入学してからしばらくたち、俺は綾小路とついでに須藤といっしょに楽しく学園生活を送っていた。
俺は、与えられた能力のおかげではあるが、自分に自信が持て、意見も言えるようになってきていた。
というか、もう前世とは別人だ。
ある日、櫛田が俺たちに話しかけてきた。
「ねえ、石川くんと綾小路くん、少しいいかな?」
おそらくあれだろう、堀北の事だろう。
ここ最近、櫛田は定期的に堀北を遊びに誘い、断られていた。
嫌いな人にここまでできるのは普通に尊敬できるな。
「2人って堀北さんと仲が良いのかな?」
「いや、俺は仲は良くないかな。綾小路の方がまだ仲がいいと思う」
常に軽くとはいえ威圧してるし、仲が良いはずが無い。
「オレもそこまで仲がいいという訳では無いぞ」
「そうなんだ……でも話したりはするでしょ?特に綾小路くんは」
「話はするが、それだけだな」
「そっか、じゃあ今回はやめとくね!また今度お願いすることあったらよろしく!」
堀北をカフェに呼びだすイベントが無くなってしまったみたいだ。
俺がずっと綾小路と話してて、堀北との親密度があがってないからだな。
そんなこんなで4月ももう終わりだ。
俺は綾小路と須藤以外の友達はできなかったが、平田とも話すようにはなったし、他の連中(池や山内)とは別に仲良くなってもしょうがないし、別に良いだろう。
そして驚くことに、須藤は俺たちと仲良くなり、授業態度も改善した(俺が改善させた)おかげで、原作と違い三バカと称されてはいなかった。
代わりに、池、山内、外村が三バカと称されているらしい。
須藤、良かったな!
でも、須藤が改善されたとはいえ、他の生徒の授業態度は終わってるし、ポイント0は免れないだろう。
悲しきかなDクラス。
そして五月一日になった。
案の定、ポイントは振り込まれていない。
チャイムが鳴り、教室に手にポスターを持った茶柱先生が入ってきた。顔は険しい。
「せんせー、ひょっとして生理でも止まりましたー?」
池こいつやっぱやべえな……
原作だと池と同じこと綾小路が考えてたんだっけ?
大丈夫か綾小路(初期)?
「これより朝のホームルームを始める。が、その前になにか質問はあるか?気になることがあるなら今聞いておいた方がいいぞ?」
茶柱先生スルーせずに怒った方が良いですよ。
僕だったら威圧してますよ。
「あの、今朝確認したら、ポイントが振り込まれてないんですけど、毎月1日に支給されるんじゃなかったんですか?今朝ジュース買えなくて、焦りましたよ」
その問いに、茶柱先生は「振り込まれていることは確認されている」と返した。
振り込まれてなかったよなあ、と生徒たちは確認し合う。
その後も色々言い争っている。
俺は知ってるけど知らないフリしとこ……
そして、高円寺が余裕の笑みで口を開いた。
「フッフッフ、簡単なことさ、私たちDクラスには、1ポイントも支給されなかったということだよ」
どうやら気づいていたようだ。
茶柱先生は「その通りだ」と言い、突然のことに教室は騒然としている。
その後、平田が先生に抗議するも暴論で論破され、Dクラスが不良品である事を伝えられた。
「つまりお前たちは、最悪の不良品ということだ。実に不良品らしい結果だな」
この人腹立つなあ……
みんなのために質問してくれた平田を無下に扱うしさ。
というか、不良品って言い方おかしくないですか?
この倍率のめっちゃ高い学校に入れてる時点で不良品では無いですよね?
俺たちが不良品なら、ここに落ちた人達はどうなるんですか?
ここに入れた学校側の判断が不良品なんじゃないですか?
もう怒りました、威圧します。
レベル4です。
おりゃ!
「しかし1ヶ月ですべてのポイントを吐き出したのは過去のDクラスでもお前たちが初めてだ。よくここまでまで盛大にやったもんだと、逆に感心した。
立派りっ、ぱ……?」
茶柱先生は急に黙り込んでしまった。
威圧が効いているみたいだ
これが生徒からの思いだと理解してこれからは優しく接してくれたらいいな。(無理がある)
急に黙って少し震えているように見える先生を見て、Dクラスの生徒たちは困惑し始めた。
「先生、大丈夫ですか?」
平田が心配して声をかけた。
平田、良い奴だ。
「!?、あ、ああ大丈夫だ。」
平田が急に声をかけたため驚いたみたいだ。
「先生本当に大丈夫ですか?」
「大丈夫だ、、だからもう許してくれ……」
何にかは分からないが茶柱(腹が立ったので先生はやめた)は謝罪し始めた。
もう良いか。
威圧を解除しよう。
「すまなかった、もう大丈夫だ……さて、もう1つお前たちに伝えなければならない残念な知らせがある」
そうして、茶柱は小テストの結果を張り出した。
「先日やった小テストの結果だ。全体的に見て悪いと言えるだろう。これから勉強しないと大変だぞ?」
俺は84点でクラスでも上位だった。須藤は26点だ。
なんか高くないか?
