【架空コミュ】極月Pが白草月花をプロデュースさせられる話   作:ミーティオル

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楽曲コミュ三話

 ――舞台袖。

 軽くステップを刻み、動きを確かめる月花。

 

月花「――なるほど、悪くない。

   動きの引っかかりにもなっていない。

 

   では、これが」

 

*「はい。

  月花さんの新曲――『Clock&Walks』の衣装となります」

 

月花「白スーツ、黒ベスト、赤ネクタイ――。

   アイドル衣装としては、シンプルに収めたな」

 

*「今回のモチーフはストップ&モーション。

  本来、アイドル衣装であればシルエットを盛るのは鉄板ですが……。

 

  今回は、止め絵を多用する楽曲。

  腕、足、指先、顔――それぞれの微細な角度を閉じ込めるもの。

  そうなった時、できるだけ身体のラインが見える方が結果的に情報量は多い。

 

  それに、シルエットを盛るものは重力や風の影響を受けやすい傾向にあります。

  止める、という動作には向いていなかった、というのもありますね」

 

月花「ほう。

   ……しかし、これだけシンプルな割に衣装の準備に時間がかかったな?」

 

*「えぇ、まぁ。

 

  ……その。試作品は『格好良くなりすぎてしまって』」

 

月花「格好良くなりすぎる?」

 

*「スーツ姿なのは、時間の中を歩く人――。

  つまり、働く人そのものをイメージしています。

 

  しかし、黒いスーツでは舞台では潰れてしまう。

  そこで、白いスーツが採用にしよう、となったわけなのですが……。

 

  その、月花さんがあまりにも格好良すぎて」

 

月花「どうなったと?」

 

 

*「――マフィアのボスみたいになってしまったというか」

 

 

月花「……マフィアが時間の価値を説くという絵面になったわけか?」

 

*「それだけはなんとしても未然に避けねばならない、となったわけです。

  ともかく、その絵面を変えるべく、改良を重ねる時間がありまして……。

 

  頭にミニハットをつけ、シルエットの軟化。

  上着には、長針と短針をイメージしたアシンメトリー黒ラインを。

  ベストの方にも、文字盤のモチーフを入れたり色を増やしたりしまして。

 

  なんとか、水際でマフィア化は避けられたわけです」

 

月花「そこのペン、タバコのように持ってみるか?」

 

*「やめてください」

 

月花「まぁ、衣装のことはわかった。

   ……照明や音響のほうはどうだ?」

 

*「すでに、セッティングはできています。

  事前の練習からタイムライン管理は調整済み。

 

  歩く、話す、振り向く、手を伸ばす、飲み物を飲む――。

  そういった何気ない動き一瞬に、ライトがバッチリ当たります」

 

月花「つまり、ミスがあればより苛烈に目立つ、というわけだ」

 

*「そういうことになります」

 

月花「まったく……薄氷を歩かせるような真似を」

 

*「しかし、月花さんなら、それができると信じています。

  時間の価値――つまり、何気ない日常の一コマ。

 

  その価値を最大化する。

  刻まれる時間の中で、一つ一つの瞬間に温かみや美しさを与え直す。

  それが『Clock&Walks』、新生『白草月花』の挑戦です」

 

月花「新生『白草月花』の挑戦、か。

   ――いいだろう。では、そこで見るがいい。

   プロデューサー。

 

   この『白草月花』が歩く、新たなその一歩を」

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