本小説は「思いついたはいいが、連載するまでの気力が無い」オリジナル作品の設定の消費先を作る為に書きました。
まあつまり実質チラシの裏です。
何で通常投稿してるんだ、と?
そりゃあれよ、承認欲求。
俺は無数の世界を、事実上身一つで渡り歩く。
剣と魔法にドラゴンの世界から、ナチが連合軍ぶっ倒した世界まで。
つまり、何処ぞの通りすがりマゼンタの同類だと思ってくれていい。
――――自己紹介はこんなもんでええやろ。
この度興が乗って、渡る世界毎に記録を付ける事にした。
つまり、此処から先綴られるのは、俺の思い出話だ。
…あの、これ前にも似た事をやった
正味それだけが心配なんだけどね…。
――――さて、記録に入ろう。
今の世界に来て現在、三日目。
建物は石造り…いや、ローマンコンクリート擬きか?
ざっくり纏めて、清々しいまでのヨーロッパ風ファンタジーの世界。
無駄に簡易的な免震構造がある…これは初めて見た。
こういうのを、俗に言えば【ナーロッパ】か。
人種は主に極東モンゴロイド系に酷似、髪色は金・銀髪か原色系。
…黒髪、茶髪類は滅多に見ないな。
そう言った所もナーロッパらしさを感じる。
時折すれ違う、戦士職っぽい女達だってそうだ。
まるで寺沢武一の漫画か?ッてくらい、際どい恰好をしている。
それもナーロッパ世界観の特徴だと、俺は勝手に思っているがね。
丁度今通りすがった女だって、あの前掛けで下どんなん穿いてんの?
あれで魔法とか無きゃ、防具として効果あんの?
まあ眼福眼福…いや、そこまでだな。
正直…実はゲームかアニメの世界
顔面偏差値も無駄に高いし。
…いや、
何時かは忘れたが、訪れた世界にキツめの遺伝子選別があった事もある。
危うく捕らわれかけた。
会話については…正直、商談以外には何も話してない。
商談というのも、結局雑貨の購入程度。
大した事も無い。
…元よりどの世界でも、大体そんな感じで旅してる。
別に不干渉を貫ても、言い付けられてさえいない。
見ての通り俺、全身ほぼ真っ赤じゃないし、頭に刃物付けていないだろう?
えっ見れない?…しまった文書記録だった。
言葉の意味も分からない?それはお前の勉強不足。
理由なんざ至極単純だ。
興味も無い事に深入りして、面倒に巻き込まれたくないのだ。
…気分次第でドッぷり関わるけどね。
後、業務上関わんなきゃいけない奴
――――気が付けば町の外側、関所近くに来ていた。
この世界の街はどうも、十数mほどの壁で囲われている。
珍しい事ではない…便宜上“現実”と呼ぶ【俺達の世界】にもあったろ。
特にこの手の世界では、敵対生物の侵入を阻む意味が大きい。
…所謂“魔物”とかって呼ばれる、バラエティーに富んだ猛獣類だ。
前に一度、何十mかの巨大な壁が築かれた世界に来たことがある。
――――巨人は居なかったけどな。
さて…と。
この手の壁の入り口には、高確率で検問所がある。
そりゃそうだ、入り口なんて脆弱性に見張り付けない方が頭おかしい。
家の扉には鍵掛けるし、近所に泥棒が出れば防犯カメラを付ける。
それが常識だ。
だが…厄介だな。
今の俺、外套を脱げば滅茶苦茶現代日本人の恰好なんだよ。
柔いジーンズに、意味を意識しない英単語入りのシャツ。
現代日本人の標準装備みたいな洋服一式だわね。
何なら耳、イヤホン付けてて東方神起のShare The World聴いてるし。
魔法がある以外、色々中世基準のこの世界じゃ十分不審者だ。
脱獄は手間じゃないけど、絡まれたくない。
という訳で今現在、立ち往生中。
別に裏口突破は出来るんだが、目立つ…特に俺のは。
俺は
――――そんな時だった。
「!…なあ、そこのマントのお前。
日本人、だろ?」
「あ?…まぁ、はい」
そこに立つ“黒髪”の男に、突然話しかけられた。
「…で、あの時どう関所突破しようとしてたんだ?
マントの下それじゃ、ぜってー引っかかるだろ」
「あぁ、これ」
焚火を挟んだ先の日本人――――フユモト・ユウキ。
齢にして、17から20ほどの彼はどうも俺より、2か月ほど早くこの世界に来たようだ。
…焚火はライターで付けた。
ユウキには「風情ねーな」とは言われた。
文明の利器なんて使ってなんぼだろ。
そんな彼に、先の秘策を見せる。
「…五百円玉?
それも銀行の、纏まってるやつ」
所謂、棒金という奴だ。
硬貨を円柱状に積み重ねたアレね。
「まだまだ世界に誇れそうな、祖国
昨日手に入れた貨幣からして…加工技術は雰囲気相当だ。
最悪十円玉でも良かったか?いや、銅製だからと買い叩かれる可能性があるな。
「なんだそれ。
行ける……のか?新品ピカピカだし」
「名菓ひよ子の次にはイケる」
名菓ひよ子は最強だ、賄賂が通じる環境なら大体通してくれる。
…嘘だが。
さてと、雑談も程々にせねば。
そろそろユウキ君から得た情報を纏めねば。
――――聞けばこの世界、どうも「魔族及び魔王」が居る様だ。
世界によって実態が正真正銘魔の者共だったり、只の宇宙人だったり玉石混交だが。
成り立ちはどうあれ、その手の角付き色黒の人型は大概、人類と敵対している。
或いは“そういう歴史”があった…か。
ともあれこの世界の魔の者達は、人間の数十倍強い魔法を持つ。
それを元手に現在、破竹の勢いで進軍しているようだ。
…補足だが、ここの魔法は所謂ドラクエ的な魔法に近い。
そこに、ご大層な詠唱があって、派手な魔方陣も一々展開されるタイプだ。
ナーロッパ魔法としてはポピュラーな型だな。
で、だ…当然人間も、やられッパで大人しくしていない。
しかし、手元には確実な反撃手段はない。
という訳で人間…というより、一大勢力の「王国」は大博打に出た。
――――英雄の召喚だ。
過去に「異界より来た戦士は、如何なる魔法も弾いた」という伝説。
それだけを頼りに始まった
何故かこの博打召喚に頼る作戦、色んな世界で採用されてるのよね。
と、まぁ…手当たり次第の召喚で、無理矢理現代日本人を連れ去った。
その上で、中程度の装備を持たせ、魔族軍へと突貫させる。
酷く“お約束”通りだ。
呼ばれた日本人たちが「勇者」と呼ばれている所含めて。
最早聞き飽きて来たくらいだ。
笑いなんて、口角を数度上げる程にすらない。
「つーか…お前。
ホント、勇者じゃねえんだな?」
「あぁ。
裏口入学だし、俺」
「お前が
結局この【たくさんの勇者作戦】は、まあ前線維持には役立ったそう。
呼んだ奴らが皆、伝説通りに魔法を弾いてくれているからだ。
しかし決定打にはなり損ねていた。
それも全部、王国のお抱え魔術師が“現代日本人”しか呼べていない事に起因する。
俺とユウキの想像する、現代の先進国民は総じて軟弱。
身体への負荷を大幅に“文明”が肩代わりしてくれる環境があるから。
故にフィジカル等は育ち様も無い。
中でも日本国は、世界有数の治安の良さを誇る国家の市民。
戦争やテロが、どの国よりも遠い所にある価値観。
そんな奴らの平均身体能力は、この世界の一般市民にすら劣る。
精神でさえ、正直虚弱気味である。
…っていうかこの世界の人類普通にホモサピエンスの平均以上の身体能力あるし。
そんなヒョロガリ、或いは独活の大木…戦争じゃ基本役に立たない。
魔法がある世界だが、力押しが得意な奴もゴマンと居る。
死ぬならまだいい方…結局大した戦力に成らず、路頭に迷う。
果てに悲惨な目に遭う日本人が、後を絶たんらしい。
中世相当の価値観で、高度文明人の倫理感覚は意味を成さないだろう。
せめてテキサス親父の類でも呼べてたらな。
聞けば性奴隷堕ちしたJKを、ユウキは見かけたそうな。
可愛かったが、高くて買えなかったらしい
世界跨いで自分勝手に連れ去った挙句、使えなければ丸めてポイッと。
普通に終わってる話だな、以上のものは無い。
――――同情こそすれ、義憤なんて起こらない。
確かに俺も、その手の“誘拐召喚”の被害者だった。
…だが昔の話だ、どれくらい経ったかも覚えてない。
それから俺も、戦争中だったその世界に合わせて来た。
人を食うような生活をした訳だ。
世界を股にかけるようになってからも、色々見て来た。
そういう勇者呼ばわりで誘拐する世界も、数え切れない程。
だから…随分と擦れてしまった様だ。
どうこうしようとは思わない。
…ま。一回ムカついて、被害者世界の米軍にチクッた事あるけどね。
手厚く“扉”まで開いたら「人間vs魔王軍vs米軍」とかいうカオス展開になった。
久しぶりに見たわ、ナーロッパ上空をストライクイーグル飛んでる所。
「まっ、どうあれ…オレぁジジィとの暮らしに戻る気は無ぇ。
この世界は――――俺向きだしな」
話を戻すが…ユウキ君もまた、誘拐召喚の被害者。
――――ではない。
彼を一言で表すならばギフテッド。
それもフィジカル面での、最強クラスだ。
過去、身体能力テストではアフリカ野生動物めいた記録を打ち出した彼。
その余りある力は、本来鋼鉄の檻と鎖で閉じ込めるべきだ。
…理性だけが頼りの日本教育は、この猛獣には力不足だった。
振り分けられたクラスの教室が廃墟風味と化した。
ちょっかいを掛けたいじめっ子は…まあ、あんまり無事じゃ無かったろうな。
半ば摘まみ出される形で、晴れて不登校児となった彼。
だが、家庭内でも暴力の嵐を吹かせる…とはならなかった。
結局この怪物を、どうにか人間に仕立て上げた傑物がいたのだ。
――――彼の祖父だ。
一般人の倍近い知識と教養を持った、武術の達人。
そんな大和男児のお手本みたいな老雄は、見事に暴君を制御してみせた。
お陰で今、こうして穏やかに会話が成立していうのだろうか?
