分身スキルの最強戦術って自爆特攻じゃね? 作:sasarax
話は少しだけ前に遡る。
聖都を出発した俺とアルフィリアさんは、長旅を経て帝都までやってきていた。
聖都から帝国に入る商船に便乗してやってきたので、入国すること自体は可能だったが、さすがに帝都までお忍びで行くわけにもいかない。帝都の西の港町に到着したところで先触れを出してから帝都に向かう。
帝都まであと半日という頃になって、ようやく皇帝からの迎えが到着した。
相手は誰であろう、帝国の第一皇子ユーヴェインであった。
「お初にお目にかかります、アルフィリア枢機卿閣下。私は帝国の第一皇子、ユーヴェイン・ケーニヒ・ゼノと申します」
「初めまして、ユーヴェイン殿下。アルフィリアでございます。この度は突然の訪問で騒がせてしまい、大変申し訳ございません」
「とんでもございません。貴方のような高貴な御方であれば、我が帝国はいつでも大歓迎ですとも」
帝国の皇子自らの出迎えである。帝国としても、教会に対して含むものはないというアピールだろう。
しばし二人の間で形式的なやり取りが交わされたあと、ユーヴェインが本題に入る。
「枢機卿閣下。我が国を訪ねられたご用件はなんでしょうか? 先触れの使者は、人探しのためにやってきたと言っていましたが」
「まさにそのとおりでございます。私はこの帝国に友人を探しにまいりました」
「ご友人を?」
「ええ、帝国の領内で音信不通になってしまいまして」
「それは、また」
ユーヴェインは後ろに控える、侍従のレオンハルトに目線を向ける。
彼は主に代わり、アルフィリアに尋ねる。
「枢機卿閣下。それは教会の重要人物が行方不明になった、ということでしょうか? 帝国としては、そのような情報は初耳なのですが」
「いえ、教会の人間というわけではないのです。純粋にわたくしの友人ですので。私情で動いてしまうなどお恥ずかしいかぎりなのですが、わたくし心配で心配で」
顔を隠した蔵面ごしに、泣き真似をするアルフィリアさん。レオンハルトは瞳に面倒そうな色を浮かべ、ユーヴェインはぐっと拳を握りこんだ。
「なにをいうのですか! 友を想う気持ちに、恥もなにもありません! このユーヴェインが、枢機卿閣下の大切な友人を見つけて御覧にいれましょう!」
「まあ、心強い。ですが、そこまでご迷惑をおかけするわけにはいきません。こちらで捜索の人手は用意してきましたので、そちらには国内で捜索する許可さえいただければと思います」
アルフィリアさんは十名ほどの人員を用意して、この帝国に乗り込んできた。
六聖教会の枢機卿が動かす人員としては非常に少ないのだが、突然の出発だったので人員を揃えることができなかったのと、アポイントなしに帝国へ大勢の人員を連れ込むわけにはいかなかったためである。
代わりに、人員は可能なかぎり選りすぐられていた。アルフィリアさんの護衛が半分、もう半分は捜索に適したスキルを持った教会の人間だ。
中でも、今俺の隣でキラキラとした瞳でユーヴェインを見ているのは、アルフィリアさんがパラディンよりも優先して確保したメンバーだった。
「白騎士さん。見てくださいよ。あれ、本物の皇子様ですよ! すごいですね! なんとか顔を覚えてもらうことはできないでしょうか。そうすれば、いざというときに喰いっぱぐれることがなくなりますよ!」
名前はルフレ・レミントン。追跡スキルという、人の居場所を突き止めるスキルを授かった教会の聖堂騎士候補だ。
