『異種族玩具店(アダルトショップ)の店主はインキュバス』   作:微糖コーヒー

3 / 13
第3話:形状記憶魔合金(メモリー・マジック・メタル)と「理想の巨根」

 

 

 スタンクたちがハーピーの店で「空の果てまで飛んだ」翌日。俺の作業場に、一人の男が転がり込んできた。

 

 「ゼクス……頼む、助けてくれ。俺はもう、自分に自信が持てないんだ……」

 

 現れたのは、中堅冒険者の男(人間)。聞けば、憧れの「トカゲ族」の女戦士といい仲になったはいいが、種族間の「サイズ差」と「構造の違い」の壁にぶち当たり、夜の戦場(ベッド)で敗北を喫したらしい。

 

 「なるほど。相手は爬虫類。あちらさんは『二本』あったり、反り返った返し(突起)があったりするのがデフォルメだからな。人間の規格(スペック)じゃ、満足させるのは至難の業だ」

 

 俺は腕を組み、ニヤリと笑った。

 

 「安心しろ。なら、『相手に合わせて最適化する外装』を作ればいい。前世の知識と、この世界の禁忌をちょいと混ぜてな」

 

 開発コード:『デウス・エクス・マキナ(神の如き巨根)』

 

 俺が今回取り出したのは、ドワーフの工房から横流ししてもらった『形状記憶鉱石』と、ゼルの協力で精製した『高密度・魔力伝導スライム液』だ。

 

 「いいかゼル。この鉱石を核にして、スライム液でコーティングする。そこに俺の『変身魔法(部分変容)』の術式を流し込むんだ。……名付けて、可変式魔法義装(マジカル・エクステンション)だ!」

 

 「……おいゼクス。それ、一歩間違えたら『呪いの装備』にならないか?」

 

 「失礼な。これは『祝福の装備』だ。使用者の脳波(魔力波)に反応して、イメージした通りのサイズ、形状、そして──**『電動回転』や『突起の突出』**までをリアルタイムで実行する」

 

 驚異のスペック

 

 アダプティブ・サイズ・コントロール:

 

 相手の種族を魔力スキャンし、最適な「長さ」と「太さ」を自動演算。人間サイズからオークサイズまで、シームレスに拡張する。

 

 マルチ・テクスチャ・チェンジ:

 

 表面の質感を、滑らかなシルク状から、爬虫類が好むザラついた「イボ付き」まで、魔力消費一つで切り替え可能。

 

 属性付与(エンチャント):

 

『氷結魔法』によるクールダウン(長時間の摩擦熱対策)、または『火炎魔法』による温熱効果。さらには『雷撃魔法』による微弱電流刺激(EMS機能)まで搭載。

 

 「これさえあれば、相手がドラゴンだろうがスライムだろうが、種族の壁を超えて『最高の夜』を提供できる」

 

 実戦:トカゲ族の夜を攻略せよ

 

 数日後、その冒険者から報告が届いた。

 

 結果は──完全勝利。

 

 「ゼクス! 凄かったよ! 彼女、最初は『人間なんて……』って顔してたのに、俺が術式を起動して『トカゲ族・特化モード』に切り替えた瞬間、白目を向いて鱗を逆立てて喜んでくれたんだ!」

 

 その口コミは瞬く間に広がり、俺の店には「異種族婚」に悩む男(と女)たちが殺到することになった。

 

 「ふむ、次は……『インキュバスの魔力を自動充填し、賢者タイムを無効化する循環回路(永久機関)』でも載せてみるか。そうすれば、一晩で一ダースのサキュバスを相手にしても、財布の中身(魔力)が枯れることはない……」

 

 俺は、さらに邪悪で、かつ人類の幸福に貢献する設計図を広げた。

 

 稼いだ金貨はすでに山を成している。だが、俺の探究心(煩悩)は、まだ1ミリも満たされていなかった。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。