特典「威圧」で行く実力至上主義の教室   作:ソーダ123

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少しでも綾小路が負けるのが嫌な人はご容赦ください


友達

櫛田の本性を目撃し、屈服させたその日、俺は綾小路の部屋を訪れていた。

 

「で、やりたいことってなんだ?」

 

「綾小路、俺の力というか、能力は知ってるよね?」

 

「ああ、知っている。殺気を出して相手を威圧する力だろう」

 

「そう、その力だよ。分かりやすいように威圧って呼んでね。で、その力の限界を試してみたいと思ったんだよね」

 

そう、今日は櫛田をレベル5の威圧で屈服させたのだが、レベル6以上は使ったことがないし、どうなるか分からないのだ。

これから使う機会があるかも知れないし、試してみるべきだろう。

 

「限界、か。もしかして、オレに威圧をしようって言うのか?」

 

「そうだよ」

 

「なぜオレなんだ?オレの精神力はたかが知れてるし、耐えられるとは思わないんだが」

 

確かにそうだ。

綾小路からしてみれば、俺に対して力は水泳以外ほぼ見せていないし、なぜ自分なのかというのはもっともな疑問だろう。

 

俺は綾小路とはずっと仲良くしていたいと思っている。

ここで隠し事はしない方が良いだろう。

今まで言わなかったことが不健全なのだ。

 

「綾小路、落ち着いて聞いて欲しいんだけど、俺は綾小路の過去を知っているんだよね」

 

「オレの過去、か?なんのことだ?」

 

とりあえずはとぼけるみたいだ。

俺は踏み込むことにした。

 

 

「具体的に言えば、ホワイトルームのことかな」

 

 

その単語を出した瞬間綾小路は軽く動揺の色が見えた。

そして、強い殺気を出している。

これが威圧される側か……

綾小路もやっぱり出来るじゃないか……

 

「なぜ知っている?お前は何者だ?」

 

「申し訳ないけど、なぜ知っているかは綾小路には教えることができない。でも、綾小路のことは大切な友達だと思っているし、それは過去を知っていたところで変わらないはずだと思う」

 

「友達……か」

 

綾小路から殺気が抜けていく。

 

「俺は綾小路がホワイトルームの最高傑作であることも知ってるし、ホワイトルームから逃げ出してこの高度育成高等学校に来たことも知っている。だけど、俺と綾小路は友達だ」

 

「そうか、友達だな。一応聞いておくが、お前は俺を連れ戻しに来た刺客ではないという事だな?」

 

「当たり前だ」

 

良かった……殴りかかってきたらどうしようかと思ってた。

正直、原作から好きだったのと、能力込みの打算で綾小路とは友達になろうと思ってたけど、本当の意味で友達になりたいな。

あとホワイトルームのこととか色々聞きたい。

 

「なあ綾小路、これからは清隆って呼んでもいいか?」

 

「ああ、いいぞ」

 

「ありがとな、俺のことは雄大って呼んでくれ」

 

「よろしくな、雄大」

 

そこから俺たちは色々な話をした。

ホワイトルームの訓練の話だったり、これからの学園生活でしたいことだったりの話だ。

 

「清隆、それで、最初の話になるんだけど、お前を対象に、限界まで威圧してみてもいいか?」

 

「ああ、いいだろう。俺も1度雄大の威圧を受けてみたいと思っていた」

 

綾小路ならレベル7までは絶対耐えれるだろう、いけそうだったらレベル8もやってみるか……?

 

「よしとりあえず弱めからいくぞ」

 

「よろしく頼む」

 

とりあえずレベル1からだ。

おりゃ!

 

「どうだ?」

 

「特には感じないな」

 

そしたらレベル2だ

 

「ああ、少し圧を感じるな」

 

レベル3

 

「おお、なかなかに凄いな。普通の人ならすぐに怯えてしまうだろう」

 

レベル4

 

「これはくるな……お前を強敵だと感じるぞ……」

 

レベル5

 

「オレは怯えているのか……?」

 

レベル6

 

「こ、これが恐怖という感情か……」

 

レベル7

 

「……………」

 

凄いな……レベル7で意識を保ててる

おそらく反撃も可能だろう

 

「次が最大だが、上げてもいいか?」

 

「…………」コク

 

頷いている

後悔しないといいが……

レベル8だ

 

「…………」

 

「」

 

