超人酒寄彩葉と借金貧乏男子が運命的な出会いをする話 作:陸結
なので実質今日は2話更新です!
あ...ありのままに今起こったことを話すぜ!夜勤から帰ると甲斐甲斐しく世話していた赤ん坊は大成長を遂げて、小学生サイズになっていたんだ!な… 何を言ってるのか わからねーと思うがおれも何があったのかわからなかった… 頭がどうにかなりそうだった…
あまりのショックに俺は変なことを考えていた。
何言ってるんだろう俺。
「何これうま!!なんていうやつ?!」
「オムライス...なあ酒寄?これ現実?」
「現実なんだよね...」
「オムライス...超〜美味しいじゃん!」
美味しそうにオムライスを口にかき込んで行った。コンビニ夜勤バイトでもらった廃棄弁当のオムライスをただお皿に写したものだったがお気に召して頂けたようだ。一方俺と酒寄は半分っこにしたハンバーグ弁当を食べていた。
「ねー泉?それなに?」
「こっちはハンバーグ。いいか?欲しかったらちゃんとお願いして、『いいよ』って言ってもらってからだからな。黙って人のもの取っちゃダメだからな」」
「わかった!泉ーちょっとちょうだい!」
「よーしよくできました。」
そう言って俺が半分に割ったハンバーグをさらに半分にし大きい方を少女の皿に移してやった。
クソ、これじゃあ子供に大き方を譲る親じゃねーか!
「であんたどっからきたの?」
「ん?ん」
そう言って少女は指を上に向ける
「月?」
「そう!」
「で?宇宙人は何しにきたの?侵略?」
おいおい。物騒すぎるだろ
「んー覚えてない!なんかすごい楽しそうだったから来た!」
「適当すぎるだろ...」
「自分で帰れないの?」
「え~~~帰りたくな~~い~~!!!そもそも帰る方法覚えてない~~~~」
少女は幼稚園で帰りたくないと駄々をこねてる子供のようだった。まあ子供だもんな。でもここであることが疑問に浮かぶ。
「竹取物語って知ってるか?」
「んー?んーん」
少女はスプーンを咥えながら首を横に振る。
「えーごほん。今は昔、竹取翁というおのありけり。野山に混じりて竹を取りつつ萬のことに使いけり。名をば讃岐造となむいいける」
「泉変な口調ー」
そう言って少女は笑ってくる。クソ!ムカつく!でも可愛いから許す!
「何?有原全部暗記してるの?てかそれどれだけかかるのよ」
酒寄は少女に竹取物語の要約を伝える。クソこいつエレガントすぎる。
夜勤後の深夜テンションのせいか俺は頭の中で独り言が止まらなかった。
「つまり、2人がそのお爺さんってこと?」
「80年後の姿でも見えちゃってるのかなぁ?」
「そうだぞ。そもそもその物語のお爺さんはその近所の代表で偉かったんだぞ。俺なんかと比べれないぞ。あっ酒寄ならいけるけどな」
酒寄が俺を肘で撃つ。クソちょっとふざけたらこれだよ。
「で続きは?」
「ない。めでたしめでたし」
「え?月に帰って終わり?なにそれ、なにがめでたいの?超バットエンド!!かぐや姫絶対不幸じゃん!!しかも何かいい話~的な感じで終わってるのが余計に許せないよ!!」
「古典ってそういうものだからなぁ。実際竹取物語は『物語のいできはじめの親』って言われるぐらいだから」
「えーー何?!ハッピーエンドはマイノリティーなの?!バッドエンドマジョリティーじゃん!!」
こいつほんとにどこでそんな言葉覚えたのだろうか
「バットエンドやだぁぁぁ〜。ハッピーエンドがいいぃぃ〜」
「どうしようもないじゃん。暴れたって、歌ったって、決まってる事が変わるわけじゃないし」
「受け入れて、覚悟するしか、ない」
酒寄はまるで自分に言い聞かせるようにそう言った。
どうしてそこまで自分に厳しいのだろうか。
いやまあ理由は明白か
「決めた!」
「自分でハッピーエンドにする!そんで彩葉も泉も連れてく!一緒に!」
俺と酒寄はそういう少女に目を奪われた。
元気に笑って、でもどこか悪戯な笑みを浮かべてる、そんな顔に。
「ハッピーエンドいらない。普通のエンドで十分です」
酒寄が一足先に正気に戻ってそう返す。
「うそうそうそうそうそうそー!!そんなわけないでしょぉ!」
そう少女は酒寄に泣きついた。
目の前ではハッピーエンドに固執する少女とそれから離れようとする酒寄。そして騒いだせいで到来した壁ドンに2人して肩を竦める。そして俺は疲労が限界となり倒れ込んでしまった。
ゲーミング電柱が持ち込んだ異変は少しずつ、でも着実に俺たちの生活を変え始めた。
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【裏話】
この3連休酒寄と有原は交代交代で面倒を見ていました。
昼間は有原が面倒を見て酒寄は勉強。夜は酒寄が面倒見て有原は夜勤
という感じでした。
有原が夜勤を入れているのは単純に昼間よりも時給がいいからです。有原はできることなら毎日夜勤がいいのですが、平日はそれをすると流石に死ぬとわかっているのでそうしていません。
夜、酒寄と寝ていたのもあって少女からの好感度は若干酒寄ママの方が優勢です。