東方夜光録『ヤコウロク』   作:◆◇夢幻水晶◇◆

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お久しぶりでございます!!!戻ってまいりましたよ!!
最近真面目に絵を描く練習を始めましてね、いつか自分の書いた小説に挿絵を入れたりしたいものです。

そんなこんなで十一話、今回はお空との戦闘回です!戦闘描写って難しいですねぇ…



十一幻~over drive 八咫烏~

扉を開け放ち、そこにいたのは紫がかった桃色の髪をした見た目幼い少女だった。

おそらくこの子がさとりなのだろう、どうしてわかるかって?第三の目があるからだ、ここにいる人は大分わかりやすくて助かる。考えを巡らせていると不意に声をかけられた。

 

 

 「そこまで驚かれなくても、初めまして、古明地(こめいじ) さとり と申します。」

 

 

 「俺は新條(しんじょう) 憩夜(けいや)だ、よろしく。ところで…その触手の伸びた第三の目のようなものはなんだ? 」

 

 

 「思っているものとさして変わりませんよ、サードアイって言うんです。」

 

 

 「へぇ、初対面で悪いんだがそれ後で触らしてもらってもいいか?」

 

 

この眼、サードアイだっけか?瞬きをしないが生きているのだろうか? さとりが俺と喋っているときは決まって俺の方をじっと見てくるし、サードアイから伸びている触手は微妙に(うごめ)いているので自律して動けるのかもしれない。

 

 

 「ゆっくり話すのもいいけど、さっきの爆発は何?またお空が制御のミスしたのかしら?」

 

 

 「………お恥ずかしながらそうみたいなんですよね……なので博麗の巫女に退治にかこつけて救援でもお願いしようかと思っていたんですよ。」

 

 

 「あー、それがいいかもしれないわね収まりそうもないんでしょ?」

 

 

 「異変ほどにはならないでしょうが…しばらくかかりますね…これは………」

 

 

 「……話を聞く限りお空って奴を物理的に止めればいいのか?」

 

 

 「端的に言えばそうなりますね、まさか貴方が買って出る…と?外の人間には難しいと思いますが……」

 

 

 「その巫女さんが飛んでくるまでの時間稼ぎってことでどうだ?」

 

 

 「無策……という訳ではないようですね……わかりました。こちらです」

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 「うわーーん!!!誰か止めてよーーーー!!!!」

 

 

案内された先にいたのは黒い翼を持ち、腕が銃身になっていて片足が機械?のような俺と年も変わらないような少女だった。

 

 

 「あれが例の…?」

 

 

 「はい、霊烏路 空です。私のペットですね。」

 

 

 「ペットとか何それ詳しk……ゴホン、行ってくる…」

 

 

危ない危ない、あと少しで変なことを口走るところだった…

 

 

 「ふふっ、おかしな人ですね、はい、いってらっしゃい。」

 

 

そういえば心はお見通しなんだっけか…女の子に分かられてしまうというのはそこはかとなく恥ずかしいもんだな…

って恥ずかしがってる場合じゃない……あの子の力は収まるところを知らないみたいだし…

 

 

 「おい!!空!!!俺が相手だ!!」

 

 

 「わかったー!!いっぱい打てば治まると思うから貴方に当たらないように沢山打つねー!!」

 

たくさん打つのか…少し骨が折れそうだ…

 

 「行くぞ!!!憩夜参ります!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 『異物確認、自己防衛機能ヲ起動シマス』

 

 

 

 

 

 「…はっ!? 」

 

 

気がついたときには大玉が一発だけ目の前に迫っており、反射神経だけで防御体勢を取る。

 

 

 「あの大きさじゃ流石に弾ききれないか……」

 

 

弾ける腕輪があるといっても限界はあるようで、大きく吹き飛ばされてしまった……

気づいたことがあるとすれば簡単にお空を止めることはできそうには無いということぐらい。

そもそもあの自己防衛装置はなんなのだろうか……

 

