『異種族玩具店(アダルトショップ)の店主はインキュバス』 作:微糖コーヒー
スタンクたちがハーピーの店で「空の果てまで飛んだ」翌日。俺の作業場に、一人の男が転がり込んできた。
「ゼクス……頼む、助けてくれ。俺はもう、自分に自信が持てないんだ……」
現れたのは、中堅冒険者の男(人間)。聞けば、憧れの「トカゲ族」の女戦士といい仲になったはいいが、種族間の「サイズ差」と「構造の違い」の壁にぶち当たり、夜の戦場(ベッド)で敗北を喫したらしい。
「なるほど。相手は爬虫類。あちらさんは『二本』あったり、反り返った返し(突起)があったりするのがデフォルメだからな。人間の規格(スペック)じゃ、満足させるのは至難の業だ」
俺は腕を組み、ニヤリと笑った。
「安心しろ。なら、『相手に合わせて最適化する外装』を作ればいい。前世の知識と、この世界の禁忌をちょいと混ぜてな」
開発コード:『デウス・エクス・マキナ(神の如き巨根)』
俺が今回取り出したのは、ドワーフの工房から横流ししてもらった『形状記憶鉱石』と、ゼルの協力で精製した『高密度・魔力伝導スライム液』だ。
「いいかゼル。この鉱石を核にして、スライム液でコーティングする。そこに俺の『変身魔法(部分変容)』の術式を流し込むんだ。……名付けて、可変式魔法義装(マジカル・エクステンション)だ!」
「……おいゼクス。それ、一歩間違えたら『呪いの装備』にならないか?」
「失礼な。これは『祝福の装備』だ。使用者の脳波(魔力波)に反応して、イメージした通りのサイズ、形状、そして──**『電動回転』や『突起の突出』**までをリアルタイムで実行する」
驚異のスペック
アダプティブ・サイズ・コントロール:
相手の種族を魔力スキャンし、最適な「長さ」と「太さ」を自動演算。人間サイズからオークサイズまで、シームレスに拡張する。
マルチ・テクスチャ・チェンジ:
表面の質感を、滑らかなシルク状から、爬虫類が好むザラついた「イボ付き」まで、魔力消費一つで切り替え可能。
属性付与(エンチャント):
『氷結魔法』によるクールダウン(長時間の摩擦熱対策)、または『火炎魔法』による温熱効果。さらには『雷撃魔法』による微弱電流刺激(EMS機能)まで搭載。
「これさえあれば、相手がドラゴンだろうがスライムだろうが、種族の壁を超えて『最高の夜』を提供できる」
実戦:トカゲ族の夜を攻略せよ
数日後、その冒険者から報告が届いた。
結果は──完全勝利。
「ゼクス! 凄かったよ! 彼女、最初は『人間なんて……』って顔してたのに、俺が術式を起動して『トカゲ族・特化モード』に切り替えた瞬間、白目を向いて鱗を逆立てて喜んでくれたんだ!」
その口コミは瞬く間に広がり、俺の店には「異種族婚」に悩む男(と女)たちが殺到することになった。
「ふむ、次は……『インキュバスの魔力を自動充填し、賢者タイムを無効化する循環回路(永久機関)』でも載せてみるか。そうすれば、一晩で一ダースのサキュバスを相手にしても、財布の中身(魔力)が枯れることはない……」
俺は、さらに邪悪で、かつ人類の幸福に貢献する設計図を広げた。
稼いだ金貨はすでに山を成している。だが、俺の探究心(煩悩)は、まだ1ミリも満たされていなかった。