それを思えば、俺は彼の祖父への感謝が尽きない。
ともあれ、リアル江田島平八みたいなのがやっと手懐けた存在だ。
召喚士がどの程度であれ、無双の“暴”を前に無事では済まされなかった筈。
油断さえしただろう…首輪など、簡単に付けられる、と。
何せ今までが警官や自衛隊員がくればいい方の、モヤシ連中だったのだから。
俺達の一般的倫理から見れば、それは“良い薬”にはなっただろうな。
…口に苦すぎて、病と一緒に命も飛び出してそうだケド。
「ジジィから一本も取れなかったのは心残りだが…」
「それ以上に、わくわくしてんなアンタ冒険に」
「ッたりめーだろ、本気出しても問題ねぇんだぜ?
個々の奴らは暴力に対して寛容だ…酒場で暴れられる。
――――寧ろお前、地味な旅でいいのか?退屈だろ」
「地味な趣味で悪かったな。
そういう暴れたいお年頃じゃなーいの、僕ぁ」
「あぁ、そう…暴れ尽くしたってか」
俺の行動に興味を無くしたユウキは「ねみぃ…」と大きな欠伸をした。
続けざまに、彼は腕を振るって起こした突風で、焚火をかき消してしまった。
人間技じゃない。
「…俺、まだイモ焼いてたんだけど」
「知らん」
翌朝、俺達はまた別々の道を歩み始めた。
――――因みに関所の件、ユウキが衛兵に圧かけて突破した。
そりゃフィジギフ暴君の圧とか怖ェよな禪院家も総出でビビってたし。
お礼に500円玉の棒金あげた。
あれから1週間程後の話だ。
俺は…ユウキと共に旅をしていた。
――――いや、あのね?聞いて?
あの後普通に「じゃあの」してさ、そっからノらりクらりしてたのよ。
そしたら俺、なんか妙に強豪クラスの魔物とエンカウントする訳。
…今思えば魔王、この時から俺をマークしてたんだろうね。
そりゃ向こうからしたら、訳分かんない方法で世界渡って来たんだもん。
誰よりも何よりも警戒するわ、そりゃ。
で、ね?そこに戦乱の臭いを嗅ぎ付けたフィジギフ暴君ユウキがさ、来るわけ。
「お前か…面白いコトやってんな」とか何とかぬかして。
…戦乱の臭いとは?って思うじゃん。じゃん?
俺も「何言ってだ彼奴は」と流したいけど…残念ながら俺そういうの分かるの。
誠に、誠に遺憾ながら。
んでもって、ユウキ君一人でその魔物倒すわけよ。
俺に助力求める訳でも無し。
ていうか、俺が手助けしようとすると拒否るの。
本人曰く「こんなオモロそうな得物、お前なんかに喰わせねー」ってさ。
戦闘狂め…。
――――それが述べ、4回!
昔からそんなもんよ、俺の人生。
ラスボスか裏ボスみたいなのに徹底マークされる所もさ。
本当に「一度目偶然、二度奇跡、三度目必然、四運命」とはよく言ったものだ。
昔の人は、本当に粋な言葉を残すねェ~。
2009年は十分昔だよ諸君、瀬○康史は今幾つだと思ってんだ
故にユウキは俺に喰いついた。
…俺の放つフェロモンが、何を惹きつけるのか、目聡く感付いてなぁ。
「お前俺についてこい」
「え、やだ。
テメェが勝手について来いよ来るなら」
「チッ…クソッ…。
わーったよ、俺が勝手にする」
ってな具合で…晴れてこのリアル伏黒甚爾に付きまとわれる事になった。
とは言え、だ。
正直なトコ、退屈とは無縁の2年半だった。
「…冒険者制度あるのね、この世界」
「マジか。
ランクどんな感じだ?」
「下から…銅、鉄、銀、金…此処ぐらいが常人枠か。
そっからプラチナ、ミスリル、オリハルコン、そしてアダマンタイト」
「聞いた事ある階級だな。
面白れぇ…登録してみっか」
「いいの?
規約文結構長いけど「やっぱナシ!」…おもろコイツ」
とかやった数日後、宿屋とかに冒険者割があるのを知った。
ユウキはギルドへと、文字通りマッハで引き返した。
フィジギフの走力
「俺killer7から知ったけど…」
「フッ…ちっちっちっ、甘いな。
俺はガキの頃からシルバー事件やってたぜ」
「んな訳あるかい。
嘘こけあのゲームをガキが楽しめる訳ねーだろ」
「
「忍極の殺島飛露鬼みたいなルビすな」
禁欲的生活を強いられてた、って言う割には…随分ゲームやり込んでんだよなぁ。
…普通にいい教育者じゃん、おじいちゃん。
いやこんな手の付けられないの、根気強く面倒見てたレベルだし…そうか。
正直あの子にもこれくらい手厚くするべきだったのか…
そんなこんなで、この暴君とは妙にウマが合った訳だ。
気が付けば“ただ
そして“(できれば)傍観者に徹したい”俺はその他…プロデューサー的な事に専念した。
いや、本当にプロデューサー業だよ…異世界にジェネリック甚爾クンを売り込んだもんだ。
そこ「ジェネリック甚爾クンとか真希じゃね?」とか言うな…ちょっと思ったんだから。
楽しかったよ、人生七番目くらいには。
正直ここん所の世界、割としんどいの多かったからリフレッシュには――――
「そういえばここらの平野は…えぇと、な。それぞれ
【逢魔の剣歯虎】
【呪殺せし翼影】
【インペリアルプルザペイルコカトリスオメガペイロードプライムエイペクスプレデター】
…のテリトリーらしいぜ。非行少年みたいな三等分されてんだと」
「インペ…??????。
え、何?」
「うん、まぁ…コレ名付けた奴は多分馬鹿か子供だろ。
兎も角!こいつ等は気を付けろ。
長年討伐依頼が出て…まともな調査結果さえ上がってねぇ。
そも、お前のレベルは討伐推奨帯に達してな――――」
「ソレあいつ等か?
