さ。
中は――
少しだけ平和。
「こういうの、久しぶりだな」
「ええ」
「……(落ち着く)」
「これで、しばらくは生きられる」
「“しばらく”な」
「ええ」
外。
マイナス50℃
雪が舞う。
風が鳴る。
……ゴォォォ
完全に外界は死の領域
小屋の中。
暖炉。
温水配管。
かろうじて保たれた温度。
床に広げられた毛皮。
スランボの厚い毛。
禰豆子、針と糸を持つ。
黙々と縫っている。
……チッ……チッ……
魔理沙、横目で見ながら
「……器用だな」
「……(できる)」
毛皮を重ねる。
縫い合わせる。
隙間をなくす。
一切の無駄がない。
「それ、三人分?」
「……(うん)」
「これ着たら外出れるか?」
「長時間は無理でも、今よりはマシになる」
一方。
霊夢と魔理沙。
配管のチェック。
……ゴウ……
「流れてるな」
「止まったら終わりだからね」
ボイラー。
霊夢が触る。
「温度、安定」
「電力は?」
「ギリギリ維持」
余裕ゼロ
「こういうの、いつまで続くんだろうな」
「冬が終わるまで」
「長いな」
「ええ」
縫っている手。
細かく、正確。
だが――
少しだけ震えている。
「……まだ足りない?」
「……(大丈夫)」
コートが一着、完成する。
分厚い。
重い。
だが――
「……これ、すごいな」
「熱、逃がさない」
「……(使える)」
日が過ぎる。
同じ作業。
同じ景色。
外は変わらない。
中も――
ほとんど変わらない。
暖炉の火。
ゆっくり揺れる。
朝。
外。
雪はまだある。
だが――
風が弱い
……サァ……
以前のような暴風ではない。
霊夢、小屋の扉を開ける。
「……止んできてる」
「マジか?」
温度計。
−50℃ → −35℃
「これでも上がってるのかよ……」
「この星じゃ十分よ」
三人、スランボ毛皮コートを着る。
重く、分厚い。
「行けるか?」
「試すわよ」
外へ出る。
冷気はある。
だが――
耐えられる
「……いけるな」
「……(平気)」
「これなら作業できる」
拠点周囲。
雪に覆われているが、
視界は開けている。
「久しぶりだな外」
「ええ」
風力発電機。
回っているが――
弱い。
「風、落ちてるな」
「その分、発電も落ちてる」
計器。
ギリギリ。
「これ、止まったら終わりだな」
「ええ」
「だから増やす」
「発電機か」
「2台目を作る」
宇宙船の残骸。
まだ使える部品。
「まだ残ってるもんだな」
「全部使うつもりでしょ最初から」
雪の中での作業。
手がかじかむ。
……カン、カン
「外作業きついな……」
「でもできるだけマシ」
禰豆子、支柱を運ぶ。
一人で。
「ほんと助かるな」
骨組みができていく。
雪の中に立つ支柱。
「あと少し」
「春までに間に合いそうだな」
空を見る。
雲の切れ間。
わずかな光。
「……変わってきてる」
「ああ」
Rim Worldでは装備に品質が存在し、当然、高品質になるほど性能が高いです。
品質の種類は、壊れかけ、低品質、普通、良品、秀品、名品、幻の一品になります。
今回、禰豆子が裁縫したスランボコートは良品です。