辺境の惑星でリアル弾幕ごっこ   作:わさびの食べ方にうるさい人

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降下奇襲後の修理や復旧は非常に手間がかかります。


砕けた屋根の下で

戦闘が終わった直後。

壊れた屋根。

撃ち抜かれた壁。

砕けた窓枠。

そこから――

マイナス50℃の外気が一気に流れ込んでくる。

 

……ゴォォォォ……

 

暖かかった室内の空気が、目に見えるほどの白い靄となって吸い出されていく。

床に落ちた金属片には、うっすら霜が張り始める。

 

「ちょ、ちょっと……!」

 

肩をすくめる。

吐く息が白い。

 

「寒っ!!」

 

魔理沙、天井を見上げる。

 

「悠長にしてると凍え死ぬな」

 

「……(すぐ塞ぐ)」

 

さっきまで戦場だった室内が、今度は修理現場になる。

 

「戦利品の確認は後回しだ」

「まず屋根、次に壁、最後に床だ」

 

「暖房が落ちたら終わりね」

 

「落ちてはいない。けど熱が全部逃げてる」

「応急修理を先にやる。見た目は後だ」

 

禰豆子、うなずく。

 

「……(材料運ぶ)」

 

三人は即座に動く。

 

「霊夢、細かい穴を塞いでくれ」

「大きい穴は私がやる」

 

「分かったわよ!」

 

手を擦りながら、ぶつぶつ言う。

 

「どうして戦った後に大工までやらなきゃいけないのよ……」

 

「生きるためだな」

 

「それは分かってるわよ!」

 

禰豆子はまず、ポッドが落下した場所の周辺から大型の残骸をどかしていく。

折れた梁。

曲がった金属板。

砕けた棚。

どれも霊夢や魔理沙では運びづらい重さだが、禰豆子は黙々と持ち上げていく。

 

……ガゴッ

……ドン

 

「……(これ使える)」

 

使えそうな板材と使えない瓦礫を分ける。

 

「助かる。そっちの平板、屋根に回すぞ」

 

霊夢は壁へ向かう。

撃ち抜かれた無数の穴。

そこから細い冷気が針のように吹き込んでくる。

 

「っ……これ全部塞ぐの?」

 

「全部だ」

 

「泣きそう」

 

霊夢は断熱布と木板を使って穴を塞いでいく。

小さい穴には詰め物。

大きい穴には板を当てて釘打ち。

さらに隙間へ繊維材を押し込む。

 

……トン、トン、トン

 

「はあ……」

「せっかく水洗トイレも暖房も揃ってきたのに……」

 

不満は尽きないが、手は止めない。

 

魔理沙は脚立代わりの箱に乗り、屋根の破損箇所を見上げる。

ポッドが突き抜けた穴は大きい。

このままでは熱が全部逃げる。

 

「完全修理は無理だな」

「今日は塞ぐだけだ」

 

スチール板と木材を組み合わせ、歪んだ梁に無理やり渡していく。

さらに固定用の金具を打ち込み、上から補強板を重ねる。

 

禰豆子、下から板を持ち上げる。

 

「……(これでいい?)」

 

「ああ、そのまま少し上」

「よし、止めるぞ」

 

……カン! カン! カン!

 

一枚、また一枚。

完全ではないが、空へ向いていた大穴が徐々に塞がっていく。

修理の合間、魔理沙は熱交換器と電気ボイラーも確認する。

配管は無事。

ポンプも動いている。

バッテリー残量は低下気味。

だが、まだ生きている。

 

「暖房は大丈夫だ」

「でも熱が逃げた分、負荷が上がってる」

 

「つまり?」

 

「早く塞がないと、今度は設備が限界になる」

 

「それは最優先でしょ!」

 

霊夢の作業速度が上がる。

 

時間が経つ。

外は吹雪。

中は修理。

ようやく屋根の穴が塞がり、壁の主だった穴も埋まる。

冷気の流れが目に見えて弱まる。

 

……ウィン……

 

暖房の熱が、再びじわじわと室内に留まり始める。

 

霊夢、肩を落とす。

 

「……少し、マシになったわね」

 

魔理沙、壁に手を当てる。

 

「応急修理としては上出来だな」

 

「……(寒くない)」

 

三人とも、戦闘の直後。

その上での極寒修理。

疲労は大きい。

床にはまだメカノイドの残骸。

壁には補修板。

天井は継ぎ接ぎ。

さっきまでの“住める拠点”は、いまや“なんとか生き延びられる箱”に戻っていた。

 

「……ほんと、ろくな目に遭わないわね」

 

「それでも死ななかっただけマシだぜ――」

 

「軽いのよ、あんたは」

 

「軽くないとやってられないだろ、これは」

 

「……(いつも通り)」

 

 

敵は倒した。

だが、寒さは倒せない。

この星では、戦闘のあとにも戦いがある。

生きるための修復。

それを終えてようやく、三人は一息つくことができた。

 

 




降下奇襲で最も怖いのが放火です。火炎攻撃持ちがいると、被害はより最悪になります。
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