喰い甲斐がありそうだから全員連れて来た」
「何を四天王?」
――――いや、気苦労の方が多かったな。
俺もあんまり人の事言えないけど、コイツめっちゃ人振り回すんだもん。
因みにこの時インペリアル…プペプペプペルコカトリスが一番弱かった。
翼影は俺も死にかけるくらいヤバかった
後金遣いも荒い…すぐジャブジャブ使う。
金については碌に何も教えてねーな、じいちゃん。
後で聞いたら「ジジィは大のバクチ打ちだったぜ」との事…そらそうなるわ。
実家も極太だったみてぇだしな。
無駄に保存利かん飯買い込むわ、当たりもしねー博打にハマるわ。
キリがない…なんてモンじゃ無いな。
この世界、競馬の代わりに競
その字でラプトルのルビなんだ、って思った?俺もだよ。
ユウキのヤツ、それでドえらい額溶かしやがった訳。
俺でさえ生活費は手出さなかったんだぞ全く。
ま…大負けして暴れる、って事は無かったのが救いか…不貞腐れてたけど。
極めつけが…俺達の“パーティ”に始めて新しいメンバー加えた時の話よ。
「戻ったぞー」
「おう、おかえりんごー。
…何処行ってたん?」
「ゾクフー」
「ふーん。
…え?」
「だから、ゾクフーだよ。ゾクフー」
「な、何?ゾク、フー…?
――――あ、もしや風俗?」
「そうに決まってんだろ。
世界観的には“娼館”か?まーいいや…土産も持って帰ったぞ」
「んな、パチスロの景品かっての…。
――――え?誰?どなた?」
「あ、あの…すみません、私がお土産、らしいです」
「声が小さぁい!」
「ひぃ!?ごめんなさいごめんなさいごめんなさいやめてやめてやめてやめて…」
「やっべ多分トラウマ刺激しちゃった」
「何やってんだ。この女な…アレだ。
始めてあった時話したろ?性奴隷堕ちJK」
「せ、性ど……。事実だけど」
「何で同じ世界でそんなパワーワード二回も聞くんだよ俺。
まあ、お前がツラだけ気に入ったヤツね。
――――え?…が!?その子が!?」
「やっぱり見た目だったんだ」
「そうだっつってんだろ」
「よー見っけたな、感動の再開じゃん。
どう連れて来たんよ?誘拐した?」
「買った、買い取った」
「買い取ったぁ!?
――――何の金でぇ」
「お前からの小遣い」
「あぁーそりゃ奴隷一人は買えなくも…。
――――おい待ていくら使った」
「全額に決まってんだろ。
つーわけで再支給しろ、同額寄越せ」
「てめえそこ直れぶった切ったるわクソ」
「ひぃ…ッ!(この人日本刀持って暴れ出した!そりゃそうだけど)」
お陰で先の平野の3大災害討伐分の賞金、全部水の泡だ。
多分、この瞬間が俺のプッツン最大風速だったと思う。
まさか魔剣【冥府魔道】をこんな理由で出すとは思わなかったもん。
――――ああ、言い忘れてた。
この世界レベルシステムとスキルの概念あるんだったわ。
それが要因でセルフ天然ディスティニープランみたいな事なってるわのよ。
…まあ日本人はビルド自由なスキルがデフォだから、そこまで縛られなかったが。
ちな俺は…そもレベルシステムから弾かれました。
別にいいけどね。
で、先の元性奴隷JKだけどね。
なんと、まぁ…稀代の超強力ヒーラースキル持ちだと判明しましてな。
言うて…性奴隷が修理奴隷になったぐらいだね後労働環境。
「そういや思ったんだがよぉプロデューサー」
「あの…動かないで、治癒が…」
「呼び方。野郎がすんじゃねーよ。
…なんだ?」
「俺ら、魔法弾くんだよな…?
何で都合良く回復魔法は受け入れてるんだ?」
「仕組みが違うんじゃね?だってコレ…魔術師と回復術師の資格勉強法、毛色が丸っきり違うじゃん」
「それは私も気になりますけど…でも動かないで…治癒障害なっちゃう…」
「気にすんな。
「殺島ルビ。須田ゲー信者なら「己」にオレって振れよな。
――――ホントコイツ滅茶苦茶だよなぁ、俺達振り回されてばっかりじゃんねヒーラー君」
「は、はい…(この人も大概なんだよなぁ普段戦いに参加しないくせにやたらと無茶振りするし、戦ったら戦ったで背中と胸から腕生やしてNARUTOみたいな印組むし…真人のマネですか?アレ。その上で念仏?唱えながら敵の傷口腐らせるからグロいし臭いし、アレ。そもそもスキルもレベルも無しになんでそんな技使えるの?本当に怖いこの人…ていうか普通に発作起こして発狂し出すのホントやめて欲しい私の心臓が持たない。いや…全部フィジカルでゴリ押すユウキさんもユウキさんなんですけどね?でもあの人ベッドの上だとすごい優しいし…アレで私が始めて嘘でしょ?実は前の世界で散々女の人で遊んで、この世界では初めてとかってオチじゃないと納得できないです…でもそれ聞いてもあの人今みたいに「神(オレ)だぜ?」みたい言ってくるんだろうなぁ…殺島と天道総司混ざってませんか?あっでも確かあの人須田ゲー信者とか言ってたけど…だめだ、須田ゲーなんてkiller7のアヤメ・ブラックバーンとハンサムマンしかヤバいのしらない。もっとやり込めばよかったなぁあのゲーム。そしたらユウキさんともっと話せたかもしれないのに。)」
…後面白いコトあったっけ?
あ、あー…アレだ――――ウチのパーティに初現地人入った時の話。
「――――ようやく見つけたわ。
異世界人、フィジカルギフテッドの…フユモト・ユウキ!」
「おー来た「ここで会ったが百年目」系キャラ。
しかも女なので絶対面倒だ、総員てっしゅー」
「待って!早い早い早い早い!」
いやヒーラーJKちゃんには悪かったけど、こんなメンドクサイの目に見えてるじゃん。
そしてユウキ関連の因縁とか三十六計逃げるに如かずじゃん。
俺達は有無を言わさず、ノータイムで回れ右して戻った。
それにワンテンポ遅れて反応した謎の女は「ッ!?ま、まて!」と身体を跳ね上げた。
…直後、慌て気味で何かしらの魔術を展開した。
いや――――ネタバレすると割と高度な結界術だったんだけどね?
「また結界か…」
「――――待てユウキ。
多分この結界、壊される前提で…何か仕込んでる」
「たっ確かに…私、魔法覚えて1か月少しですけど…流石に分かります。
ユウキさんを想定してるにしては…絶妙に脆すぎる…!」
この時程「真面目に異世界魔法バトルしてるな~」って感じた瞬間無かったね。
「つうかユウキぃ、一体どこで今度は恨みかったのよ?」
「…忘れた、とは言わさないわ。
おじい様の仇ッ…!!!ここで絶対に、討ち取る!」
「うぉい!
一体誰
「こ、殺しちゃったんですか…?」
「いや、ここん所は孫いる様な手合いは…。
――――あ、アレか」
暫く悩んだユウキは…突如真顔で冷静になった。
ここが使い所だったんだろうね、デスノートのコラ画像のアレ。
俺がこの温度差に驚く間、ヒーラーちゃんが恐る恐る「誰…ですか?」と尋ねる。
「あぁ…。
俺召喚したじーさん。半殺しにしたはず」
あぁ~納得。
俺達二人は、思わずそんな言葉を漏らしてしまった。
この時、謎の女…もとい、召喚士の孫娘を見たら、それはもうヤバかった。
祖父の死を「そりゃしゃーねーか」みてぇに語ったせい?
顔半分なんだっけ…アレ夜職マスク?みたいなので隠してたから口元は分からない。
でも…目は間違いなく、血走ってた。
ブちぎれだよ。
ただまぁ残念なことに…あなたの祖父、ひいては一族全体?ね?
本当に残念ながらこちらには、死を当然の報いとできるだけの所業積み重ねてんのよ。
特にヒーラーちゃんよ。
彼女は先ずそちらさんに文句言えるぐらいの目には遭って来た。
勝手に攫って性奴隷とか、現代で普通薄い本でしか許されねぇのよ普通。
やり方が召喚でコソコソとやってるだけに、大昔の白人文明よりタチが悪いわ。
一族郎党禪院家にしてやってもいい。
むしろそれでお釣りがくる権利くらいある訳。
それでも孫娘ちゃんは、身の上話を続けた。
「そうよ…おじい様はあれから7日間、生死の境を彷徨った。
散々苦しんだ上で死んだの…あんな死に方、人がしていいハズないっ…!」
「やっぱりコレ私達とばっちりですね引き返したの正解だったんだ…」
この余りにド正論を語ったヒーラーちゃんの呟き。
しかしこれを聴き流さなかった孫娘ちゃん、其方に眼玉を引ん剝く。
「この男に与する、あなた達だって同罪よ!
薄汚れた世界の住人めッ…!ここで裁きをッ!」
くわっ…と、唐突にありったけの憎悪を彼女はぶつけた。
――――そこで意外な展開があった。
ちょっとびっくりしたよ、こんな主張できる子だったんだって。
一瞬黙ったかと思ったヒーラーちゃん。
彼女は…そのまま、ありったけのつよい言葉を突き返した!
