【受賞・書籍化】分身スキルの最強戦術って自爆特攻じゃね? 作:sasarax
《別視点》
「ナターリア。お前の持つスキルは血属スキル、他者を洗脳するスキルだ」
先の言葉から間髪入れず、ユーヴェインはそう告げた。
どうやってそれを知ったのか――その疑問を言葉にする余裕すらない。
確信をもって告げられた言葉は、有無を言わさぬ説得力があった。
他の兄弟たちも信じられないと言った様子であたくしを見てくる。それはユーヴェインの言葉を信じていないというわけではなく、信じた上でそんなスキルなど許せないという感情によるもの。
ユーヴェインという凡人に、他者よりも優れた部分があるとすれば、兄弟に対して友好的な振舞えるところだろう。
あたくしやマクシミリアンという例外を除いて、ユーヴェインが弟や妹に悪感情を向けることはほとんどなかった。それは競争相手にならないという見くびりが半分、もう半分は純粋に長兄だからという意味の分からない理屈からだった。
つまりあたくしとユーヴェインが敵対した場合、ほとんどの兄弟姉妹は彼に味方するということ。
あたくしは今、味方のいない状況下で糾弾を受けている。
「な――なにを馬鹿なことを。そんなスキルをあたくしが持っているわけがないでしょう?」
ここで無言でいることがなによりもまずい。あたくしは即座に否定した。
「洗脳スキル? それを本当にあたくしが持っているなら、この状況がそもそもおかしいでしょう。皇位を相争う貴方たちが洗脳されていない。その事実がなによりも洗脳スキルなどないという証拠ではなくて?」
あたくしの反論に、兄弟たちが納得を示す。
「たしかに。そんなものを持っていれば、あの吸血姫が我らを洗脳していないわけがないな」
「ああ。ユーヴェイン兄上とは違って、兄弟の情など欠片もない冷血女だからな」
そう、あたくしに洗脳スキルがあるのなら、誰よりも先に狙われるのは自分たちだという自覚が彼らにはある。事実、そうできればと何度思ったことか。
血縁には通じないというスキルの制限を知らない以上、彼らからすれば当然の帰結。それがそのまま、ユーヴェインの言葉への疑いに変わる。
焦るな。落ち着け。相手はユーヴェインなのだ。話の主導権を握れ。冷静に身の潔白を証明すればいい。
「それに、ユーヴェイン兄上。あなたは知らないようですけど、そもそも血属スキルは人類には授からないものなのよ。学がないのは仕方がないとしても、くだらない憶測であたくしを誹謗中傷しないでもらえるかしら?」
「証拠ならある」
「証拠? ふんっ、ないものを用意できるわけがないでしょう?」
あたくしのスキルを知るものは皆、真実について口を噤む。
お父様も玉座で成り行きを静かに見守るばかりで、ユーヴェインに同意を示したりはされない。
しかし、あたくしの言葉にいつもなら柳眉を逆立てるユーヴェインが今日は大人しい。醒めた目つきのまま、すっと手を挙げた。
「入っていただこう」
彼の合図に従って玉座の間の扉が開き、新たな人物が姿を現す。
白い衣を揺らしながら、静々と入室してきたのはアルフィリアだった。
「ごきげんよう、皇帝陛下。ごきげんよう、ユーヴェイン殿下とその兄弟の方々。そして――」
ゆるゆると頭を下げてあいさつを口にしたあと、アルフィリアは布に隠れた顔をあたくしに向けた。
「ナターリア皇女殿下も。昨夜ぶりですね」
「……そうですね。このような場で顔を会わせるとは思っていませんでした」
「わたくしもです。ユーヴェイン殿下に頼まれて馳せ参じましたが、わたくしは一体なにをすればよろしいのでしょうか?」
「ご存じない、のですか?」
「はい」
