俺たちは食事を終え、教室に戻ってきた。
綾小路は池を見つけ、話しかけに行った。
「池、なあ、今度の中間テスト、どうするつもりなんだ?」
「どうもこうも、一夜漬けで乗り切るだけっしょ!」
「それよりも良い方法があるんだが、今日から放課後、毎日勉強会やろうと思うんだ。参加しないか?」
「綾小路、本気かよ?一夜漬けで何とかなるって!第一、お前が教えんのか?お前もそこまで点数良くなかっただろ」
「教えるのは堀北だ」
「いやー、やっぱ俺はだるいわ、嫌だね、そんなの」
「山内はどうだ?」
「俺もパス、高校生の貴重な時間を勉強なんかに使えるかよ」
ダメそうだな……
今の綾小路の力じゃ無理そうだ。
堀北がこいつ使えねえ……みたいな顔で見てる。
次は俺の番だ。
最初は自分の力でやってみよう。
「なあ、山内、池、高校生の貴重な時間って言っても、退学したら全てがパーだぞ?退学したら、これからの人生大変だよ?」
「ん?ああ、石川か。お前にそんなの言われる筋合いねーよ。お前は赤点の危険はないから俺らの気持ちは分かんねえだろうけどよ」
「そうは言ってもね、この試験だけ乗り切れても、1回赤点とったらその時点で終了だよ?テストの結果は山内みたいに嘘をつかないよ?」
「うっせぇ!お前はもう黙ってろよ!」
なぜか山内の怒りを買ってしまったみたいだ。
もうだめだな、威圧するしかねえや。
威圧レベル3おりゃ!
「本当にそれでいいの?」
「「!?」」
「今後のためにも絶対勉強会には参加した方が良いと思うよ?」
「そ、そうかもな、お前が言うんなら参加してみてもいいかもな!」
「そうだな、山内、参加してみよう」
よし!ミッションコンプリートだ。
うーん、よく考えなくてもこの能力強すぎないか?
恐怖で支配できる相手なら絶対服従だぞ?
「あなた、よくあの人たちを誘うことができたわね」
「まあね、ざっとこんなもんよって感じ」
「それに比べて綾小路くんは……」
「やめてくれ」
恐怖で参加させた訳だが、これであいつらのやる気はでるのだろうか?
そう思った俺は、綾小路にある頼みをした。
そう、櫛田を誘うことだ。
原作でも堀北と仲良くしたい櫛田は参加してくれたし、これであいつらもやる気を出してくれるだろう。
こうして堀北の勉強会が開かれることとなった。
俺は、平田の勉強会に参加するとしよう。
池、山内、堀北、と苦手なヤツが揃ってるのだ。堀北の勉強会に参加するメリットはない。
綾小路は堀北の方に行くらしい。断れなくて可哀想な奴だ。
「平田くん、俺も教える側に回ろうと思うんだけど、どうかな」
「いいんじゃない?石川くんは小テストでも上位だったし、みんなも教えて欲しいと思うよ?」
「分かった!じゃあ、頑張って引き受けさせてもらうよ」
俺は、須藤含む男の方を教えることになった。
原作では、須藤は堀北の勉強会に参加して、問題を起こしてたはずだ。
だけど、この世界線では俺の言う事を聞いてくれるし、落ち着きもある気がするから、問題も起こさなそうだし、良かったな。
「石川氏の教え方は理解しやすいでござるな」
「そうだな、お前教えるのうめえな!」
「まじか、素直に嬉しいな。お前らも頑張ってくれよ」
俺は教えるのが上手いらしい。
精神年齢が上だからなのだろうか。
にしても、堀北の勉強会は上手くいってるだろうか。
須藤もいないし、大丈夫だろう……たぶん
一応図書館に様子を見に行ってみるか……
図書館を覗いてみると、堀北はいなかった。
堀北の勉強会は失敗してしまったようだ。
残っていた池と山内が言うには、堀北が失礼なこと言ったきたから言い返したら、帰ったらしい。
そうなるかもしれないとは思っていたが……
ん?失敗したってことは櫛田の裏の顔を綾小路が目撃することになるんじゃないか?
