『異種族玩具店(アダルトショップ)の店主はインキュバス』   作:微糖コーヒー

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焼肉食べたい…。


第11話:灼熱の饗宴──女体焼肉とエンジニアの職業病

 

 

 

 魔王城の攻略、そしてクリム君の極限デバッグを終えた俺たちは、打ち上げのために歓楽街の奥、真っ赤な看板が揺れる『サラマンダーの寝床』を訪れていた。

 

 「……暑い。リリ、保冷魔法の出力を上げろ」

 

「これ以上は魔石の無駄遣いです、ゼクス様。郷に入っては郷に従ってください」

 

 リリが呆れ顔で扇子を振る中、店内ではスタンクたちが既にエールを煽っていた。

 

 「よお、ゼクス! 遅かったな。見てくれよ、今日の担当のサラマンダー嬢……最高に『熱い』ぜ!」

 

 スタンクが指差す先には、褐色の肌に燃えるような赤い髪、そして体温が数百度に達するサラマンダー族の女性が、文字通り「お立ち台(調理台)」の上で横たわっていた。

 

 1. 究極の調理法:サーマル・エンジニアリング

 

 俺たちのテーブルに運ばれてきたのは、極上の霜降り肉。それを、給仕のサラマンダー嬢が自分の太ももや腹部の上に「ジューッ!」と直接並べていく。

 

 「……素晴らしい。生体熱伝導による均一な加熱(ヒーティング)。鉄板では不可能な、肉体の柔らかさと適度な脂(汗)が混ざり合うことで、メイラード反応が極限まで高まっている」

 

 俺は職業病(エンジニア魂)を爆発させ、懐から温度計(魔道具)を取り出した。

 

 「ゼクス、食う前に分析するなよ。ほら、この太ももで焼けたカルビ……最高だぞ。サラマンダー嬢の吐息がスパイス代わりだ!」

 

 カニロウが満足げに肉を頬張る。

 

 だが、俺の目は肉ではなく、熱に悶えるサラマンダー嬢の「表情」に釘付けだった。

 

 2. サラマンダーの悩み:『耐熱性の限界』

 

 「……あ、あの、店主さん。……熱い……もっと、もっと熱くして……」

 

 肉を焼いているサラマンダー嬢が、恍惚とした表情で俺に縋り付いてきた。

 

 彼女たちサラマンダー族は、常に高い体温を維持しなければならないが、同時に「外部からの熱」を快楽として感じる性質がある。だが、自分の体温以上の熱源は、この地上にはなかなか存在しない。

 

 「なるほど。彼女たちは『熱源』であると同時に、常に『より強い熱』を求める飢餓状態にあるわけか……」

 

 俺はリリを振り返った。

 

「リリ、持ってるな? 先日のデミア先生との実験で余った**『高エネルギー・プラズマ魔石』**を」

 

 「……まさか、こんな場所で新作のテストをするつもりですか?」

 

 「打ち上げは、最高のプレゼンの場だ」

 

 3. 禁断のデザート:『イグニッション・プラグ』

 

 俺はカバンから、深紅に輝く極小のプラグを取り出した。

 

 「お嬢さん、これを試してごらん。君の体温を増幅し、体内循環させることで、君自身を『太陽』に変える道具だ」

 

 俺が彼女の(文字通り)熱い場所にそのプラグを挿入し、魔力を流した瞬間。

 

 「──ッ!? あ、あぁぁぁぁっ! なに、これ……っ! お腹の中が、マグマみたいに……っ、溶けちゃうぅぅっ!!」

 

 サラマンダー嬢の全身から、眩いばかりの火柱が上がった。

 

 肉を焼く音が「ジューッ」から「ドゴォォォン!」という爆発音に変わり、周囲のテーブルの客たちが一斉に退避する。

 

 「ゼクス! バカ、熱すぎる! カルビが灰になるだろ!」

 

「うるさいスタンク! 見ろ、この熱効率! 彼女の感度が上昇することで、肉の焼き加減が『レア』から『核熱(サーマル)ウェルダン』へ一瞬で移行したぞ!」

 

 「あ、あああああぁぁぁっ! 幸せ……私、今、生きてるぅぅぅっ!!」

 

 サラマンダー嬢は絶頂のあまり、自身の体温で周囲のビールを瞬時に沸騰させ、店内に「肉の脂の香りがするスチーム」を充填させた。

 

 4. 打ち上げの結末:灰の中の満足

 

 翌朝。

 

 焼け焦げた店の跡地(サラマンダーの店ではよくあることだ)で、俺たちは真っ黒になりながらエールを飲んでいた。

 

 本日のレビュー:女体焼肉『サラマンダーの寝床』

 

 ゼクス:評価 10点

 

「加熱調理の概念を覆した。高熱環境下での魔道具の耐久性データが取れたのは大きい。……ただ、リリの服が熱で少し透けていたのは、計算外の収益だった」

 

 リリ:評価 0点(殺意)

 

「ゼクス様。私の予備の服、あなたの給料から天引きしておきますね。あと、店主(サラマンダー)から『あのプラグを全従業員分導入したい』と熱烈なオファーが来ています」

 

 「ははは! 焼肉屋が発電所になる日も近いな!」

 

 俺たちは、焦げた肉の味と、サラマンダー嬢の熱い抱擁を思い出しながら、アンパルの眩しい朝日を浴びるのだった。

 

 

 

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