魔法科高校の劣等生 ~隻腕の魔法使い~   作:なべを

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第二話

新学期が始まる前夜、芥はこれから起こることを整理するための相手を求めていた。

が、

全く予想外の相手から、通話が掛かってきた。

リビングのモニター前に立ちながら、芥はその相手と通話を始める。

 

「つまり、USNAのスターズが動いていると?」

『ええ、そうなります。既に東京で動いているようですわ』

 

通話先の相手は、ソファーのクッションにもたれながら肌の露出は抑えられているが、醸し出す色香を隠し切れないようなドレス姿で、四葉 真夜は重要情報をこともなげに伝えてきた。

 

「それは、『あの』アンジー・シリウスも動いているということでしょうか?」

『そこまで大きな事が起きているようですわよ』

 

画面先に居る、四葉 真夜を目を細めて見つめながら芥は最もな疑問をした。

四葉 真夜はその視線を悠然と受け止めている。

 

「ご当主、なぜそのような重要な情報をどうして自分に?」

『あら、貴方ならそれくらい知っていると思ったのですが? それと(わたくし)の事は真夜で結構ですわ』

「ご当主、流石にそれは」

『真夜』

「……真夜さん、これで良いでしょうか?」

「ええ」

 

そう言って、うっとりとした満面の笑みを浮かべる真夜。本心からなのか愛想笑いなのかは判断がつかない。

 

「では真夜さん、調べて欲しい事があるのですが」

『あら、頼ってくれるとは嬉しいですわね』

「どうやら東京で不穏な事件が起きているようでして、その事件のことを調べてほしいのです」

『具体的には?』

「どうやら、通り魔的な犯行で魔法師が襲われているようなのです。警察などは嗅ぎつけているようですが」

『なるほど、それは放っては置けませんね。調べておきましょう』

「ありがとうございます」

 

芥はモニターに向かって腰を折って礼をする。

 

『では、夜も遅いのでこれで失礼いたしますわ』

「情報を頂きありがとうございます。良い夢見を」

 

そう言って、通話は切れた。

通話が切れると芥は一気に疲れが押し寄せてきたので、リビングのソファーに座り込んだ。

天井を仰ぎ見て、今の会話を思い返す。

まさか、これからの情報が四葉からもたらせるとは、思ってもいなかった。

何かしたっけ? 俺?

 

翌日。

新学期が始まり、芥が登校すると早くも浮足立っていた雰囲気が感じられた。

教室に入り、自分の席着くやいなや、エリカが話題を持ち出してきた。

 

「ねぇねぇ、聞いた?留学生の事、かなりの美少女らしいわよ」

「まだ登校したばっかりだぞ? 分かるわけないだろ」

「登校したばかりだけど噂になってるって事は、相当な美少女なのよ。きっと」

 

そんな事を話しながら、朝の時間を過ごす。

噂の美少女と会ったのはその日の昼食時だった。

 

学食で皆と食事をしている時、深雪と一緒に留学生が表れた。

その少女は、背丈は深雪と変わらず、綺麗な金髪をツインアップにしている。

そして、深雪とは別方向に明るさが全面に出た美少女で真っ直ぐさを感いる青い目が印象的だった。

連れてきた深雪が代表して紹介してくれる。

 

「こちら、アンジェリーナ・クドウ・シールズさん。今日から1-Aに留学生をして入っていました」

「リーナと読んで下さいね。敬語も無しだと嬉しいわ」

 

そして、皆がそれぞれ自己紹介を行いながら昼食は進んだ。

 

その放課後、芥と達也は風紀委員会の部屋に赴いていた。

部屋に入ると何故かリーナがいた。

 

部屋にはいってきた芥と達也を見た花音先輩が、2人に告げて行きた。

 

「良いところに来たわ。2人ともシールズさんを巡回に動向させてほしいのよ」

「理由をお聞きしても?」

「シールズさんは学生自治に興味を持ってね、それに学校に来たばかりで施設のこともわかってないようだから巡回が丁度しいと思ったのよ」

 

なるほど、とそう言われてしまっては断る理由が無い。

達也とリーナを連れて巡回に向かう。

 

「ねぇ、どんな順番で周るの?」

「基本的には運動部がメインで着かている施設がな、そこが一番とダブルが起きやすい」

 

そんな他愛もない会話をしながらキュンしていく。今回に限り時にトラブルも起きなかったので、リーナに学校施設を案内する形になったが。

人気が無くなった場所に差しかかると、

 

「タツヤもカイも二科生なのよね?」

「そうだな」

「ああ」

 

リーナは何か考えているようで、

 

「自分の実力が評価されないって辛くないの?」

「今の魔法師適正から考えれば、自分の実力は正しく評価されていると思っているからな」

「俺はこんな身体から評価して頂けるだけでありがたいよ」

 

そうしてその答えに考え込んだリーナは、突然、隣にいる芥に向かって手刀を向けてきた。

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