5月初日から、早くも1週間が経とうとしていた。
今日は綾小路と二人で食堂に行くことにした。
須藤はバスケ部の集まりがあるらしい。
俺ら帰宅部組は暇で助かりますわ。
俺は日替わり定食を頼み、綾小路は珍しくスペシャル定食を頼んでいた。
今日の食堂は特に混んでいたが、俺たちはたまたま空いてる席を見つけ、座ることに成功した。
「日替わり定食でパッタイって変わってるよなーこの学校。味噌汁とパッタイってどういう組み合わせだよ」
「パッタイ……初めて見たな……美味しいのか?」
「いや、俺も食べるのは初めてなんだけど、意外と美味いよ」
日替わり定食でタイ料理とかどうなってんだ。
綾小路が知らないのは当然だが俺ですら食べたことないぞ。
もちもちして美味いからアリだけど。
2人で黙々と食べていると、後ろから声が聞こえた。
「おい!そこのお前ら!Dクラスだろ?底辺は俺らに席譲れよ!不良品と一緒の空間で飯なんか食いたくねえからよ!」
「不良品でも飯食うポイントはあるんだな!」
ギャハハと笑いながら3人組が話しかけてきた。
1人は見た事あるな。Cクラスの小宮だろう。
どうやら俺たちはCクラスのモブに絡まれたみたいだ。
最近はたまに上級生に絡まれてはいたが、同級生に絡まれたのは久しぶりだ。
無言で威圧しよう。
「「「ひィッ!」」」
逃げて行った。
レベル4なのにすぐ逃げるなんて、とんだ雑魚だった。
綾小路はもう慣れたのか、無表情でスペシャル定食のエビフライをかじっている。
「Cクラスってやっぱ野蛮だよな」
「オレからしてみれば、お前の方が野蛮だ」
嘘だろ……綾小路から見てそうなのか。
そういえば、綾小路に威圧って効くのだろうか。
綾小路と友達になった以上、使う機会がないような気がするぞ。
今度同意のもと試してみよう。
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次の日
昼休みになった。
席を立ち、平田が口を開いた。
「参加者を募って勉強会を開こうと思うんだ」
「今日の5時からこの教室でテストまでの間、毎日2時間やるつもりだ参加したいと思ったら、いつでも来て欲しいもちろん、途中で抜けても構わない、僕からは以上だ。」
平田が勉強会を提案している。
平田はいいやつだから、講師役として協力してあげよう。
俺も頭は良い方だ。
一応、前世では有名な国立大学に通っていた頭脳なのだ。
須藤を含めた赤点生徒はすぐに席を立ち、平田の元へ向かった。
赤点組の中で、池と山内の2人だけが平田の下にはいかなかった。
あいつら、何やってんだ……
退学したいのか?
「お昼、暇?もし良かったら、一緒に食べない?」
今日も綾小路と食堂に行こうと考えていると、堀北が話しかけてきた。
「堀北さんから誘ってくるなんて珍しいな。なんか裏でもあるんかね?」
「別に何も無いわよ。好きな物を奢らせてもらうわ」
「だって、綾小路。良かったな。行ってこい」
「おい、オレだけにするつもりか」
「あなたもよ、石川くん」
「はいはい、奢って貰えるって言うんなら、ご好意に甘えさせて貰います」
実際裏があるんだよなこれ、原作では勉強会に須藤たちを誘えって頼みだっけ?
何食べようかな、と考えながらそのまま3人で食堂へ向かう。
俺たちは高めのスペシャル定食を頼んだ。
綾小路は二日連続スペシャル定食だ。
気に入ったのかな?
ホワイトルームでは揚げ物は食べられなかっただろうし、たんとお食べ。
「「いただきます」」
俺と綾小路はスペシャル定食を食べ始めた。
堀北がじっとこちらを見てる。
「早速だけど、話を聞いて貰えるかしら」
ですよね、裏ありますよね。
「ん、なに?」
「順を追って話すわ」
堀北の話を聞くと、次にDクラスがすべきことは、テストで良い点数を取るための対策であり、池と山内が勉強会に参加しない様子だったため、堀北が開く勉強会に参加させるよう説得して欲しいとの事だった。
「ということで、協力して貰えるわよね?」
「えー、池と山内は別に仲良くないしなあ、須藤に頼んだら?」
「須藤くんは赤点組よ、人を誘うことよりやるべき事があるわ」
「じゃあ、綾小路、よろしく」
「だから、なぜすぐオレに押し付ける」
「だって綾小路しか頼れるやついないし」
「そうか……というか、お前が頼めば断らないだろう」
確かにな、威圧をすればすぐに言うことを聞くだろう。
普段はみんなと仲良くしたいし、怖がられたくないからあまり威圧をしないが、池と山内は原作からあまり好きではなかったし(山内は普通に嫌い)、別に嫌われてもいいから威圧しようかな?
「分かったよ、俺がやってみる」
「そう?ありがとう」
堀北から感謝された、ちょっと嬉しい。
その後、堀北から連絡先を渡された。
何気にこれが初めて交換した女子との連絡先だ。
綾小路もだろう、顔が喜んでる気がする。
「綾小路、まずはお前から頼んでみてくれん?」
「なんでだ、お前が頼めば一発だろう」
「いやさ、綾小路のコミュニケーション能力も成長させようと思って」
「それは暗にオレのコミュニケーション能力が低いと言ってないか……」
「ま、まあこれから上げていこ?」
綾小路がちょっと悲しそうな顔してる。
事実だし、しょうがない。
綾小路にも友達が増えて欲しいのだ。
俺も人のこと言えないって?
うん、そうだね。