分身スキルの最強戦術って自爆特攻じゃね?   作:sasarax

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第44話  望まぬ里帰り

 ことの発端は十日ほど前に遡る。

 

 春となり、ナリン村の一人の青年が冒険者を志して旅立ったらしい。

 

 その胸には、同じ村で生まれ育ったとある少女への恋心が渦巻いていたらしいのだが、結局、彼はその日のうちに村へと慌てて逃げ帰ってくることになった。

 

 なんでも村からゼルクトへ向かう街道の近くに、ゴブリンが巣を作っていたという。

 

 その数は最低でも十はくだらない。命からがら逃げ帰って来た彼の言葉に、ナリン村の村長は自分たちで追い払う選択肢を諦めた。

 

 一体や二体ならなんとかなっても、十体という数は戦闘経験のない村人にはあまりにも危険な数だ。

 

 ナリン村の村長はゼルクトの冒険者ギルドにクエストを依頼し、それが俺とセリカのパーティーに回って来た。

 

「まさかこんな形で里帰りすることになるなんてね」

 

 ナリン村への道中、セリカはそうこぼす。

 

「あたしがいるから『冒険王』にこのクエストが回されたんだろうけど」

 

「やっぱり心配か?」

 

「そりゃあね。お母さんもお父さんも弟も、あの村にいるから」

 

 ゴブリンの巣はナリン村から半日ほどの場所にあるという。そこにあった洞窟を住処としているらしい。

 

 これがゴブリンの厄介なところだ。

 

 単体としてはアイアンクラス、下手をしたらホワイトクラスでも倒せるレベルでしかないが、ゴブリンは仲間同士群れて行動する。

 

 加えて、冒険者が落とした武器で武装までする。手入れとは無縁のため、錆びて汚れた剣は、そのまま毒を孕んだ刃と化す。解毒手段がない状態で攻撃をもらってしまえば、治癒魔法がなければ生き残れないダメージを負うことになるだろう。

 

 決して油断してはいけない難敵であり、本来はブロンズランクが対応するモンスターの評価を受けていた。

 

 俺とセリカは街でできるかぎりの対ゴブリン対策をしてきた。

 

 まずは防具。俺はいつもの金属鎧だが、セリカも腕と足を金属鎧にし、それ以外の部分も布を増やして、肌を極力みせないよう工夫している。

 

 さらに、俺が持っていた回復ポーション二本に加え、解毒ポーションを一本ずつパーティーの積み立てより購入した。俺とセリカで一組ずつ持って、いざというときは使う算段だ。

 

 これで今までの貯金のほとんどがなくなってしまった。しかし本来は俺たちが受けるよりも上のクエスト。慎重になりすぎて悪いということはない。

 

 巣になっている場所は、セリカが大体の地形を把握していた。

 

 三日間、街路を歩いてナリン村に到着。

 村長宅を訪ね、詳しい話を聞くことになった。

 

「セリカ。ゴブリン退治のクエストを受けたのはお前なのか?」

 

 村長は訪ねてきた俺とセリカを見て、当たり前だが驚きの表情を見せた。

 

 セリカはそれには答えず、無言で立ったままだった。逆に俺は一歩前に出て、アイアンランクの認識票と、ギルドより預かっているクエスト用紙を見せる。

 

「ギルドより派遣されてきた、アイアンランクの冒険者パーティー、『冒険王』です。俺はリーダーのツヴァイ。こちらは同じパーティーのセリカ。クエストの詳細をうかがわせてください」

 

「ん? そっちがリーダーなのか? セリカではなく?」

 

「ええ、俺がリーダーです」

 

「んん? いや、あー」

 

 村長はしばし混乱するように考えたあと、真剣な顔になってくれた。

 

「わかりました。つい十日ほど前のことなのですが」

 

 クエスト用紙にも書かれていた、ゴブリンたちの詳細を教えてもらう。

 

