目が覚めると、バスの中だった。
おーここがあのバスかと考えながら、原作キャラがいないか周りを見渡すと、あ、いたあの茶髪のクールイケメンは綾小路清隆だ。イケメンランキング5位だけあって、さすがにイケメンだ。
てか、あれで5位なのか……
隣に座っているのは堀北鈴音だろう、美人だ。
なんともラッキーなことに俺は原作主人公の乗っているバスに乗っているようだ。
櫛田もいるし高円寺もいる。
櫛田可愛いな。
前世では、櫛田にずっとデレデレしてる池とか山内を馬鹿にしてたけど、あいつらの気持ちめちゃくちゃ分かるぞ。
そんなくだらないことを考えてると、近くから声が聞こえできた。
「席を譲ってあげようって思わないの?」
とOLが高円寺を怒っている。
バスと言えばこのイベントだ。いやーこんなのもあったなーと思いながらOLと高円寺の言い争いを眺めていると、
「あなたも見てるだけで席を譲ってあげようとは思わないの?」
とOLがこっちを見て言ってきた。
嘘だろ……俺の気弱フェイスはこんなとこにも介入するのか……
優先席じゃないのに流れ弾すぎる。
まあ見てたのは事実だが……。
「ハッハッハ!私の次はソフトボーイかい?」
と、高円寺が言う。
ソフトボーイって俺の事か。なんか高円寺にあだ名つけられるの嬉しいな。ソフトボーイって俺にぴったりな気がするし。高円寺センスあるな。
「あんたはもういいわよ!今私はこいつと話してるの!」
「フッフッフ、私に勝てないからって自分が勝てそうな所に行くのはナンセンスというものだよレディー」
高円寺レスバ強いな
てか、高円寺から見ても俺はこのOLに負けそうなのか。慣れてるとはいえショック。
「で?あんたは席譲らないの?どうなの?」
よく考えたら、もしかしなくても威圧の使い時じゃないだろうか。ここで舐められては前世と同じだ。
よし!善は急げ!威圧!威圧!
レベルはうーん、最初だし3でいいかな?
おりゃ!
OLの顔が強ばる。
「あ、あ、ごめんなさい、あなたはもういいです」
思ったより効いてるっぽいな、人をビビらせたのは初めてだけど、思ったより楽しいぞ。
この状態で話してみよう。
「え?いいんですか?譲りましょうか?」
「ひぃッッ、あ、えっともう大丈夫です」
これ以上虐めるのは可哀想だ。
OLももう理解しただろう。
そういえばこの後は櫛田がこのOLに加勢するはずなんだけど、どうなるんだ?
「あの、私もこのお姉さんの言う通りだと思うな。
誰か譲って頂けませんか?」
この流れでも櫛田は加勢するらしい。
よく考えたら、OLがウザかったから譲らなかっただけで別に譲っても良いんだよな。
「誰かお願いします。お婆さんに席を譲ってあげてください!」
櫛田の好感度も稼ぎたいし、ここは譲るか。
そう考え立ち上がった。
「お婆さん、良かったらこの席どうぞ」
「え、良いんですか?ありがとうございます!」
OLが目を見開いて俺の方を見てるがまあ良いだろう。
櫛田の笑顔も見れたし、モーマンタイだ。
櫛田の笑顔を思い浮かべてるうちに、高育に着いたみたいだ。
これから俺の第2の人生(薔薇色の予定)が始まると考えるとワクワクしてきた。
バスから降りると、少しだけ待つことにした。
綾小路を待つためである。
原作主人公で威圧すら通じなそうなチート野郎とは仲良くしたいし、よう実大ファンだった俺はもちろん綾小路ファンだ。綾小路とはぜひ友達になりたい。
そうこうしてるうちに綾小路が降りてきた。
なぜか高育に向かわずにこっちを見て立ち止まっている俺に驚いたのか、少し目を見開いている(気がする)。
俺は降りてきた綾小路に並んで歩き始めた。
やばい、話しかける内容考えてなかった……
まあ適当でも、初期の綾小路なら会話もあんましたことないし、友達に飢えてるだろうし、大丈夫か!