「…いや、おかしいですよ!
人を…っ!それもこの世界の因縁と何の関係も無い私達を、拉致同然に召喚して…っ!
無理矢理、やりたくもない、なんの義務も義理も、大義だって無い戦いに駆り立てて…っ、使えなきゃ自分勝手に捨てて!
私達から奪った尊厳で、散々おいしい思いだけしてっ…!
それで仕返されたら、まるでこっちだけが悪いみたいに、一方的に!?
虫が良過ぎませんか?確かに、殺すのはやりすぎだし…後ユウキさんの事だから、多少いいかってなったりもしないこともありませんけど。それに魔王軍が散々村とか荒らしたのを見てきましたし、酷い時には死体や…生きた人間にあんなこと…。
だからってッ…だからって!あなた達が蒔いた種じゃないですか!自分が植えたミントがお庭荒らしたからそのミントに怒るって正直頭おかしいじゃないですか!?正義の為とか言わないでくださいよ!
あなた達が咎めて良い事じゃないでしょ!自分の罪をどれだけ高い棚にあげてるんですか…ッ!」
…しょうじき、正直、黙っちゃった皆。
だって「そりゃそうだ」としか言えん内容だもん。
彼女の当然の事宣言にはこの時、俺もウルッとしちゃってさ。
思わず「米軍にまたチクっとけば良かったかなぁ」とか考えちゃった。
…やべぇ今の言い草完全に黒幕のソレだ。エボル・・・
ユウキも思う所があったみたいで、黙って聞いていた。
割と優しさあるんだよね、このフィジカル暴君。
あのワンピとかの漫画である、目元が帽子や髪の陰で真っ黒に隠れる演出。
アレ、リアルで見れるんだってなった。
けれどまぁ…孫娘ちゃんにとっては、身内が惨い死に方をしたのも事実。
多分正当性より、感情が打ち勝つんだろうと思ってた。
身内の死を、正論で片付けられる以上の侮辱は…恐らくどの世界にも無い。
俺が彼女の立場だったら…あの演説の途中でヒーラーちゃん撃つもん。
五条悟のセリフ言いながら、散々嬲って殺すわ絶対。
高専時代の「それ正論?」の下りね。
――――で、実際の孫娘ちゃんの行動はというと。
「…さい、うるさい、うるさい、うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい…ッ!
コレは大義の為平和の為、そうよあなた達は必要な犠牲必要な犠牲必要な犠牲、必要な犠牲、必要な、必要な…。
おじい様は偉大な魔術師だったの…私のおじい様は、おじいちゃんは…おじいちゃんは、おじいちゃんは間違えない…っ」
「んー、完全に復讐心と罪悪感で板ばさみになってるやん。
奥歯ガチガチやん、お目々グルグルやん。
板どころか地獄万力じゃね?パワー8000以下になっちゃうって」
俯き、がくがくと震えながら…必死に自分の心を護ってた。
ガチ効きしてるとは思わなんだ。
あっ多分この子そんな悪い子じゃねーなーって。
多分本当は召喚誘拐の事あんまり良く思ってなかったんだろうなーって。
でもそれ以上に家族に大事にされて、家族が大好きだったんだろうなーって。
…勇ましく構えていた足は内股に縮こまっている。
まるで耐え難い寒さに、全裸で必死に堪えるように。
この曇らせ展開、その手の変態の抜きネタにされそうだな。
「お前…この状況でよくそんな言葉出て来るよな」
そして俺は、まさかのユウキ君に地獄万力発言をドン引きされた。
コイツが此処までゴミ見る目してるのは――――正直3度目だね。
全部俺に向けた奴。
「割と慣れてるんだ。
こういう修羅場」
「最悪な成長だな」
ま、それで狼狽える俺でも無いが。
とは言え…この空気が何時までも続くのは健康に良くない。
今更健康を気にする身体が懐かしくなった訳でも無いが。
一先ずこの空気を畳む為「おーい」と、孫娘ちゃんに声を掛けた。
「いやまぁ、このフィジギフ暴君は間違いなくこっちの世界エンジョイしてたし。
その上でこの世界色々荒らしたのは事実だから…まあ一発殴ってもええんちゃう?」
「おいテメェ…!」
金の件で、多少ユウキに恨みがあった。
というかそれ以上に…コイツの因縁だし。
他色々と考えがあってやった事だけど…うん。
ぶっちゃけ、あんまり覚えて無いや。
ともあれ確信して事は…。
――――あ、孫娘ちゃんはこの直後立ち直った。
――――足元ふらつくけど、何とか攻撃魔法練り直した。
――――でも発射する前に…ユウキの当身で気絶した。
彼女はユウキを、実力的に殺せない事。
そして彼は孫娘ちゃんを、信条からして殺さない事。
「クソ…。
胸糞悪ィ真似さすんじゃねぇよ」
「Such is life.
おフランス的には…セラヴィ。か」
「乗り越えろ、ってか」
「いいや?全く。
折れてもいい…そこらは勝手にどうぞ」
「…」
ホントこの時、妙に湿っぽかったの嫌だったね。
結局孫娘ちゃんは連れて行った。
その一帯は魔物に加え、野党もうろつく危険地帯だったから。
ほっとけば死んで上等、最悪孕み袋ってね。
この世界すげぇんだぜ?何があったか苦悩の洋梨が闇市場で大量流通してる。
別に置いて行っても良かったけどなぁ。
…っていう立場を明確にする事で、ユウキに全責任おっ被せるテクニックだった。
まあ「どうでもいい」は本音だけど。
「にしてもな…」
「んあ?ユウキ君どうしたッチャブル」
「いや…今引きずってる女のジジィ。
なんか――――思い返してみると、妙に若かったな…って」
「…若作り?
いや――――エルフ?え、居るのこの世界」
「居るとは聞いたが…見た事ねぇな耳トンがッてる奴」
「尖ってないんじゃねーの?
この世界のエルフ」
「…あり得るな。
エルフ耳がとんがってるモノ、ってのは俺達の思い込みってオチ」
「…実はこの世界のエルフ、今より昔に召喚された異世界人の末裔…。
――――なんてのは、考えすぎですよね」
「いやぁ案外ありうる(前々回の世界にそんな種族いたし)」
因みに一週間後、このヒーラーちゃんの仮説が大正解だと知った。
…ついでに耳たぶが二等辺三角形だった。尖ってんのソッチ!?
何を隠そう、というかやはり?孫娘ちゃんがエルフだったんだよね。
正確にはクォーターエルフ。
聞き出すのに一週間かかった理由?
いや、彼女それまで一切口利ける状態じゃなかったんだ。
最初の二日間でぶつくさと、自問自答と自己暗示が行ったり来たり。
そして普通に歩ける様になった3日目以降はだんまり、時折静かに夜泣きする始末。
夜泣きって言い方何かなぁ…でも本当に夜泣いてるし。
「何で仲良くやれないのかな…」って言ってた時は…いや、何も言うまい
まぁ、地獄万力挟みで曇った割には…早めにメンタル回復したね。
以降孫娘ちゃんは【しっかり者の末っ子系贖罪貢ぎマゾ】の立場を確立していく。
命名はヒーラーちゃん。
言う程しっかりして無いし、末っ子というか真ん中ッ子っぽい立ち位置だし。
多分一番強烈だったのが貢ぎマゾ要素だったが。
だって召喚した異世界人への罪悪感でちょいちょいやらかすんだもん。
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
「もうええて孫娘ちゃん。
いい加減目ェ覚ませ、明らか詐欺グループのクズ共だったろ」
「あんなの何処の世界出身だろうがカス以上のモノはねーよ」
「正直私、あのグループの副官の事知ってます。
…強盗殺人に加えて、籠城中に強姦までした役満です」
「ヒーラーちゃん、そマ?」
「マです、ネットお祭り状態でした。
生中継に一瞬野外レイプが映りましたからね」
「そら日本でそのレベルの犯罪しでかしたら、なぁ。
クズでも神格化されるわな」
この頃からヒーラーちゃんは大分強い女になってきた。
どうも先のブチギレ大宣言が良い感じに作用したんだろう。
回復魔法の応用で生命体
普通に怖い。
先のクズ副官のチンコをそれで壊死させてた。
ナチュラルに怖い。
…その発想で、修理魔法を解体魔法にしようとしたのも怖い。
後は流れで魔王討伐行く事になったのと、その顛末ぐらいか。
流れ…とは言っても、魔王が完全に俺を目の仇にしたんでね。
後で面倒になっても困るので、殺せる内に始末する事にした。
事の発覚は、ウッカリ魔王軍の最高幹部を一人
妙に強いな…と思ったら、孫娘ちゃんの情報から判明した。
で、拷問したら上記の件吐いた訳。
その後、本格的な遠征に向けて…近場にあった城下町で揃えるだけの準備をした。
今まですんげぇ適当に冒険してただけだったもんなァ。
ここに来て、俺達だけの
そう言えばユウキ君、ワンピOPはJungle P派らしい。
ヒーラーちゃんはWake up!派。
俺は…この記録の序盤を読め。
――――あ、その際パーティ名決める事になってた。
「と!いう訳で!パーティ名募集します!