 依頼から数日が経過しているが、内容に変更点はなかった。

 

「今も村の男衆に遠巻きから交代で監視させているのですが、どうもゴブリンどもは洞窟から出てこないようで。入口には見張りで二体ほどのゴブリンがいつもおり、中をうかがうこともできず」

 

「なるほど。じゃあ、正確な数はわからないってことですね」

 

「ええはい。十体以上いるのは間違いないようですが。……討伐できますか?」

 

 正直いって、かなりの難易度だ。

 

「セリカ。その洞窟の広さと奥行きは知ってるか?」

 

「広さは大人が二人横に並べられるくらいです。正確な奥行きはわかりませんが、そこまで深くはなかったはず。そうよね? 村長」

 

「ん? ああ、そうだな。子供が肝試しに行っても、帰ってこられるくらいだ」

 

 村長の手前、俺を立てる口調でセリカが述べる。

 

 セリカの確認に、村長も首を縦に振った。

 

「洞窟に他の出口は?」

 

「ありません」

 

「じゃあ、行けるかな」

 

 何体いるかわからない洞窟に、俺とセリカだけで足を踏み入れるのは危険すぎる。罠があるかもしれないしな。

 

 けど一方しか出口がないなら、やりようはある。ゴブリンが洞窟を住処にすることはままあることらしく、その際の対処法も予習済みだった。対策のための道具も揃えてきてある。

 

「入口で火を燃やして煙であぶりだす。で、慌てて出てきたところを確固撃破していく。これならたぶん、俺たち二人でも行けるはずだ」

 

「そうね。混乱してる状態なら、数の有利も取られないだろうし」

 

 洞窟のことを知るセリカも反対はないようだった。

 

「じゃあ、仕掛けるのは明日の朝一にしよう。ゴブリンは夜行性だから、日が出てからの方がいい」

 

「そういうことでしたら、今夜はうちに泊まっていってください。ああいや、セリカの家の方がいいですかな?」

 

 俺たちをちゃんと冒険者として受け入れることを決めたのだろう。村長がそう提案してくる。

 

 セリカに視線をやる。彼女は首を横に振った。

 

「家族にはゴブリン退治が終わったあとに会うわ」

 

「そっか。じゃあ、村長さん。すみませんが、一晩厄介になります」

 

「わかりました。他になにか協力できることがあったら言ってください」

 

 さらに軽く打ち合わせしたあと、村長に客間へ案内される。ひとつの部屋に大き目の寝台がある簡素な部屋だった。

 

「こちらの部屋を使ってください。ベッドはひとつしかありませんが、あとで毛布と一緒にもう一個運ばせますんで」

 

「お願いし――」

 

「いいえ、結構です」

 

 俺の言葉をセリカが遮る。えっ?

 

「ベッドはひとつあれば問題ありません。あたしたちはそういう関係なので」

 

「ちょっ」

 

 なにを言い出すんだと口を開こうとするが、セリカに手で塞がれ、こっそり目配せされる。部屋の出口の方を見ろ? 

 

 そちらを見ると、二十歳手前くらいの青年の姿があった。村長の家族かな?

 

「いつも同じ部屋で寝泊まりしているので。ねえ、そうでしょ? ツヴァイ」

 

 セリカが俺にしなだれかかってくる。

 それを見て、青年がショックを受けた顔をした。

 

 そういえば、セリカは村長の息子と結婚させられそうになってたとか言ってたな。つまり彼がその相手ということか。

 

 部屋を分けると、たしかに面倒なことになりそうだった。

 

「……まあ、はい。そういう感じなので」

 

「そうか」

 

 村長はなんとも言えない表情になると、

 

「セリカの祖父のことはよく知ってるが、あの人と同じように、この村はセリカには狭すぎたということかな」

 

「黙って村を出ていったのは申し訳ないと思っていますが、あたしはもうツヴァイなしでは生きていけない身体なので。それはもう、毎夜毎夜あられもない姿を見られまくってるわ」

