辺境の惑星でリアル弾幕ごっこ 作:わさびの食べ方にうるさい人
ユサールの死体。
床へ崩れ落ちる。
霊夢、肩で息をする。
額には汗。
袖には血。
頬には煤。
だが休まない。
遠く。
まだ続いている銃撃音。
……ダダダダ!!
……ギュンギュン!!
「まだ終わってない……!」
海賊銃撃部隊。
残り数名。
だがまだ押し込んでいる。
魔理沙、遮蔽物越しに掃射。
……ギュン!!
……ギュン!!
ビームマシンガン。
青白い光線が走る。
だが発射間隔は長い。
「冷却が追いつかねぇ……!」
銃身から白い蒸気が噴き出す。
無理に撃てば暴発しかねない。
禰豆子。
左腕を押さえながら戦闘継続。
……ダッ!!
海賊へ飛び込む。
だが以前より動きが鈍い。
「……っ」
真夏の太陽の下。
身体が重い。
再生能力も戦闘で低下している。
それでも止まれない。
止まれば仲間が危険になる。
禰豆子が海賊との距離を詰めようとしたその時だった。
背後から聞き慣れた声が響く。
「どいて!」
そこへ。
霊夢、到着。
到着した瞬間、チャージライフルを構える。
……ゥィン
収束音。
次の瞬間
……ギュン!!
光線。
遮蔽物ごと海賊を貫通。
眩い光線が通路を貫く。
海賊が隠れていた遮蔽物ごと焼き切る。
石壁が赤熱し、蒸発する。
その向こうにいた海賊の胸部を光線が貫通。
男は悲鳴を上げる間もなく崩れ落ちる。
突然の増援。
しかもユサールを倒したばかりの霊夢。
海賊達の顔色が変わる。
完全な挟撃。
前には禰豆子。
後方には霊夢。
さらに側面から魔理沙の援護射撃
「押し返せる!」
霊夢が叫ぶ。
魔理沙が笑う。
「待ってました!」
ビームマシンガン再掃射。
……ギュンギュンギュン!!
今度は冷却を気にしない。
短時間なら押し切れる。
光弾の雨がほとばしる。
海賊達は身を伏せるしかない。
その隙を禰豆子、逃さない。
一気に接近。
そして。
……ドッ!!
鋭い回し蹴り。
海賊一人の身体が宙を舞う。
壁へ激突。
鈍い音。
首が不自然な方向へ曲がったまま動かなくなる。
残る海賊達の士気、
完全に崩壊。
「退け!」
「撤退だ!」
「逃げろ!」
隊列が乱れる。
後退。
霊夢、チャージライフルを構えたまま見送る。
照準は合わせている。
だが引き金は引かない。
こちらも限界。
追撃しない。
ただチャージライフルを構えたまま見送る。
「……逃げたか」
魔理沙。
深く息を吐く。
「こっちも追う余裕ないわよ」
静寂。
煙。
壊れた壁。
焼け跡。
転がる死体。
禰豆子。
壁にもたれ込む。
左腕。
焼傷。
さらに胴体。
数発の銃創。
服は血で濡れている。
「ちょっと!?」
「……(大丈夫)」
だが血が止まらない。
普段ならすぐ再生する傷も治りが遅い。
「いや大丈夫じゃないだろ」
「……」
「反論しないってことは自覚あるんだな」
医療ベッド。
禰豆子、横になる。
「……(少し休む)」
「少しじゃない!」
「絶対安静!」
「今回はマジで無理するな」
魔理沙も珍しく真面目な顔で頷く。
禰豆子、小さく頷く。
その後。
霊夢。
破壊された壁の修復作業。
石材運搬。
補強。
……カン
……カン
一方。
魔理沙。
破壊されたタレット群を確認。
「全部壊されたか……」
工具を持つ。
修理開始。
……キィン……
夜になっても作業は続く。
ふと。
霊夢が空を見る。
夜空。
流れ星。
一つ。
いや。
二つ。
三つ。
複数。
「……?」
光は尾を引きながら、
地表方向へ落下していく。
魔理沙、それを見る。
表情が変わる。
「……流れ星じゃない」
「え?」
さらに遠く。
別方向にも落下光。
夜空を裂く。
魔理沙、ゆっくり言う。
「降下ポッドだ」
「海賊は退けた」
「だが、終わっていなかった」
「空から次の敵が来る」
「しかも今度は――」
「メカノイドだった」
連続襲撃中は、破壊された防衛設備の復旧に追われます。