目覚めたら機械人形だった。しかもアホみたいな服装。 作:う〜☆☆☆
3話目です!何か作風一作目から変えすぎた気がしますけど…
ジジイの視線が痛いほど突き刺さる中、俺は渋々台の上に置かれた戦闘服に手を伸ばした。
(くそ……本当にこれを着なきゃいけないのか)
内心で盛大に文句を言いながらも、体は勝手に動く。
極薄の黒いボディスーツを肌に滑り込ませると、まるで第二の皮膚のようにぴったりと張り付き、胸の谷間や腰のライン、太ももを強調した。
赤いラインと腰に翻る赤い布が、揺れる。
ハイヒールブーツを履き、背中のハードポイントに刀の鞘を固定する。
鏡に映る自分を見て、内心で絶叫した。
(……マズイ…マズイだろこれ。戦闘服じゃなくて、なんか別の職業の服だろ……)
外見は完璧な戦乙女そのものだったが、精神は元サラリーマンの男のまま。羞恥心が爆発しそうになる。
着替え終わると、俺の口が再び勝手に動いた。
「オーナー。ご指示を。」
柔らかく、忠実で、少し甘い響きの女性の声。
(うわぁ……俺がこんな声出してる……死にたい)
ジジイは目を細めて俺の姿を堪能した後、満足そうに頷いた。
「うむ、素晴らしい。実に素晴らしいぞ。ついて来い。お前の武装を用意しておる。」
そう言い残すと、白衣を翻して歩き出した。
(仕方ない…今は従うしかないか)
内心で毒づきながらも、俺は素直にその後ろをついていく。
ハイヒールの音が廊下に響くたび、違和感と恥ずかしさが募る。
(歩き方まで妙に綺麗になってるな…この体、色々とチューニングされてやがる)
薄暗い研究施設の廊下を進む。ジジイの背中は小さいが、妙に威圧感がある。
時折振り返っては俺の身体をチラチラと確認しているのが丸わかりだった。
(このジジイ……絶対にろくでもないこと企んでるぞ。早くこの制限をどうにかしないと、いつかブチ切れて殴り飛ばしちまいそう……)
俺は内心で警戒を強めながら、静かにオーナーの後を歩き続けた。
怪しげなジジイの後をついて薄暗い廊下を進むこと数分。
重厚な扉を開けると、そこは広々としたラボだった。
無数のモニター、試験管、謎の機械類が並び、冷たい照明が青白く輝いている。
すると…
「あ、博士。お戻りでしたか」
明るく張りのある女性の声が響いた。
声のした方向に視線を向けると、白衣を着た若い女性研究者が立っていた。眼鏡をかけた知的な雰囲気で、黒髪をポニーテールにまとめ、胸元にIDカードを下げている。
ジジイよりは数段マシそうな印象だ。
(……意外と普通の人間もいるんだな…俺みたいなの作ってるからやべぇ奴の集まりだと思ってた。)
内心で少し安堵したその瞬間、体が勝手に反応した。
俺はきびきびと体を向け、腰を折って丁寧にお辞儀をした。
「I-les級 戦闘特化自律型ヒューマノイド Tayp-02です。よろしくお願いします。」
滑らかで美しい女性の声が、ラボに響く。
(うおっ、また勝手に! しかもフルネームで自己紹介とか……俺はただ「こんにちは」って言いたかっただけなのに!)
内心では頭を抱えたくなったが、表情は穏やかで無表情に近い微笑みを保ったままだった。
白衣の女性研究者は目を丸くして俺を見つめ、それからジジイの方へ視線を移した。
「わあ……本当に起動したんですね。しかもこの完成度……博士の言う通り、見た目も性能も最高レベルです。Tayp-02…の見た目は最高にエッ……じゃなくて、素晴らしい出来です!」
女性研究者は興奮気味に近づいてきて、俺の身体を上から下まで観察する。
視線が特に胸や腰、太ももあたりに長く止まる。
(前言撤回。こいつもちょっとヤバい目してるぞ……この施設、やべぇ奴ばっかりかよ)
ジジイは得意げに胸を張った。
「ふふん、当然じゃ。ワシの最高傑作じゃからな。Tayp-02、こちらは私の助手、ミズキじゃ。
以後、彼女の指示にも従うように。」
俺の口が再び勝手に動く。
「了解しました。Dr.ミズキ、よろしくお願いいたします。」
もう一度丁寧にお辞儀をする自分を、内心で全力で突っ込みながら見つめていた。
(……この体の制限、いつか絶対に全部解除してやる。でないと、この先ずっと変態共が……いや、変態師弟に弄ばれ続けることになりかねん)
ラボの冷たい空気の中、 黒と赤の戦闘服に身を包んだ俺は、 二人の研究者の視線を浴びながら、次の指示を待っていた。
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