教会内の立場としては俺と同じで、他の人員が聖堂騎士だったり、司祭だったりするので、同じ立場の俺たちは道中で比較的一緒に過ごすことが多かった。最初はへりくだった態度を取られたものだが、俺も見習いにすぎないと知ると、こうして気安く話しかけてくるようになった。
「ルフレ。相手は帝国の第一皇子だぞ。あれ呼ばわりはやめなさい」
「あ」
ルフレは喜色満面だった表情を、さーと青ざめる。
「だ、大丈夫でしょうか? 今の聞かれてませんよね!? もし聞かれてたら、白騎士さんも一緒に謝ってくださいね!?」
「なんでだよ。俺を巻き込むなよ」
「見捨てないでくださいよ。白騎士さん、アルフィリア様と仲よしなんでしょう? 身分が上の人しかいないこの中で、ボクにとってあなたが唯一の命綱なんですから。足くらいなら舐めますから!」
「舐めるな。プライドを持て」
「プライドで命は守れません! ボクには素敵な旦那様と結婚して、三人の子宝に恵まれ、十人以上の孫や曾孫に看取られて安らかに逝くという壮大な計画があるんです!」
ルフレは胸を張ると、なぜか逆切れしてきた。
「可愛いお嫁さんになるボクがここで死んだら、結婚する前から未亡人になってしまう旦那様が可哀そうでしょうが!」
「それは未亡人って言わない」
あとたぶん、最初の言葉は聞こえてないけど、最後のあたりの台詞は向こうに聞こえてると思う。帝国の兵たちがこちらを胡乱気に見てるし。
「と、とにかくこんな場所で立ち話もなんです。是非、皇城までお越しください。父上も待っていますので」
「そうですね」
ユーヴェインがアルフィリアさんを促し、一団は出発する。
帝国が用意してくれた馬車に乗り、満足気な顔をしたルフレは、同席していた俺に話しかけてきた。
「白騎士さん。帝国から捜索許可は下りると思いますか?」
「さすがに下りるんじゃないか」
「ですよね。ボク個人としては、皇子様が言っていたようにあちらで捜索して見つけてもらう方が楽でいいんですけど」
当然というかなんというか、別にフィアーの知り合いでもなんでもないルフレは、今回の作戦に積極的ではないようだった。
「そもそも、ボクの追跡スキルって、知り合いにしか効かないんですよね。なのに、会ったこともない人を捜索しろとか言われても困るんですけど」
「大丈夫だ。ルフレには俺を追いかけてもらう予定だから」
「白騎士さんを? 白騎士さんとではなく?」
「ああ。モンスターを追跡するときと同じ感じだ」
ルフレは人のみならず、モンスターを追跡することができる。たとえば、一度ゴブリンを確認したことがあれば、以後はゴブリンというモンスターを常に索敵できるようになるのだ。
なら俺という人間をスキルで探してもらえれば、問題なくフィアーを追えると思われる。
とはいえ、彼女のスキルで追える範囲には限界はある。
「ちなみに、今スキルを使うと、俺以外に俺の気配はあるか?」
「意味わからないんですけど。当たり前ですが、索敵範囲内にあなたはあなた一人しかいませんよ」
「そうか」
じゃあ、少なくとも帝都周辺にフィアーはいないってことだな。
う~ん。非常に便利なスキルだ。そりゃ、アルフィリアさんも最優先で確保するわけである。
「残念だが、ルフレ。アルフィリアさん自身が動くにしても、帝国の人たちに委託するにしても、間違いなくお前だけは捜索に駆り出されるぞ」
「なんでですか? あ、いえ、わかりますよ。ボクが優秀だからですね! ふふん、まあ仕方ありませんね。ボクはエリートですから。アルフィリア様に顔を売れると思ってがんばりますけどね!」
まあ、権力に弱く、命乞いをすることに躊躇がないこの少女は、実際にエリート候補生ではあるのだが。
いちいち言動が三下チックなのはなぜだろう?