そう考えた俺は、屋上へ向かうことにした。
屋上への階段を上がると、声が聞こえてきた。
「……たこと誰かに話したら容赦しないから」
「もし話したら?」
「今ここで、あんたにレイプされそうになったって言いふらしてやる」
絶賛綾小路が見つかってしまった場面だった。
この後、手を胸に押し付けられて、弱みを握られるはずなのだが、どうしようか。
原作では、あんなもの証拠にならないとか言ってた気がするけど、弱みなんてない方がいいだろう。
俺は階段の陰から出ていくことにした。
「あれー?綾小路じゃーん」
「……誰!?」
ちょっとお気楽すぎたかな。
「櫛田さんもいたんだ。同じクラスの石川だよ」
「あんたも聞いてたの?」
櫛田は鬼の形相で俺を見つめる。
「いや、レイプの冤罪を押し付けようとしたことしか聞いてないよ」
「聞いてるじゃない……」
「まあ聞いたかもね」
「分かった……誰かに話したらあんたら2人がかりでレイプされそうになったって広めてやる」
「冤罪だぞ、それ」
原作の綾小路と同じセリフで言い返すことにした
「大丈夫よ、冤罪じゃないから」
櫛田はそういうと、綾小路の腕を掴んだ。
あれ?綾小路くん?そのまま無抵抗で胸を触ろうとしてる?絶対避けれるよね?ホワイトルームの最高傑作さん?
櫛田はそのまま胸へ綾小路の手を押し付けた。
綾小路、なにしてんの?
「あんたの指紋、これでべっとりついたから。証拠もある。私は本気よ。分かった?」
冤罪を広められるのは困る。
うーんこの、櫛田ってこれからもクラス裏切ったりするんだよな……
どうせ裏の顔知っちゃったから仲良くできるとは思えないし、ここで屈服させてもいいかな?
完全に恐怖で従えるのは嫌だけど、やってみようか……
まずはレベル4だ。おりゃ!
「いやー櫛田さん。自分で胸を触らせるなんて、必死だなー」
「ッ!」
「櫛田さん、その制服、洗濯してくれる?」
「い、いやよ、言いふらされたら、私の学校生活にひびが入るじゃない……」
「洗濯してくれないと、分かるよね?」
「ひぃッ、弱みを握らせる訳にはいかないのよ……」
流石は櫛田、精神力が強いな。
可哀想だけど、レベル5に上げるか
「櫛田さん?」
「ッッ、ごめんなさいごめんなさい洗濯します洗濯します、絶対誰にも言いません」
「櫛田さんって堀北さんが嫌いなんだよね、仲良くしてくれる?」
「仲良くしますぅ!ごめんなさい!」
「クラスを裏切ったりしないでね?裏切ったら、分かるよね?」
「はいぃぃ!」
こんな所でいいだろう、櫛田は涙をぽろぽろ流し始めてるし、そろそろ可哀想だ。
「分かったよ、怖がらせてごめんね、櫛田さん」
威圧レベルを2に下げて話す。
「はい……」
「とりあえず帰ったら洗濯してね」
「はい……」
「こ、これからは仲良くしようね」
「はい……」
botになっちゃった……
やりすぎたか?
櫛田が動こうとしないので、俺は綾小路とこの場を去ることにした。
「綾小路、いやー災難だったな」
「お前、よく言うな」
「てか綾小路お前さ、胸触らせられるとき絶対避けれたよな?」
「いや、咄嗟のことで体が動かなかったんだ」
「本当は触りたかっただけなんだろ?」
「そんなことはない」
綾小路、怪しいな
こいつも結局は男だったということか。
羨ましいとかは思ってないぞ。