東方夜光録『ヤコウロク』   作:◆◇夢幻水晶◇◆

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どうも!最近モンハンのサードにハマり始めた夢幻水晶です←
主任ことウラガンキンが一番苦手です………

そんなこんなで今週もしっかり更新できましたよ十六話!
今回も椛のお話です!ラブラブさせてみましたよ、主人公そこ変われと強く言いたい。


与太話はそこそこに本編どうぞ!!!


十六幻~狼の季節~

 「貴方たちは下がってなさい」

 

 

椛がそう言うと木陰から一人の男が現れ反対の意を示した。

 

 

 「(もみじ)様だけでは心配です!せめて護衛を! 」

 

 

 「わかりませんか、下がれと言ったのですよ、それにあのチームが負けた時点で何人でかかっても勝てる相手ではないでしょう? 」

 

 

 「ぐっ………かしこまりました………何かあればお呼び下さい。」

 

 

 「わかっています」

 

 

 「散っ!!!!」

 

 

一通りの話が終わると周りにあった無数の気配は一瞬にしてなくなった。

すげぇなこの世界の忍者、合図一つでここまでとは……

 

 

 「よかったのか? 味方帰らせちまって? 」

 

 

 「いいんですよ、貴方が強いのも事実ですし、何しろなるべく一人になりたいんです。」

 

 

椛はたはーっと力なく笑った。

 

 

 「俺が強いかどうかはさておき一人になりたいってのはどういうことだ? この山にゃバケモンとかいるんだから人数は多い方がいいだろ? 」

 

 

 「そうなんですけどね、合図一つでいつでも来るというのと私一人でもなんとでもなるというのが大きな理由ですね。」

 

 

 「そういう事だったのか、何はともあれ俺としては助かったかな。」

 

 

 「それはどういった意味で? 」

 

 

椛がやや怪訝(けげん)そうな目で見てくるので俺は極めて真面目に返した。

 

 

 「いやいや、変な意味じゃなくてな、あいつらの俺を見る目がちょっと……な……」

 

 

 「彼らが……? 」

 

 

こいつの人望が厚いからか、いや、あれは一種のアイドル性だな、それが異様に高いせいか男女関係なく羨望(せんぼう)の意味での敵意を全員が全員向けてくるのだ。居心地が悪いったらありゃしない、しかしそれを本人に言うのは気苦労をかけることになるだろうから言うわけにはいかない。

 

 

 

 「あー……やっぱ何でもない」

 

 

 「そうですか? 」

 

 

本当に気が付いていないのかきょとんと首をかしげていた。これは……本気で天然さんかもしれんな……

ってそんな話をしてる場合じゃなかった!

 

 

 「そうだ! カメラ持った烏天狗(からすてんぐ)しらないか?! 俺の社会地位がピンチなんだよ!」

 

 

急に出した大きな声にびっくりしながらも烏天狗という単語を出したあたりで半分諦めたような顔になった。

 

 

 「あぁ……あの天狗に目を付けられたんですか……心中お察しします……貴方も大変ですね……」

 

 

 「そうなんだよ……あの天狗って誰に聞いてもそんな反応になるんだな……? 」

 

 

 「やってることがやってることですしね、至るところで恨み買ってますから本気出せば潰せると思うんですけど腐っても天狗なんですかねぇ…強いんですよこれが………」

 

 

飄々(ひょうひょう)としているが意外とやり手のようでやりにくいなぁという感想しかまともに出てこない。

 

 

 「んで居場所はわかるか? 早くしないとやばい……」

 

 

 「待ってくださいね? 今探しますから……」

 

 

 「探すってどうやって…」

 

 

言い終わる前に椛は空を仰ぎ見るようにして首を持ち上げ、風に溶けるように目を閉じた。

一際強い風が吹いたかと思えばその風がやむ頃には既に目を開けていた。

 

 

 「山ごと探知の範囲に入れる必要なんてありませんでしたね……もうすぐこっちに来ますよ」

 

 

そういうので待っていると本当に来た、妙な効果音を自分で言いながら。

 

 

 「どじゃーーん!!! 清く正しい射命丸(しゃめいまる)!参上ですよー!!」

 

 

 「ここで会ったが百年目です射命丸 文!!この方の件も含めて今までの悪行全部この場で(つぐな)って行ってもらいます!」

 