首肯するアルフィリア。証拠だと言われて彼女が列席したときは、やはりどこかでフィアーと会っていたと思ったのだが、そうではないらしい。
「なにも知らない聖女様にわざわざ足を運ばせて、どういうつもりなのかしら? ユーヴェイン兄上」
「言っただろう。証拠、いや、証明というべきか。それを今からしてもらうと」
ユーヴェインに疑問を投げかければ、彼はアルフィリアにお辞儀をしたあと、他の兄弟たちの向かって朗々と声を張り上げた。
「知っている者もいようが、改めて皆に紹介しよう! この麗しの御方は六聖教会の枢機卿にしてパラディンを務める、癒しと黄金の聖女アルフィリア様だ! この場には完全なる第三者として、わざわざご足労いただいた!」
「聖女アルフィリア?」
「城に滞在されているとは聞いていたが……」
「闇金聖女……」
兄弟たちが小声というには大きな声で囁きあう。
アルフィリアは六聖教会の中でも有数の聖女だ。彼らもまた、その名を噂として知っているのだろう。人の魂を硬貨に封じ込める謎のスキルの持ち主、悪名高き闇金聖女とはそれほどまでに有名なのだ。
その異名に比べれば、聖女として当然備わっているもうひとつのスキル、癒しの名を冠される理由となったスキルなどは知るものも少ないだろうが……
――死神に、その鎌を首にあてられた気がした。
背中にじっとりと汗がにじむ。
しまった! これが狙いか!?
アルフィリアが現れたとき、あたくしがすぐにするべきはあいさつなどではなく、あなたはユーヴェインと共謀しているのだと大声で責め立てることだった。彼女の証言などはすべて無効だと、そう叫ばねばならなかった。
なのに、あたくしは疑問と疑念のうちに彼女の紹介をユーヴェインに譲ってしまった。彼の言葉で、アルフィリアはこの場に招かれた第三者という立場を得てしまったのだ。
であれば、彼女の言葉は誰の味方をしたものではなく、ただ純粋に真実だけを述べるものとして扱われる。
「聖女アルフィリア様。我らの都合に巻き込んで申し訳ないが、どうか御力をお貸しいただきたい」
「ええ。お城にお世話になっている身です。わたくしにできることであれば、御力にならせていただきますが」
「おお、それはありがたい。では」
演技か本心かわからないが、自然体そのものの彼女にユーヴェインは願った。
「触れた相手のスキルを看破するという、あなたのスキルの御力をお貸しください」
「その程度あれば喜んで」
アルフィリアは、快くその願いを引き受けた。
「それで? どなたのスキルを確認すればよいのでしょうか?」
アルフィリアの言葉に、その場に集まった面々の視線があたくしに向く。
突き刺さる視線。アルフィリアが、もう一度あたくしの方を向く。
「ナターリア皇女殿下のスキルですね。では」
癒しと黄金の聖女。彼女の持つもうひとつのスキルは触れることで発動し、相手を癒すと同時にスキルや取得魔法を看破するという。
触れて発動されれば終わり。あたくしが血属スキルを持つことが明らかになる。こんな大勢の衆人環視の前で、だ。
近付いてくるアルフィリア。あたくしは思わず、後退ってしまった。
「ナターリア。なにをしている? 真に洗脳スキルを持たないならば、断る理由はないだろう?」
ユーヴェインが逃げ道を塞ぐように釘を刺してくる。
ここで断れば、ユーヴェインは人に知られては困るスキルだと詰めてくるだろう。かといって、ばれたら皇族として終わる。それどころか、教会の聖女であるアルフィリアが豹変する可能性すらある。そうなったら、命さえ危うい可能性が。
あたくしのスキルはお父様の命で周囲に秘匿されていると言い切り逃げるか?