あ、気絶してしまった

 

「!?」

 

威圧を解除した瞬間に意識を取り戻した。

さすがは清隆だ。

 

「お前は凄いな……これが敗北というものか」

 

「清隆も凄いな。あそこまで意識を保てるのはたぶんお前しかいないと思う」

 

そう、レベル8でも少しは意識を保てていたのだ。

あの瞬間に殴りかかられていたら俺が負けているはずだ。

まあ、今回は反撃されるはずがないので俺の勝ちは確定していたのだが……

 

「オレはお前を強者として認める。これからもよろしく頼む」

 

俺は強者でも何でもないんだけどな……

俺は銃を与えられた小学生みたいなもんだと自分では思っている。

 

「ああ、これからもよろしくな」

 

でも、この力で清隆を助けられたらいいな。

ホワイトルームからはどうにか解放してあげたい。

 

 

──────────────────────

 

 

 

喉が乾いた俺たちは、ロビーの自販機で飲み物を買うために部屋を出た。

 

自販機で飲み物を買い終えた俺たちはエレベーターの前に戻る。

なんとなく俺はエレベーター内の映像が映るモニターを見るた。制服姿の堀北が映っている。

 

「なあ清隆、あれって堀北さんだよな」

 

「そうだな、隠れよう」

 

どうやら清隆は今日の堀北の失敗で顔を合わせずらいらしかった。

 

堀北は寮の外へと出ていった。

 

「追いかけるか?」

 

と清隆に聞くと

 

「そうしよう」

 

という返答が返ってきた。

そういえば、堀北(兄)の暴力って今日だったのか……

綾小路が止めるだろうから大丈夫だろうけどな。

 

俺たちは堀北を追いかけると、二つの影を見つけた。

堀北兄妹だろう。

 

二人は言い争いをしている。

堀北(妹)が投げ飛ばされそうになった時、清隆が堀北(兄)の手を掴んだ。

 

「あ、綾小路くん!?」

 

「あんた、今堀北を投げ飛ばそうとしただろ。ここはコンクリだぞ、わかってんのか。兄妹だからってやって良いことと悪いことがかる」

 

そして会話を何ラリーか続けた後、とてつもない速度の裏拳が清隆めがけて飛んでいった。

清隆はのけぞるようにして避けた。

 

そして堀北(兄)はちょっと後ろの方で見てた俺の方に向かって迫ってくる。

 

あ、まずい。やられる。

 

そう思った次の瞬間、俺は蹴り飛ばされていた。

 

そのまま俺は倒れ、体を頭からコンクリに打ち付けた。

 

い、痛い。

息ができない。

暴力を振るわれるのは慣れているとはいえ、久しぶりだと堪えるな……

 

「お前はなかなかやるようだが、そいつは全く見込みがないようだな」

 

えぇ……生徒会長って暴力でそんなの判断するの?

てか、威圧使おうと思ったら使えない……

体に大ダメージを受けてると使えないみたいだ……

そのまま俺は意識を失った。

 

 

 

目が覚めると、清隆が目の前にいた。

 

「おお、雄大、目が覚めたか」

 

「ん?ああ、おはよう」

 

さっきと場所は変わってないな。

意外とすぐに目が覚めたみたいだ。

 

立ち上がって周りを見てみると、立ち尽くしている堀北(妹)がいた。

そして、なぜか地面に堀北(兄)が倒れている。

 

あれ?もしかしなくても清隆やっちゃった?

 

「あれー、えっと、なんで生徒会長が倒れてるのかな?」

 

「ああ、オレが気絶させた」

 

「なるほどねって、えぇ……」

 

堀北(妹)は黙り込んでいる。

兄が負けたのがショックだったのだろうか。

 

「これ、大丈夫?」

 

「大丈夫だ、目立つ傷は残らないようにした」

 

「お、おう。なんで気絶させたん?」

 

「なんでって……友達がやられて我慢する訳にはいかないだろ」

 

「あ、ありがとな」

 

清隆……なんていい子なの!

でも、ごめんな……俺が能力に甘えた弱いやつだからこうなるんだ。

 

「で、この人どうするん?」

 

気絶している生徒会長を指さして言う

 

「放っておけばいいだろう、堀北、あとよろしくな」

 

丸投げかよ……

 

「え、ええ」

 

俺たちは堀北に後始末を任せ、その場をあとにした。

 

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