特典「威圧」で行く実力至上主義の教室   作:ソーダ123

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無人島試験……契約と暗躍

 

「Bクラスの皆さんこんにちはー」

 

Aクラスを失格にさせた次の日、俺は清隆とともにBクラスの拠点を訪れていた。

 

「あ、綾小路くん!と、石川くんだっけ」

 

「おお、よく知ってますね」

 

「にゃはは、当たり前でしょー。同じ学年だもん」

 

「いや、普通は全員は覚えてませんよ。三之瀬さんくらいの有名人なら皆に名前を覚えられてると思いますけど」

 

「ちょ、ちょい!私一之瀬!覚えられてないじゃん!」

 

「ごめんなさい、冗談です」

 

「にゃはは、石川くんって面白い人なんだね」

 

「お世辞はやめてください」

 

「お世辞じゃないよー。あと、同学年なんだから敬語やめてほしいな?」

 

「おけ」

 

「いや急に軽!」

 

一之瀬と話すの楽しいなあ……

Bクラスが羨ましい……

 

「それで、なんでBクラスの拠点に来たのかな?」

 

「いや、リーダー見破ろうかなー!と思って」

 

クラスに聞こえるような大きな声で言って、反応を見ることにした。

あれ、思ったより分かりやすいぞ。

 

「直球だね!?少しでも取り繕ろうとかないの!?」

 

「いや、だってもうスパイいるじゃん」

 

とりあえずぶっこんでみた

 

「え?どういうこと?」

 

「いやそこの、眼鏡の」

 

「金田くんのこと?えっと……金田くんはCクラスに追い出されたらしいんだけど。まあ、一応は警戒はしてるけど」

 

「えっとその……言いにくいけどスパイだよ」

 

「え、そうなの?どうして?」

 

「うちにもCクラスの伊吹ってやつが来てるんだけど、そいつが自分と金田はスパイだって吐いたんだよね」

 

そう、昨晩、俺は全てを吐かせたのだ。

 

 

⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯

 

15時間前……

 

「ねえ、伊吹さん」

 

「何?あんただれ?」

 

「俺は石川って名前」

 

「で?なに?」

 

「スパイ活動は順調?」

 

「っ……!何よそれ、やっぱり疑うのが普通よね」

 

「いや、もう分かってるんだよ?伊吹さんと金田くんが龍園にわざと傷をつけられてスパイをしてることも、龍園がリーダーだってことも」

 

「な、なんでそれをあんたが」

 

「あ、やっぱりそうだった?カマかけたんだよね」

 

「くっ……」

 

伊吹はしまったという顔をして歯を食いしばる。

今にも殴りかかってきそうだ。

威圧をかけよう。

 

「で、龍園がリーダーなの?大丈夫、伊吹のことは報告しないよ」

 

「……」

 

「龍園がリーダーってことで良いの?」

 

「……」

 

趣向を変えよう。

 

「Dクラスのリーダーを教えてあげようか?」

 

威圧を弱めて話す。

伊吹の目が見開かれる。

 

「あ、あんた、クラスを裏切るってこと……?」

 

「いや、そうじゃないよ。もちろん伊吹にはCクラスのリーダーを教えてもらう。そしたらボーナスポイントが無くなるとはいえトントンだよね?伊吹が龍園に制裁を受けるのは見てられないからさ」

 

「な、なんで……」

 

「だから言ったよね?見てられないからって」

 

俺は無言で堀北のキーカードを撮った写真を見せる。

 

堀北に理由をつけてキーカードを貸してもらうのは大変だった。

 

「え、な、なんで……」

 

「大丈夫って言っていいのか分かんないけど、これをしてもCクラスは負ける予定だから大丈夫」

 

「そうなの……?」

 

「でも、俺のことは龍園には言わないでね?」

 

「わ、分かった……」

 

もう一度威圧を強くかける

 

「それで?Cクラスのリーダーは誰なの?嘘はつかないでね?」

 

「……りゅ、龍園。龍園だよ」

 

威圧を解く

 

「分かった、ありがとう」

 

堀北のキーカードを写した写真をさらに伊吹のデジカメで撮らせる。

 

「龍園に報告してリタイアしてきていいよ。木の下に埋めてある無線でね」

 

「あんた……そこまで……」

 

