特典「威圧」で行く実力至上主義の教室   作:ソーダ123

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無人島試験……始まり

 

「ではこれより⎯⎯⎯本年度最初の特別試験を行いたいと思う」

 

突如として発せられた一言に、ほぼ全てのクラスがざわつき始めた。

 

知ってたーーー

やっぱりあるのね特別試験。

 

「え?特別試験?どういうこと?」

 

池の発した疑問はもっともだろう。

 

学校側は、俺たちがこれから1週間、この無人島で生活すること。そして、この試験は実践的で現実的なものだと言うことを説明した。

 

テント2つ、懐中電灯2つ、マッチ1箱、生理用品は用意されてるらしい。

 

おいおい、ガチのサバイバルじゃないかと生徒たちは困惑し始めた。

 

「そんなのありえない」と池が大声で文句を言ったが、茶柱に暴論で論破された。

気持ちは分かるが、同じDクラスとしてやめて欲しい。

 

それから、無人島試験のルールが説明された。

 

もちろん知っているが、簡単に説明するとこうだ。

 

 

最初に300ポイントが配られ、それで物資を購入することができる。

 

リーダーを1人決め、スポットをキーカードで占有することができる。効力は8時間で、1回の占有につき、ボーナスポイントを1ポイント獲得できる。

 

最終日の点呼の時に、リーダー当てをする権利があり、指名を成功させたら50ポイント、失敗したらマイナス50ポイント。

指名されたらマイナス50ポイントであり、ボーナスポイントは無効。

 

他クラスへの暴力行為、略奪行為、器物破損などを行った場合、対象者の所属するクラスは即失格となる。

 

リタイアはマイナス30ポイント。

環境汚染はマイナス20ポイント。

点呼不参加でマイナス5ポイント

 

 

こんなところだろう。

他クラスへの妨害行為のペナルティってこんなに重かったのか……

 

今回、俺はできるだけ動くつもりだ。

目指すは圧倒的な1位だ。

Dクラスだからって絡まれるのはもううんざりなのだ。

完膚なきまでに叩きのめす予定である。

 

最強チート野郎である清隆と、能力チート原作知識ありの俺がいて負けるはずが無いのだが……

 

 

目指すは完全試合(パーフェクトゲーム)だ。

 

 

…………

 

 

「ダンボールになんて!無理無理!絶対無理!」

 

「なんだよ、ちょっと我慢するだけじゃねえか」

 

仮設トイレを購入するかで揉め始めてしまった。

そんなことをしている時間は無いのだが。

 

俺はどのスポットを占有するか考えていた。

 

原作と同じ川のスポットでも良いんだよな……

Aクラスの洞窟も良いけど、どんなイレギュラーが起こるか分からないし、原作通りでいいかな?

 

「仮設トイレ絶対いるって!」

 

「ちょっと待てよ!20ポイントだぜ!?たかがトイレに!」

 

「トイレくらいいいじゃん。今は節約しないとまずいっしょ!」

 

「あんたが決めないでよね。意見をまとめてるのは平田くんなんだから。ね、平田くん」

 

だいぶ揉めてるな……

 

その後も言い合いが続いたので、時間を気にした俺は切り込むことにした。

 

「ちょっと良い?」

 

「え?石川くんもなんか意見あるの?」

 

「いや、そんなに揉めるなら普通に多数決で良いかなって」

 

「あー!それ良いじゃん!石川くんいいこと言うね!」

 

篠原の共感を得られたようだ。

 

「みんなもそれで良いよね?」

 

「まあ、それなら良いんじゃないか」

 

幸村の同意も得られたようだ。

 

「じゃあ、仮設トイレを購入するべきだと思う人!」

 

全ての女子と、俺を含めた一部の男子から手が上がる。

この時点で結果は決まっている。

 

「じゃあ、仮設トイレは購入するってことで」

 

残りの男子たちは納得したような、してないような顔をしているが、普通に考えてトイレは買うべきだろう。

 

「とりあえずさ、探索しに行かない?他のクラスにスポット取られちゃうかもしれない」

 

俺はそう提案する。

 

「そうだね、みんな行こうか」

 

平田がみんなを牽引してくれる。

頼もしいな。

 

「なあ清隆、なんか作戦あるのか?」

 

「いや、特にはないな」

 

「お前は今回動くつもりなん?」

 

「いや、特に動くつもりはない。だが、できる範囲では貢献する予定ではあるし、雄大が何かをするというのなら目立たないように協力はする」

 

「おお、ありがとな」

 

清隆のできる範囲は広すぎると思うのだが。

 

今回は清隆が茶柱に脅されてないからAクラスに上がる必要は無いのだが、俺のためだろうか。

今回の試験、少なくとも俺には、清隆と桔梗という大きい手札がある。

 

しかし、俺も暴力ロン毛とか銀髪ロリとかのやばいヤツに目をつけられたくないので、できるだけ目立たないように頑張ろう。

 

そして、平田の提案で探索をすることになった。

もちろん俺も志願し、合計で12人が集まった。

 

堀北は予想通り体調が悪そうだ、探索には行かないのだろう。

 

