【架空コミュ】極月Pが白草月花をプロデュースさせられる話 作:ミーティオル
外で電話をかけているプロデューサー。
*「――ありがとうございます、それでは今後もよろしくお願いします」
電話を切ると、ピコン! と通知音が。
*「月花さんからのメッセージ……」
月花『曲はできたか?』
教授「よって、この事業の損失と売上から利益はこう求めることができ――」
ピコン!
*(しまった、電源を切れていなかった――ん?)
月花『曲はできたか?』
*「……よし、資料の制作もだいぶ進んだ。
もう一時か、今のうちに終わらせておきたいな」
携帯に着信が。
*「はい、こちら――」
月花「プロデューサー、曲は出来たか?」
*「……いえ」
月花「そうか」
通話が切れる。
*「あの、月花さん」
月花「どうした、プロデューサー。曲でもできたか?」
*「……えっと、ブランクディスクを渡されてまだ3日も経っていないのですよね?」
月花「デモ音源くらいはできていると思ったが」
*「……まだ企画の段階です。どのクリエイターに発注するかも決まっていません」
月花「では、いつ頃できる?」
*「発注先のクリエイターのスケジュールでも影響がありますので、お答え致しかねます」
月花「………………」
ピコン!
*「アプリでメッセージを送ってもダメです。
……もちろん、僕としても迅速に月花さんの曲をお届けしたいとは思っています。
しかし、今回の楽曲は新生『白草月花』を象徴するものとなる一曲。
その舵取りはある程度慎重なものである必要があります」
月花「なるほど。既存の『白草月花』ではない、か」
*「そこが難しいところでして。
『今までの白草月花』ではなくとも、『アイドル白草月花』ではある必要があります。
ただ、『白草月花』でないだけというなら、安直なやり方で済みますが……」
月花「では――お前に尋ねようか、プロデューサー。
『白草月花』とはなにか?」
*「…………。
ロケットを積んだモンスタートレーラーかなと」
月花「……ほう。
どうやら映画の見過ぎのようだな、プロデューサー。
私を見て、アイドルではなく、重機が映っているとは――」
*「い、いえ、外見の話ではなく。
アイドル『白草月花』には、圧倒的存在感と、スピード感がある。
そこに壁があろうとブースト全開、アクセルベタ踏みでぶち抜く。
それが『白草月花』だと」
月花「……ずいぶん暴力的なアイドルだな、その『白草月花』というのは」
*「はい。そのスピード狂いのアイドルに追いつくのはとても骨が折れます。
正直、我ながらよくここまで事故らずここまでたどり着けたなと想います」
月花「私はただ、価値ある時間を増やしているだけだ。
早く始めればその分だけ価値のある時間が増える。
新生『白草月花』――その価値のある時間を多く増やしたい。
そう思うのはお前も同じだろう? だから早く曲を作れ。
こうして話している時間も時計の針は進んでいるのだからな」
*「……本当に月花さんと話していると、
人の形をしたエンジンと喋っている気分になりますね」
*(――ん? 『価値のある時間』?)
月花「どうした、プロデューサー?」
*「――それだ!!」
月花「エンジンの話か?
どうせならラムジェットエンジンを所望する」
*「いえ、そちらではなく――『時間』の方です」
月花「……価値ある時間か?」
*「はい。しかし、そのままではなくその逆のアプローチを。
――つまり、月花さんには『時間の価値』を、示してもらいます」