『HUNTER×HUNTER ─ 屠鴉 ─』   作:nls

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初投稿、初小説です。想像、妄想、設定作りなど大好きですが、
文章に纏めるのが苦手なためAIを使用ております。
拙いのは100も承知ですがそれでもよろしければどうぞ楽しんでいってください。


1話

パドキア共和国の空は重く濁り、ネオンの光が濡れた路面へ鈍く反射している。

 

路地裏の喫煙所。

 

薄暗い屋根の下で、黒いロングコートの男が煙を吐いた。

 

無精髭。

右目の縦傷。

緑色の瞳。

そして鴉のような黒色の羽のピアス。

 

アズ・マレクティオは、心底面倒そうな顔で壁へ寄りかかっていた。

 

「……帰りてぇ」

 

「着いて早々それ?」

 

背後から呆れた声。

 

マチ・コマチネが細い目でアズを睨んでいた。

 

「アンタ放っとくと本当に腐るから連れてきたんだけど」

 

「もう腐ってる」

 

「煙草臭い」

 

「煙草吸ってるからな」

 

「その髭どうにかしたら? おっさん」

 

アズの眉が僅かに動く。

 

「……32だぞ」

 

「十分おっさん」

 

「最近のガキ辛辣だな」

 

マチは鼻で笑った。

 

「その服も何? また同じコート」

 

「着れりゃいい」

 

「終わってる」

 

「知ってる」

 

短いやり取り。

 

だが周囲の空気は妙に張っていた。

 

喫煙所にいた男達は誰一人こちらを見ない。

 

いや、“見れない”。

 

アズから滲む静かな圧が、無意識に視線を逸らさせていた。

 

マチはそんな周囲を一瞥し、小さく溜息を吐く。

 

「……じゃ、仕事行ってくる」

 

「ん」

 

「変なことしないでよ?」

 

「する気力ねぇ」

 

「アンタの場合存在が変なんだって」

 

マチは踵を返し、人混みへ消えた。

 

アズは黙って74型へ火を付ける。

 

紫煙がゆっくりと空へ溶けた。

 

「……暇だな」

 

そのまま数時間。

 

アズは適当に街を歩き、

適当にコーヒーを飲み、

適当に天空闘技場の試合を眺めていた。

 

歓声。

 

怒号。

 

実況。

 

人間の熱気。

 

全部が遠い。

 

「騒がしい……」

 

だが、その時。

 

観客席の下。

 

一人の少年が目に入った。

 

黒髪。

妙に真っ直ぐな目。

 

戦いの後だというのに、

疲労より好奇心が先に来ている顔。

 

「……変なガキだな」

 

アズは小さく呟いた。

 

試合終了後、少年――ゴン・フリークスは、

嬉しそうに歩いていた。

 

隣には、

鋭い目をした白髪の少年。

 

キルア・ゾルディック

 

「勝ったからご褒美にアイス食べたい!」

 

「さっきも食ってなかった?」

 

「でも今日はいっぱい動いたし!」

 

騒がしく曲がり角を飛び出した瞬間。

 

ドンッ。

 

「うわっ」

 

ゴンが誰かへぶつかった。

 

「ご、ごめんなさい!」

 

反射的に頭を下げようとする。

 

その瞬間だった。

 

ゾワッ――

 

空気が重い。

 

違う。

 

重いんじゃない。

 

“深い”。

 

底の見えない何かが、

目の前に立っている。

 

ゴンはゆっくり顔を上げた。

 

黒いロングコート。

 

緑色の瞳。

 

無精髭。

 

そして、

静かなのに異様な存在感。

 

アズは煙草を咥えたまま、

面倒そうにゴンを見下ろしていた。

 

「……前見て歩け、ガキ」

 

ゴンは数秒黙った後。

 

ぱっと目を輝かせた。

 

「おじさん、すごく強いよね!」

 

沈黙。

 

通路の空気が凍る。

 

キルアの顔が一気に険しくなった。

 

(……バカゴン!!)

