辺境の惑星でリアル弾幕ごっこ   作:わさびの食べ方にうるさい人

27 / 28
スカリア病に感染した動物の攻撃を受けると、スカリア病に感染することがあります。スカリア病が完全に進行すると、永続的な狂暴化状態に陥って敵味方関係なく殺しにかかります。ただし、サングオファージの禰豆子はあらゆる病気に対して完全免疫を持っているので、どれだけ傷だらけになろうとも感染しません。


白雪の狩人

倒れたワーグの死体。

 

「……肉、使えるか?」

 

霊夢、しゃがみ込む。

確認する。

 

「……ダメね」

 

「理由は?」

 

「スカリア病」

「狂犬病みたいなものよ」

 

肉の色。

異様な状態。

 

「食べたらアウト」

 

「……無駄になったな」

 

「ええ」

 

三人、拠点へ戻る。

手ぶら。

拠点内。

暖房が動いている。

だが空気は重い。

 

禰豆子、ベッドに横たわる。

体は傷だらけ。

 

「……大丈夫?」

 

「……(大丈夫)」

 

目を閉じる。

 

 

朝。

禰豆子、起き上がる。

傷――

消えている

 

「相変わらずだな」

 

「便利ね……」

 

「……(問題ない)」

 

拠点の外。

白。

雪が降っている。

 

「……来たわね」

 

「ああ」

 

「……(冬)」

 

倉庫。

残された食料。

少ない。

 

「……足りるか?」

 

「厳しいわね」

 

一拍。

 

「かなり」

 

 

外。

気温低下。

吐息が白いどころじゃない。

マイナス35度。

そして、さらに下がる。

 

拠点内。

暖房の効いた空間。

 

……チク、チク……

 

禰豆子、毛皮を縫っている。

マッファローの分厚い毛皮。

針と糸で丁寧に繋いでいく。

 

「……器用よね」

 

「……(必要)」

 

やがて――

一着のコートが出来上がる。

分厚く、重い。

だが確実に暖かい。

 

「これならマイナス50℃でも耐えられそうだな」

 

「……(大丈夫)」

 

 

少し離れた場所。

霊夢と魔理沙。

 

「このままだと食料が足りない」

 

「ええ」

 

「寒さがピークに達する前に……」

「もう一回狩りに出るか?」

 

霊夢、腕を組む。

 

「リスクが高い」

「でも行かなきゃ足りない」

 

「どっちにしても詰む可能性はあるな」

 

禰豆子、立ち上がる。

コートを手に取る。

 

「……(私が行く)」

 

「え?」

 

「一人でか?」

 

禰豆子、コートを羽織る。

完全に防寒された姿。

 

「……(これがあれば大丈夫)」

 

「でも――」

 

「……(一人の方が動ける)」

 

霊夢と魔理沙、言葉を失う。

 

「……確かに」

 

「でも危険よ」

 

「……(大丈夫)」

 

短い沈黙。

霊夢、小さく息を吐く。

 

「……分かった」

「無理はしないこと」

 

「やばかったらすぐ戻れ」

 

「……(うん)」

 

外。

雪。

強い風。

禰豆子、一人立つ。

 

「……気をつけて」

 

「戻ってこいよ」

 

禰豆子、振り返らずに歩き出す。

 

「……(行ってくる)」

 

雪の中へ消えていく。

外。

視界は白。

雪が横殴りに叩きつける。

 

……ゴォォォォ……

 

風が唸る。

足跡はすぐに消える。

禰豆子、一人歩く。

マッファローの毛皮コート。

雪を払いながら進む。

 

「……(見えない)」

 

視界は使えない。

頼るのは――

嗅覚。

禰豆子、立ち止まる。

空気を吸う。

 

「……(いる)」

 

微かな気配。

方向を定める。

山の方。

足を進める。

慎重に。

 

「……(遠い)」

 

 

雪の中。

大きな穴

岩肌に口を開けている。

 

「……(ここ)」

 

中は暗い。

だが――

奥に“いる”。

巨大な塊。

ゆっくりと呼吸している。

 

「……(大きい)」

 

その瞬間。

獣の目が開く。

暗闇の中で光る。

グリズリー

禰豆子と――

目が合う。

沈黙。

一瞬。

 

「……」

 

「……グルル……」

 

グリズリー、起き上がる。

巨大な体。

冬眠直前とは思えない圧。

 

……ドシン

 

一歩で地面が揺れる。

 

「……(来る)」

 

グリズリー、吠える。

 

……ガァァァッ!!

 

そのまま――

突進。

雪を蹴り飛ばす。

一直線。

禰豆子、構える。

 

「……(やる)」

 

グリズリー、突進。

巨大な腕が振り下ろされる。

 

……ブンッ!!

 

禰豆子、横へ跳ぶ。

間一髪で回避。

 

「……(速い)」

 

着地と同時に踏み込む。

懐へ潜る。

ナイフを振るう。

……ザクッ!!

肉を切る。

だが――

深く入らない。

脂肪。

その奥に分厚い筋肉。

 

「……(硬い)」

 

傷はついている。

だが浅い。

 

「……グルル……」

 

怒り。

痛みを無視して踏み込む。

禰豆子、動く。

左右へ。

低く、速く。

攻撃を避け続ける。

 

……ドン!……ブン!!

 

攻撃は空を切る。

 

「……(当たりはしない)」

 

だが――

足元。

深い雪。

踏み込むたびに沈む。

 

……ズボッ

 

一瞬、足が取られる。

バランスが崩れる。

体勢が揺れる。

 

「……っ」

 

その瞬間――

グリズリー、振りかぶる。

巨大な腕。

 

……ドゴォッ!!!

 

直撃。

禰豆子の体が弾き飛ばされる。

雪を巻き上げながら――

地面を転がる。

 

……ドサッ!!

 

雪の中に埋もれる。

動きが止まる。

グリズリー、ゆっくりと近づく。

重い足音。

 

……ドシン、ドシン……

 

視界の端に影が迫る。

 

 




グリズリーもワーグ同様、倒されたキャラは生きたまま食われます。具体的には、グリズリーが1口食べる(噛みつく)ごとに「指」「耳」「腕」「脚」などのパーツが破壊され、肉として消費されていきます。頭や心臓などの重要部位を食べられるか、失血死するまで食われます。サングオファージの禰豆子は頭を破壊されない限り死なないので、頭だけ残して他の部位は全て食われても、まだ生きているという恐怖の状態も起こり得ます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。