辺境の惑星でリアル弾幕ごっこ 作:わさびの食べ方にうるさい人
森。
拠点近く。
霊夢と魔理沙、ベリーを回収している。
「この辺、安定して取れるな」
「しばらくは持ちそうね」
その時――
草むらが揺れる。
「……?」
「何かいるな」
木の陰から現れる人影。
原住民の男。
筋肉質な体。
粗末な布の装束。
手には――
石斧
「……人?」
「この星の住人か」
距離はある。
相手は一人。
「武器も原始的だな」
「一応警戒はするわよ」
霊夢、一歩前へ出る。
「止まって!」
相手に手を見せる。
敵意がないことを示す。
「これ以上近づくな!」
原住民の男。
一瞬止まる。
だが――
次の瞬間。
叫びながら突進
―――ッ!!
「通じない……!」
「来るぞ!」
魔理沙、リボルバーを構える。
「止まれ!!」
……バン!
肩に命中。
男の動きが鈍る。
それでも――
止まらない。
「まだ来る!」
……バン!
脚に命中。
男、崩れる。
地面に倒れる。
石斧が転がる。
呼吸は荒い。
まだ――
生きている
「……止まったな」
「撃つしかなかったわね……」
二人、少し距離を保つ。
「どうする?」
「拘束するか……?」
「言葉が通じるか分からない」
男、こちらを睨む。
敵意は消えていない。
「完全に敵だな」
その時――
禰豆子が近づく。
ゆっくりと。
「禰豆子……?」
「おい、待て」
禰豆子、男の横にしゃがむ。
一瞬、観察するように見て――
次の瞬間。
首に噛みつく
……ガブッ
「……っ!?」
「やめろ!!」
血が流れる。
禰豆子は――
それを吸う。
男の身体が力を失う。
完全に動かなくなる。
禰豆子、顔を上げる。
口元に血。
「……何してるの……?」
「お前……」
「……(必要だった)」
「必要って何よ……!」
森。
倒れた原住民の男。
その血の匂い。
霊夢と魔理沙、距離を取る。
禰豆子だけが静かに立っている。
「……離れて」
禰豆子、一歩下がる。
「……今の、どういうことだ」
「あんた……」
「吸血鬼なの?」
「レミリアみたいなやつか?」
禰豆子、少し考える。
「……分からない」
「分からないって何よ」
「……違う、と思う」
「じゃあ何なのよ」
禰豆子。目を伏せる。
「……前は」
「鬼だった」
「……は?」
「鬼……?」
「……でも」
「一度、人間に戻った」
「戻った……?」
「じゃあ今は人間なのか?」
禰豆子、少しだけ首を振る。
「……分からない」
霊夢、言葉を探す。
「じゃあさっきのは何よ」
「……必要だった」
「何にだよ」
「……分からない」
三人の間に、少しだけ距離ができる。
「……(ごめん)」
小さく呟く。
初めての“感情”
霊夢、目を閉じる。
深く息を吐く。
「……今は」
「それ以上聞かない」
「いいのか?」
「分からないものは分からないでしょ」
「まあ……助けてもらってるのは事実だしな」
「……そうね」
「……(一緒にいる)」
関係は続く
三人、拠点へ戻る。
だが――
さっきまでとは空気が違う。
禰豆子はサングオファージと呼ばれる吸血鬼に似た存在です。
自我を保つのに血液が必要です。