 

 おいこら、調子にのるな。最近は入浴姿を俺は見てないぞ。

 

「う~ん、街はやっぱり進んでるんだなぁ」

 

 よくわからない納得をする村長の背後で、彼の息子が頭をおさえながら、ふらりふらりと立ち去っていく。

 

 セリカも罪作りな女だな。一人、特に罪もない青年の脳が破壊されてしまった。

 

 なお、一人だけではなかった模様。

 

「セリカが帰ってきたんだって!?」

 

「しかも彼氏を連れて!?」

 

「……彼氏?」

 

「僕はいいと思う」

 

「けど、見たことない雌の顔してる」

 

「うぅ、俺たちのセリカちゃんが」

 

「あ、頭が……おかしくなっちまうよ」

 

 そこから夕食までの間に、次から次へと村長宅に村の少年青年がやってきては、俺に恋人のようにくっついたセリカを見て脳破壊されていた。

 

 いやマジで村のアイドルだったんだな、セリカ。

 

 セリカは村のあちこちに転がる哀れな屍たちを見下ろすと、俺に無邪気な微笑みを向けてくる。

 

「あたしの人気ぶりにちょっとは嫉妬してくれた?」

 

「優越感にはちょっと浸れました」

 

 でも同じ男としては、もう少し手加減してあげて欲しかったですよ。

 

 あとあそこにいる赤髪のおじさまって、もしかしてセリカのお父さんじゃない? なんかワナワナと震えてるんだけど。放置していいの? 両親へのあいさつは全部終わったあとで? 実は外堀を埋めにかかってない?

 

 ナリン村の健全な青少年たちの性癖が、今回の件で変に歪まないことを祈るばかりである。

 

 

 

 

 

 気を取り直し、早朝。

 

 しっかりとした睡眠をとり、俺とセリカは準備を整えて洞窟を目指す。

 

 煙を起こすための木の枝や火種は、ナリン村の村長が用意してくれた。

 

 件の洞窟は小さな山の麓、森というには緑の足りない、小さな林の奥にあった。

 

 木の陰に隠れつつ観察する。

 

 洞窟の入口には、情報どおりゴブリンが二体見張りに立っている。しかし朝の光に照らされてか、眠そうに地面に座り込んでいた。

 

 できれば洞窟の奥の仲間に気づかれないように始末したいな。

 

「セリカ。一体こちらにおびき寄せたい。洞窟から離れたところで始末を頼めるか?」

 

「わかったわ」

 

 セリカが俺の隠れる木から離れ、地面に落ちている枝をわざと踏んで音を立てる。

 

 それに気づいたゴブリンたちがなにやらよくわからない声をあげ、相談を始めたかと思うと、一体が持ち場を離れてセリカの方へ向かう。

 

 そのままセリカは奥へ奥へとゴブリンをおびき寄せていく。

 

 その姿見えなくなったところで、もう一体のゴブリンを始末しておくことにした。

 

「分身の術」

 

 剣を手に持った状態でスキルを使い、ゴブリンの背後に分身を出すと、片手で口をふさぎ、剣で喉を一突きする。

 

 見張りのゴブリンは声ひとつあげられず、そのまま絶命した。

 

 俺は素早く入口まで近付くと、入口の足元に金属製の杭を使ってロープをピンと張っておく。気づかずに入口から出ようとすると、そのまま転んでしまう罠だ。そのあと、持ってきていた枝を洞窟の入り口に置き、火種を使って火を起こす。

 

「ついでだ。煙にあわせて洞窟の奥に行って、できるだけ始末しておいてくれ」

 

「了解。途中で自爆するわ」

 

 セリカが戻ってこないうちに、分身を洞窟へと向かわせる。

 

 さすがに俺一人でゴブリン全部を始末することは難しいだろうが、ある程度でも減らしておいてくれればこちらの危険度が減る。通常威力で自爆魔法を使えばゴブリンを一網打尽にできるが、その場合、洞窟も吹き飛ばして逆に危ないかもしれない。さすがにそこまでの微調整は俺もまだできなかった。