「で、もう1つお願いがあるんだけど、俺のカメラで龍園の姿を写真に撮って、目印をつけた木の下に埋めといてくんない?」

 

「了解……ありがとう」

 

 

⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯

 

 

「え……」

 

「だから、気をつけた方が良いですよって忠告しときます」

 

「分かったよ……忠告ありがとう」

 

「あと、Cクラスのリーダーの情報はいるかな?」

 

「え……?知ってるの?」

 

一之瀬が目を見開く。

 

「実は、伊吹がリーダーは龍園だって吐いたんだよね」

 

「でも、嘘をついてる可能性はないの?」

 

「ないよ。これを見て」

 

そして、俺は伊吹が撮影した龍園の写真を見せる。

 

「この撮影時間にはCクラスは全員リタイアしているはずなのに、龍園が島にいるんだよね」

 

「龍園の作戦としては、スパイを送って自分だけでリーダーを当てるってとこだろうね。Dクラスも龍園って書く予定だから安心して」

 

「そうなのね……」

 

一之瀬が固まってしまった。

 

「でも、なんでそれをうちのクラスに?本当に教えて良かったの?」

 

「まあ、Cクラスにはよく絡まれてるからね。仕返し的な?」

 

「そ、そうなんだ、でも、何かお礼しなきゃだめだよね」

 

よし来た。

 

「そうだなあ、この情報って、クラスポイント50と同じ価値だよね?」

 

「うん、まあそうなのかな?」

 

「それで、卒業まで40人が毎月5000ポイントを追加で貰うとすると、これって600万ポイント強のプライベートポイント分の価値になるんだよね」

 

「そうだね、それで?」

 

「だから、低く見積って300万プライベートポイントで手を打とうかなって思うんだけど、どうかな?もちろん、龍園がリーダーじゃなくて指名を外した場合にはなしでいいよ」

 

「300万、かあ……」

 

一之瀬は天を仰いだ。

 

「もう情報は言っちゃったから、お礼なしでも文句は言えないけどね」

 

しかし、一之瀬の性格を考えるとここで礼をするのは確実だろう。

 

「いや、もちろんお礼はするよ!」

 

「それで、300万、どうかな?」

 

「……分かった……払わせてもらうよ。契約書書いた方が良い?」

 

「ありがとう。いや、口約束で良いよ。一之瀬さんのことは信用してるからね」

 

「信用してくれてるんだ……ありがとう、石川くん」

 

「いやいや、色んな人から慕われてる一之瀬さんを信頼するのは当然だよ」

 

「そ、そうかな?」

 

「もちろんだよ。これで契約成立、だね?……じゃあ、これからBクラスのリーダーでも探しちゃおっかな」

 

「えー、それはやめて欲しいんだけど……」

 

「分かりましたよ。探すのはやめときます。でも、一応予想としては白波さん、とか」

 

一之瀬は一瞬固まる。

確定っぽいな

 

「それと、神崎くんとかも怪しいよね。それとも、意外と一之瀬さんだったり?」

 

「ど、どうだろうねー?」

 

「まあ、リーダーを当てるのは置いといて、Bクラスの拠点見ていってもいいかな?」

 

「全然いいよ!好きなだけ見てって!」

 

一之瀬聖人だな……

それに比べて俺は……

 

一之瀬さん、ごめんなさい。

 

「じゃあ、清隆、先に帰ってて良いよ」

 

「ああ、分かった」

 

 

とりあえず、俺は目的のために歩き始める。

そして、カモフラージュのために色々な人に話しかけて行くことにした。

 

 

そして、ターゲットを見つけた。

 

 

「こんにちは。白波さん……だっけ」

 

「え……こんちには」

 

そりゃ驚くだろう。

急に他クラスの知らん男子が話しかけてきたのだ。

 

「ちょっと話があるんだけど、来てくれるかな?」

 

「あ、はい……分かりました」

 

俺は周りに人がいないとこまで連れていく。

 

 

 

よし、ここら辺でいいだろう。

 

軽く威圧をかけておく

 

「単刀直入に聞くけど、白波さんがリーダーだよね?」

 

「え、ち、違います」

 

「いや、一之瀬さんと取引して教えてもらったよ」

 

「あ、そ、そうなんですか」

 

「それで、リーダーなの?」

 

「はい……そうです」

 

「あ、やっぱりそうなんだ。カマかけたんだけど」

 

「騙したんですか!?」

 