そんなルフレを含め、帝都ナハトヴァールまでやってきた俺たちは、そのまま皇城まで案内される。
アルフィリアさんは休むことなく、皇帝に謁見しに向かった。
俺たちは客間を用意されたが、アルフィリアさんからすぐに捜索のために出発するので、小休止で終えておくように言い含められていた。
初めての長旅でくたくたの様子だったルフレが悲しそうな顔で俺を見てきたが、悪い。なにもしてやれない。
どうもアルフィリアさんは非常にあせっているようだった。
カインズさんが亡くなったのがそれほど問題なのか、あるいは俺の知らない理由があるのかはわからないが、言動にいつもの余裕が欠けている。
ネル様にも言われているので、道中できるかぎり気遣ったつもりなのだが、帝国入りしてからは焦りを隠さないようになってしまった。
ルフレ以外の面々は、アルフィリアさんに敬意をもっているので、その判断に異を唱えることはないだろう。俺としても説得できるとは思えなかったので、ルフレには早速馬車馬のように働いてもらうしかないようだ。
……と思ったのだが。
予想に反して、俺たちはしばらく帝都に逗留することになってしまった。
理由は簡単だ。
俺たちに帝国領内で捜索するのに、皇帝が難色を示したのである。
謁見から戻ってきたアルフィリアさんは、憤懣やるせないといった様子で俺に話しかけてきた。
「アインさん。申し訳ありません。本日はここで立ち止まることになってしまいました」
「皇帝から捜索の許可が下りなかったんですか?」
「はい。……少々強い言葉を使わせてもらったのですが、頷いてはくれませんでした」
「アルフィリアさんの機嫌を損ねても問題ないってことですか」
たしかに帝国は強大な国だ。国力だけ見ても大陸随一である。それでも、大陸の人間すべてを信徒とする六聖教会に歯迎えるほどの力はないはずなのだが。
「アルフィリアさんを危険に晒すわけにはいかないので、帝国の人間に捜索は任せてほしいって話ですか?」
考えられるとしたらそれだ。
アルフィリアさんを帝国領内で傷つけられた場合、それこそ教会という組織から帝国への感情が悪くなる。皇帝としては、アルフィリアさんには安全な帝都にいてほしいと思うのは当然だろう。
「そのようですね。わたくしの身の安全を理由に断られてしまいました」
「あらら。皇帝はアルフィリアさんの力を知らないようですね」
枢機卿であるアルフィリアさんは、同時に聖堂騎士のトップである六人のパラディンの一人である。これまで何度か戦う姿を見たことがある俺とすれば、彼女を傷つけられる人間が帝国にもそういるとは思えないのだが。
「そうですね。わたくしであれば、誰が相手だろうと問題はありません。ただ、帝国の情勢がわたくしの個人行動を許さないようです」
「帝国の情勢?」
「この国ですが、現在北方の公国と戦争状態に突入しているとのことです」
「戦争中ってことですか?」
それは予想していない言葉であった。
「帝国が北方の国々と敵対しているとは知ってましたけど、実際に戦争しているんですか? 帝都の様子も、とてもそんな風には見えなかったんですけど」
城に来るまでの間見たかぎり、帝都は戦時中とは思えないほど平和で活気にあふれていた。
「それだけ、彼我の戦力差は圧倒的ということですよ」
アルフィリアさんが教えてくれる。
現在、帝国の戦争状態に入ったのは公国という北方の小国家で、とてもではないが単独で帝国に敵うような国力ではないらしい。
「どういう切欠で暴発したのかはわかりませんが、そう長く争いが続くことはないでしょう。帝国からは第二皇子マクシミリアンを総大将として、軍がすでに前線まで出ているそうです。ただ、他の国々が同調する可能性はありますし、なにかしらの工作を帝都に仕掛けてくる可能性もあるそうで」
「そりゃたしかに、俺たちに許可は出せませんよね」
「はい。わたくしも、今日のところは引き下がりました」
