超いろはノート!〜寄せ書き増量版〜   作:お否さま

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ブルーレイ詰め込み量とワールドイズマインの質とであたまがごちゃごちゃになってます。その他にも今週もイベントとグッズ多いし。手数が多くて全て必殺級とは運営は全盛期のオールマイトか?


こたついろはけりけりかぐや

「なぁにこれぇ?」

 

物音に気づいて、上から降りてきたひょっこりと顔を出すかぐや。視線の先には四角いのに温かみのある日本伝統の家具が鎮座在していた。

 

「こたつだよ。使うのはお父さんがいた時以来かも。お母さん、こういうのは堕落の元になるって言って使わなかったから」

 

夏は義体のお披露目やら、ライブやなんやかんやと過ごしていたら、いつの間にか冬も間近。外には木枯らしが吹き、丸裸にされた木々が震えている。

暖房が付いているので寒いとかではない。なんとなくかぐやが好きそうだなと思ったのと、大和撫子の血が騒ぎ購入してしまった。高校生の時なら絶対ありえないな……と思いつつ、手早く必須インテリアを装着していく。

うーん、みかんカゴを備え付けた途端の圧倒的な存在感たるや。なお、私も使うのは久しぶり、どころかもはやほぼ初見かな?ぐらいだ。学生の時なら、まだ芦花やまみの家で集まって勉強した時に使わせてもらってたが……。うん、スカート女子学生にとってこたつってほんとに神なんだなって実感してた時期だった。外出時タイツ履こうとどうしても冷える足を全体的に暖めてくれる最強のアイテムなのよ、ほんとに。

なおかぐやは、始めてみるコタツに顔を近づけたり手でつんつんしてたりする。私のかぐやはねこだったみたい。

 

「ほ〜、これが伝説の『こたつ』?あの宇宙人キラーの?」

「どんな人類も一撃必殺でお馴染みのね」

「なにをぅ!?コズミックスーパーかぐやを倒そうなんて8000年早いのだー!」

 

軽口に、重なる軽口積み上げながら準備はもはや万端。コンセントも刺したし、今か今かと人を食う時を待っている。好奇心に駆られたかぐやとともに足を差し入れると、じんわりと心地良い温かさが巡ってくる。

 

「んむむむむ、確かにこれは……

ねぇ、彩葉これやばやばじゃない?」

「そうだねぇ……一生動きたくないかも」

「彩葉が見たことない顔してる……っ!?コタツ弱点すぎるじゃん、かぐやもその顔さーせーたーいー!……はっ、マッサージを皆伝すればこの顔を引き出せるか……!?」

 

さっきまで私と同じような溶けたスライムみたいな顔してたくせにはしゃいじゃって。ふふっ、と自然と喉の奥から緩んだ声が漏れると、それは顔にも目の前にも伝染し、空気をゆっくりと柔らかくしていく。

焦ることのない午後。足先から来るふわりとした温度と、隣にぴったりと感じる確かなもの。同じこたつに寄り添って入っているこの瞬間は、思わず隣の彼女に擦り寄るくらいに体を安らぎで満たしていく。体を甘く中心から温めて、心の緊張を取り除いてくれる、アフォガートというドリンクが頭によぎる。

 

太陽が溶けていくのを二人きりで、ひとつにまとまって眺める。

 

……

 

御手洗から立ち戻りついでに、追加の物資を補充して戻ってくると、彼女は反対側に移っていた。うつ伏せで足だけこたつの中に入れて、楽しそうに鼻歌まで歌っちゃって。

日暮れに近いこの時間は窓際がオレンジに染まる。それが金色と混じりあって息を飲むほどの美しさと、どこか心が締め付けられるような目が離せない色を放っていた。

目を失ったまま、元の位置に座る。

それに気づいたのか彼女は少し身動ぎをした。けれども振り返らず。いつか、夕焼けに染まる中で帰っていく子供たちを見たことを思い出した。振り返らず、不安もなく、ただ真っ直ぐに帰るところがある子供たち。

私もようやく彼女から目を離して、一緒に茜を眺める。

きっとこれからもこういうことが何度もあるだろう。

誰よりも近くで一緒に。

 

なんて、感慨にふけるのもつかの間。

 

「かぐやさん?」

「えへ〜、なぁに?」

 

横顔で、イタズラげな流し目が飛んでくる。私の心臓が異常に騒ぎ出すのも、やむなし。夕日マジックだ。

けれど、私が声を上げたのはそれよりも前。見えない部分で小鳥が啄むような感触。こそばゆくて、愛らしくて。思わず顔の筋肉が制御を放棄しそうな感覚と、烈火のように激しい衝動がせめぎ合う。キュートアグレッション、なんて言葉で表してはいけないほど濃度が高いものが醸造されつつあった。

 

「お行儀悪いでしょ、やめなさい」

「とか言っちゃって〜、嬉しいくせに〜このこの〜」

「えいえい」

「あ〜!彩葉がいじわるする!そんならかぐやもう1回!!」

「あわわ、勢い良すぎこぼれるこぼれる!!くぉんのぉ!」

「きゃーーーー!」

 

やっぱり私たちはお互いの体温を押し付け合うくらいが楽しい。落ち着いた時間も好きだけど、かぐやが楽しそうにしてくれるのが、私にとって何よりもかえがたいハッピーエンドなのだから。

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