原作では10点台前半だった気がするが、授業をちゃんと受けていたからだろうか。
「良かったな、これが本番だったら7人は入学早々退学になっていたところだ」
該当する生徒たちはぎゃーぎゃー言っているが、どうせ過去問があるのだ、退学者が出ることはないだろう。
綾小路がやってくれるはずだが、最悪俺が取りに行こう。
茶柱が居なくなり、教室は荒れていた。
周りから見ると意外だろうが、須藤は大人しくしてる。
須藤、成長したな……早すぎるくらいだ。
平田が遅刻や私語をしないように呼びかけ、池や山内が不満を言うが、櫛田が収めている。
話を終えた平田が俺たちの席の方へ向かってきた
「堀北さん、それから綾小路くんと石川くんも少しいいかな。放課後、ポイントを増やすためにどうしていくべきか話し合いたいんだけど、どうかな?」
「どうしてオレたちなんだ?」
と、綾小路が聞き、全員に声をかけるつもりだという返答が返ってくる。
「ごめんなさい、他を当たってもらえる?話し合いは得意じゃないの」
と、堀北が言う。
堀北は成長させたいし、ここは来てもらいたいな。
常に威圧してる俺がお願いしたら来てくれるかな?
「堀北さん、クラスの団結力を高めるためにも、ここは参加した方がいいんじゃない?」
「そうかしら?でも、私は意味の無いことに付き合うつもりはないの」
予想はしてたけど堀北は精神力が強いな。
強めてみるか?まあ、堀北には嫌われても良いしいっか!レベル3に上げてみよ!
「本当に行かなくて良いの?」
「!そ、そうね、よく考えたら行った方が利があるかもしれないわね。行ってみることにするわ」
「本当かい?堀北さんが来てくれるとありがたいよ」
よし!いくら苦手でも堀北を孤立させたくはないし、これでいいかな。
「石川くんと綾小路も来てくれるってことで良いんだよね?」
「もちろん」
「お、おう」
俺たち3人は話し合いに参加することになった。
「よく考えたら何を話すんだろうなー」
「さあ?しかし、ポイントの増やし方が分からない以上、良い意見は出ないだろうな」
「やっぱそうだよな、もしかして参加するだけ無駄だったかな?」
「かもな」
それなら誘うなよ……みたいな目で堀北が俺たちの方を見てるが、俺が目線を向けるとすぐに目を逸らした。
さすがにもう威圧は解除しとくか。
話し合いもあるし、これ以上怖がられると会話に支障が出そうだ。
放課後。平田は教壇に立ち、黒板を使って対策会議の準備を始めていた。驚くべきことに参加率は脅威の100%だ。堀北を参加させていて良かった。
始まるまで待っていると、軽井沢が話しかけてきた。
「あたしさーポイント使いすぎちゃってマジで金欠なんだよね。今クラスの女子から少しずつ貸してもらってるんだけど、石川くんも貸してくんない?私たち友達だよね?にせ、いや5000ポイントだけでいいんだけど」
いや、友達ってあいさつしかしたことないんだけど……
女子から借りてるんじゃないの?俺完全に舐められてるよね?
正直可愛いから貸してあげても良い……
でも、ここは男として断らなければだめだろう。
まずは威圧は使わずに、そのまま断ろう。
「ごめん軽井沢さん。俺もあんまりポイントないんだよね」
「は?ちょっとぐらい良いじゃん、じゃあ分かった!4000ポイントでいいからくんない?」
後ろで取り巻きの女子達がクスクス笑う。
だめだった、まだ俺自身の力が足りないみたいだ……
こんなときの為の威圧だ。女子だから軽めにレベル2で(堀北?知らない)
おりゃ!
「ごめん軽井沢さん、ポイントの貸し借りはあんまりしたくないんだ」
発言した途端、軽井沢は顔が青くなった。
「ごめん、それなら仕方ないね」
と言い、逃げるように去ってしまった。
取り巻きは驚いた顔をしていたが、面白くなさそうな顔になり去っていった。
そうこうしているうちに、綾小路が校内放送で呼び出されていった。
堀北とのあれだろう、入試で50点に揃えたのバラされたヤツ。
そもそもあれバラしていいのか?
そして話し合いが始まり、終わった。
特に実りのある話し合いにはならなかった。
後でなんで呼び出されたのか綾小路に聞いてみよ。