超人酒寄彩葉と借金貧乏男子が運命的な出会いをする話   作:陸結

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今回やけに短いですが許してください...説明パートが終わらない....


第二十二話 人をもをし 人も恨めし あぢきなく

 

 

 

 

「初めまして、いや昨日の電話ぶりやね。泉くん」

「初めまして...泉です」

 

目の前にいる女性は高校生の子持ちとは思えないほど若々しく、そして鋭い眼光をしている。

 

気まずすぎるなぁ...ほんとに...

 

「お久しぶりです。紅葉さん。いつも朝日をお世話してます♪」

「雪平くんも久しぶりやねぇ。直接会うのは6年ぶりぐらい?」

「そのぐらいですかね〜時間の流れは早いもので〜」

 

兄貴は彩葉母...紅葉さんと平然と話している。そりゃ面識はあるから当たり前か。

 

「兄貴...一個聞いていい?あまりにも親しすぎない?どういう関係なの??」

「あっそっか泉はまだ記憶ないか。昔お隣だったんよ」

「はぁ?!てか俺元々京都出身だったの?!」

 

てっきり根っからの江戸っ子かと思ってた立川が江戸かどうかは疑問が残るけど。

 

「まだあんたらのお父さんが生きてた時ね、そこの家に住んでたんよ」

「で、朝日と彩葉ちゃんが東京の方が来た時色々助けてほしいって頼まれててね」

「なるほど...ん?兄貴いうて彩葉に構ってなくね?」

「それは私がそう頼んだからよ。あの子は1人で生きてけなきゃあかんからね」

「でも...見守ってほしいと頼んだですか?なんか矛盾してません?」

「泉くん......君はまだ子供だからわかんないかもしれないがね、いくら娘を自立した子に育てるためとはいえ、東京で1人暮らしは親としては気が気じゃないもんよ?」

「あっそれはそうですね...」

 

俺もかぐやが1人でスーパー行った時も彩葉と後つけたから少しは気持ちも理解できる。

 

「実際朝日も置いて出てってちゃったって言って、ずっと彩葉ちゃんのことすげー心配してたしね。そのせいで、俺紅葉さんと朝日から別々に彩葉ちゃんのこと頼まれてたし...」

 

なんだ。彩葉すごい愛されてるじゃないか...ただ全員空回りしてる....

 

「それなのにあの子は...私からの電話は毎回無視して義両親の電話だけは取るし...」

「なぁ兄貴、もしかして...紅葉さんって結構不器用??」

「朝日と彩葉ちゃんのお母さんだぞ?自分の気持ち伝える不器用さは天下一品だ」

「あんたら聞こえてるで」

「「すみません」」

 

そう考えると親しみやすく思えてきた。

 

「それであんたらは今日何しに会いにきたの?」

「______親父が預けてる物を貰いたくて」

「なるほどね......ちょっと待っててくれる?」

 

そういうと紅葉さんは立ち上がり、戸棚から箱を取り出し、俺たちに差し出した。

 その中には鍵とUSB、そしてメモが一編入っていた。

 

「これはツクヨミを管理してるサーバールームの鍵。こっちのUSBは私にはさっぱりだけど、サーバの編集許可コードやって言ってたわ。サーバールームの住所はこのメモに書いてあるわ」

「ありがとうございます...」

 

俺たちはそれらを受け取り、丁重にしまった。

 

「ほんまに君たち兄弟には悪いことしたわ」

 

紅葉さんは淡々と話し始めた。

 

「正直な話、恣意的な株価の暴落を防げなかったのはうちの責任や。

 サイバー攻撃自体は知ってたのに、株主への説明を怠ってたうちのミスや。それがなければ、一方的な空売りでも耐えれたはずなんよ。それにもっとうちの対応が早ければ、損失も回収できたかもしれへん...ほんまに申し訳ない」

 

紅葉さんは深々と俺たちに頭を下げた。こういうところは彩葉にすごい似ている。十何年も自分を責め続けて生きてきたのだろう。時期的に自分の配偶者も失って、誰にも弱みを打ち明けれなかったのに...

 

「紅葉さん。謝らないでください。俺はこの事実を知ったばっかですし、この借金がなければ彩葉とも出会えなかったかもしれないですし...むしろラッキーでしたよ」

「紅葉さんは身寄りのない俺たちの戸籍関係をなんとかしてくれたし、朝日も居候させてくれたり...俺たち兄弟は酒寄家に頭あがんないすよ?だから謝んないでいいです」

「そう。お父さんに似てお人好しな兄弟やね」

 

紅葉さんはそういうと先程までの凛々しさを取り戻した。

 

「それに俺たちこれからそのサイバー攻撃の犯人に喧嘩売るんで!敵討ちしてやりますよ!」

「あら、ほんま。私に技術的なことはわからんけど、今度同じようなことになった時はあんたらは絶対私が守るで」

 

俺たちは紅葉さんの決意を受け止め、立ち上がった。

とりあえず、サーバールールにかぐや奪還の糸口があるに違いない。

 

「あ、そうや。最後に一つ」

 

紅葉さんは座ったまま俺たち...俺に声をかける。

 

「昨日の電話で君の思いは受け取ったけど...そういうのは大学卒業してからにしてな」

 

俺の思い...?大学卒業後...?

 

 俺は身体中の汗腺から汗が吹き出すのを感じた。

昨日俺の言った言葉は、もはや婚約宣言と捉えられても文句に言えない言葉だった。

 

「いや紅葉さん?!俺と彩葉はそんな関係じゃないですよ?!」

「えっ?雪平くんほんまなの?」

「残念ながら事実なんですよ...つい最近まで無自覚でしたからね」

「なんやそれお金払いたくなるくらい面白い話やないの。今後も彩葉を見守ってな」

「こちらこそ、また面白い展開になったら連絡しますね!」

 

この人たち俺と彩葉の恋路で楽しんでるじゃねーかよ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

俺たちは酒寄家を後にし、東京への帰路についた。

 

「で?俺はまだ疑問が一個解消してないんだけど?」

「ん〜疑問って??」

 

兄貴は軽自動車を運転しながらシラを切る。

おそらくはただふざけてるだけだが...

 

「ヤチヨとどういう関係なのか。ヤチヨはかぐやなのか。ヤチヨはどういうわけで8000年前に行ったのか。そして......」

 

 

「ヤチヨが隠してることはなんなのか...」




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この話を書くために、株の勉強をする始末...いつかちゃんと理解した上でこういうトリック作りたいですよね...
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