 

 「やーですよー!それに私は悪行なんてしてませんですよーだ、何せ私は清く正しいんですから!」

 

 

 「別にほっといても良いんだがじっちゃんとの約束が果たせなくなったら嫌だからな、不安分子は早急に排除させてもらうぜ? 」

 

 

言いながら刀に手をかけ少し刃を抜いたあたりで静止の声が掛かる。

 

 

 「ここは私が行きます、貴方が出るまでもありません。 」

 

 

 「今まで私に致命的な傷の一つも負わせる事が出来なかったのにですか? 片腹痛いですよー?」

 

 

新聞の腕が一流なら人を煽るのも一級品だな……

 

 

 「今日に至っては本気ですよ、秘術とか使っちゃいます。」

 

 

 「今日に限って……ですか…はは~んわかっちゃいましたよ~? 椛さ~ん?もしかして『時期』ですね? 」

 

 

 「なっ!何を!!」

 

 

 「これは面白い記事になりそうですね~」

 

 

 「なぁ『時期』って何のことだ? 」

 

 

 「いいんです!知らなくて!!」

 

 

聞いただけだったのだけどすごい剣幕で怒られた。

 

 

 「いえいえ、貴方には知っていただきますよっ…と!」

 

 

どこからか取り出した扇を軽く振ったかと思うと気を抜けば吹き飛ばされてしまう様な風が吹いた。

なんとか踏みとどまったものの俺より前にいた椛は風を直に受けてしまったようで、簡単に吹き飛ばされてしまう。

 

 

 「っと、大丈夫かよ? 」

 

 

俺は踏みとどまるのを辞め、吹き飛んだ椛を横っ飛びに抱きとめる。

 

 

 「ひぁっ!?」

 

 

上手くいったと思ったのだが椛が変な声を上げた。

 

 

 

 「やっぱりそうだったんですね~?私はここから大人しく見てましょうかね~? 」

 

 

 「それって一体どういう……」

 

 

どういうことだ、と繋げようとしたが腕の中にいる椛が小刻みに震えているのに気がついたので無事を確認した。

 

 

 「大丈夫か? どっかぶつけたりしたか? 」

 

 

 「やっぱり……もう耐えきれません………」

 

 

 「今何か……ってうおっ?!」

 

 

椛のお腹を抱くように回していた腕を外し、身体を捻って俺を押し倒してマウントポジションを奪う、という一連の動作を流石(さすが)筆頭というべき速さで行い俺はあっという間も無く組み伏せられていた。

 

 

 「えっ…と椛さん? 」

 

 

 「…………」

 

 

俺からした質問に対して返ってきたのは無言とキスだった。

 

 

 「…っ?!」

 

 

頭が痺れる感覚がした、目眩がした、眼の奥が痛む……キス一つでここまでのものなのか…いや違うだろう…そんな判断が出来なくなりかけて意識が戻ってきた。

 

 

 「……ぁはっ…!お前一体何を……」

 

 

 「いいですね~、何枚かいただきましたよ~ 」

 

 

 「憩夜(けいや)さん………ぎゅっとしてもらえませんか……?」

 

 

 「(あや)が見てるのにか?!」

 

 

 「憩夜さ~ん、折角なのでしてさしあげたらどうです~?」

 

 

 「やめろ!そういう野次が一番恥ずかしい!!! 」

 

 

 「………ダメ……ですか…?」

 

 

胸板に両の手のひらを乗せ、少し潤んだ虚ろな瞳をしながら首をかしげられては断りきれない。

 

 

 

 「………はぁ……わかったよ…」

 

 

上体だけ起こして正面から抱きしめてやる。

 

 

 「ふおぉぉ!これは素晴らしい光景ですよ!シャッターを切る指が止まりません!!!」

 

 

心底大声でツッコミを入れたいところなんだが椛が耳元にいることを考慮するとそういうわけにもいかない。

心臓にもよくないのでおいしい事は認めるが早急に終わらせて欲しいのだが……

 

 

 「もういいか……?」

 

 

”ふるふる”

 

 

言葉を発することをする気は無いようで、首を振って否定の意を示してきた。

  

 

 「もうちょっと……って事か……」

 

 

 「さてさて、ナイスな写真も十分すぎるほどに撮れましたし私はここらでお暇しましょうかね~」

 