 

 火が燃えていき、煙を上手いこと洞窟内に向かわせようとしたところで、林の奥からセリカが戻って来た。

 

「おかえり。首尾は?」

 

「問題なし。きちんと始末してきたわ」

 

 血に塗れた剣を見せる。

 

「傷は?」

 

「大丈夫。無傷よ。そっちも上手いことやったみたいね」

 

 セリカが入口の横の茂みに倒れたゴブリンを見て、そう言った。

 

「なんとかな。今煙を出したところだ。セリカも身構えていてくれ」

 

「わかったわ」

 

 俺とセリカはそれぞれ洞窟から少し離れた場所で、武器を構えて待ち構える。

 

 やがてもうもうと煙が立ち込めてきたところで、中に入った分身の記憶が俺に戻ってくる。

 

 ゴブリンの数は全部で十三体。洞窟の奥で固まって、なにかの肉をかじっていた。

 そのうち五体は分身の俺が中で倒した。最後のごく小規模の自爆で、最低でも一体、上手くいっていれば二体倒せたか怪我を負わせられたようだ。

 

 残りは多くて七体。十分、二人でやれる。

 

 警戒する中、洞窟の奥から小さくも騒がしい足跡が聞こえてきた。

 

 煙に巻かれたゴブリンたちが逃げてきた。足元のロープには気づかず。

 

「セリカ!」

 

「はい!」

 

 次々に足を取られて転倒するゴブリンに、俺とセリカは躍りかかり、次々に首を狩り取っていく。

 

 一体、二体、三体!

 

「これで四体よ!」

 

「五体! あと最低でも二体だ!」

 

 俺の言葉に、転倒しなかった一体のゴブリンが毒の短剣を手に襲い掛かって来た。

 

 すかさず俺はセリカの前に出て、持っていた盾で攻撃を弾く。

 

 さらに踏み込み、盾でゴブリンを横殴りにする。

 

「セリカ!」

 

「はぁあああ――ッ!」

 

 体勢を崩したゴブリンをセリカが袈裟懸けに斬り伏せ、さらに返す刃で首を断ち切る。

 

「これで六体!」

 

「七体目は……」

 

 いなかった。

 

「これで全部? 十体以上じゃなかったかしら?」

 

「逃げ遅れたゴブリンがいるんだろうな」

 

 待てど洞窟から現れるゴブリンはいない。おそらく、分身の最後の一撃で倒したか怪我をさせ、洞窟内に取り残されているのだろう。

 

 しばらく警戒しつつ、火を焚き続ける。

 

 中にゴブリンが潜んでいても、すでに煙に巻かれて死んでいるだろう。

 

 煙がおさまったところで、確認はしに行かなければならないが。

 

「ゴブリン退治、完了かな」

 

「ふぅ」

 

 セリカが警戒を僅かに緩め、お互いに無傷でいることを確かめる。

 

「ゴブリン。色々と準備した割に案外大したことなかったわね」

 

「まあ、知能がそこまであるわけじゃないからな」

 

 群れる習性こそあるし、毒となった刃も使うが、複雑な防具を身に着けたりするほどの知能はないのがゴブリンだ。あらかじめ倒し方がわかっており、油断しなければこんなものだ。

 

 最初は頭を勝ち割られそうになったゴブリンだが、今となっては御覧の通り。

 

「俺たち、最初に比べれば強くなったんだなぁ」

 

「そうね。特にツヴァイはね」

 

「成長期だからな」

 

 身長が伸び、セリカの顔も半年前に比べればやや近づいた気がする。

 

 このまま筋肉がついていけば、もっと強い武器も防具も扱えるようになる。そうすれば、ゴブリン程度なら正面から叩き伏せられるようになるだろう。

 