 

アズは煙を吐き、

少しだけ目を細めた。

 

「は?」

 

ゴンはまっすぐアズを見ていた。

 

怖がっていない。

 

逃げてもいない。

 

ただ純粋に、

“気になっている”目だった。

 

その瞬間。

 

アズはほんの少しだけ、

面白そうに笑った。

 

おじさん、すごく強いよね!」

 

通路に沈黙が落ちた。

 

周囲を歩いていた観客達が、

無意識にアズを避けて通っていく。

 

キルアは眉を寄せた。

 

(何だコイツ……)

 

ただ強いだけじゃない。

 

“慣れてる”。

 

人を殺すことにも、

殺されることにも。

 

家にいた連中と同じ匂いがした。

 

アズは煙草を咥えたまま、

面倒そうにゴンを見る。

 

「……何でそう思う」

 

ゴンは首を傾げた。

 

「んー……分かんない」

 

「分かんねぇのかよ」

 

「でも、おじさんの周りだけ空気が変な感じする」

 

キルアの肩が僅かに跳ねた。

 

アズは少しだけ目を細める。

 

(勘か)

 

厄介なガキだ、と心の中で呟いた。

 

普通の人間は、

アズを見ても“怖い”程度で終わる。

 

だがゴンは違う。

 

空気の奥にある、

“何か”を感覚で掴み始めていた。

 

「ゴン、行くぞ」

 

キルアが前へ出る。

 

さりげなく、

ゴンとアズの間へ立った。

 

「アンタ、何者?」

 

「おっさん」

 

「……ふざけてんの?」

 

「割と真面目だ」

 

煙がゆっくり流れる。

 

キルアはアズの手を見る。

 

細い。

 

だが異様に静かだ。

 

無駄な力みが一切ない。

 

(ヤバい)

 

本能が警鐘を鳴らしていた。

 

下手すれば、

親父クラス。

 

少なくとも、

今の自分達じゃどうにもならない。

 

しかし。

 

「おじさんも天空闘技場で戦ってるの?」

 

ゴンは全く空気を読まなかった。

 

アズは少し黙る。

 

「……面倒だから嫌いだ、ああいうの」

 

「えー! 面白いのに!」

 

「疲れる」

 

「おじさん変わってるね!」

 

「よく言われる」

 

キルアは頭を抱えたくなった。

 

(何で普通に会話してんだよ……)

 

その時だった。

 

「――ゴンくん、キルアくん」

 

奥から声。

 

ウイングが歩いて来る。

 

アズの目が僅かに細くなった。

 

ウイングもまた、

アズを見た瞬間に空気を察する。

 

静かな緊張。

 

達人同士特有の、

一瞬の探り合い。

 

「お知り合いですか?」

 

「今ぶつかった!」

 

「ぶつかっただけだ」

 

アズは短く返す。

 

ウイングの視線が、

アズの傷跡、

ロングコート、

煙草、

そして眼を見る。

 

(危険ですね)

 

一瞬で理解した。

 

恐らくかなりの実力者。

 

しかも、

念を隠すのが異常に上手い。

 

下手をすれば、

自分でも底が見えない。

 

アズは煙草を指で弾き、

床へ落とした。

 

靴先で火を潰す。

 

「……ガキ」

 

「?」

 

「“凝”だけはサボるな」

 

ゴンとキルアが瞬きをする。

 

ウイングの目が僅かに動いた。

 

アズはそれ以上何も言わず、

二人の横を通り過ぎる。

 

すれ違う瞬間。

 

キルアの背筋に悪寒が走った。

 

まるで、

巨大な刃の横を歩いたような感覚。

 

しかしアズ本人は、

欠伸混じりだった。

 

「……腹減ったな」

 

そう呟きながら、

人混みの中へ消えていった。

 

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