「初めまして、君も新入生だよね?」
「あ、ああ初めまして、同じ新入生だ」
「3年間同じ学校に通うものとしてよろしく!僕は石川雄大。名前はなんて言うの?」
「綾小路清隆だ。よろしく頼む」
よし!良い感じに喋れた!
このまま友達になるぞ!
「綾小路は部活とか入るの?」
「いや、入る予定はないが、色々見てみようと思う。」
「中学ではなんもやっていなかったの?」
「自慢じゃないがずっと帰宅部だ」
綾小路が中学にも通っておらず人道無視白い部屋で訓練をしていたのは知っていたけど。新入生ってこんなの聞くよね?的な感じで聞いてみた。
俺も久しぶりの高校生なので違和感があるかもしれないが、綾小路よりマシだろう。
「そうなんだ。俺も同じ帰宅部だったよ。なんか綾小路とは仲良くなれる気がする。」
「そうかもしれないな」
「同じクラスだといいね」
「そうだな」
やっぱ綾小路コミュニケーション下手だな……
まあそういうとこも好きなんだけどさ。
そういえば俺クラスどこなんだろう、、、
できればC以外が良いな。理由は怖いから。
校門までたどり着き、クラス分けの紙を見ると、どうやら俺は主人公クラス(2年まで)であるDクラスだった。
綾小路と一緒だし当たりかな。できればBが良かったけど。
「一緒のクラスだな」
綾小路の方から話しかけてきた
「そうだね、1年間よろしく!」
「ああ、よろしく」
3年間一緒なのは分かっているが、とりあえず1年間と言っておこう。
「これも何かの縁だし、俺たち友達にならない?」
「友達……」
綾小路が凄い嬉しそうな顔をしてる。
犬みたいだ、かわいい。
「いいぞ、オレたち友達だな。」
「だな。これから楽しみだね!」
よっしゃ!原作主人公と友達になれたぞ!これで俺の学校生活勝ち組や!
駒として使ってポイ捨てはやめてくれよ……(震え)
俺たちは一緒にクラスへ向かい。席に腰掛けた。
俺の席はなんと綾小路の前だ、嬉しい。
そうすると必然的に俺の右後ろには堀北が座ることになる。
絡まれなければ良いのだが……
俺は前世から堀北鈴音が苦手なのだ。
嫌だなあと考えてるうちに、堀北が教室に入ってきて席に腰を下ろした。
話しかけるのやめてくれよ……やめてくれよ……
「そこのあなた」
……
「そこのあなたよ、耳が悪いのかしら?」
案の定話しかけてきた。
俺は堀北の方を向いて答えた。
「なに?バスで席を譲ったこと?」
あえて先回りして答えてみることにした。
「そうよ、分かってるじゃない。どうして譲ったの?あなたの後ろの私のことを見てきた人は譲らなかったみたいだけど」
「別に譲るのは人の自由でしょ?俺は最初から譲る気でいたし」
「そうかしら?あなたは若い女性がお願いした瞬間に譲ったように見えたけど?」
正直図星ではある。
OLがムカついたのは事実だし、櫛田がお願いしたから譲ったのも事実だ。
「そうかな?俺は最初の女の人にお願いされた時も譲りましょうか?って言ったはずなんだけど」
「そういえば、そうだったかもしれないわね。」
意外とあっさり引いたな。
俺がビビらせてたのを思い出したのだろうか
俺はとりあえず仲を深めようと、綾小路と話すことにした。
「綾小路って休みの日は何してるん?」
「そうだな、読書か、寝ているな」
「そうなんだ、得意なこととかある?」
「特にはないな」
面白みがないな……
趣味とか特技を聞き出して、それを自己紹介で言わせる作戦だったが、このままだと綾小路の自己紹介が失敗してしまう。
こうなったら読書だけ言わせるか……
「なあ綾小路、自己紹介する時があったら、名前と趣味が読書であることと、好きな本だけ言え、あとはよろしくお願いしますだけで良い。そうでないとお前は失敗する気がする。自己紹介を失敗するとどうなるか分かるか?これから先友達が出来にくくなるんだよ。第一印象は大切だからな。」
「そ、そうか……」
分かってくれたか分からないが、真剣そうな顔をしている。
原作ファンとしては事故紹介も見たかったが、綾小路の友達としてはこれを見逃すことはできない。