 セリカも同じだ。戦うごとに剣の鋭さも身のこなしも上がっている。

 

 筋肉と魔力による身体強化。どちらもお互いに、ぐんぐんと上がっている。

 

 どちらからともなく笑みを浮かべ、俺たちは拳を握り、こつんとぶつける。

 

 いつしかやるようになった、クエスト達成の合図だった。

 

 焚火の火を松明に移し、残り火を消して、煙が収まるのを待ってから洞窟内に足を踏み入れる。

 

 途中で一体、足を怪我をしたゴブリンが窒息死しているのを確認する。これで間違いなく全部だ。

 

 一応、それを知らないセリカが洞窟の奥を確認し、そこで死んでいるゴブリンたちを見て眉をひそめる。

 

「喧嘩して殺し合いでもしてたのかしら?」

 

「この感じはそうかもな」

 

「んー」

 

 死んでいるうちの一体が、爆散して壁のしみになっているのを見て、セリカが納得していない顔をする。

 

 彼女は俺をちらりと見る。

 

「大丈夫だ。ちゃんと全部のゴブリンが死んだのを確認したよ」

 

「ツヴァイがそういうなら大丈夫ね」

 

 疑いはありつつも、俺の言葉でセリカは納得してくれた。

 

 ……やっぱり隠し通すのは無理があるよな。

 

 どこかで分身スキルのことは話すべきだろう。後々を考えれば、分身スキルのことを知りつつも黙っていてくれる仲間は必要だ。スキルかなにかを使われてばれたときは、もうしょうがないと思うしかない。

 

 セリカにばらしておけば、彼女の目の前で自爆魔法も使えるようになるし。

 

 常日頃のクエストもだいぶ楽になるだろう。

 

「でも不思議ね」

 

「なにが?」

 

 洞窟を出る道の途中で、セリカがそう疑問を口にする。

 

「このあたりって、別に絶滅領域に接してるわけでもないし、どこからゴブリンが住み着いたんだろうと思って」

 

「そういえば、そうだな」

 

 絶滅領域の近くでモンスターが大量に現れるような場所には、ゼルクトの街のような都市があり、モンスターの人類領域への侵入を可能なかぎり防いでいる。

 

 もちろん、数体の漏らしは発生するし、そういったモンスターが大陸の奥深くで見つかることもよくある。同じモンスターがその過程で集まっていき、ゴブリンなどは集団化するという話も聞く。

 

 だが絶滅領域からそこまで離れていないこのあたりで、集団化するというのは、近いからこそなかなか考えにくい。

 

 他になにか原因がある? 今の状況だと、ゼルクトの森に現れたネームドモンスターがなにか関わっているのだろうか?

 

「ギルドに戻ったら、レミさんに報告して詳しく調べてもらった方がいいかもな」

 

「そうね。偶然で済んだらそれでいいし」

 

 そんなことを話しつつ、洞窟を出る。

 

 

 ――洞窟の前に、得体の知れないモンスターが立っていた。

 

 

 顔はゴブリンによく似ている。だが身体が二メートルを超す巨躯であり、なおかつ黒いローブを身にまとっていた。

 

 頭にはとんがり帽子。手には、大きな杖。

 

「ギラル アグガ ダラム」

 

 その謎のモンスターは口から詠唱をつむぎ、杖を俺たちに向けた。

 

「っ! セリカ、危ない!」

 

「きゃっ!」

 

 詠唱が完成する直前の、魔力が迸った段階で、俺はセリカを思い切り横へと突き飛ばした。

 

 直後――地面が揺れ、盛り上がった土が泥の津波となって、俺の身体を洞窟の奥へと押し流す。

 

「ツヴァイ!」

 

「ま、ず」

 

 セリカの叫び声が響く中、俺が最後に目にしたのは、衝撃によって崩落する洞窟の天井だった。

 

 




お待たせしました。
ここから区切りのいいところまでは毎日更新できそうです。
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