【架空コミュ】極月Pが白草月花をプロデュースさせられる話 作:ミーティオル
プロデューサーの自室。
時計はすでに深夜を過ぎている。暗い部屋の中でPCのモニターだけが爛々と光っている。
*「――これで一通りは見たか?」
机の上には高く積み上がったディスクケース。
*「……しっくり来ない。このプランではない気がする。
他に、なにかできることはないか……?」
*(『白草月花』の破壊……。どうすればいいんだ)
持っていたペンが机の上に転がる。
*「……はぁ、コーヒーを入れてこよう。
思いっきり深煎りのやつ」
時間は過ぎ、極月学園
ダンスレッスン室で、踊りながら待つ月花の姿。
*(あぁ……本当にいる。夢じゃないのか……)
扉を開け、プロデューサーがダンスレッスン室に。
月花「ほう、来たか。プロデューサー」
*「おはようございます、月花さん。お早いですね」
月花「では、プロデューサー。今後のプランについて聞かせてもらおう」
*「……また、いきなりきますね」
月花「私は、ただ価値ある時間を増やしているだけだ」
*「……まぁ、わかりました。では、今後についてお話を。
まずは直近のイベントである『CRESCENT』について」
月花「『CRESCENT』――?」
*「はい。極月学園主催の定期公演――『CRESCENT』。
試験は公開型で二回。中間試験で七人が選抜。そして最終試験で一人選出。
優勝者は学内ドームでフルライブが行うこと可能となる。
今回は月花さんにはこの『CRESCENT』に出場してもらいます」
月花「……『CRESCENT』ならすでに以前優勝はしているが?」
*「もちろん、存じています。
しかし、『CRESCENT』は学内アイドルの登竜門――。
新生『白草月花』が生まれるにはふさわしい場所だと」
月花「ほう、新生『白草月花』……?」
*「――そして、次の『CRESCENT』では白草四音というライバルの存在もあります」
月花「……そうか。『アレ』が来るか。
プロデューサー、一つ、聞きたい」
*「なんでしょうか?」
月花「――白草四音。お前は『アレ』をどう評価する?」
*「……強力なライバルと評価します。
『白草月花』が『白草四音』に勝つことはできる。
しかし、新生『白草月花』というアイドルにとって、間違いなく白草四音は難敵です。
もちろん、彼女の側の仕上がりによるところはありますが」
月花「なるほど。……まぁ、その話はひとまずいい。
さっそく本題である新生『白草月花』について聞かせろ」
*「わかりました。
では、月花さん。今から30秒ほど止まっていただけますか?」
月花「……止まる? こうか?」
*「はい、では今から30秒」
プロデューサーがストップウォッチを取り出す。
月花「30秒経ったな」
*「……3秒しか経ってません」
月花「……もう経っただろう?」
*「今、10秒です」
月花「この三倍も動くなというのか……!?」
*「20秒――」
月花「く、ぬ……ぬぬ……拍を刻むのは」
*「ダメです」
ストップウォッチの音が鳴り響く
*「お疲れ様でした、月花さんもう動いて――ますね」
月花「――三十秒、あまりにも長過ぎる。
退屈のあまり全身の血液が逆流するかと思った」
*「人体にそんな機能はありません。……想像以上に落ち着きがないですね。
正直、これほどとは思っていませんでした」
月花「……それで、今の実験はなんだ?
新生『白草月花』にどう関係すると? 早く説明しろ」
*「はい。
――月花さんには『コマドリ』のアイドルになってもらおうかなと』
月花「……コマドリのアイドル?」
*「ストップ&モーション。
印象的なシーンを抽出し、観客に焼き付ける。
ライブに『止め絵』を作るんです」
月花「ライブに『止め絵』を作る――」
*「元々、月花さんのダンスは非常に『動的』です。
高難度のダンスを滑らかにこなし、ライブは流体的――。
しかし、それ故に観客に思考の間が存在しない。
月花さんをその眼に捉えようと観客は支配されてしまう。
結果的に月花さんの凄さは伝わる一方で、ストーリー性は減衰してしまう」
月花「……ふむ」
*「しかし、『止め絵』としてそこの表現やシーンにストーリー性が宿れば――。
月花さんの表現の幅は今より圧倒的に広がるはずです。
『強者』以外の月花さんをステージ上に生かすことができる。
だからこそのコマドリのアイドルです」
月花「――なるほど。他に方法は?」
*「そんなに嫌なんですか……?」
月花「……いや、聞いてみただけだ」
*(本当に嫌そうだな……)
*「わかりました。では、このプランについては一度持ち帰りに――」
月花「いや、やる」
*「え? いや、しかし……」
月花「それが、さらなる可能性へ繋がると言うなら。
私としても手を伸ばさぬ道理はない。
お前は私のプロデューサー、であるならば耳は傾けるべきだろう。
ただ、プロデューサー」
*「はい」
月花「――今後、私はお前の名前は忘れることはないと思え」
学年 3年生
ランク-「S」
姓名 白草 月花(しらくさ げっか)
歌唱力-S
表現力-S
ダンス力-S
忍耐力-F ←まず落ち着くところから……
???-?
学内で唯一のSランクを保有するアイドル。
トップの称号である「オーバートップ」を二度にわたり獲得。
現在は帰国し、極月学園に通学中。
そして、どうやらこのアイドルをプロデュースしなければならないらしい。
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どんなに完璧な人間でも欠点の一つや二つはある。
……しかし、この欠点は想像以上かもしれない。
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-プロデューサーコミュ-
*(月花さんの様子はどうだろうか……)
月花「む、プロデューサー……」
*「今から走り込みですか?」
月花「あぁ。お前もやってみるか?」
*「……そうですね。
最近はデスクワークが増えていたので。
どうせなら」
*「はぁ――はぁ――!?」
*(は、速い……ッ!
距離が、どんどん離されて――)
月花「どうした、限界か?」
*「うわぁっ!?
い、いつの間に後ろに……!?」
月花「さっきから何周も追い越しているが?」
*(……あ、汗一つかいていない。
改めて、なんて滅茶苦茶な……)