各自が好きにチームを組むのだが、俺はとりあえず清隆と組むことにした。

 

「清隆、あと1人どうする?」

 

「そうだな、高円寺……はやめとくか。佐倉で良いんじゃないか?」

 

「だね」

 

俺たちは佐倉の元へ向かう。

 

「佐倉さん、一緒に探索しよっか」

 

「え、は、はい。よろしくお願いします」

 

「よろしくね。じゃあ、行こっか」

 

 

俺たちは森を進んでいく。

 

 

「え、えっとその、この前は本当にありがとうございました。あの、その、何かお礼がしたくて……」

 

「ああ、例の件のこと?全然いいよ。クラスメイトが困っているのに、助けない訳にはいかないし」

 

「そうだな。雄大はそういうやつだ」

 

「お礼してくれるって言うなら、清隆受けとっといたら?」

 

「いや、オレは特に何もしていないだろう」

 

「警備員呼んだじゃん」

 

「それだけなら誰でもできる。山内でもできるぞ」

 

「お前、山内舐めすぎだろ。山内には無理だ」

 

「お前酷いな」

 

「お前が言うな」

 

「ふ、ふふ……あはははは」

 

佐倉が笑っている。

笑顔を初めて見た気がするな。

 

「佐倉さん、今の面白かった?」

 

「あ、はい、その、すみません。面白くて……」

 

「いや、佐倉さんが笑ってるの見れて嬉しいよ」

 

「そ、そうですか……」

 

佐倉は少し顔を赤くしている。

恥ずかしいのだろうか。

 

「あとさ、もっと親しげな感じで話してよ。俺たち友達じゃん?なあ、清隆」

 

「そうだな、佐倉は友達だ」

 

「と、友達……ですか」

 

「うん。友達としてこれからもよろしく!」

 

「よ、よろしくおねが……。よろしく?」

 

「ま、慣れないうちは今までみたいな感じでいいよ」

 

「あ、ありがとね?」

 

すぐにでも慣れるだろう。

友達が1人増えて嬉しい限りだ。

 

 

そんな話をしていると、開けた道に出た。

 

 

「これ、人為的に出来たものだよな」

 

「そうだな、この先にスポットがあるんじゃないか?」

 

そのまま歩いていくと、洞窟の入口にたどり着いた。

原作ではAクラスが使っていたスポットだろう。

 

しかし、原作と違うところがあった。

たった今、葛城と戸塚が洞窟に入って行ったようだ。

 

「もしかして……あれってスポットなのかな?」

 

「おそらくそうだね。船からも見えたし、これは意図的なものだと思う」

 

「見ていないと思ったが、お前もちゃんと見てたんだな」

 

「当たり前だろって」

 

失礼なやつだ。

確かに、桔梗と楽しくお喋りはしていたのだが。

 

「うーん、あの2人怪しいよな。Aクラスのリーダーと腰巾着だよ?」

 

「そうだな、とりあえず隠れて見ていよう」

 

俺たちが息を潜めていると、2人が洞窟から出てきた。

葛城はキーカードらしきものを持っている。

 

「葛城さん!良いスポットを押さえられましたね!運が良かったです。こんな早くになんて」

 

「運?お前は何を見ていた。この洞窟は船から見えていた。見つかるのは必然だったというわけだ。そして、言動には気をつけろ、どこで誰が聞き耳を立てているか分からないんだ。俺にはリーダーとしての監督責任があるんだからな」

 

2人は去っていった。

 

俺たちが洞窟を確認すると、Aクラスに占有されたことを示すモニター付きの端末機械があった。

 

「なあ、清隆。たぶんリーダーはあの腰巾着だよな」

 

「お前もそう思うか。おそらくそうだろうな」

 

「え、な、なんでですか?あの大きい髪の無い人がカードを持ってたんじゃ……」

 

佐倉が疑問に思うのもそうだろう。

一見カードを持っているやつがリーダーだと思うはずだ。

 

「佐倉、あのカードを持っている葛城ってやつは結構頭が回るヤツだ。そんなミスをするはずがない。そして、誰が聞き耳を立てているか分からないから言動に気をつけろってもう1人の戸塚ってやつに言ってただろ?そんなことを言うやつが不用心にキーカードを持って出て行き、そして自分がリーダーであることを言うとは思えない。おそらく、戸塚が先走って占有してしまい、そのフェイクで葛城が持ってたんだと思う。確率は九割五分ってとこかな」

 

「だろ?清隆」

 

「そうだな、雄大の言う通りだ」

 

「す、すごい……私はそんなこと思いつかなかった……」

 

正直、これは原作知識無くても分かったと思う。あいつら頭良いのか悪いのか分かんねえな。

普通にカード隠して出て行った方が良かっただろ。

しかし、可愛い女子に褒められて嬉しい。

 

「とりあえず、ここであったことは俺たちの秘密な。分かった?佐倉」

 

「え……報告しないの?」

 

「いや、まだ確実じゃないし、色々情報を集めてからにしたいからね」

 

「分かった……」

 

Aクラスのリーダーが知れたこともあり、俺たちはとりあえず平田たちの元へ戻ることにした。

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