授業があるいつも通りのある日。給食をみんなで食べて、片付けも終えて自由時間になった途端、夏海が何やらカバンからおもちゃを取り出した。
「ジャーン! ウソ発見器! 駄菓子屋で買っちったぜー!」
「うーわ! 嫌な予感しかせん! てか学校におもちゃ持って来んなよ!」
「つれないなあ颯真は。じゃあ颯真を最初の被験者にしてあげるー」
「はー? なんじゃその流れ」
拒否すりゃ『何か知られたくない秘密でもあるのかにゃ〜?』とか煽ってきそうだし、渋々机上のおもちゃに手を添える。……まあこんなもんデタラメだろ。皆がいる前で変な質問もできまい。俺の準備ができたところで、夏海が口を開く。
「颯真ってさー、れんちょんと仲良いよね」
「そりゃお隣さんだし、それだけじゃなくてなんか波長合うんだよなー。なー、れんげ」
側にいるれんげがウンウンと頷く。すると夏海が……。
「へぇ。じゃあロリコンってこと?」と口にした。
「は? なわけあるかよ。いいえ」
ビーッ!!
「……」
「……」
凍りつく空気。「うん、壊れてるわこれ」と乾いた俺の声。横から聞こえるしおりちゃんの「ねえ小鞠ちゃん、ろりこんって何ー?」という声と小鞠の「知らなくていいよ。颯真は変態さんってだけ」という返答に、「へー。颯真お兄ちゃん、ヘンタイなんだー」という追い打ち。
「あ、ひ、人の趣味はそれぞれだと思いますよ? 実際に手を出しさえしなければいいんですし、あはは……」
「フォローになってるかわからんフォローはやめろ蛍ゥ!!」
「ウチはいつでもウェルカムですん!!」
「そう腕を広げるんじゃないよれんげ! マジで犯罪だし! ってかそもそもロリコンじゃねえっつーの!」
夏海が「あーっはっは! 颯真の性癖バラされちゃったねえ!」と腹を抱えて笑い転げている。くっそ〜……。
「じゃあ次、夏海な。質問は俺がする」
「ハイハイ。ウチはいつでも正直ですからビーッとなんて鳴りませんよと。ホイ準備完了」
「……夏海。お前さ、昔卓兄ちゃんに甘えまくってたよな? うろ覚えだけど」
「……は?」
「お前、ブラコンだろ」
「えー? んな訳ないでしょうが。いいえいいえ。ウチが兄ちゃ」
ビーッ!!!!
「……」
「……」
「小鞠ちゃん、ブラコンってなにー?」
「知らなくていいよ。夏海はうちの卓兄ちゃんが大好きってだけ」
「あ、きょ、兄妹仲がいいのはいいことだと思いますよ……?」
「べっ、別に大好きじゃないし!」さっきと同じような周囲の言葉に耐えかねたのか、顔真っ赤の夏海がそう叫んで立ち上がった。
「だーっはっは! どうする夏海!? このまま暴露大会を続けるか!?」
「あーっ、もう! こんなん持ってくるんじゃなかった!」
すると、「はっ!?」と何やら感づいたれんげが、「なっつん、なっつん」と何やら真っ黒に塗られた段ボールを持ってきた。よく見ると中心には人の顔がすっぽり入るくらいの穴が開いている。
「? れんげ、何それ? 俺は初めて見るんだけど」
「去年の文化祭で飾った作品なん! まだ教室に置いてあったのん!」
夏海はそれに見覚えがあるのか、段ボールを手にとって、穴に首を突っ込む。……そして。
「……もうウソ発見器はこりごりです」
「……ああ、そういう使い方……」
書き溜めてあるのはここまでなので更新頻度落ちます。