今日のところは。アルフィリアさんとしても、諦めてはいないようだ。
「皆にはわたくしの方から休むように言ってきます。アインさんも部屋の中であれば、その甲冑を解除しても大丈夫でしょう。ゆっくり休んでください」
「わかりました」
「ではわたくしはこれで」
「あの、アルフィリアさん」
部屋を出て行こうとするアルフィリアさんを呼び止める。
「俺なら大丈夫ですから。ああいや、フィアーって呼ばれている俺のことです。そこまで心配しなくてもいいので、アルフィリアさんにとっていいように動いてくださいね」
「お気遣いありがとうございます。ですが……いえ、そうですね。少しだけ、あせっていたかもしれません」
そのことに今気付いたような様子をアルフィリアさんは見せる。
しかし彼女は俺しかいない部屋でも、顔を隠す布を取ることをしなかった。だから今、アルフィリアさんが本当はどんな表情をしているのか、俺には読み取ることができなかった。
去っていくアルフィリアさんを見送り、白騎士状態を解除してベッドに寝転がる。
さすがは皇城、いいベッドを使っているな。
しっかし、まさか俺が先に帝都まで来ることになろうとは。
しかもあっちの旅の目的である第一皇子ユーヴェインにも会ってしまったし。
「……あれが俺の父親か」
本体からは馬鹿皇子だと聞いていたが、振舞いは皇子然としていたし、なかなか美形のナイスガイであった。なんで本体はあんなにもヘイトが高いんだ?
いやまあ、母さんを孕ませて消えたわけだし、俺としてもいい印象は抱いていないのだが。
その母さんにしたって、俺を生んですぐに死んでしまったため、思い出があるわけでも思い入れがあるわけでもない。父親として認めるつもりはないが、一人の人間としてある程度は許容してもいいと思うんだけど。
う~ん。近況報告では書ききれなかった事情があるのかもな。
まあ、いいや。フィアーを見つければ、そのあたりのこともわかるだろう。
アルフィリアさんのことだから、すぐ皇帝を説得してしまうことだろう。明日の出発に備えて眠るとしよう。
しかしながら、俺たちはしばらく帝都に留まることになったのだった。
許可が下りなかったというのもあるのだが、帝都まで探し人の情報が入って来たからというのが大きかった。
どうやらフィアーは無事で、今は帝国の第三皇女ナターリアが代官を務めるナルマッシュという街にいるらしい。アルフィリアさんが護衛として雇ったクインシアという冒険者から手紙でそう伝えられ、最悪の事態にはなっていないことを知り、アルフィリアさんは少しだけ落ち着いてみせた。
捜索する手間がなくなったので、あとはこちらからナルマッシュに迎えに行くか、ナターリアに頼んでフィアーたちを帝都まで送り届けてもらうか、その調整にもう少しだけ時間がかかりそうという感じだ。
俺と捜索隊はいきなり任務完了となってしまい、持ち回りでアルフィリアさんの護衛をしつつ、暇になったら帝都見物に出かけるという感じになっていた。
そんなある日――用意されていた俺の部屋へと、慌てた様子でルフレがやってきた。
「白騎士さん! 白騎士さんはいますか!?」
「ルフレ? そんなに慌ててどうしたんだ?」
「白騎士さん。……ちゃんといますね」
ルフレはジロジロと俺を見てくる。さらに近づいてきて、ペタペタと無遠慮に触って来た。
「なんだ一体? どうしたんだよ?」
「ああいえ、本物であればいいんです。いいんですが……これ、どういうことなんですかね?」
腕を組み、首をひねるルフレ。
「日課のスキル訓練をしていたのですが、その際に街の中にもう一人、あなたの反応を捉えたんです。これではあなたが二人いるということになってしまいます。どういうことなんですかね?」
「なに?」
俺にはそれが意味するところがすぐにわかった。
「悪い、ルフレ。そのもうひとつの反応のところまで俺を連れて行ってくれないか?」
