ポケモンゲットができない! 作:あいう
芸術的に思えるほどに、機械的なこの空間は、進む歩を止めるほどに魅力的だった。
「うわ、これやば。……パクるか」適当に金目の物を掻っ攫っていく。「うわ、これもやばいな。……掻っ攫うか」恐らく、研究資料もパクる。「うわ、メガストーンやん。……借りるか」自身が興味を持った全てを奪いながら、先へと進んだ。痕跡を残しすぎだとは自分でもわかる。が、それ以上に好奇心や物欲がそれに打ち勝ってしまった。
「ふぅい〜、10kgはあるんじゃねかな……これ。さすがにとりすぎたな」
「全くだ」
「いやいや、フレア団は金持ち集団だから……え?」
「……残念ですが、さようなら」
「うわぁ"ぁ"あ"ぁ"ぁ"!!」
逃げ出した。技がこちらに向かって飛んでくる。視界外からの攻撃は、腕を燃やし尽くす。痛みを感じる暇などなかった。フラダリがここにいるということは、他の団員もここにいる可能性がある。早く逃げ出せ、逃げ出さなければ、腕では済まない、足が、胴が、頭が、全てが塵と化してしまう。
「なぜだ、なぜお前は、ここにいる!」
疑問があった。なぜこいつはここにいるのだ。こいつは、今日、ミアレ市長との対談があったはずなのだ。なのに、どうして、計画は完璧だったはずだ。狂いなどなかった。
「まさか、それが嘘だった……嘘だったというのか゛!」
「そうか……君は今日ここに私がいるはずがないと言ったな……そうだ、それは嘘だ。何度かスパイ対策のために虚偽の情報を漏らすことにしている……なるほどな、その情報が漏れたのか」
今だけ超人的な能力を手にした。超常的な聴力を手に入れた。これは恐らく、命の危機によるリミッターが外されたからだ。いまなら、超能力が使えるのではないか?
そんなふざけた考えが頭を支配した。そんなことはない、それは知っている。だが、それに頼りたくなった。頼らなければ、死ぬかもしれなかったから。
コンピュータに意識を向ける。倒れてくれ、私をここから救ってくれ、逃げるのを手伝ってくれ。しかし、自分がそう思っても倒れなかった。このまま終わるのか……そう思ってしまった時、コンピュータが倒れ込んだ。やはり、俺は超能力者になったようだ。やれやれ、ほんとにやれやれだぜ
フラダリの驚いた声が聞こえる。今だ、逃げ出そう。ふざけたことを考えて、油断してはならない。しかし、足は来た道を戻らなかった。なんだ、これ。体の自由が効かなかった。操られて、少し経つと、ある部屋に、隠された部屋に迷い込んだ。
「どこだ、ここは……なんだあれ」資料を手にする。……ミュウツー?カプセルに入っているそれをやっと認識する。それはこちらを鋭い眼光で睨みつけていた。そして、私を助けろと頭に直接語りかけてくる。ここで押さなかったら、どういった反応をするのだろう。そう考えていると、体が勝手に解放するためのスイッチを押してしまう。
バリンと音を立てて、出てきたそれは、こちらに向かって語りかけてくる。
「……感謝するぞ、人間。」
「え、こわ?……そういえば、あれって貴方が?」
「そうだ、お前を通じて、私の能力を使った。」
「あぁ、そう。それで、ここから脱出するの……手伝ってくれませんか……?」
「……………いいだろう」
ミュウツーのエスパー技で、封鎖された道も壊しながら、出口へと辿り着いた。そして、俺の家へと連れ込んだ。
次回、ミュウツーをどういった扱いにするか決めます