『異種族玩具店(アダルトショップ)の店主はインキュバス』 作:微糖コーヒー
「……いいかリリ。魔王様が悩んでいるのは、破壊の力じゃない。**『あまりの魔力出力の高さゆえに、普通の男じゃ相手にならない』**という、生物学的な絶望だ」
魔王は、膨大な魔力の源泉。彼女がひとたび絶頂を迎えようとすれば、放出される魔力の奔流で相手の男が「魔力酔い」を起こして廃人になるか、ベッドが物理的に消滅する。
「つまり、彼女にとってのセックスは、常に『加減』を強いられる退屈な作業なんだよ。……そんな彼女に、俺たちが提供するのは**『全力(フルパワー)でイける解放感』**だ」
開発:『超高出力・魔力放電バイパス(アース・プラグ)』
「ゼクス様。要するに、魔王様の余剰魔力をどこかに逃がせばいいんですね?」
「その通りだ、リリ。ただ逃がすだけじゃない。逃がした魔力を、そのまま**『彼女を攻めるための電力』**に変換してループさせる。……名付けて、**無限快楽循環回路(ウロボロス・ループ)**だ!」
超伝導コイル搭載・拡張プラグ: 魔王が放つ膨大な魔力を、瞬時に電気振動へと変換。
耐熱・耐魔弾力ボディ: どんなに激しく魔力が暴走しても溶けない、オリハルコン粉末入りの特殊シリコン。
環境保護機能: 放出された余剰魔力を「浄化」して街の街灯のエネルギーとして還元する。
「これなら、彼女がどれだけ暴れても、周囲を破壊することなく、自分自身を極限まで追い込める」
実践:魔王の寝室にて
「……ふん。この余に、道具を使えと? 礼儀知らずなインキュバスめ」
玉座で足を組む魔王は、退屈そうに俺を見下ろした。
だが、俺が最新の『ウロボロス・ループ』を彼女の前に差し出すと、その瞳が僅かに動く。
「魔王様。貴女は今まで、相手を壊さないように、自分を殺してこられた。……ですが、これは違います。これは貴女が強ければ強いほど、貴女を激しく愛撫する……貴女自身の『力』を鏡にした道具です」
「……面白い。そこまで言うなら、試してやろう」
カーテンが閉められ、魔王が道具を手にする。
数分後。城全体を揺らすような、凄まじい「魔力の拍動」が響き渡った。
「ッ!? あ、あああああぁぁぁっ!! なにこれ……っ。余の魔力が、全部……逃げ場なく、私を、突いてくる……っ! 気持ちいい、加減しなくていいなんて……数百年ぶりだわ!!」
城の窓から、浄化された美しい光の粒子が噴水のように吹き出す。
それは魔王が、生まれて初めて「全力を出し切った」絶頂の証だった。
レビュー:魔王様の御言葉
【本日のレビュー:魔王の寝室】
魔王:評価 10点
「合格だ。あの道具、余の『全力』を受け止めて壊れなかったのは初めてだ。今までは相手がすぐ死ぬか、ベッドが爆発して興が削がれていたが……これなら毎日でもイける。ゼクスよ、褒美としてお前を余の『筆頭道具師』に任命する」
エピローグ:夜の街のエネルギー革命
「……ゼクス様。魔王様が絶頂するたびに、街中の街灯が明るくなって、工場の魔力炉がフル稼働しています。今や我が店は、歓楽街の星であると同時に、王国の『再生可能エネルギー供給源』として国から補助金が出ることになりました」
「ははは! エロで世界のインフラを支える。これこそエンジニアの理想形だな、リリ!」
「……そうですか。でも、魔王様が『もっと強い刺激を』と、ゼクス様を指名していますよ。……さあ、今度はあなたが『物理的に』壊れる番かもしれませんね」
リリは、魔王から届いた「指名状」を突きつけながら、相変わらずのジト目で俺を追い立てる。
インキュバス・ゼクスの、技術と欲望の物語は、これからも世界のどこかで、熱い火花を散らし続けるのだ。