私は封建制度なんてクソ野蛮な時代遅れシステムがとっくのとうに絶滅した21世紀の民主政治社会の人間です!
な~の~で!民主的に決めます!はい!」
「ブラック中小企業の社長みたいな人が民主政治を語るんですか。
何の皮肉なんです?」
「奴の所業とメンタル、発展途上国の独裁者のソレなんだよなぁ。
それも国壊すタイプのヤツ」
「だぁれが
高度発展文明の申し子たる俺に何たる言い草かドチクショーめ!
――――という訳でヒーラーちゃん!初期案どーーーぞ!」
「うわッ…急に振られた。
く、躯倶留隊?」
「うっわいきなりイカチィの来たな。
まあ保留――――はい次!フィジギフ暴君!」
「…シアトル自警団」
「誰がダン・スミスの古巣とか分かるんだよ。
シアトル関係無さすぎやわ!没!――――次!」
「では、私が…!
優麗なる名を授けようではないか…ん~!」
あ、説明すんの忘れてた。
この明らかにウザイ金持ち感のするウザイ金持ちね。
ちょっと前にウチのパーティに無理矢理入って来た地方領主の倅。
ユウキの圧倒的パワーに憧れて俺達を追いかけて来た。
つまり伏黒甚爾に対する禪院直哉みたいな奴。
…の割に、根っこはドブカスの正反対みたいな奴。
この手のキャラで珍しく重装甲のタンク役なんだよね。
でもウザイ金持ち。
俺はコイツの事がそこそこに嫌い。
「はいウザイ金持ち…略してウザ金。
どーーーぞ」
「フフッ、驚くなよ貧乏商人。
名付けて【地平線を轢き裂きし長栄無枯の冒険た――――」
「長い、クサい、その上センスない。
ヘボ作家は引っ込め、没――――次、またフィジギフ」「なッ、ちょ、貴様!」
「…リパブリック」
「――――シルバー事件の奴か!割と秒で壊滅した公安部隊!
須田ゲー信者も黙ってろ!もう手挙げるな!はい次――――貢ぎマゾの孫娘」
「だぁれが!
……!…?……ッ!!……っ???……くッ……何も思いつかない、ごめん」
「何だそのくっ殺みたいな「くッ」はパスね。
言い忘れてたけどパスは一回までね…次」
「今思いついたろ」
「うるさいよユウキ――――ていうかまた手挙げてんのか!
今度はちゃんとしたの出せよ」
「フラワー・サン・アンド…」
「れいーーーん!「言うんじゃねー馬鹿」
…まんま【花と太陽と雨と】の英題じゃねーか、没!」
「…あのぉ。
僕、いいですか?」
「お!コースケ君!どうぞ!」
…あ、こっちも説明無かったわ。
この子は“いじめられっ子”のオムロ・コースケ君だ。
この雰囲気絶対スクールカースト上位のおもちゃだったろ、って奴。
実際そうだったし、この世界来てからも似た散々な目に遭った不憫子。
ウザイ金持ちが禪院直哉なら、こっちは吉野順平。何も接点ねえキャラ同士
好きなワンピOPは、安室奈美恵の…なんだっけ?曲名。
この時は彼がこのパーティ…というより、日本人組の良心。
俺はともかく、フィジギフ暴君、闇落ち回復術師が比較だからね。
良くも悪くも一般人なのよ…一応。
まぁ「順平ポジ」とか言っちゃってる時点でお察しだけど。
上位は孫娘ちゃんとウザイ金持ち。
片方は罪悪感で壊れただけ、もう片方は鉄壁のノブリス・オブリージュ。
「えっと…次元戦団バイラム、とか?なんちゃってぇ…へへ」
「採用」「えっ…?」
なんだろ、今の。何と言うか
陰キャが無理してノリに乗っかって頑張って茶目っ気出してみました感
が良くて、ノリで採用しちゃった。
…あの、本当に次元戦団バイラムになったからね?
マジでジェットマンの敵組織になったからね?
お陰で俺のあだ名「ラディゲ」になりました。
何なら俺の名前知ってるのユウキとヒーラーちゃんだけなので。
その二人さえ孫娘ちゃん加入直前からプロデューサー呼ばわりなので
当然、他のパーティメンバーからのブーイングは…まあ、あったな。
特にユウキからは「俺のを蹴って置いてか?お?」と詰められた。
でも残念なことに、リーダー俺なんよ。
手本のような追放モノのクソパーティ主ムーブ?
まあ、誰一人手放す気が無いから大丈夫と思われ。
待遇も手厚いし。
――――ごめん、こっから記録作成1週間ぶりだわ。
とっくに記録してる世界での事は終えてて、とうの前に別の世界言ってる訳。
そこで当時を思い出しながら書いてたんだけど…今の世界でトラブってね。
ちょっとインサイダー取引がバレた。
なんで、ちょっと登場人物とか思い出させて?
【フユモト・ユウキ】
フィジカルギフテッド
クズの人でなし感を醸し出すマトモ人間
須田ゲー信者
肉大好き、野菜嫌い…トマトはマジで喰わない
空気は読まないようで読む
意外と計算が早い
でも長い説明文は読めない(読みたくない)
《秘匿情報》記録主の事を「関わっていれば退屈しないが、それはそうと特級の愉快犯型クズ、コレになったら人として終わり。後今の俺じゃ足元にも及ばないくらい強い。ラディゲ」と思っている。
【ヒーラーちゃん】
元JK
元性奴隷
最初は後藤ひとりみたいな言動だった
日を追うごとに太々しくなった
後暴力にも躊躇しなくなった
ユウキに片思いしてる
俺の次に拷問が上手
ミンチ死体も蘇生できるレベルの回復術師
逆に生命体を一瞬で全身壊死させられる
不死身系の魔物は逆に過剰蘇生させて肉だるまにする
《秘匿情報》記録主の事を「給料も福祉もいいし、休みも結構取らせてくれるけど、人の苦痛で幸福を得るような所は心底軽蔑するし、根本的な所で狂ってて突拍子も無い事を息を吸う様にやって来るのは止めて欲しい、そういう雇い主でラディゲ」と思ってる
【孫娘ちゃん】
現地人、魔術師
エルフ(ただし耳は耳たぶが尖ってる)
口調は強いけどいい子
おじいちゃんッ子
シンプルに魔法っぽい魔法がめっちゃ強い
トラウマと罪悪感で貢ぎマゾになった
日本人召喚の元凶の一員
実はコースケ君とデキてる
《秘匿情報》記録主の事を「この男だけは間違いなく加害者で侵略者。他の日本人はおじいちゃんの仇のユウキ含め、私達が蒔いた種だけど、流石にこの男は絶対に違う。でも金銭面とかバックアップとか、生活面とか目立たない所でかなりお世話になっているのであまり悪く言えない。でもやっぱりクズだし、最近何かコースケに吹き込んでるのホントやめて欲しい。ラディゲが何か知らないけどラディゲ」
【ウザイ金持ち】
ウザイ金持ち。
死ねこいつ
正真正銘ノブリス・オブリージュ
死ねこいつ
タンク役
死ねこいつ
ユウキが大体片付けるから影薄い
死ねこいつ
禪院直哉枠
死ねこいつ
ドブカスじゃないけどドブカス
死ねこいつ
きらい
死ねこいつ
《秘匿情報》記録主の事を「貧乏商人等と呼ぶが、正直得体が知れない。決定的な弱みを見せたら自分所か自分の子や孫、子孫代々まで散々絞り尽くされてこの男の養分にされそうだから気は抜けない。正直訳も分からず嫌われてる現状がちょっと怖い。そして下種。ラディゲが何か分からんがラディゲ」
【オムロ・コースケ】
生粋のいじめられっ子
表面上は日本人枠の良心
良くも悪くも内気な一般市民
内面は多分俺と同じようなもんまだ歪んでないだけ
映画と漫画と特撮大好き
バイラム命名の元凶苗字はG3ユニットメンバーなのに
スキルが遠距離での殴り合いでめっぽう強い
本人は剣を使いたがるが、弓か魔法使ってくれ
孫娘ちゃんとデキてる。
《秘匿情報》記録主の事を「確かにエキセントリックで、デッドプールやブライト博士の下手な物真似みたいな人だけど、僕の悩みにはいつも親身になって取り合ってくれる。多分お母さんの次か同じくらいに…え?ちょっと待って?僕この人に良い様にされてたりしないよね?いつかどこかのタイミングで「コースケ君って君が馬鹿にしてる人間のその次くらいには馬鹿だから死ぬんだよ」ってされないよね?この人をこのままラディゲ呼ばわりしてたら、僕がトランザって事にならないよね!?コワイ!」と思っている