そんな話をしてると、茶柱先生がやってきた。
原作を読んでいる俺は知っていることだが、クラス分けがないことや、Sシステムについて話している。
10万ポイントも貰えてみんな興奮しているようだ。
もちろん、俺はここで、『10万ポイントは固定ですか?もしかして生活態度で変わっちゃったりしますか?』とは聞けない。
変なことを言ってる奴って思われるのはごめんだ。
「質問はないようだな、では良い学園ライフを送ってくれたまえ」
という言葉で説明書は終わった。
「あやのこうじー10万ポイントってやばくないか?」
「ああ、そうだな俺も驚いている」
「全然そうは見えないけどなー」
「お前もだろう」
あれ?俺一応驚いてる演技したはずなんだけどな
流石は原作主人公と言ったところか
「僕らは今日から同じクラスで過ごすことになる。だから今から自発的に自己紹介を行って、1日も早くみんなが友達になれたらと思うんだ。入学式まで時間もあるし、どうかな?」
と、平田が言う
平田ってやっぱりイケメンだな。
イケメンが提案することは賛成だ。
反対など出来るはずもない。
出来るとしたら赤髪バスケゴリラかKY黒髪美少女くらいだ。
みんなが賛成したため、自己紹介が行われることになった。
うお、山内の自己紹介生で見ると嘘くせー
てか可愛い子多いなー
櫛田は自己紹介で少し、俺の方に目線を向けた気がする。
「じゃあ次⎯⎯」
「俺らはガキかよ。自己紹介なんて必要ねえよ。やりたいヤツだけでやってくれ」
いつの間にか須藤の番がやってきたらしい
何人かの女子が批判している
「僕に強制することはできない。でも、クラスで仲良くしていこうとすることは悪いことじゃないと思うんだ。不愉快な思いをさせたのなら、謝りたい。」
平田はいいやつだな、俺だったらキレる。怒りを内に秘めるだけだが……
「うっせぇ。こっちは別に、仲良しごっこするためにここに入ったんじゃねえんだよ」
イキってんなー
平田は良い奴だし、威圧して援護しようかな?
精神力強そうだしレベル4でいいだろう。
おりゃ!
俺も女子に混ざって批判する。
「須藤くん。仲良くすることは悪いことじゃないと思うよ」
「お、おうそうか、そうだな、自己紹介するわ」
周りから見たら何人かの女子の批判で須藤が大人しくなったと思うだろう。
須藤から見るとどうかは分からないが……
須藤は特技がバスケだと言う自己紹介をした。
「じゃあ、次は君、お願い出来るかな?」
俺の番がやってきた
「はい、俺は石川雄大です。趣味はゲームです。ゲームと言ってもチェスとか囲碁とかも好きです!よろしくお願いします!」
よし!良い自己紹介が出来た!と思った次の瞬間
「チェスとか囲碁とか古くせー、お前にそんな賢そうなの出来ねえだろーw」
と、山内が突っ込んできた。
舐められまくってるな……
山内って本当にこんなやつなんだ……と少し感心しつつ、チェスと囲碁を馬鹿にされたことで俺は少しキレてしまった。
こんなときの威圧だ。お前にはレベル4だ。
おりゃ!
「そんなこと言うなんて山内くんは酷いなー」
瞬間、山内の顔が引き攣る。
「ご、ご、ご、ごめん!も、もう言わないから!」
山内は涙目になりながらそういった。
周りは急にそうなってしまった山内に困惑しながらも、山内に非難の目線を浴びせる。
「そうだよ山内くん、人の趣味を馬鹿にするのはいけないよ」
平田やさしい。
ありがとう。
「ごめんなさいごめんなさいいいいいいいいぃぃ」
あ、威圧解除するの忘れてた。
山内はこれからの学校生活苦労しそうだた。
「じゃ、じゃあ気を取り直して、次の人、そこの君、お願いできるかな?」
綾小路の番が来た、頑張れ!俺のアドバイスの通りにしろ!
「えー、えっと綾小路清隆です。趣味は読書で好きな本はミステリーです。えー、よろしくお願いします。」
普通に拍手が起こる。
原作から比べると雲泥の差の自己紹介だろう。
綾小路よくやった!
席に座った綾小路から、感謝される。
よくやったと返してやった。
綾小路との仲は深まっただろう。