白波は怒り心頭だ。

 

「大丈夫大丈夫、元々白波さんを指名する予定だったから」

 

「何も大丈夫じゃないんですけど……」

 

「でも、リーダーなのがバレたってこと知ったら一之瀬さんに失望されちゃうかもね」

 

「え……」

 

白波の顔に絶望の色が見える。

白波が一之瀬大好きっ子なのは知っていた。

 

「で、その失態を取り返せる方法があるんだけど、聞きたい?」

 

「え、そんなのあるんですか?」

 

「あるよ。Dクラスのリーダーを教えてあげる」

 

「え……?」

 

「はい、これ」

 

俺は堀北のキーカードを撮った写真を見せる。

 

「え、これ……」

 

「そう、キーカードだよ。写真じゃ信用できない?」

 

「いやその……なんでですか?」

 

「白波さんが可哀想だと思ってね。でも、その代わり1つお願いがあるんだけど、白波さんのキーカードを貸してくれない?15分以内に返すから」

 

「分かりました……」

 

白波にキーカードを手渡される。

 

「ありがとう。できるだけ早く返すね」

 

「はい……」

 

俺はその場を立ち去り、Bクラスの拠点へ向かう。

 

 

 

そして、ある人物に話しかける。

 

「ねえ、金田くん。話があるんだけど、鞄を持って、来てもらえる?金田くんに大きな利のある話だよ」

 

「は、はい?分かりました……」

 

俺は人の目のない場所へ金田を連れていく。

 

「はい、これBクラスのキーカード。写真撮りな」

 

「え!?な、なぜですか?というか、あなたのお名前は?」

 

「俺は石川、でも俺のことは龍園には言わないでね」

 

威圧を込めて話す。

 

「は、はい分かりました。でも、なぜこのようなことを?」

 

「簡単だよ、Bクラスにダメージを与えたい。それだけ。あと、金田くんに個人的な貸し1つでいいかな?」

 

「まあ、良しとしましょう……しかし、石川氏、なかなかやりますな……どうやって入手を?」

 

「それは企業秘密で」

 

「わ、分かりました……」

 

そして金田はキーカードの写真を撮り、龍園に伝えてリタイアして行った。

 

よし、俺のやることはあと1つ、堀北をリタイアさせるだけだ。

 

 

⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯

 

 

Dクラスの拠点に戻ってきた俺は、清隆に話しかけ、やったことを全て話した。

 

「で、どう思う?」

 

「ああ、良いんじゃないか?効率良く全クラスにダメージを与えられてそうだ」

 

「良かったー。見落としがあったら終わりだから焦ったよ。で、堀北さんいつリタイアさせよう?」

 

「最終日前日が理想だが……本人に聞いてみるのがいいんじゃないか?」

 

「分かった、聞いてくる」

 

 

 

俺は堀北のもとへ向かった。

 

 

「ねえ、堀北さん。重要な話があるんだけど」

 

「何かしら」

 

怪訝そうな顔で堀北は言う。

 

「結論から言うと、堀北さんにはリタイアしてもらうよ」

 

「はぁ?なぜかしら?」

 

「理由は3つある。1つ目は、堀北さんの体調が悪いこと。2つ目は、伊吹さんに堀北さんがリーダーであることが伝わったこと。3つ目は俺がBクラスに堀北さんがリーダーであるとバラした事だね」

 

「1つ目は良いとして……2つ目と3つ目はどういうこと?」

 

「どういうことも何もそのままだよ。俺は作戦として、堀北さんがリーダーであることをバラした。他クラスは堀北さんを指名するけど、堀北さんがリタイアをすることでリーダーを変更でき、他のクラスは間違った指名をすることになるから、結果としてポイントの差は縮まることになるんだよ」

 

「他のクラスにバラすなんて……ありえないわ」

 

「えっと、俺の話聞いてましたか?作戦ですよ、作戦」

 

「そう……納得はできないけど。それで、いつリタイアすればいいの?」

 

「それは堀北さんに任せる。別に今でもいいし、最終日前日でも良い」

 

「分かったわ……」

 

 

とりあえず、これで俺のすることは終わりだ。

うん、3日目で全てが終わったぞ。

急ぎすぎたか?

食料はAクラスから奪ったものがある。

水は川がある。

リーダーを当てられる心配もない。

 

 

あれ?完全勝利では?

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