 

 「おい待て!!」

 

 

静止の声をあげるが自己欲を満たした文は黒い翼を一度大きく羽ばたかせたと思うと聞く耳持たずといった様子で夕日の方向に飛んでいってしまった。

 

 

 「………っとすまん……」

 

 

思わず声を出してしまったために耳元で大きな声を出された椛は目をぎゅっとつぶり身を縮こまらせていた。

 

 

 「そろそろいいか………? 」

 

 

”ふるふる”

 

 

 「さいですか……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――椛が離してくれた頃には日は落ち、満天の星空が(きらめ)くほどになった夜になった頃だった。

 

 

 

 

 

 「本当にごめんなさいっ!!!」

 

 

 「だからもういいって」

 

 

 「ですけど……『時期』だからといって貴方に……うぅ……」

 

 

 「恥ずかしいなら言うなよ……」

 

 

半眼でつぶやく。

 

 

 「ですけど……ですけどぉ…」

 

 

 「一概に迷惑だけじゃないんだわ」

 

 

 「え? どういう事です? 」

 

 

黒い腕輪をだして手を開く、すると腕輪から拳大の光が出てくる。

 

 

 「それは? 」

 

 

 「自分でもよくわからんけど出てくるようになった。」

 

 

 「何なんでしょうね? この珠…私と同じ力を感じますけど……」

 

 

何気なく腕を前に出してみたところ、珠が手のひらに収まってきた。

まるで握れというかのように。

 

 

 「ものは試しだな」

 

 

つぶやくように言って、感覚に従って珠を握りつぶす。

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――白狼の魂

 

 

 

頭になかにそんな言葉が浮かんだかと思うと身体の各所に違和感が出てきた。

 

 

 「憩夜さん……貴方姿が……」

 

 

違和感が消える頃には完全に俺の姿は変わっていた。

頭には狼の耳が生え、犬歯は発達し、尾骨付近にふさふさとした尻尾が揺れており、終いには筋肉に変化はみられないのに身体能力が全面的に向上していた。

 

 

 「憩夜さんって白狼だったんですか? 」

 

 

 「立派な人間だよ……多分……」

 

 

髪が白くなる事に始まり、腕輪が出現して、屋根を飛び回るのが余裕で出来るようになってきたかと思えば狼化……人間辞めていっている気がしてならない。

 

 

 「でもこれ便利だな…文の位置が手に取るように分かる……」

 

 

 「そんなに正確にですか?! 私でも風に乗ってこないと匂いで辿れないのに……」

 

 

 「俺は元々少し鼻が良いからな…それが原因かもしれん。」

 

 

 「そんなものですかね? でも追わせませんよ? 夜の山は幻想郷の中でも屈指の危険度なんです。」

 

 

 「位置が分かる事も確認したわけだし今日のところは寝るか……」

 

 

そうなれば大きめの石と折れ木を集めないとだな…

そう思って歩き出したとたん腕を掴まれる。

 

 

 「どこに行くのですか? 」

 

 

 「どこって野宿のために材料探しに……ってまさか……? 」

 

 

 「そのまさかです今夜は私のところに来ていただきますよ? 」

 

 

 「待った待った! いくらなんでもそれはまずいだろ?! 」

 

 

 「夜の山、白狼集団」

 

 

 「完璧理論(パーフェクトロジック)……お見事だぜ……というかお前あいつらのことわかってたのか?!」

 

 

 「彼らが嫉妬の目を貴方に向けていたことですか? 」

 

 

初めから知っていた上で最初俺とあいつらを引き剥がした訳だ……

ただの天然でもなんでもなかったんだな……

 

 

 「さぁさぁついて来て下さい」

 

 

 

最後の反抗としてあぐらを組んでその場に座り込んだのだが狼の腕力に(かな)(はず)もなく、首根っこを掴まれて半ば引きずられるようにして椛の後を付いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうでしたか?ちゃんと甘い展開できてましたかね?もう少し甘い展開でもいいという方いらっしゃればおっしゃってください!

そうそう本作をお気に入り登録してくださった人数が10人になったのですよ!!
もう感謝感激ですよ!二桁の表示をみた瞬間舞い上がっちゃって色んなところに色んなところをぶつけましたw


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