特典「威圧」で行く実力至上主義の教室   作:ソーダ123

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綾小路視点

【綾小路清隆】

 

オレは、高度育成高等学校に向かうバスで初めてやつを見つけた。

どうやらOLに席を譲れと絡まれているらしい。

 

可哀想な奴もいるもんだな……と思いながら眺めていると、急にOLはなにかに怯え始め、やつと話すのをやめた。

 

やつが何かをしたようには見えなかったが、何があったのだろうか?

 

バスが目的地につき、降りると、やつは学校に向かわずにこっちの方を見ていた。

 

オレは気にせずに学校に向かおうとすると、やつは隣に並んで歩いてきた。

 

なんだ?こいつはオレのことを知っているのか?

 

それともバスから降りたら2人で歩くのが常識なのか?

 

と、考えていると、やつから話しかけられた。

 

どうやら同じ新入生らしく、名前は石川雄大と言うらしい。

 

少し話しただけだが、石川はいいやつだ。

 

こういうやつと友達になりたい。

 

学校に着くと、クラス分けの紙があり、石川とは同じクラスだった。

 

そして石川は、友達になろうと言ってきた。

 

初めての友達だ。

 

こんなに嬉しいことがあるのだろうか。

 

それから石川は自己紹介で俺の手助けをしてくれた。

 

いいやつだ。

 

石川がいなかったらどんな悲惨な自己紹介になったか分からない。

 

石川が自己紹介してるとき、失礼なツッコミを入れたやつが石川に怯えていた。

 

バスのOLと同じような怯え方をしているが、やはり石川が何かしているのだろうか?

 

その後、2人でコンビニに行くことになった。

 

途中、須藤と言うやつが揉め事を起こしていたが、石川が仲裁して止めていた。

 

須藤も怯えていたように見えた。

 

やはり石川が何かしてるに違いない。

 

それが確信に変わったのはすぐのことだった。

 

上級生の3人組が須藤に絡んできたのだ。

 

そして、流れで石川にも絡み始めた。

 

手に持ってるものをよこせと言っている。

 

オレが介入しようとしたその時、3人組は固まった。

 

涙を流しているようにも見える。

 

そして、石川が帰るように促すと、やつらは帰って行った。

 

やはり、石川は何かをしている。

 

恐らく殺気を出しているのだろう。

 

気配だけで相手を制圧するなど、どんな鍛錬を積めばできるのだろうか。

 

少なくとも、ホワイトルームでは習わなかった。

 

とても興味深い存在だ。

 

 

 

 

その後も、石川とは色々あった、石川が殺気を使うのを見たり、水泳の平均記録を騙されたりした。

 

 

そしてある日、石川がやりたいことがあると言ってオレの部屋に来た。

 

やりたいこととはなんだろうか、と思い聞いてみた。

 

すると、石川は俺に向かって殺気を放つ、威圧の限界を試したいというのだ。

 

仲が良いと言っても、なぜオレなのか。

 

水泳の件といい、もしかしてオレの実力を知っているのか?

 

それを問うと、石川はあることを告げた。

 

オレの過去を知っているということだ。

 

オレの過去をこいつは本当に知っているのか?

 

まだ分からない、とりあえずなんのことだと問う。

 

石川は衝撃の一言を口にした。

 

 

「具体的に言えば、ホワイトルームのことかな」

 

 

なぜこいつがこのことを知っている?

 

こいつはオレを連れ戻すために送られた刺客なのか?

 

それならあの殺気にも納得ができる。

 

動揺するオレに石川は、過去を知っているが、オレたちが友達であることは変わらないこと、オレが大切な友達であると思っていることを伝えてくれた。

 

オレは嬉しかった。

 

雄大とは名前で呼び合うことになった。

 

これが、親友というものなのだろうか。

 

最初に言われた通り、オレは威圧を受けることになった。

 

結果から言うと、オレは怯えと恐怖という感情を学んだ。

 

雄大には絶対勝てるはずなのに、不思議なものだ。

 

これも実力なのだろう。

 

それとも実力を隠しているのだろうか。

 

雄大のその力を使えば、多くの人を支配できるはずなのにそれをしないということは、そういうことが嫌いなのだろう。

 

 

『力を持っていながらそれを使わないのは愚か者のすることだ』

 

 

思い出したくも無い言葉が思い出される。

 

オレは愚か者なのだろうか……

 

 

その少し後、喉が乾いたオレたちは、寮のロビーへ向かった。

 

 

なぜかこんな時間に出ていった堀北を2人で追いかけると、生徒会長が堀北を投げ飛ばそうとしていた。

 

オレはそれを腕を掴んで止めると、生徒会長は裏拳を飛ばしてきた。

 

オレはそれを避けることができたが、次の標的は雄大だった。

 

生徒会長は蹴りを放ったが、オレはそれを止めることができず、蹴りは脇腹にヒットし、雄大はコンクリの上に体を叩きつけられてしまった。

 

雄大は意識を失っているようだ。

 

親友の雄大を傷つけられたオレは、自分の中から湧き上がってくる感情に気づいた。

 

 

これが、怒りという感情か。

 

 

気づけば、生徒会長は倒れていた。

 

傷をつけずに倒すのは少し骨が折れたが、生徒会長も所詮この程度ということだ。

 

雄大が目を覚ましたので、この場をあとにすることにした。

 

今日だけで、多くの感情を学べたな、とオレは喜びながら考えていた。

 

これからの学園生活も楽しみだ。

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