 

 「ご、ごめんね~?大丈夫だった~?」

 

 

一番大変なのは自分だろうに俺の心配をしてくれるとはなんていい子なんだろうか。良い子相手に気が引けるが本気で行かなければうっかりしてるとこっちが命を落としそうだ。

 

 

 「平気だ、それと俺を敵と認識してお空自身が俺を攻撃してくれるか?」

 

 

 「うにゅ? それじゃあお兄さん死んじゃうかもだよ? 」

 

 

 「いや、機械が相手より人間相手の方が死なない」

 

 

強がりで言ってるのではなく本当のことである、最適化された機械の攻撃を受けるよりか人間の実践の中における思考の方が至極読みやすいのだ。

打開策を打ち出したあたりで後ろのほうから声が飛んでくる。

 

 「お空、貴女少し馬鹿にされてるわよ? 本気でやっちゃいなさいな。」

 

 

 「ちょっとさとりさん!? 余計なこと言わないでいただけます?!」

 

 

俺の嫌な予感は裏切らないもので、俺の計画は粉々だった。

 

 

 「うぇ!? お兄さん私のこと馬鹿にしてたの?! 許さないんだから~!! 本気でいっちゃうよ!!」

 

 

ほらな? 火が付いちゃっただろ? 取り敢えず助け舟は……

 

 

 「パルスィなら、貴方の刀を取りに行くと言って大急ぎで帰宅しましたよ?」

 

 

 「あいつはなんて間が悪いんだ!!!?」

 

 

この場にはどうやら味方はいないようです……

だけど刀を取ってきてる間の時間稼ぎはしないとだな。

 

 

 「おっきいのいっちゃうよ!!『地獄極楽メルトダウン』!!!」

 

 

 「わーお……」

 

 

お空を中心にして光が膨れ上がり、その中心から放射状にゆっくりでありながら濃密な弾幕が飛び出している。

目算だがアレの第一波に巻き込まれるまでに後数秒ある…それまでに回避のルートを構築しなきゃだな…

それにしてもこれ避けるのか……幻想郷の奴らは化物ぞろいだな……

 

 

 「目がチカチカして避けづらい……」

 

 

危なげなく弾幕の中を縫うようにして避けることは出来ているもののメルトダウンというだけあって熱エネルギーを元にしているのか光が物凄い……せめてもの救いは飛んでくる弾の色が周りの光と色が違うことだな…

もう一つ愚痴らせてもらうと避けるしか手がないというのはどうにもやりづらい、刀を持ってきてくれるのはありがたいが…え?俺に女の子をぶった斬れと?無理だろ…

 

 

 「う~っ!!お兄さん避けるの上手すぎ!!もうエネルギー尽きそうだよ~……」

 

 

 「お? もうそろそろ終わりそうか?」

 

 

この調子なら事も無げに終わりそうだな、パルスィの刀を待つ間でもない。

 

 

 「後一発おっきいの打てば治まりそう~!!」

 

 

尽きそうと言うのは信用ならないセリフの一つだと覚えておこう……

 

 

 「いっくよ~!!『地獄の人工太陽』!!!」

 

 

今度のスペルもまた彼女を中心として展開していき、この地下空間全てを弾幕で包み込んでいく。

違うところがあるとすれば前後から迫ってきた先ほどの物とは違い、前からしか弾が迫ってこないところだ。

 

 

 「さっきよりかは楽出来るか…?」

 

 

展開された広範囲の弾幕が一斉にお空に向かって吸われていき、自然と常に後ろから襲われる形になる。

 

 

 「展開は前からなのに攻撃は後ろからなのかよっ……!」

 

 

お空を正面に見据えながら後方から飛来してくる一定量の弾幕を避ける。

数秒の間、後ろからしか来ないことを確認してからお空に背を向けて弾幕を避ける事だけに集中する。

 

 

 「改めて考えてみれば俺じゃなくてあいつが止めればよかったんじゃねぇか…?」

 

