超人酒寄彩葉と借金貧乏男子が運命的な出会いをする話 作:陸結
お察しの通り死ぬほど誤字脱字をする作者です...
今後にいっぱい書きたいシーンがあるのでとりあえず物語を進めていきます。なので、今後も是非お楽しみください。
酒寄が動かなくなってしまった。その様子を見て俺は自分のしてしまったことを理解した。いくら酒寄との仲とはいえ、男女としてこのスキンシップはあまりにも御法度であった。
「なにあれ」
自分の行動を後悔していると酒寄がそう呟いた。酒寄の視線の先には電柱が7色に光っていたのである。
「ゲーミング...電柱...?」
いや、ゲーミング電柱ってなんだよ。でもゲーミング電柱なんだよ。
「ふー幻覚か!いや〜流石に2時間睡眠は良くなかったか。これからは3時間は寝よう」
「そうだな、俺も夜勤からの学校はやめるべきだったな!」
そう俺らは自分に言い聞かせて、立ち去ろうと試みる。そんな俺たちを引き留めるように、電柱がスモークを吐き出す。
嘘だろ?勘弁しろって...
そんなことをしているうちに扉が開き中から出てきたのは、
「あ、赤ちゃん?」
「ん?????????????」
そうして俺らは考えるのをやめた。
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「で、どうする?」
「いやいや拾える訳ないじゃん!!」
私がそういった瞬間に。
━もうどおなってもいいんだぁ!!
━ガッシャーーン!!
━あおーん」
━キキーーっ!
酔っ払いの叫び声とガラスの割れる音に野良犬の遠吠えと車の乱暴なブレーキ音が矢継ぎ早に聞こえてくる。
こんな治安の悪い街だったっけ?治安の悪い街だったみたいです。
まぁ放置は危ないか...そう思って私は電柱から赤ちゃんを抱き上げてしまった。
「案外軽い...」
するとみるみる電柱は光を失いやがて元の姿に戻って行った。
「えっちょっとあの!忘れ物です!お願い開けて!」
「とりあえず、俺の部屋に連れて行って警察に電話しよう」
「えっなんでそんな冷静なの?」
「まあ、神は乗り越えられる試練しか与えないから」
「なんかあんたすごいね」
私が感心してる間に有原はアパートの階段に足をかけ、自分の部屋を開けようとドアの前で立ち止まった。しかしいつになってもドアを開けないので彼の手元を見ると鍵を持つ片手が震えて鍵穴にさせていなかった。
「いやめっちゃ動揺してるじゃん?!さっきのやつ何?!」
「いや冷静でいれるわけないだろ?!電柱から赤子だぞ?!未だに幻覚と夢を疑ってるわ!酒寄一回俺の顔引っ叩いてくれ!」
ドンドンドン
「「ひっ」」
「あーもう一回私の部屋でいいから!」
そりゃこんな夜中に騒いだら壁ドンぐらい来る。てか壁ドンなんて初めてなんだけど、ショック...私は鍵を開け有原を迎え入れた。勢いでとんでもないことをしている気がするが気のせいだろうか...
有原が赤ちゃんを布団の上に寝かせ私の前に座った。
「で、どうする?」
「連れて帰ってきた以上、一旦保護するしかないでしょ」
「じゃあ一回俺警察に電話して、そのあと必要なもの買ってくるから、その赤ちゃん見ててくれ」
「わかった」
有原はスマホを取り出して警察に電話をかけた。
「はい事件です。えっと赤ちゃんを保護しまして...いや誘拐してきたとかじゃなくて、ゲーミング電柱、あっ7色に輝く電柱から煙とともに赤子が出てきて...いや何言ってるんだっていうのは激しくme tooなんですけど...いやイタズラじゃなくて...いやYoutubeの企画でもなくて...いやクスリやってるとかじゃ...あああ大丈夫です!大丈夫です!もう平気になりました!」
有原は電話を切ると座り込んでしまった。
「そりゃ信じてもらえないよな」
「私も今聴いてて面白くなっちゃったもん」
「とりあえず行政はもう頼れないわけで、次行くなら児童相談所か?いやそれとも保健所...いやでもそもそも3連休で空いてるのか?」
有原は頭を唸らせてるが,やがて机に突っ伏してしまった。
「とりあえず、3連休乗り切るしかないな。すまない。酒寄、迷惑かけて、俺この3連休ずっと深夜バイトあるから夜中世話任せることになる。」
「いや、拾ったのは私だから私が責任持って面倒見るよ」
「いやでも、部屋に連れてこうとしたのは俺だし」
「いや結局私の部屋に入れたんだし」
「いやいや」
「「いやいや」」
その後はひとしきり言い合った後に互いに体力の限界がきてお開きになった。
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「子育て応援とか嘘じゃねぇか...」
「こっちは60日分...これは20日分...」
俺と酒寄は某有名ベビー用品店で必要なものを購入していた。ベビー用品の衛生的な面からも覚悟はしていたのだが、予想以上の価格に面を食らってしまった。酒寄に至ってはお金の単位が円から食になっている。