「ボクは今日非番なので構いませんが……お昼ご飯を奢ってもらっても?」
「奢る奢る!」
「ではいいでしょう。白騎士さんと今日はデートして差し上げます」
「……その単語、聖都に帰ったあとにフィーネには言わないでくれよ」
説得するのにどれだけ大変だったと思ってるんだ。
俺は出かける準備をするルフレを待つ間に、アルフィリアさんを探した。
しかし間の悪いことに、アルフィリアさんはちょうど皇帝に会いに行っていた。仕方なく護衛の騎士に言伝だけを残し、俺はルフレと二人だけで追跡スキルの反応まで行くことに。
即ち、もう一人の俺に会いにした。
「――というわけだな」
「なるほど」
俺ともう一人の俺、黒騎士状態になっているフィアーは、他の三人から少し離れたところで内緒話に興じていた。
お互いのここに至る経緯を共有する。
「しかしまさか、そんなことになっていようとはなぁ」
「ああ。本当に、色々と大変だった」
皇族問題を解決するための旅だったのに、別の皇族問題に巻き込まれるとは。
「お労しや」
「そんな他人事みたいに。そりゃ、そっちはフィーネと仲良く楽しくやってるんだろうけどさ」
「……ソーダネ」
「ああ、そっちも大変なんだな」
「大変といえば大変だけど、フィーネは可愛いし、それに彼女を支えるために分かれたのが俺なんだからな。なんの問題もないさ」
「そうだな。その通りだ」
「積もる話はあるが、とりあえず俺がアルフィリアさんを連れてくる」
「そうしてくれると助かる。ナターリアがいつ到着してもおかしくないからな。なにも知らないアルフィリアさんに接触されるとまずい」
「ああ、すぐ動く。けど相手は皇女様だ。アルフィリアさんでも、今の状況下では無理やり排除することはできないぞ。なにせ、ナターリアがアルフィリアさんを襲おうとした証拠がないからな」
ナターリアがアルフィリアさんを狙ったのはあくまでも未遂だ。そしてそれを企てたという証拠はどこにもない。アルフィリアさんの権威を借りても、圧力をかけるのが精一杯で、今すぐナターリアを追い詰めることはできないだろう。
「……やっぱり、他の人の力を借りるしかないよなぁ」
フィアーが無念そうにつぶやく。解決方法は、すでにその胸中にあるらしい。
「なにが考えがあるのか?」
「帝国の問題は帝国に。皇族の問題は皇族に片付けてもらう。どうやら、ナターリアの血属スキルは隠されているようだからな。つまり、ばれたらまずいってわけだ」
「洗脳スキルだからな。そりゃ、ばれたらまずいだろうさ」
「ああ。つまり、あのスキルそのものがナターリアにとっては弱点ってわけだ。そしてこの帝都では、あいつの弱点を知って追い落としてやりたいと思っているやつがたくさんいる」
「なるほど。つまり、そっちの俺が帝都まで来たそもそもの目的を果たせばいいわけだな」
「そういうことだ。――ナターリアの断罪は、俺たちのろくでもないの父親にやってもらおう」
「ははっ、じゃあいよいよ父親との感動の対面ってわけだ。がんばれよ、俺」
「それなんだが」
ぽん、とフィアーがおもむろに肩を叩いてきた。
「ひとつ問題がある」
「問題?」
「ああ。この黒騎士の甲冑なんだが、解除できん」
「え? じゃあ、どうやってユーヴェインに息子だって証明するんだ?」
その状態では、甲冑が邪魔で証の紋も光らないだろう。
「まさか、リリエッタを表舞台に晒すわけじゃないだろうな?」
「それこそまさかだ。そんなことをするつもりはない。そんなことしなくても、もっと適役がいるからな」
ぽんぽん、ともう一度肩を叩かれる。
……まさか。
「俺?」
「そう、お前だ」
甲冑を解除できない黒騎士さんは、甲冑を解除できる白騎士さんに告げる。
「パパの説得は頼んだぞ、俺」
「マジで?」
証の紋と共に置いてきたはずの出生問題。
それが巡り巡って、俺のところまで戻ってきてしまったようだった。