辺境の惑星でリアル弾幕ごっこ 作:わさびの食べ方にうるさい人
迫撃砲陣地。
海賊達。
再装填中。
……ガコンッ
「急げ!」
「次弾装填!!」
砲身は熱を帯び。
装填手達の顔には焦りが浮かんでいる。
遠くで続く銃声と爆発音。
拠点への砲撃は順調に戦果を上げていた。
だからこそ。
誰一人として背後へ意識を向けていなかった。
草むらの中。
黒い影が低く身を伏せる。
「……」
禰豆子。
全身に砂埃を浴びながらも。
その視線は獲物だけを見据えている。
呼吸を殺す。
低姿勢。
一歩。
また一歩。
海賊達との距離が縮まる。
十メートル。
五メートル。
三メートル。
そして――。
……ダッ!!
地面を蹴った。
獣のような加速。
人間離れした速度。
「っ――!?」
最初に気付いた海賊。
目を見開く。
だが。
遅い。
……ガギッ!!
ヒートダガーが胸部装甲を焼き切り。
そのまま心臓を貫通。
男は悲鳴を上げる暇もなく崩れ落ちる。
返す刃。
横薙ぎ。
隣の海賊の首を裂く。
血飛沫。
「敵だ!!」
海賊達。
慌てて銃を向ける。
だが。
遅い。
……ガシッ!!
禰豆子。
迫撃砲弾箱を掴む。
数十キロはある重量。
普通なら持ち上げるだけで精一杯。
しかし禰豆子は躊躇なく振りかぶった。
そして。
海賊達の密集地帯へ投げつける。
……ブォンッ!!
砲弾箱が空中を飛ぶ。
一直線。
「な――」
海賊達。
視線が上を向く。
「そこだぜ!!」
……ギュォォォッ!!
ビームマシンガン掃射。
迫撃砲へ直撃。
……バチッ!!
赤熱。
次の瞬間。
弾薬誘爆。
……ドゴォォォォッ!!!!
巨大爆発。
周囲の海賊。
まとめて吹き飛ぶ。
炎。
土煙。
破片。
人体。
全部舞い上がる。
「派手にいったぜ!!」
海賊陣地。
完全崩壊。
生き残った海賊達。
混乱。
「退け!!」
「撤退だ!!」
禰豆子。
爆炎の中から出てくる。
傷だらけ。
それでも立っている。
迫撃砲。
完全破壊。
海賊達。
混乱状態。
生き残った海賊達。
負傷者を引きずりながら後退。
「逃げたぜ……」
霊夢。
チャージライフルを下ろす。
「ようやくね……」
禰豆子。
ヒートダガーをしまう。
肩で息。
全身傷だらけ。
「お前ほんと無茶しすぎだぜ……」
「……魔理沙も」
魔理沙。
左肩を見る。
服に血が広がる。
「痛ぇなあ、これ……」
戦闘が終わった途端。
猛烈な痛みが押し寄せる。
霊夢。
ため息をつく。
「帰るわよ。二人とも」
三人。
拠点へ戻る。
外壁。
穴だらけ。
キルゾーン。
崩壊。
タレット。
何基か沈黙。
そして。
拠点小屋。
「うわぁ……」
魔理沙。
顔をしかめる。
屋根。
巨大な穴。
迫撃砲直撃跡。
内部。
滅茶苦茶。
ベッド破損。
机が倒れ。
資材散乱。
壁も崩れている。
「もう家じゃないわねこれ……」
腐臭も入り込んでいる。
最悪。
魔理沙。
椅子へ座る。
霊夢。
医療キットを持ってくる。
「頼むぜ……」
左肩。
銃弾貫通。
幸い骨は無事。
霊夢。
消毒。
「っい!!」
「うるさい」
「痛ぇもんは痛ぇんだよ!」
包帯を巻く。
禰豆子。
横で静かに見ている。
服の裂け目から見える傷は魔理沙より酷い。
「禰豆子の方が重傷だろ……」
「……治る」
「その前に動きすぎなのよ」
少し沈黙。
外。
ハエの羽音。
……ブゥゥゥゥ……
腐臭。
熱気。
崩れた拠点。
それでも。
三人ともまだ生きている。
魔理沙。
小さく呟く。
「……あと何回来るんだよ」
誰も答えない。
沈みゆく夕日の赤い光が。
崩壊した拠点を静かに照らしていた。
Rim Worldでも砲弾は引火します。
引火した砲弾は大爆発を引き起こします。