【架空コミュ】極月Pが白草月花をプロデュースさせられる話   作:ミーティオル

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-第三話&プロデューサーコミュ-

 プロデューサーの自室。

 時計はすでに深夜を過ぎている。暗い部屋の中でPCのモニターだけが爛々と光っている。

 

*「――これで一通りは見たか?」

 

 机の上には高く積み上がったディスクケース。

 

*「……しっくり来ない。このプランではない気がする。

  他に、なにかできることはないか……?」

 

*(『白草月花』の破壊……。どうすればいいんだ)

 

 持っていたペンが机の上に転がる。

 

*「……はぁ、コーヒーを入れてこよう。

  思いっきり深煎りのやつ」

 

 

 時間は過ぎ、極月学園

 ダンスレッスン室で、踊りながら待つ月花の姿。

 

*(あぁ……本当にいる。夢じゃないのか……)

 

 扉を開け、プロデューサーがダンスレッスン室に。

 

月花「ほう、来たか。プロデューサー」

 

*「おはようございます、月花さん。お早いですね」

 

月花「では、プロデューサー。今後のプランについて聞かせてもらおう」

 

*「……また、いきなりきますね」

 

月花「私は、ただ価値ある時間を増やしているだけだ」

 

*「……まぁ、わかりました。では、今後についてお話を。

  まずは直近のイベントである『CRESCENT』について」

  

月花「『CRESCENT』――?」

 

*「はい。極月学園主催の定期公演――『CRESCENT』。

  試験は公開型で二回。中間試験で七人が選抜。そして最終試験で一人選出。

  優勝者は学内ドームでフルライブが行うこと可能となる。

  

  今回は月花さんにはこの『CRESCENT』に出場してもらいます」

 

月花「……『CRESCENT』ならすでに以前優勝はしているが?」

 

*「もちろん、存じています。

  しかし、『CRESCENT』は学内アイドルの登竜門――。

  

  新生『白草月花』が生まれるにはふさわしい場所だと」

  

月花「ほう、新生『白草月花』……?」

 

*「――そして、次の『CRESCENT』では白草四音というライバルの存在もあります」

 

月花「……そうか。『アレ』が来るか。

 

   プロデューサー、一つ、聞きたい」

   

*「なんでしょうか?」

 

月花「――白草四音。お前は『アレ』をどう評価する?」

 

*「……強力なライバルと評価します。

  『白草月花』が『白草四音』に勝つことはできる。

  

  しかし、新生『白草月花』というアイドルにとって、間違いなく白草四音は難敵です。

  もちろん、彼女の側の仕上がりによるところはありますが」

  

月花「なるほど。……まぁ、その話はひとまずいい。

  さっそく本題である新生『白草月花』について聞かせろ」

  

*「わかりました。

  では、月花さん。今から30秒ほど止まっていただけますか?」

  

月花「……止まる? こうか?」

 

*「はい、では今から30秒」

 

 プロデューサーがストップウォッチを取り出す。

 

月花「30秒経ったな」

 

*「……3秒しか経ってません」

 

月花「……もう経っただろう?」

 

*「今、10秒です」

 

月花「この三倍も動くなというのか……!?」

 

*「20秒――」

 

月花「く、ぬ……ぬぬ……拍を刻むのは」

 

*「ダメです」

 

 ストップウォッチの音が鳴り響く

 

*「お疲れ様でした、月花さんもう動いて――ますね」

 

月花「――三十秒、あまりにも長過ぎる。

   退屈のあまり全身の血液が逆流するかと思った」

 

*「人体にそんな機能はありません。……想像以上に落ち着きがないですね。

  正直、これほどとは思っていませんでした」

 

月花「……それで、今の実験はなんだ?

   新生『白草月花』にどう関係すると? 早く説明しろ」

   

*「はい。

  ――月花さんには『コマドリ』のアイドルになってもらおうかなと』

 

月花「……コマドリのアイドル?」

 

*「ストップ&モーション。

  印象的なシーンを抽出し、観客に焼き付ける。

  

  ライブに『止め絵』を作るんです」

  

月花「ライブに『止め絵』を作る――」

 

*「元々、月花さんのダンスは非常に『動的』です。

  高難度のダンスを滑らかにこなし、ライブは流体的――。

  

  しかし、それ故に観客に思考の間が存在しない。

  月花さんをその眼に捉えようと観客は支配されてしまう。

 

  結果的に月花さんの凄さは伝わる一方で、ストーリー性は減衰してしまう」

  

月花「……ふむ」

 

*「しかし、『止め絵』としてそこの表現やシーンにストーリー性が宿れば――。

  月花さんの表現の幅は今より圧倒的に広がるはずです。

  『強者』以外の月花さんをステージ上に生かすことができる。

  

  だからこそのコマドリのアイドルです」

  

月花「――なるほど。他に方法は?」

 

*「そんなに嫌なんですか……?」

 

月花「……いや、聞いてみただけだ」

 

*(本当に嫌そうだな……)

 

*「わかりました。では、このプランについては一度持ち帰りに――」

 

月花「いや、やる」

 

*「え? いや、しかし……」

 

月花「それが、さらなる可能性へ繋がると言うなら。

   私としても手を伸ばさぬ道理はない。

   お前は私のプロデューサー、であるならば耳は傾けるべきだろう。

   

   ただ、プロデューサー」

   

*「はい」

 

 

月花「――今後、私はお前の名前は忘れることはないと思え」

 

 

 学年 3年生 

 ランク-「S」

 

 姓名 白草 月花(しらくさ げっか)

 

 歌唱力-S

 表現力-S

 ダンス力-S

 忍耐力-F  ←まず落ち着くところから……

 ???-?

 

学内で唯一のSランクを保有するアイドル。

トップの称号である「オーバートップ」を二度にわたり獲得。

現在は帰国し、極月学園に通学中。

そして、どうやらこのアイドルをプロデュースしなければならないらしい。

 

-----

 

どんなに完璧な人間でも欠点の一つや二つはある。

……しかし、この欠点は想像以上かもしれない。

 

----

 

 

-プロデューサーコミュ-

 

*(月花さんの様子はどうだろうか……)

 

 

月花「む、プロデューサー……」

 

*「今から走り込みですか?」

 

月花「あぁ。お前もやってみるか?」

 

*「……そうですね。

  最近はデスクワークが増えていたので。

  

  どうせなら」

  

 

 

*「はぁ――はぁ――!?」

 

*(は、速い……ッ!

 距離が、どんどん離されて――)

 

月花「どうした、限界か?」

 

*「うわぁっ!?

  い、いつの間に後ろに……!?」

 

月花「さっきから何周も追い越しているが?」

 

*(……あ、汗一つかいていない。

 改めて、なんて滅茶苦茶な……)

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