…あ、ごめん、今読み返した。
確認したけど、これコースケ君と孫娘ちゃんの恋仲について何も書いてねーわ。
――――恋仲ってか、共依存亜種だったけどね。
孫娘ちゃんは「自分達の所業の、最大の犠牲者であるコースケ君に尽くす事で、苦悩と悪夢から解放されたい。日本人は皆おじいちゃんの仇という感覚が抜けず、ふと瞬間的に憎みそうになる」ってのが本音。たぶん
コースケ君も「自分を甘やかしてくれる孫娘ちゃんに思う存分甘えたくて、尚且つ自分を更なる地獄に叩き込んだ彼女への復讐がてらに当たり散らしたい。けど彼女だって自分のせいで傷ついたからそれを癒したい」ってのが動機。おそらく
全部上辺だけ見た、俺の推測だけどね。
推測だけで語るとするなら、正直酷い。
愛憎が渦巻き過ぎて、控え目に言って悍ましい…と感じる。
コレを「デキてる」と表現したのも、後悔したくらいだ。
ただ傷口膿むまで舐め合ってるだけだもん。
…とは言えパーティに、恋愛の規則は無かった。
例え心中前提の恋愛だとして、それは本人同士の自由。
それに“傷の舐め合い”がどれだけ心地いいかも知ってるからね。
あんまり人の事言えない、否定できんワケよ。
だからそう言う恋愛、正味嫌いってコトなんですが。
散って終わるが初恋、で済ませるなら、この関係もいいのだろう。
けど、あの二人は違った。
あのままだったら、きっと行く所まで行ってた。
互いと自分の傷口しか、あの時間違いなく目に入って無かった。
唾液で膿んだ傷口が…。
――――いや、もういいや。
肩入れし過ぎた。
それはこの時の反省点でもある。
興味ない勝手にしろと思いつつ、だ。
結局はコースケ越しに、あのカップルへとアドバイスをしていた。
思い違いかもしれないって、前提の崩壊すら気にせずな。
…忠告、かな?
孫娘ちゃんには嫌われてるから、ちょっと聞いて貰えるとは思わんくて。
アドバイスの内容?
そんなもの、とっくに忘れちまった。
取り敢えず「相手のもっと普遍的なパーソナリティを見ろ」みたいな事は言った…け?
後、古き大賢者とやらの書庫に閉じ込めて、実質おうちデートさせたっけ。
あの時程、他人の安全に気を揉んだのは…久しかったな。
…いい加減に話を戻そう。
別にラブロマンス書いてないんだ、記録だよ記録。
記録というには滅茶苦茶?るせぇぶっ殺すぞ。
ここからは、ほぼほぼ普通の、普通に楽しい冒険だった。
「おいラディゲ。
このシェルドスライム…だったか?の殻被ってみろ丁度いい穴あるぞ」
「いやそこまでラディゲるつもりねーから。
――――おい、やめろ!押し付けるな!顔潰れるって!」
馬鹿も今まで以上にやったな。
「…なんか、その。
キャンプファイヤーも…こうも静かだと、逆に気まずいっすよね」
「ふむ、コースケの言う通りだな。
――――貧乏商人よ!一発歌でも披露するがいい!」
「てめぇ何目線だ」
「地方領主目線だ」
「…。
それがパーティリーダーへの言葉かってんだ」
「そのパーティリーダーは本日、戦闘どころか雑務すらやってないのだろう?
歌一つでチャラにしてやろうと言うのだ私の寛大さに感謝するがいい」
「クッソ、普通に正論だな…あ。
それ正論?俺正論嫌いなん――――」
「――――いいから歌え馬鹿」
「ッでっ!…歌うからせめて「オ”ッエー」までやらせろや」
「それが要らねぇんだよ…はよやれ」
「ったく…。
ま、こんな事もあろうかと――――っと!」
「それは…【音の魔法道具】?」
「何?それ」
「最大、約8分間分の音を保存できる道具よ、コースケ。
…物凄い高級品の筈なんだけど」
「あぁ。
こういう無茶振りに備えて、手作りカラオケ音源を入れる為にな」
「それでここん所妙に資金稼ぎしてたんですか。
――――最初、競地竜で全額スってましたけれどね(笑)」
「はい
――――どうも俺を音痴と勘違いしてる奴が多くてな…そろそろやらなきゃって思ってた」
「あっ、そう。
…で?何歌うの?どうせ私達の知る歌じゃ無いんでしょうけど」
「何、って。
King GnuでSPECIALZだけど」
「本当に知らない歌が来た」
「そんなお馴染み、みたいに言われても僕ら…。
――――ってか随分癖強い歌選びますね歌えるんすか?」
「そんな難しい歌なのか?」
「歌手が二人いるアーティストの歌なんですけど、音域の高低差がヤバくて」
「任せな。
…それともアレか?【一途】の方が良かったかね?ん?」
「い、いやぁ…いいっす、はい」
「【一途】?ってどういう歌なの?」
「互いが互いを自分を捨ててまで求め合うような、一大純愛ラブソングだ」
「そ、そんな破廉恥なッ…///」
「破廉恥…?」
この後ちゃんと披露したら「パフォーマンス含めて完璧だったのが腹立つ」とか言われた。
孫娘ちゃんに至っては「こっちはコッチで破廉恥じゃないの!」って逆ギレされた。ワケワカメ
ってかこの世界、ずっと呪術ネタ時々ワンピ時たま須田ゲーのノリでやってたわね。
須田ゲーノリは…ほぼユウキのアレだけど。
…この後日だったか?あの大書庫デートは。
俺、ユウキ、ヒーラーちゃんで結託したんだよね。
ウザイ金持ち?アイツ恋愛面では論外だから外した。
「いやぁ、こう…他人の純愛でもホクホクできるっていいね。
あーもウブだと逆に楽しくなって来らぁに。昔を思い出すなぁ」
「そうですか?
私はただ「リア充爆発しろ」以外にないんですけど」
「(お前も大概だろうが…)…。
――――ていうかラディゲ、お前女いたのか?」
「そう言えば、今の「昔を思い出す」ってそういう文脈ですよね。
まさか…奥さん置きざりで旅してたんですか?」
「まあね。
置いてきちゃった」
「さいってー」
「お前、とうとうそこまでやった…やってた、のか。
一線超えやがった…」
「ま、そんなもんだろ。
だって…ホトケは眠らすもんだし、墓石は持ち運ぶもんじゃねーだろ?」
「あっ…そっ、そういう…。
…ごめんなさい、言いすぎました」
「悪い…古傷抉っちまったな…」
「気にすんな気にすんな。
人の不幸で飯食う男の古傷だぞ?抉れ抉れ」
「いや、あなたの真似したら人として終わりだと思っているので」
「俺もお前と同じトコまで落ちたら人間お終いだなって思ってる」
「ソッチ方面で抉れとは言ってねーよ」
ま、まあ…楽しかった、よ。
因みに後日、封印されてた【勇者の剣】を発見。
ユウキは軽々しく抜いていたが、それが資格があったのか単なる腕力かは現在も不明
封印の土地の管理人には、何も言わずにパクッってった。
――――あんまり記録長くするのも無駄だな。
そろそろ魔王討伐辺りまで話を進めよう。
魔王城突入してからは…戦闘シーンなら一番の見どころだったね。
ユウキは案の定フィジギフ無双して。
ヒーラーちゃんは回復しつつも壊死魔法と生命暴走で独自に無双して。
孫娘ちゃんも無難に多種多様な、ちゃんと普通に強い魔法で色々蹴散らして。
ウザイ金持ちも後衛職相手にちゃんとタンクして。
コースケ君もね、教わった魔法と独自スキル(あと弓)で援護射撃してた。
俺?見てただけよ。
――――と言いたかったが、如何せん数が数だったからな。
ちと…手伝わせて貰った。
昔、ある世界で学んだ“呪い儀式”が役に立ったよ見た目は酷いもんだが。
…そう言えば興味深い文献をこの時見つけたんだった。
俺だけが読めた文献なので、コレを他のメンバーが知る由は多分無い。
魔王も死に際までに語る事も無かったからな。
――――魔族は、この世界で最初の誘拐被害者達だ。
召喚誘拐?誘拐召喚?どっちで書いてたっけ。
それは兎も角、あの色黒角付きはユウキ達より前…何千年?何万?いや、億の可能性すらある。
完璧始祖か。
そのくらい遥か昔には、この世界の術師に誘拐されてきたのだ。
戦争の動機、ひいては「魔族の悲願」とはコレに関するもの…か?