ダメだ。皇城には他にもスキル看破能力を持つスキル持ちが控えている。この状況では、そちらを呼ばれて確認されるだけだ。
いや、その相手がヴォルフ兄上ならもしかしたらあたくしのスキルを読み取っても黙っていてくれるかもしれない。あたくしの真実を知りつつも、妹として接してくれるあの人なら。
信じて兄上にかけてみようか。
いや、ダメだ。ヴォルフ兄上は「自分だけはなぜか簒奪者からスキルが返ってきていない。不思議だなぁ」と言い張って、自分の領地に引きこもっていて城にはいない。この手は使えない。
ならどうする? どうすればいい?
「ナターリア皇女殿下。手を」
「あ、あたくしは……」
延ばされる手。それを恐怖の眼差しで見つつ、どうすることもできないあたくしは、その手を取るしか選択肢はなく――
「もうよい」
その前に、これまで黙していたお父様が口を開いた。
全員の眼が、玉座へと向けられる。
「聖女殿。わざわざ足を運んでいただいて申し訳ないが、我が娘のスキルを調べる必要はない」
「そうなのですか?」
こてん、と首を傾げ、アルフィリアはユーヴェインを見た。
彼は頷くと、一歩前に進み出る。
「父上。それはつまり、調べるまでもなく、私の言葉が正しいと認められたいうことでよろしいのでしょうか?」
お父様の眼差しがユーヴェインに向けられ、それからあたくしに向けられた。
なんの感情も浮かんでいない、冷たい瞳。
お父様は、口を開く。
「そうだ。我が娘、ナターリアのスキルは他者を洗脳するスキルに相違ない」
お父様は当たり前のように庇ってはくれなかった。
「生まれてすぐに調べたゆえ、間違いはない。これは第三皇子ヴォルフも知る事実である。ことがことだけに、余自ら緘口令を敷いておったのだ」
「そうでしたか。洗脳スキル……」
「だがな、聖女殿。勘違いは召されるな。ナターリアはたしかに洗脳スキルを持って生まれてきたが、それが罪とは余は思わぬ」
「と言いますと?」
それは、皇帝と教会の枢機卿による静かな問答だった。
「人は生まれもったスキルを選ぶことが許されぬ。ならば、偶々そういった祝福を与えられただけの娘に罪などない。余はそう思い、配慮こそしたが、ナターリアを他の者と同じように育ててきた。それは果たして罪だろうか?」
「……たしかに、洗脳スキルをもって生まれてきただけならば罪はありません。無論、娘を愛する皇帝陛下の選択に罪などあろうはずがありません。そこは教会の聖女としても、枢機卿としても、正式に認めさせていただきましょう」
「そう言っていただけて嬉しく思う。感謝しよう、癒しと黄金の聖女殿」
「ですが父上! そのスキルを悪用していたなら話は別のはず!」
余人が口を挟むことの許されぬ空気を醸し出す二人の間に、問答無用で割り込んでいくのはユーヴェインだった。
「私も洗脳スキルを生まれもってきただけならば、わざわざ糾弾など致しません! ナターリアめがスキルを悪用し、我が国へと牙を剥いたからこそ、このような場を設けたのです!」
「そうか」
お父様はユーヴェインの発言を認めるように頷くと、
「であれば、引き続きこの場は貴様に任せよう、ユーヴェインよ」
「はっ!」
胸に手を当て、お父様に勇ましく返事をしたユーヴェインはこちらへ向く。
「もう一度言おう、ナターリア。お前は洗脳スキルを悪用している! その罪を私はこの場で糾弾する!」
「罪? 一体全体なんの話かしら?」
それを、あたくしは真っ向から否定した。
わずかにユーヴェインがたじろぐ。
あたくしが真向から立ち向かってくるとは思っていなかったのだろう。
少し前のあたくしならばそうだった。追い詰められていたと、ああ、素直に認めよう。
けれど……お父様が割って入ってくださった。絶体絶命の危機を救ってくださったのだ。
たしかに、お父様はあたくしを庇ってはくれなかった。
あたくしが洗脳スキルを持っていると、そうはっきりと言われてしまった。
それでも、それが血属スキルであるとは一言も言われなかった。アルフィリアにばれてしまうことも防いでくれた。
それはあたくしというよりも、これ以上教会の介入を嫌ったからだろう。あたくしが血属スキルを持っているという証明は、同時にお父様があたくしのお母様と子供が出来る行為に及んだという証明でもある。
お父様が隠したのは、あくまでその部分。
それでも、血属スキルではないというだけで、首の皮一枚つながった。スキルを持っているだけで罪に問われることはなくなったのだ。
そしてそれ以上に。
「あたくしは帝国第三皇女ナターリア・ケーニヒ・ゼノ! 帝国を愛し、守るために生まれてきた者! この身が帝国に牙を剥くなどありえないわ!」
我が娘であると、お父様はこの状況で、この場で、堂々と言ってくださったのだ!
