トーマス・スターの受難   作:Lemony226

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第一話なので内容は薄めです。



トーマス・スターの受難

 

 

 

  

   『平和とは、相手よりデカい棍棒を持ち続けることだ』

 

 

 

   『平和を望むのなら戦の準備をしなくちゃならない』

 

 

ミレニアムサイエンススクールの入学式。

首席合格者として登壇した私は、並み居る天才たちの前でそう言い放った。

 

まばらな拍手と、大勢の困惑した顔...もう少し理解者はいると思ったのだが。まぁそんなことは今はどうでも良い。

確かにあの日、私は人生における絶頂だったのだろう。私の人生は薔薇色で誰にも侵されることのないのだ、と。そう錯覚すらしていた。

 

 

「おいキビキビ動け!タイムリミットを忘れるなよ!」

 

あの日、アリウスの連中に胸を撃ち抜かれるまでは___

 

 

 

  ▲▽▲

 

 

 突然だが、私ことトーマス・スターは転生者である。

もっとも前の世界の記憶は殆どないがね。親の顔も名前も、友人も...恋しくないわけじゃない。だがここでの生活もそう悪いものじゃなかった。

 

ここ学園都市キヴォトスは、街を歩けば女子生徒しかおらない。しかも誰も彼もが銃を携帯している、正真正銘の狂った都市だ。だが、不思議と居心地は良いのだ。この倫理観を牛乳で薄めたような世界がゆえに私自身のあふれる開発欲求を満たすには適していたというわけだ。

 

“ヘイロー”

 

これが私と彼女達を分かつ最も大きな壁であると言える。

このヘイローなるものは私以外のすべての生徒には生まれつきあるらしく、それによる効果で常軌を逸した肉体能力や耐久性を発揮している。

 

無論負けず嫌いの私はこの差をどうにかして埋めることを至上命題とし、ミレニアムサイエンススクール__学園都市の中でも特に理工学系に特化している___に入学、研究を始め2年生のうちに「スターインダストリーズ」を起業。ヘイロー持ちにも有効打を与えられる兵器を開発しその売買を卒業後も生業としていく...はずだったのだ。

 

 

「スター氏...聞こえているな?」

 

 

会社が軌道に乗り始めてからしばらく後。私はアビドスの最奥、砂漠地帯で新兵器「エリコ」の発表と実演をしていた。しかし突如やってきた謎の4人組に襲われどこかわからぬ校舎に誘拐された。...クソッ精鋭護衛が聞いて呆れる。

 

 

「あぁ...聞こえている。これでも私は命が惜しいからな。契約は果たしてやるとも」

 

「なら良い」

 

 

頬を叩く冷たい感触と、鼻を突くカビの臭い。

本当なら今ごろ私はスイートルームでヴィンテージのワインを傾けているはずだった。境界を覆うのは豪華絢爛なシャンデリアなどではなく、湿った岩肌と無機質な監視カメラ。そして、私の眼前には私が『平和のために』を謳って作ったミサイルの残骸....エリコが転がっている。

 

 

 

「抜け出してやるさ...どんな手段を使おうとも」

 

 

私の脳内には既に脱出への筋道が立ち始めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうですかね...初投稿でプロットもそこまで固まってるわけではないのでアイデアやダメだしあればぜひコメントしてください。
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