「…フン。
貴様がフユモト・ユウキか。それと……?
まぁよい後2名は覚えんでもいいだろう」
「こいつッ…!」
「やーめーろコースケ君。足並み合わせて」
「随分な態度ですね。
斬新な命乞いって奴ですか?まあ聞きませんけど。
私達、あなたのせいで身も心も無駄に穢されたようなもんですからね」
「…。
実に短慮、浅慮。それらが極まり、実に滑稽な回答だ…。
その殺意を、真に我らへと向けるべきか…考えた事もないのか」
「あっもういいです。
皆さん、このクソみたいなラスボスさっさとやっちゃいましょう」
「俺より気が早ェの、ヒーラーとしてどうなんだお前。
つっても、魔王サマも一理あるぜぶっちゃけ俺ら呼んだの、ウチの貢ぎマゾエルフの一団だしな」
「ッッ…!!、っ…!…!!、!!…ッ!」
↑祖父の仇に貢ぎマゾ呼ばわりされた事への怒りと、自身の最大の罪を改めて指摘された心苦しさが正面衝突した表情と呻き声
「…よい。結局のところ貴様は、殺す命だ。
シザエウルグ…ラホコケッヘ…ケテル・ク…ガムスタール…。
あいつらを屠った者を、決して活かすつもりはない…!!」
「…ごめん、今の名前って誰だっけ?」
「いやいやいや、全員魔王軍の最高幹部じゃないっすか!」
「そうだっけ?」
「シザエウルグに関してはラディゲさん、拷問時に7回は名前聞いてましたよね!?」
まあ、これが最後の戦闘前会話だ。
ちょっと意味深なセリフもユウキはああ解釈したが本来は上記の歴史についての言及だった可能性があったんだよね。
ちと締まらないが、この言葉を最後に魔王戦が始まった。
…戦闘描写?んなモンさっきからバッサリ切りまくってるだろ。
っていうか、本当に魔王戦が一番地味まであったのよ。この世界での戦い。
要因としてまず、ユウキをはじめとして、メンバー皆がやたらに強くなったのがデカい。
何故そうなったかというと、魔王が毎度毎度に本気の刺客寄越したのもある。
そしてユウキ…たまに俺が、余計な面倒を拾って来た事もそうだ。
けど一番は…俺主導の“ズル”で、神々公認のドーピングをしたのが一番だ。
神の在り方については色々あるが、この世界じゃほぼ実体がない。
…ぶっちゃけ、ただの管理システムに近かったもんな。
その管理者権限で貰ったバフなんだ。
理の下にある魔王程度、苦戦するようでは困る。
「ぐ、ぬぅううッ…!
まだだ、まだ…まだ!終わってな――――」
「――――いや、終われよ。
もう流石に死ね、人として」「がッ!?そ、そん、な――――…」
トドメは俺が刺した。
冥府魔道で、後ろからザックリな。
「いつの間に…」
「………ハァ。
これが「トドメは俺がやる」って奴ですか」
「ま、どうせ俺らの手柄にはなるんだろうよ。
――――さっさと行こーぜ、ラスボス弱くて興醒めだってんだ」
終わってみれば、終始焦ってたのは魔王一人だった。
どれだけの苦労があったか?どれだけの悲願があったか?
そんなもの、俺達には全く関係がなかった。
寧ろヒーラーちゃんと孫娘にとっては、さっさと死んでくれて良かったのだろう。
片や、民の安全が危なげなく保障された。
片や、災難の根源が無惨に果ててくれた。
どちらにしても「こんなに嬉しいことは無い」で締めくくれた筈だ。
ユウキは…まあ、見ての通りの戦闘狂だ。
このまま自分一人、どこか旅に出てようと…この時から思っていたのかもな。
期待外れの魔王が残した、その苛立ちまで払拭する闘争。
ソレを探そうとしていたのか。
何より一番、得したのは…コースケと孫娘ちゃんだろうな。
あれだけの余力を残せたのは、いい意味で計算外だったのは明らかだ。
何せ――――アレだからな。
「…おい」
――――異変を察知し、振り返る俺とユウキ。
――――そこには、魔王の心臓を抉り出し…血を飲み干すコースケ。
――――孫娘ちゃんは、何かしらの大掛かりな儀式を始めている。
「何か?ユウキ君」
「コースケ、お前…。
…冗談じゃ済まさねえぞ」
「そのつもりで結構ッ…!
僕は僕だ…この領域だけは、もう誰にも犯させやしない」
以上の通りだ。
この話の裏ボスは、意外や意外…コースケ君でした!あとオマケに孫娘ちゃん。
今のオチの為に、わざわざ大改稿したんだからな!
この苦労があったから今の世界でインサイダー取引が露呈したんだ!
追記:思ったより匂わせキツかったな、改めて見ると。
吉野順平ポジとか書いてる時点でお察しじゃったわい
「その第一歩としてユウキ君…いや、フユモト・ユウキ!
君を…お前を…――――貴様を!踏み台として、潰していく!」
「………やってみなァ”!!
楽しくなってきたぜぇ!全くよぉ!」
漲る魔王エネルギーを糧に、自身のスキルをぶん回していくコースケ君。
その傍らで、黙々と補助の儀式を進める孫娘ちゃん。
…これに対し、ボルテージ最高潮で売られた喧嘩を買うユウキ。
誰が止められたろう?こんな殺る気マンマンのムード。
少なくとも、残り三人の状況からして無理だった筈。
「あの…すみませんラディゲ。
もしかして、もしかすると私達、帰ってもいい奴ですか?」
「何を言い出すか!
身内がやらかしたんだぞ!我々が責任を取って「いや帰っていいよ」なッ!?」
少なくともヒーラーちゃんは帰りたがってた。
しかし責任感のつよいウザイ金持ちは、そうでは無かった。
俺?野次馬だけしてこの世界ごとトンズラするつもりだったよ。
だってこの一戦だけ見れば、もうここでやる事もやりたい事も無かったし。
…この時既に、コースケ君と孫娘ちゃんは一体化?している。
その姿は四つ脚に大きな翼の、巨大龍と化していた。
彼が意外にも熱心なモンハンプレイヤーだったからか?
その姿は、どうにもミラボレアスやゾ・シア辺りを想起させた。
――――今更ながら、コースケ君の固有スキルについて解説する。
彼はスキルによって「特殊な魔道金属を操る」事が出来る。
逸れこそ粘土細工の様に自由自在だ。
しかし操り方に癖があり、近距離で咄嗟に用いるのには少々向かない。
パーティ内にはそれをカバーしてくれる、タンクのウザイ金持ちがいる。
だから俺は変に遠近対応にせず、遠距離特化にさせた。
しかし今、魔王エネルギーのリソースを得た事で状況が一変。
余りある力を用いて、眼前の巨龍を造型できるまでに至ったのだ。
なれば、その内部に自分(と孫娘ちゃん)を入れればいいだけである。
それで遠近両用の戦闘ユニットに早変わりだ。
しっかし――――人型じゃ無いんだな…とは今でも思ってる
まあ巨大人型ロボットって、人間大一人を相手にするには、ちょっと大振りがすぎるんだよな。
【牙獣】も今じゃデカすぎて、そうホイホイ出せなくなってきた。
さて、肝心な戦闘描写なんだが…無論カットだ。
何度も言うがコレ只の記録だし、そもそも俺にそんな物を書ける才能は無い。
の割には色気出まくり?殺すよ?
今までお前ら、散々見てんだろ?