 

避けながら今まですっかり忘れていたさとりに目を向けると彼女はティーカップを片手にもう片方の手でルービックキューブを組み立てながら弾幕には目もくれずに飛んでくる弾幕を避けていた。

あ、すごい、もう三面くらい揃ってる。

 

器用なさとりを眺めつつこの場をやり過ごそうと思った矢先にパルスィが帰ってきた。

 

 

 「おかえりパルスィ、遅かったな。」

 

 

 「何余裕かましてんの!!後ろに向かって横薙ぎして!!」

 

 

意味もわからず、投げられた刀を受け取り言われた通りに横薙ぎに抜刀する。

細かい炸裂音と共にいくつもの斬った感覚を覚え、お空側から小さな弾が迫ってきていたことを悟った。

 

 

 「も~!!もらったと思ったのに~!どうして邪魔しちゃうの~!!」

 

 

 「何言ってんの!貴女を止めるために戦ってるんだから憩夜の味方するのは当然でしょ!!」

 

 

 「あ、そっか~、すっかり忘れてたよ~」

 

 

 「貴女もよさとり!」

 

 

 「わ、私もですか…?」

 

 

 「自分のペットのスペルなんて把握してないわけないんだから、注意点くらい教えてあげなさいよ!!」

 

 

パルスィは戻ってきてから誰にも静止の声を揚げさせることなく全員を叱り倒した。

 

 

 「「「ごめんなさい………」」」

 

 

片や弾幕を打ち、片や避けながら一人に向かって三人が頭を下げる構図は客観的に見るとこの上なくシュールな絵面だった。

 

 

 

 

 

 

それから五分程度経過したあたりでお空が『これならもう制御できそう~』と終了の一言を発したためこの一件は地霊殿以外には損害を出すことなく終息したのだった。

 

 

一段落してみんなで一息ついている時に俺は戦闘中に抱いた疑問をここの領主にぶつけた

 

 「俺がわざわざ止めなくてもお前が止めてればよかったんじゃないか? 余裕だったろ?」

 

 

 「まぁ、止めても良かったんですけどね、私が止めに入るとお空が遊んでくれるのかと勘違いしてはしゃぐので結果的に被害が拡大するんですよ。」

 

 

 「勘違いって……子供か……」

 

 

 「飼い主という立場もなかなか難しいものなのですよ? 」

 

 

 「俺らが来なかったらどうするつもりだったんだ? 」

 

 

 「あぁ、そのときは治まるまで放っておくんですよ、私自身も嫌われ者なので特に周りからも何かあるというわけではありませんし。」

 

 

嫌われ者を利用した回避法……か……考えた末の方法何だろうが少しすっきりしないな……

 

 

 「深くは追求しないでおくが………それにしても……この子をどうにかしてくれないか?」

 

 

俺にベッタリとくっついてくる自称八咫烏の少女を指差して半眼で呟く

 

 

 「人がここに来るのがそもそも珍しいのに、その珍しく来た人に優しくされれればそんな状態にもなりますよ。その子は基本的には動物的本能に従って生きているのをお忘れですか? 」

 

 

 「やれやれ……困ったな……優しくした覚えはないんだが……斬りかかっただけだぞ…?」

 

 

 「死ぬかも知れないのに自分の為に自ら危険に飛び込んでくる殿方がいる、素敵な事じゃないですか。」

 

 

 「そこまで危険だった自覚がないんだがな…パルスィのアシストがなければ後ろが危なかったのは事実だけど死ぬほどの事じゃなかったろ…?」 

 

 

戦闘は弾幕ごっことは違い、威力が高い故に危険だと言われていたが周りの奴らが言うほどの危険度は感じない。

俺の危機意識が致命的に弱いのだろうか…?