「じゃあ俺会計してくるから、酒寄は外で待っていてくれ」
「えっいや私払うよ?」
「そういうわけじゃなくて、流石に俺らが子連れで会計したら客観視やばいだろ」
いくら、子連れのお母様方に配慮して店員が話しかけないこのお店でも、高校生男女が赤ちゃんを抱いて現れたら、そのままgo to 児童相談所である。赤ん坊だけ連れていかれるならいいが、どう考えても俺と酒寄も赤子と共に行政のお世話になってしまう。母親のことを気にする酒寄がそんなこと許されるわけない。
「あっそっか、じゃあ外で待ってるね。後でお金渡すね」
俺は赤ん坊を酒寄に手渡して、会計に向かった。
「合計13,540円です」
ああ、夜勤1日半分です。
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アパートに帰った俺と酒寄は俺の部屋で買って来た物品の荷解きと赤ん坊の世話をしていた。
「えっと沸騰させた後に冷まして、でこれをまた流水で、もったいないから水張っておいとこう。でこれが体温ぐらいになるまでって結構手間かかるんだな。この年で親のありがたみを知ることになるとは...」
「有原?後どのくらいでミルクできそう?」
「冷やすまでだから後2分ぐらいだな」
「じゃあその間にオムツ変えちゃお、そこにあるの取ってもらっていい?」
「おう,これだな?」
「そう。ありがと」
酒寄はスマホでやり方を調べるとまるで普段からやっているような手付きでオムツを変える。なんて器用な奴なんだ...そうこうしている間にミルクの準備も整って俺は赤ん坊を酒寄から受け取った。
「えっミルクあげるの上手じゃん。器用 ねー」
「こいつ案外いい子だな。昨日は夜泣きで大変だったってのに、安らかな顔してやがる」
「この顔見るとベビー用品に消えたお金も浮かばれ..」
「無理するなよ。それとこれは話が別だ」
ベビー用品代は酒寄と割り勘、ということになっている実際はちょっと多めに俺が払っているのだが酒寄は気づくまい。俺の所持金はすでに借金でマイナスなので減ったところで誤差でしかない。それにこれ以上酒寄に負担をかけたくなかったってのもある。
「じゃあこいつは俺が面倒見とくから酒寄勉強していいぞ」
「くっお言葉に甘え...ます」
酒寄は苦しそうにそう答えた。あらかた、頼ってしまうことに罪悪感を感じたもののそれ以上に勉強できるという提案が魅力的すぎて抗えなかったのだろう。
「まあ気にするなよ。俺も夜はバイトで酒寄に頼らざるを得ないんだ。これは迷惑じゃなくて相互保証の運命共同体だ」
「そうだね。じゃあここはお願い」
「おう」
そう言って自分の部屋に酒寄は戻って行った。酒寄のそんな姿は強かでカッコ良く思えた。
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赤ちゃんはよく泣いたがそれ以上によく笑った。子供が産まれると子供中心の生活になるとはいうが、それは本当のようだった。有原と交代で世話をしていたが、私たちは日に日にやつれていった。
「ねーお腹減った。」
「....承知です〜」
そうなるほどね。空腹ですか?重い瞼をなんとかこじ開けてキッチンに向かい、お湯を沸かす。
時刻は午前3時。クソっこんな時間に起こしやがって...これあげたらそろそろ有原も帰ってくる時間か...
「うわぁ!」
「うぉお?!」
つい大声を出してしまった。疲労感と睡魔でスルーしそうになっていた。ここ3日の献身で架空の声が聞こえるようになってたからスルーしかけた。
なぜ赤ちゃんが言葉を喋ったのか?
なぜ赤ちゃんだった奴が可愛い少女になっているのか?
いやそんなことはどうでもいい。
「お引き取りください!」
そう言って私は近くにあるベビー用品を全てまとめて彼女に突き出した。
「どゆこと〜?!」
「それ言いたいのこっちだから?!なんで急に大きくなってるの?!」
「今どきは何もかもが早いんですわ〜」
「てかいずみは?」
「泉って有原?そろそろ帰ってくると思うけどってなんで名前...」
なんで彼の名前を知っているのだろうか?てかどうしてこいつは言葉を喋れる?いやそんなことは今はどうでもよくて。
考える意味もないことをどうしても考えてしまう。それほど目の前の状況は異常だった。別にこの3連休全てが異常だったけど
「「ぐー」」
夜ご飯を食べていなかったことと急激に頭が働いたせいか、私の部屋に二人分の腹の虫がこだました。
【裏話】
酒寄と有原は似た者同士に見えますが、根本が少し違っています。二人とも他人を頼るのは苦手ですが、有原の方が他人に尽くしたいって思いがある分信頼する相手に頼ることができる。酒寄の方は根本的に自分で全部解決したい、全部自分で完璧にこなしたいって欲求のもと動いてます。そんな似ているようで似ていない2人はお互いをちょっとずつ尊敬しあってます。