変に戦闘描写に拘って、色々中弛みした挙句ストーリーも進まないネット小説。
一回俺の半生モデルに他人に書かせてみたら、おもっきりそのミスした。
第一この記録、態々読ませる相手が居ねぇんだけど…。ママエアロ
まあ、ちっとは書いてやるとするか。
先ず最初に魔王城は吹き飛んだ。
…跡形も無く。
コースケドラゴンのミラボブレスに加え、ユウキのフルパワー殴打。
片や地表を軽く均し、片や山すらクレーターに早変わりさせる。
そんな戦いの余波に耐えれる程、流石の魔王城も頑丈じゃ無かったワケ。
残りの三人、一斉に顔合わせて「うわ、やっべ」ってアイコンタクトしたのも懐かしいわね。
ボレアス的な攻撃だけでなく、バルカンやらルーツ的な攻撃もあった。
それ以外には…まさかフィン・ファンネルまで生み出すとは思いもしなかった。
そこでロボ要素出るんだ、って。
これが意外と聞いた。
ファンネルが放った魔道レーザーが、ユウキの皮膚を焼いたのだ。
あの最早全身アダマンタイトと化した様な、フィジギフLv100の皮膚を…だ。
ブレスも結構ダメージ稼いでたけどね。
しかし…まあ、お約束かな?
最終的には、ユウキが勝者となった。
何分、ユウキに対したダメージも入れられなかった魔王の力が元だし。
それに色々付け加えていた様だが…。
結局あのフィジギフ暴君の猛攻には耐えられなかった。
最後には、彼の
首から上だけ昇ってっちゃった、ってね。
そしてトドメは…何時ぞやに拝借した【勇者の剣】のフルパワー投擲だった。
これぞファイナルソード。
ファイナルしか出番無かったとも言える。
さぁて、本題は此処からだ。
纏った龍の身体は敢え無く霧散。
地面に叩き落される、色々不安定カップル。
どうやらコースケ君は力を使い果たしてしまったようだ。
この時には一切動かず、地面に力なく伏している。
孫娘ちゃんは…辛うじて活力が残っていた。
だが彼女が多少動けたとて、フィジギフ暴君には到底叶わんだろう。
そこに…ユウキが一歩一歩迫っていた。
――――伸びた彼氏を、じつと見続ける孫娘ちゃん。
――――その傍に、まだまだアドレナリン全開のユウキが立つ。
――――彼女は恋人と仇敵、両方を見て…。
――――何を想ったのだろう?暴君の前へと、立ちふさがった。
「…どけよ。
今度は生かさねぇぜ?」
「…させないッ」
「…っ。
――――ハァ、もういい」
この時俺の立ち位置からじゃ、二人の表情はよく見えなかった。
何なら会話の詳しい内容も、正直ちゃんと把握できたか怪しい。
とは言え、だ。
結果的に…ユウキは、そのまま何もせず引き返した。
それが…史上最強の魔王討伐パーティ【次元戦団バイラム】の最後であった。
――――その後パーティは解散したよ。
メンバー全員に、此処に留まる理由が無かったからね。
カップルを除けば、最初にウザイ金持ちが離脱した。
なんせ奴は、生まれ故郷の次期領主だし。
褒美とか色々貰うだけ貰った後…そのまま領地へと帰ってしまった。
何やら「今の内に、やれる事をやらなくては」とかぬかしてな。
ユウキへの憧れはどこへやら。
もう“アッチ側”にはたどり着けないと悟ったのか…或いは何か、別の理由か。
もしやだが、彼を“理解”したから、憧れなくなったのか。
ま、アイツの事は心底どうでもいいんだ…正直顔が嫌いだし、喋り方も嫌いだし。
何よりアイツの好んでる香水がタバコっぽくて嫌だ。
香水に関してはヒーラーちゃんも同じ事言ってた。
その後に脱退したのは…実は俺なんだよね。
パーティ主として、やる事もやり切ったから…次の世界に行く理由が出来ていたんだ。
「…少しぐらい悲しんだらどーよ?」
「いや寧ろ気分すっきりです。
あなたが消えて、漸く私に安眠の日々が…」
「――――ねーーーー、ユウキ君。
俺そんなに酷かった?」
「あぁ、最悪だぜお前」「酷いなぁ、人の心とか無いんか?」
全く、愛想もない奴らだ。
「だが…俺は、楽しかったぜ」「本気ですかユウキさん」
だろうよ、戦闘狂には俺の引き寄せるモンはたまらんだろ。
――――それっきり、だった。
このやり取り以降…元メンバーの顔も見ていない。
何ならあの世界にも訪れてない。
…しっかし、召喚誘拐の件についてはどうなったんだか。
計画自体は魔王討伐を持って、完全停止しているのは明白だろう。
それ以前に、孫娘ちゃんの祖父…ユウキが
彼が計画の中心人物だったようで、それが死んでから色々混乱があったようだし。
何より魔術師達は、日本人を呼び過ぎた。
人種問題がややこしいのは何処の世界も同じ。
だが、奴らはそこに更なる混沌を呼び込んだ。
多少荒れるのは…もう覚悟して貰うべき、だろうな。
自分の生きる道も“スキル”で神任せ。
そして降りかかった災難も別世界の素人に押し付けた。
まるで「それが当然」という顔をして。
いよいよツケを払う時が来た…とも言える。
だが、この世界だけ悪くも言えない。
攫って来た奴等は、根っこの部分は同じ人間なのだ。
多少身体的差異があれど、結局は同じ穴の狢。
ヒーラーちゃんは誘拐について随分批判したが…正直人の事言えない。
何せ似たような歴史は、こちらの人類もやって来てるからな。
そうした上での「攫って奴隷にする行為は、何より下劣な行いの一つ」という倫理観だ。
この世界は、ただこちらより後発だった…それだけだ。
更に言うのであれば、現代日本人も若干だがそういう部分が無い、とも言えない。
あんまり言うと、なんか面倒臭いのに絡まれそうなので言わないけど。
何に配慮してるか分からんが、色々とあるだろ色々と脛に生傷が。
…だからって寛容になれ、なんて言わんけど。
憎しみ抱えるも結構、差別感情大いに結構。
人間誰もが抱える闇だ、無いなら無いで逆に気持ち悪い。
より高い視座を持て、だなんて机上の空論さ。
そう言われるのがいっちゃん腹立つのは俺だってそうだ。
従業員は従業員、経営者は経営者だっての。
何より現代日本人は、現行犯だとは言えないからな。
知らんしやっても無い罪で詰められたくもないし、道理も通ってない。
さて、話が絡まる前に…ちょちょいと〆るか。
結局のトコ「全員何だかんだでも仲良くなれ」って訳だ。
ぶっちゃけた話…あの世界は恐らく、将来的にその現代日本と“穴”で繋がる。
過度な頻度で行われた召喚で、世界の隔たりがガバガバになったのね。
ガバガバで思い出したが、一回あのカップル“ソッチの穴”で遊んでたな。
やり過ぎると日常生活に支障きたすぞー…
何であれ、開通しちまえば嫌でも理解か殲滅を強いられる。
怒りに燃えて傷つけ合うか、その苦しみさえ力に変えて…。
――――ぶっちゃけその果てが今になって気になって来た。
神様気取りで自己嫌悪がしないでもないが、それでも興味の前には些事も同然だろう。
こう開き直れば、自分の心は楽になる。
肩の力抜こうぜ?
ま、他人には多大に迷惑かけるが…気にするモンでも無いさ。
自分にしっぺ返しが来ない程度に、迷惑振りまこうや。
本当にやるかは、手前の勝手だし…そうしない判断もアリだがな。
以上で記録は終わりとする。
…竜頭蛇尾?物語じゃねえんだぞ。
そも物語だとして第一話だ。
あんま気にすんな。
…エンディングテーマ?
じゃあ、最近アギトの映画見たんで【ドラマティック平凡】で良いっすかね。
ひでぇ〆だな、次書く時までには改善。
聳え立つ、白銀色をした魔道金属の城。
立地からすれば【新・魔王城】とも言うべき、前衛的な建築物。
だが…今やそこは、かつての荒野とは違う。
広がる緑、開けた青空。
“人”も魔も入り交じる街は…多少歩いた先。
今日は久々に、来客があった。
…招いた覚えなど無いのだが。
「お久。
ま…それなりには、やれてるっぽいな」
城の主は、懐かしい顔に驚いた。
後書きって何書けばいいんだろうね本当。
取り敢えず、此処まで読んでいただいてありがとうございます。
次回からはまた違った世界について書きます。
何時投稿するかは正直分からないけど、その時はよろしこ。