 

 

 「いいえ、危機意識の欠損ではなく貴方が外の人間でありながら幻想郷に適応出来ている、というのが大きな原因だと思います。普通の外の人間ならばパルスィとであった時点で死んでいますから。」

 

 

 「おいおい……それは本当か…? 」

 

 

 「本当よ、憩夜が外から来たにしては随分と強いものだから驚いたわ。」

 

 

今気づいた、話が完全に逸れてる。

 

 

 「だからお空をどうにかしてくれないか? 心臓にとてもよろしくないんだよ……」

 

 

背丈はそう大きくはないのだが、出るところは出ているためくっつかれると色々なところが色々なところに当たるあたる。早くどうにかしてくれないと俺がどうにかなってしまいそうだ。

 

 

 「余談ですが貴方には最低でも今晩は地霊殿に滞在してもらいますのであしからず。」

 

 

 「むしろ俺とっては本題なんだが…どういった理由でそう言う結論に? 」

 

 

俺にこのまま過ごせというのか、俺に死ねと申すかこのちびっこ妖怪は。

 

 

 「何言ってるの!憩夜は持って帰るわよ!?」

 

 

いいぞパルスィ、この子は基本的に常識人だ。このままその常識人パワーで助けてくれ……

 

 

 「憩夜さんを守る為の最善手ですよ、パルスィもわかっているのでしょう? 」

 

 

 「…っ……それはわかるけど……」

 

 

おっと俺抜きで話が進行しそうだ、混ざらねば。

 

 

 「待った、どういうことだ? 話が掴めないんだが?」

 

 

 「私は嫌われ者だという話はしましたね? 」

 

 

 「理由はともかくとしてもそのことだけは知ってる。」

 

 

 「結構です、そしてこの旧地獄の者達にはパルスィは私の仲間だと思われているんですよ。」

 

 

なるほど、見えてきたぞ。嫌われ者に与するものは同じように扱われる、ということか。

 

 

 「大体の納得は出来た、わからない事があるとすればどうして俺を守る必要があるんだ? この幻想郷からすれば外の人間は異物のような存在なんだろう? 自分で言うのもなんだが生かしておく必要なんてどこにもないじゃないか。」

 

 

 「少し語弊があるようですね、異物とは排除すべきものではなくただ単にそこの場にいるはずのないモノ、という程度の意味なんですよ。外の人間は例に漏れず何かの理由があってこの場所に呼ばれます。歴史の改変、大戦の為の戦闘要員だとか。」

 

 

 「なるほどなぁ……だがいいのか?こんなに広いとは言ってもお前らだけだろ?大丈夫なのか? 」

 

 

大丈夫の内容は少々恥ずかしいのでさとりの力で悟ってもらう事にする。

 

 

 「貴方にはそこまでの甲斐性はないので大丈夫でしょう。それともあるのですか?」

 

 

 「それを甲斐性と分類されるのは若干の違和感があるが、そこは安心してくれ。絶対の自信がある。」

 

 

 「私をおいてけぼりにして話をしないでよ!!さとりには読めても私にはよめないんだから!!」

 

 

こればっかりは俺の口からは言えないなぁ…さとりに頼むか。

 

 

 「しょうがないですね……この方は女の子しかいないこの地霊殿に男を一人泊めていいのかと言っているのですよ。」

 

 

こういう時に役に立つなサードアイ、我ながらナイスな思いつきだと思う。

しかしさとりが『しょうがない』とった時に目を瞑ったあたりやはり生きているのだろうか。うぅむ……気になる……。

 

 

考え事をしていると不意に強い睡魔が襲ってきた……

やば……まだ聞きたいこととかあるのに……さとりの一言に慌てるパルスィの声が遠く感じる……

 

 

 

慣れない戦闘に神経が磨り減ったのが原因で倒れたと悟ったのは目が覚めた次の日の夕方だった……。

 




どうでしたでしょうか? 最後の締め方結構強引だったかな…とか思いつつ次の話を考えて行きたいと思いますので今後ともご贔屓に!!!


それではまた次回~!!( 'ω'o[またね!!!]o
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