辺境の惑星でリアル弾幕ごっこ 作:わさびの食べ方にうるさい人
外。
雪は完全に消え、
草が広がっている。
風も暖かい。
建造区画。
巨大な推進器。
核物質エンジン
重厚な装甲。
冷却配管。
内部で脈動する青白い光。
「核物質エンジン、完成だ」
さらに別区画。
船体外部へ接続される観測装置。
船殻センサー束
複数のセンサーアームが展開している。
「こっちも問題なし」
宇宙船。
もはや“骨組み”ではない。
船の形をしている。
霊夢、見上げる。
「……本当に飛びそうね」
「……(大きい)」
「飛ばす」
短く。
「冬が来る前にな」
研究室。
魔理沙、新しい設計図を開く。
表示される項目。
コンピュータコア
「また難しそうなの来たわね」
「難しいどころじゃない」
「中枢制御にはAI人格コアが必要だ」
「……AI?」
「……(人格?)」
「船の頭脳だ」
「これがないと航行制御が成立しない」
研究資料。
途中で止まっている。
魔理沙、眉を寄せる。
「……作製方法がない」
「作れないの?」
「少なくとも今の設備じゃ無理だ」
設計図の該当箇所。
ブラックボックス。
完全に理解できない。
「ここだけ文明レベルが跳ね上がってる」
研究室が静かになる。
ここまで順調だった。
だが――
止まった。
「……どうするの?」
魔理沙、答えない。
少し考える。
その後、地図を見る。
山岳地帯。
以前、キャラバンが示した場所。
「……宇宙船の残骸」
「もし本当に宇宙船なら」
「AI人格コアが残ってる可能性がある」
「回収できれば使える?」
「多分な」
一拍。
「ただし、危険だ」
地図を囲む三人。
「行くしかないわね」
「……(行く)」
翌日。
門前。
初夏の風。
霊夢と禰豆子が出発。
「遠足じゃないのよねぇ」
「むしろ墓場探索だな」
「縁起悪いこと言わないで」
「もし危険なら即撤退しろ」
「AI人格コアより生きて帰る方が重要だ」
「珍しくまともね」
「いつもまともだぜ」
「……(行ってくる)」
二人、歩き出す。
山脈方向へ。
山道。
初夏とはいえ、
山の空気は冷たい。
夜。
簡易キャンプ。
小さな火。
霊夢、少し離れた茂みから戻ってくる。
表情が死んでいる。
「……(どうしたの?)」
「もう嫌」
禰豆子、首を傾げる。
「外で済ますの」
「これで最後にしたい」
「……(仕方ない)」
「分かってるけど嫌なのよ!」
三日後。
山岳地帯。
霧。
岩肌。
その奥。
巨大な黒い影。
宇宙船。
半壊している。
船体は裂け、
山肌へ突き刺さっていた。
「……でか」
「……(落ちた船)」
近づく二人。
船体装甲。
焼け跡。
巨大な裂傷。
霊夢、装甲を触る。
「私達の船より大きいわね」
「……(戦った跡)」
激しい損傷。
破損した隔壁。
内部は暗い。
……ギィ……
金属音。
霊夢、チャージライフルを構える。
「行くわよ」
禰豆子、うなずく。
「……(警戒)」
船内。
空気は淀み、
静まり返っている。
壁には焦げ跡。
床には古い血痕。
そして――
壊れた機械。
奥。
まだ生きている端末。
微弱な光。
……ピッ……
霊夢が触れる。
コンソール起動。
「ついた」
「……(読める?)」
表示されるログ。
1000年前の記録。
「1000年前……!?」
ログ再生。
ノイズ混じりの文章。
『主機関損傷』
『JTドライブ停止』
『追撃を受けている』
「追撃……?」
『メカノイド群接近』
『迎撃不能』
『墜落を――』
ログ途切れ。
「……(メカノイド?)」
霊夢、目を細める。
「あの機械の名前ね」
「じゃあ今まで私達が戦ってたのは――」
「……(メカノイド)」
「なるほどね」
さらに奥。
中央制御室。
壊れた設備の中に、
一つだけ無傷の装置。
青白く光るコア。
「……(これ)」
「多分当たりね」
AI人格コア。
慎重に取り外す。
……カチッ
コアが停止。
淡い光だけが残る。
霊夢、持ち上げる。
「軽いのね」
「……(でも大事)」
「でしょうね」
宇宙船内部。
静寂。
霊夢、周囲を見る。
「……ここ、なんか嫌ね」
「……(死んでる)」
空気が重い。
「長居したくないわ」
二人、撤退開始。
壊れた宇宙船を後にする。
「1000年前の遭難船」
「そこには失敗が残されていた」
「そして同時に――」
「未来へ進むための最後の部品も」
Rim WorldでAI人格コアはイベントで入手出来ます。霊夢達と同様、遠距離の特定座標に向かう必要があります。