東方夜光録『ヤコウロク』   作:◆◇夢幻水晶◇◆

8 / 33
今回はラブコメ仕様でございますですよ~!!!
地霊殿でのまったりライフをどうぞご覧ください、和んでいただけたら幸いです。


七幻~ここにいる理由~  

「出来たわよ~」

 

そんな声が聞こえてきたのは一時間程経った頃だった、俺がお腹をすかせているだろうと気を利かせパルスィが飯を作ってくれたのだ。

 

「体に負担かけても良くないと思ったからおかゆにしたわよ? それでよかったかしら? 」

 

 

「ありがたいよ、さんきゅ」

 

 

「どういたしまして、人にご飯作るなんて初めてなんだけどね。」

 

 

「そうなのか? 」

 

 

「えぇ、この家に私以外が常にいるっていうのも初めてよ。」

 

 

あまり初めて初めてと連呼しないでいただきたい、健全な一介(いっかい)の男子高校生には影響が大きすぎます……。

 

 

「食べ終わったら呼んでね、回収しに来るから。」

 

 

「あー………」

 

 

「何? 」

 

 

「凄く言いづらいんだが言わないとどうにもならないという現状がここにあるんだが…」

 

 

「いいなさいよ、回りくどいのは嫌いなの。」

 

 

「………っ…分かったよ………体が動かせないから折角の飯が食えない……」

 

 

「あら? 言いたい事はそれだけかしら? 」

 

 

こちらが言いたいことの察しがついたのかにや~っとしながら見てくる、言わなきゃいけないのは分かってるがこの年になってこれを言うのは恥ずかしすぎる……

 

 

「ほらほら、どうしたの? 」

 

 

「あぁもう!! わかったよ!! 」

 

 

「…………一人じゃ食べられないので………食べさせてください………」

 

 

恥ずかしいなんてもんじゃない、鏡なんて見る必要なんて無いくらいに顔が赤くなっているであろう事がわかるんだから。

 

 

「ちょ、ちょっと、そんなに顔赤くして言わないでよね…こっちまで照れるじゃないの……」

 

 

気になってパルスィの方を見てみると彼女もまた、顔を赤くしていた。お互いに照れ、視線があう度視線をどちらからともなく逸らすのを二、三回繰り返したのち、彼女は俺が先ほど言った事を承諾した。

 

 

「じゃあえっと……口開けて?」

 

言われたとおりに口を開け、おかゆを口に含んだはいいが……

 

 

「あっつ!? 熱いわ!! 」

 

 

「ご、ごめんね? 冷ますのをすっかり忘れてたわ」

 

 

パルスィはすくったおかゆにふーっと息を吹きかけ冷ましてくれているわけだが、その姿を見て俺はこの子は妬ましい妬ましいと度々言ってはいるが、根は優しい良い子なのではなかろうかと思い始めていた。俺が考え事をしているうちに適度に冷めたのかおかゆを口の辺りまで持ってきてくれたのだがその動きがピタリと止まった。

 

 

「…………」

 

 

「どうした? 」

 

 

「合法的に私に世話をさせるところが妬ましいわ………。」

 

 

内心でガクッっと前のめりにつんのめった気がした、そして半眼で呟いた。

 

 

「今完全に思い出したようにそのフレーズ使ったろ…? 」

 

 

「………そんなことは無いわ」

 

 

「今の間は何だ、今の間は」

 

 

五月蝿(うるさ)いわ、少し黙って」

 

 

「あっついわ!! 」

 

 

ジュっとまだろくに冷めていない状態のスプーンを俺の顔に当ててきやがった…熱くて涙がにじみ出るレベルだったが、何とかツッコミだけは果たした。

 

 

「今度言ったらとりあえず包丁投げるわ」

 

 

「そこまでするか!?」

 

 

この後食事を取らせてもらいつつ話をしている中で何度も(ねた)ましいと言われたが、本当に投げられてはたまらないと思い、妬みの理不尽さと俺に対する態度の冷たさは一切飲み込む事にしたのだった。

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「そういえば貴方、名前はなんていうの? 私は名乗ったのに貴方は名乗らなかったわよね。」

 

 

「あー、それもそうだったな、俺は憩夜(けいや)だ、(いこ)いの夜って書いて憩夜」

 

 

「憩夜か、素敵な名前ね、何か意味はあるのかしら? 」

 

 

「おう、夜ってなんか知らないけど落ち着くイメージないか? 」

 

 

「言われて見ればそうね、夜は基本的に寝るだけだしね。」

 

 

「んで、そこに更に憩うことを追加して、俺の近くに居るだけで幸せを感じるくらいに落ち着けるようにーとか何とかって理由らしい。その意味を聞いてからは出来るだけ周りに気を使うようにしてるよ。」

 

 

「へぇ、いいわね、名前に理由があるってうらや……妬ましいわ……」

 

 

「何でだ!? 何で言い直したんだ!? 別にいいじゃないかそれくらい!?」

 

 

「ほ、ほっといてよ、気にしたら勝手に口をついて出ちゃうんだから。」

 

 

「勝手に、なら仕方ないな、誰かに嫉妬するのも程ほどにしておけよ? 」

 

 

「それこそ余計なお世話よ、私の心配するより先に自分を気にしなさい動けもしないような状態なんだから。」

 

 

話をはぐらかされたような気もするがあまり触れられたくない話題なのだろう、ここは大人しく引くのが吉だろうと判断してそれた話題にあえて乗っかる。

 

「おっしゃるとおりで、病人は大人しくしときますよ。」

 

 

「その対応ムカつくわ……でも大人しくてないといけないのは事実よ早いところ寝てしまいなさい?」

 

 

「うい、寝る以外にやることもないしそうさせてもらうよ。おやすみ」

 

 

「はい、おやすみなさい」

 

 

部屋の明かりを消してもらい、寝ることにしたわけだが、これからどうするべきなのかとか何の理由があって俺がここに飛ばされてきたのだろうかとかわからない事はまだまだ沢山あり、すぐには寝つけそうに無かった……。

 

 




週一投稿ちゃんとできてる!よかった!!
浮かれてるのもいいんですけどそろそろ憩夜君の骨折何とかしないとな…
Heip me EEEERIIIIIN!!!!←
これでもう治してくれる人はお分かりですね??はい、次は永琳が登場予定です。
それではまた次回お会いしましょ~( `・ω・)ノシ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。