辺境の惑星でリアル弾幕ごっこ 作:わさびの食べ方にうるさい人
無事、完結出来てホッとしてます。
宇宙船内部。
静寂。
……ピッ
……ピッ
冬眠システム。
解除開始。
……プシュゥ……
耐圧冬眠カプセル。
順番に開いていく。
最初に。
霊夢。
ゆっくり目を開ける。
「……ん」
ぼやけた視界。
白い天井。
少し遅れて。
魔理沙。
「うぉ……」
最後。
禰豆子。
静かに起き上がる。
「……起きた」
三人。
まだ少し眠そう。
だが。
身体の痛みはかなり引いている。
「ちゃんと生きてるな……」
「凍死もしてないわね」
宇宙船コンソール。
自動音声。
『まもなく目的地宙域へ到達します』
「目的地……」
三人。
窓へ向かう。
窓の外。
青。
白。
緑。
地球。
「……おぉ」
三人。
しばらく言葉が出ない。
あの辺境惑星とは違う。
青く綺麗な星。
「帰ってきた……」
禰豆子。
静かに地球を見る。
「……綺麗」
魔理沙。
少し笑う。
「もう死体の臭いしないぜ」
「当たり前でしょ……」
それだけで少し安心する。
宇宙船。
軌道変更。
……ゴォォ……
地球へ降下開始。
窓の外。
大気圏。
赤熱。
……ゴォォォォッ!!
船体が燃える。
振動。
「うおぉぉ結構揺れるな!!」
「墜ちないわよねこれ!?」
禰豆子。
窓に張り付いたまま。
「……速い」
雲を突き抜ける。
青空。
太陽。
風景。
地上が近づいてくる。
山。
森。
湖。
そして。
見慣れた景色。
「……幻想郷」
「帰ってきたぜ……」
宇宙船。
減速。
……ゴォォ……
森の上空を通過。
神社。
魔法の森。
遠くに見える。
三人。
窓へ並ぶ。
十五日間の地獄を越え。
ついに。
幻想郷へ帰還する。
夕方。
風。
木々が揺れる。
地面。
草の匂い。
土の匂い。
腐臭はない。
爆発音もない。
三人。
静かに歩いている。
「……平和だな」
「ほんとね」
霊夢。
深く息を吸う。
「空気が美味しい……」
禰豆子。
空を見上げる。
「……綺麗」
「今さらかよ」
三人。
少し笑う。
しばらく歩く。
魔理沙。
ふと禰豆子を見る。
「そういやお前」
「これからどうすんだ?」
禰豆子。
少し考える。
「……分からない」
一拍。
「でも」
「人間に戻る方法、探す」
霊夢。
黙って聞いている。
「人間、か」
禰豆子。
小さく頷く。
「……ちゃんと戻りたい」
少し沈黙。
「なら」
「当てがあるぜ」
「あー……」
霊夢と魔理沙。
同時にある方向を見る。
遠く。
赤い屋根。
湖の向こう。
紅魔館。
「……?」
「吸血鬼とか人外関係なら」
「多分あそこが一番詳しい」
「まあレミリア達なら何か知ってるかもね」
禰豆子。
静かに紅魔館を見る。
「……行く」
夕陽。
幻想郷を赤く染める。
三人。
並んで歩き出す。
地獄のような十五日間を越えて。
ようやく。
日常へ戻っていく。
「その前に温泉行きたいぜ」
「シルバーないでしょ」
「あ」
霊夢。
じと目。
「……忘れてくれ」
禰豆子。
少しだけ笑う。
「……一緒」
三人。
紅魔館へ向かって歩いていく。
――Fin
かなり人を選ぶ作品にも関わらず、ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。
わさび先生の次回作にご期待下さい。