「たしかに、あたくしは人を洗脳するスキルを持っている。ええ、それは認めましょう。それをこれまで隠していたことも、必要であれば謝罪します。けれど、それはそんなスキルを持っていると知られれば恐れられてしまうと思ったから。たとえ、あたくしがそんなスキルは絶対に使わないと言っても、今の兄上にように冤罪を吹っかけてくる人がいると思ったからよ」
「……あくまでも悪用したことはない、と?」
「当然でしょう? 人を洗脳するなんて恐ろしいこと、このあたくしが出来るはずがありませんわ」
「この期に及んで認めないというのか! なんと恥知らずな!」
「それはこちらの台詞よ、兄上。無実の妹を疑うなんて、兄として恥ずかしいとは思わないの?」
「なにが兄だ! お前は他とは違い、私を兄だと思ったことなどないだろう!」
「そんな! あたくしはこんなにも兄上のことを慕っているというのに! こんな仕打ちを受けるなんて! 酷い! 酷すぎるわ!」
その場に泣き崩れる振りをする。
ユーヴェインも他の兄弟たちも醒めた目で見てくるが、どうでもいい。最初からお前たちの印象を変えられるとは思っていない。
あたくしとユーヴェインの対立という構造上、少しでも味方につけるべきは第三者に置かれたアルフィリアだ。たとえ最初から兄上とつながっていたとしても、こういった演技は無駄ではない。最低限、彼女が兄上を手助けするのを咎める程度にか弱い立場を演出できればそれでいいのだ。
第三者という立場にいる以上、必要以上にアルフィリアもユーヴェインには肩入れできない。
あくまでも、この場で説き伏せるべきはユーヴェインただ一人。
あたくしを一度は追い詰めたことは認めるが、それでもお前があたくしよりも上のはずがない。
愚兄よ。それを思い知るがいい。
「あたくしが洗脳スキルを悪用したことなど一度もないわ! それなのに糾弾するだなんて、そういう兄上の方が罪人よ!」
「私が罪人だと!? 言うに事欠いてなんという!」
「だってそうでしょう? それとも、あたくしが誰かを洗脳したという証拠でもあるのかしら?」
ない。そんなものは存在しない。
スキルの有無の確認とは違って、あたくしが洗脳を悪用したという証拠などあるわけがない。
なのに――ユーヴェインは勝ち誇った顔で懐から数枚の紙を取り出した。
「ボートマン伯爵、アルゲイル侯爵、スバマ辺境伯にダナマー男爵」
紙を見ながら、ユーヴェインが貴族の名前を列挙する。
その名前は、聞き覚えがある名前ばかりだった。
「すべてお前の派閥に属する貴族だな、ナターリア」
「ええ。あたくしに協力してくださっている方々です。それがなにか?」
「フッ、調べさせてもらったよ。これらの貴族たちは、元々は私やマクシミリアンの派閥に属していた。にもかかわらず、お前に会いにいった直後に鞍替えしている。全員が急に、だ。……おかしな話だなぁ。まるで、会いに行った先でお前に洗脳されてしまったようではないか」
愚かな。あたくしは内心で毒を吐く。
たしかにその通りだ。全員、あたくしが兄たちからスキルをもって奪った貴族たち。だからなんだ? それがどうしたというのだ?
「難癖をつけられても困ります。彼らはただ、あたくしに期待して夢を見てくれただけ。急な心変わりというのも、まあ彼らも男ですからね。あたくしの美貌を直接目の当たりにして、一目惚れしたというだけでしょう」
これまでも急な鞍替えを不審がられたことはある。女の色香を使っただの、寝所に招いただの、下世話な噂を立てられたものだが、すべてはもう終わった話だ。
「兄上。今更そんな昔の話を蒸し返されても、洗脳をしたという証明にはなりませんよ」
「ぐ、ぬ、ぬ……だ、だが! レオンハルトが調べたかぎりでは、こやつらは家内でも突然人が変わったようにお前に尽くし始めたとある! 全員がだ! いくらなんでも不自然ではないか!」
「貴族とはいえ人間なのですから、そういうこともありますわ。あたくしの美貌が罪だとおっしゃられるのなら、まあ認めなくはありませんが」
「……これらの証拠を見せても、なお自分の罪を認めないのか?」
「当然です。あたくしは身も心も潔白ですもの」
ユーヴェインの侍従であるレオンハルトは優秀だが、調べたといっても一日かそこらの話だろう。核心に迫るようなところまでは踏み込めてはいまい。ただ、怪しいだけの人間を数だけ揃えたに違いない。
使い方と話術を駆使すれば、それでもある程度はあたくしに攻撃できたかもしれない。けれど、どれだけ情報を集めたとしても扱うのがユーヴェインでは意味がない。駒がどれだけ優秀でも、上に立つものが無能では意味がないのだ。
無駄。最初に追い詰められなかった時点で、すべては無駄なのよ。
本人もそれを理解したのか、心底悔しそうに手の紙を握りしめる。
「兄上? 証拠というのはそれでおしまいかしら? であれば、あたくしはさっさと部屋に帰らせていただきたいのですけれど?」
「……いや、まだだ。まだ、私には証人がいる」
「証人?」
そんなものいるはずが。
もしや、今名前をあげた貴族を捕らえて連れて来たとか?
だとしたら逆効果だ。奴らは骨の髄まであたくしの虜。たとえ拷問されても、死を責められたとしても、あたくしを裏切ることはない。逆にあたくしの身の潔白を叫んでくれるだろう。
それとも、どうにかして洗脳を解いた?
ならば洗脳されていたと自白するかもしれないが、それこそ兄上と謀略だと反論するだけだ。
どちらにせよ、誰であろうと証人にはなりえない。
「頼りたくはなかったのだが……入ってくれ」
後悔をにじませたユーヴェインの招きに応じ、再び入口の扉が開く。
さあ、果たしてどこの誰を用意したのか?
堂々たる足取りで玉座の間にやってきたのは、十かそこらの子供であった。
整られた灰色の髪。凛々しい紫色の瞳。
肌は丁寧に磨かれ、完璧の設えられた衣服を一部の隙も無く着こなしている。
「お初にお目にかかります、皇帝陛下。若輩者ですが、精一杯証人としての務めを果たさせていただきます」
なんのてらいもなく、子供は玉座の前までやってきてあいさつを述べる。
優雅に皇帝陛下に向かって一礼する様は、まさに貴種たるものの風情。ひと目では性別も判然としない愛らしい顔立ちも相まって、一度でも見ていれば決して忘れはしないだろう。
そう、ユーヴェインが証人として用意していたのは、あたくしもまったく予想していなかった人物だった。予想できるはずもない人物だった。
なぜならば。
「……………………えっ? 誰?」
洗脳したこともなければ、これまで一度たりとも見たことのない、あたくしにとって完全初見の子供だったからである。